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友情はBLではない!  作者: 神野原 美伽
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第1話 転生

キミさぁ、もう99回目だよ?転生。

この短期間にこれだけの転生ってどうかと思うよ?


「あ、あの。何をおっしゃって・・・。というか

 ここどこです?」


あー。キミね、また死んじゃったのよ。

もうヤレヤレだよ。んで、次は何に転生するの?


「と、言いますと?」


もうさ、説明するのメンドクサイからさ、特別に

記憶持ったまま転生させるよ。今後も。


「は、はぁ。」


んじゃ説明。俺はキミの魂担当ね。あ、神じゃないから。

まずね、君の最初はイワシね。んで、カエル。その次に

カブトムシ。んでスズメ、ツバメ。そして・・・・・・・

・・・・・・・んで89回目に人間。まぁしかし

何だろう。運命?君ずっと男。ワザと?


「い、いや。俺に聞かれても」


キミの短命さが少し議題に上がっちゃってさ。

もうこの際、選ばせたら?世界。って事になって。

でもできれば女性がいいなぁ、とか。

きみさ、ラノベとか、ゲームとかよくやってたね今回。

異世界好き?


「あ、はい!大好きです」


お、元気いいね。じゃあ異世界ファンタジーって

どうかな?剣と魔法とか。


「いいですね!」


女性でいいです?


「それはちょっと」


なんで!


「な、なんとなくです」


はぁ・・・。ちょっと待って。聞いてみる。

・・・・・。

あー。今回まで男でいいけど、次回は絶対

女性になってね、って事です。


「だ、だれと話したんですか!」


神様に決まってるじゃないか。んじゃさ、

慣れるために《《ちょっと》》『綺麗で可愛い』めにしていい?

ちょっとだけだから。ほら、慣れてもらわないと。


「は、はぁ。まぁ確かに慣れは必要ですしね」


次は、剣と魔法だったらどっちがいい?


「剣で!あー。両方?」


次は絶対女性だからね?それ約束してくれたら

特別に両方凄くしてあげるけど?


「わ、わかりました。約束します」


いいねいいね。なにか質問ある?


「異世界無双ってできます?」


やっぱ男の子だねぇ。出来るよ。というか

させてあげる。その代わり次は女性だからね?


「その、なんだろう。

 次の事ばっかり言わないでください。

 今まで短命だったんですよね?次は長く

 生きたいんですが」


そりゃ、もちろんだよ、長く生きてもらわないと。

もう次、短命だったら俺、懲罰委員会だから。

まじでよ?

もうついでだから。ちょっとお金持ちに

生まれてもらおうかな。王子ってどう?


「いやいや、勘弁してください。柄じゃないです。

 ってか、ちょっとお金持ちが何で王子なんですか。

 さっきから『ちょっと』の基準が変ですよ?」


もう。わがままだなぁ。貴族とかも反対しそうだし。

んじゃ《《ちょっと大きめの商会》》の子供でどう?


「あ、それくらいがいいです。出生で

 目立ちたくないし。本当にちょっと?」


順風満帆がいい?


「あー。ちょっと《《波乱》》があって、それで

 俺の剣とか魔法が活かせるとか?てへへ?」


そっかそっか。メモメモっと。

何か質問ない?


「今の記憶、引き継げるんですよね?俺結構

 『やんちゃ』だった気がするんですが」


あー。だったねぇ。でも結構勉強も出来てたし。

いいんじゃないの?

最後の男なんだからさ。思い存分、謳歌してよ。


「最後?なんで?次だけじゃ?」


いやいや、いいかい?性別は平均にならないと

ダメなのよ。


「じゃあ、この後100回女性じゃないですか!」


そうとも言うね。


「わ、わかりました。最後の男子です。

 謳歌します」


よし!じゃあ決まりね。

キミは今から生まれ変わる。もうさ、老衰まで

行ってよ。まじで。



『そして俺は男子として《《ほぼ》》最後の転生をする』



「お館様!お生まれになりました!男の子です!

 奥方様も無事です!」

メイドと執事が大喜びで叫ぶ。

「おおお!ついに後継ぎが生まれたか!」と

お館様と呼ばれた男が部屋に入ってくる。


「抱いてあげてください、貴方。」と奥方様と

呼ばれた女性が微笑みながら言う。


「どれどれ」とお館様と呼ばれた男は抱き上げる。


『俺を!』

まじか!もう意識あるのか!うゎ、なんか

すっごく喜んでくれてる。いいな、こういうの。


「な、なんかすごく。可愛ゆくないか?」と父上。

「そりゃそうですよ。赤ちゃんだし」と母上。

「だ、だな。ほ、本当に男の子だよな?」と父上は

俺の股間をそっと見た。そして


「あった!」と!


「よかった!」と俺も言うが多分「おぎゃー」だ。


「名前決めないとな」と父上。

「貴方が決めてくださいまし」と母上。


「実はな!もう決めていたんだよ!名前!

 《《アスティ》》だ!お前は今からアスティだ!」と父上。


「お、なんかかっこいい名前だ!」と、おぎゃーと言う俺。


「よし!これから冒険と剣!そして魔法の世界が俺を

 待っている!」



・・・・と、生まれた時は思っていたんです。本当に。

今日は俺の15歳の誕生日である。


「今日は《《俺》》の為にこんなに豪華な誕生日の祝いを

 してくれて、父上、母上。そしていつも優しい姉さん達。

 本当にありがとう!」と俺は喜び、そして頭を下げる。


「いやぁね、アスティちゃん。『俺』なんて。

 そんな怖い言い方しないで?」と微笑む母上。

「そうよ、アスティは《《美人》》なんだからさ。

 言い方気を付けた方がいいわよ?」と笑いながら

乾杯をする姉達2人。


「いやいや!美人って!俺、男だし!なぁ父上!

 父上からも言ってくださいよ!」と父に振る俺。


「まぁあれだ。美人って《《美しい人》》って意味だから《《さ》》。

 い、いいんじゃないか?」と目をさらす父上。


「その『さ』ってなんですか!生まれた時に

 喜んでくれたじゃないですか!俺の股間見て!」


「ぶ。覚えてるのか!さすがアスティだな!」と

なぜか喜ぶ父親。が、目を斜め横下に振る。


「もう、毎年恒例になってますよね?

 この、なんていうか。流れ?ネタ?」


「そうだな!流れだな!じゃあ今までの

 写真でも見るか!これも流れだ!」と全員が言う。


そして俺の写真を肴に食事がすすむ。



次回 第2話 俺の黒歴史


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