能力計測
絶賛落ち込み中の北海道をよそに周りはざわつき始めていた。
「信じられるわけねーだろ!!異世界だぁ?ふざけたこと言ってるんじゃねぇよ!!」
そう叫んだのは腕っ節が強そうに見える古田だ。
下の名前はしらない。
いつもうるさい陽キャグループの一人だ。
僕達は目覚めたらここにいたのだ。
石造りの広い西洋ファンタジーのような空間に。
「あなた達は選ばれた勇者なのです」
「どうやって信じればいいんだよ!!」
なにを言われてもものすごい剣幕で巨乳ちゃんに怒鳴る古田。
巨乳ちゃんは疲れたような顔をして。
「ここに我が力の体現を”照明”」
その瞬間薄暗かった空間に光が溢れた。
巨乳ちゃんの目の前に現れた手のひらくらいの光の玉が、石造りの部屋を照らした。
明らかに魔法であった。
それ以外にどうやって説明すればいい。
絶賛落ち込み中の北海道をよそに周りはざわつき始めていた。
「信じられるわけねーだろ!!異世界だぁ?ふざけたこと言ってるんじゃねぇよ!!」
そう叫んだのは腕っ節が強そうに見える古田だ。
下の名前はしらない。
いつもうるさい陽キャグループの一人だ。
僕達は目覚めたらここにいた。
石造りの広い西洋ファンタジーのような空間に。
「あなた達は選ばれた勇者なのです」
「どうやって信じればいいんだよ!!」
なにを言われてもものすごい剣幕で巨乳ちゃんに怒鳴る古田。
巨乳ちゃんは疲れたような顔をして。
「ここに我が力の体現を”照明”」
その瞬間薄暗かった空間に光が溢れた。
巨乳ちゃんの目の前に現れた手のひらくらいの光の玉が、石造りの部屋を照らした。
明らかに魔法であった。
それ以外にどうやって説明すればいい。
「い、今のなに.......?」
「うわぁ、きれい」
「本当に異世界じゃん!」
「俺最強目指すわ」
「いや、お前むりだろ...」
さっきまでの緊迫していた空気が、嘘のようだった。
何人か中には泣き出すやつもいたが大半楽しんでいる気がする。
こいつら楽観的すぎる。
命が懸かってるんだぞ。命が。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
「この水晶はみなさま勇者の能力を測定するものです」
部屋に水晶のようなものが運び込まれ、巨乳ちゃんが説明し始めた。
この世には職業というものが存在する。
職業によって取得できる能力が違うそうだ。
職業を変えることもできないこともないのだが、ものすごい努力と才能がないと無理なのだとか。
そして、勇者の大半は戦闘系の職業を得る。
水晶は僕達の職業を調べるものだ。
巨乳ちゃんが説明を終えると水晶の前に並ぶように指示する。
「....チ....ト....ほ..し....」
「武田氏ぃ・・・僕達最強にぃ・・・なれるかなぁ・・・」
おい北海道巻き込まれ召喚だろ。あきらめろ。
しかし僕もこの状況には心が踊る。
自分がどんな能力を得るか楽しみだ。
計測は並んだ順に行われた。
みんな魔法を見たからなのか素直に従っている。
そしてあんなに文句を言いながら最初に並んでいたのが古田。
古田が水晶に手をかざすと水晶が赤く光る。
皆が驚いたように声を上げた。
「彼の職業は「剣闘王」です。剣闘士でもめずらしいのに!」
おお!剣闘王だと。
とてもかっこいい。なんか興奮してきたぞ。
次々にみんなが水晶に手をかざしていく。
「上級剣士」「魔道士」「治癒師」「鍛冶師」
人によって水晶の色が変わり、喜んだり悲しんだりそれぞれの反応をしている。
聞いたことがあるような単語がたくさん聞こえてくる中、一際目立ったのが「勇者」だ。
あれ...北海道以外は全員「勇者」だろ?
だが職業にも「勇者」というものがあるらしい。
伝説の職業だと!!??
「ま、まさか!!伝説の職業「勇者」が出るなんて!」
「そうか......俺にあんま驚きはないが.......」
巨乳ちゃんがものすごく驚いている。
驚きに目を見開いた巨乳ちゃんにクールに答えたのが神楽澪夜。
イケメンでスポーツ万能のバスケ部でおまけに頭まで悪くない。
取り巻きの女子たちのキラキラした目を全く気にした様子もない。
くそ!!なんか悔しいぞ!!
「すげぇな澪夜!俺も負けられねぇな」
「俺は何もしていないさ。だがお前なら同じようなものになれるだろ?」
澪夜とイケメンオーラを出しながら喋るのは出雲大地。
頭は良くないが一年ながらサッカー部エースのイケメンだ。
その出雲が水晶に触れる。
「こ、これは!また伝説の「精霊術師」!!!」
「お?俺もすげぇのか。まぁ当然ってことよ!」
まさかの二回目の伝説の職業だ。
やはりスクールカーストって大事なのかもしれない。
緊張してきた。僕が良い職業を得るなんてないかもしれない。
すこし弱気になってしまう。
「綾野氏ぃ・・・もしかしてぇ・・・・次ぃ僕ぅ??」
「北海道!!あいつらの次なのかよ!
と言っても俺も北海道の後ろだ。
必然的に次の次は僕の番だ。
緊張して順番を気にしていなかったみたいだ。
覚悟を決めなければいけない。
「北海道先輩行って来い!」