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その魔法少女は物理系  作者: 須美音
第一部
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フェス武部門の本戦五日目、トウコ対シエラの試合が開始された。

今までトウコは魔法タイプの相手とは、まともに戦ったことが無かったので苦戦を強いられていた。


シエラはウキョウ国代表ナンバーツーだけあって相当強い。

そのシエラより強いオリビアはどれほどのものかとポン太に確認すると相性の問題だと言う。

トウコは物理タイプの相手に対しては無類の強さを発揮するが、魔法タイプとの戦いにおいて相性は良く無かった。

流石に先程の重力魔法は(けい)で防ぎきれるものではない上に、まだトウコの知らない魔法が存在する可能性が高い。


しかし、トウコの顔にはまだ余裕が伺える。

その理由は防御不可魔法でも、かわす事は可能、攻撃ではまだ(けい)を使っていない事。

そしてサポートキャラであるポン太の魔法で全ての魔法を無効化するマジックレジストが使えるから。


そうこうしているうちにシエラが動き出した。


「では、そろそろ本気でいきますよ。すぐ終わらないで下さいねっ!」


「おう。お前の本気を見せてみろ!」



………


……




スターワールドフェスが閉幕してから二週間程度が経過した。


ミリア邸。


トウコは毎日、(けい)の鍛錬に明け暮れている。

そんな(おり)、例によってスターギルドからミリアの屋敷に人が訪ねて来た。

今回はスターギルド、トネシン支部の支部長ローズも同行。

目的はトウコへの指名依頼。


「断る!」


トウコは内容を聞かずに断った。

以前なら報酬次第で引き受けていたが、今はフェスの賞金と更に思いがけない収入があった為、金銭面では全く困ってはいない。

しかし、この依頼は国からの依頼と言う事でローズは必死に食い下がると、その熱意に負けトウコは話を聞く事にした。


依頼内容はウキョウ国、レーニア姫様の護衛任務。


「これまたツッコミ所満載な依頼だな…」


トウコが理由を尋ねる前にローズが言いたい事は分かりますと、先に要点を述べた。



「なるほどな…オリビアの指名って事は他の者では頼りにならんっつー糞面倒な案件か」


トウコはフェスの最中、グルーム絡みでオリビア達の窮地を何度か救っている。

今回は姫様の護衛任務なのでグルームとは繋がりにくい。

トウコが理由を考えているとローズがウルウルとした表情で懇願(こんがん)するようにトウコを見つめている。

トウコはため息をつきながら依頼を了承するとローズの表情は笑顔になった。

返答をする為、ローズ達は急いでギルドへと戻っていってしまった。


数日後。


ローズと見知らぬ女性がミリアの屋敷に訪れた。

その女性はウキョウ国の、お迎えの使者。

女性は部屋に居る者達を見渡すとミリアの前で立ち止まった。


「トウコ様、お迎えに上がりました」


ミリアは自分の名前を名乗ると、女性はツバキの前に行き同じセリフを言った。

ツバキもまた自分の名を名乗ると、今度はたまたま来ていたエリーザに同じセリフを言った。

エリーザも自分の名を名乗ると、女性はキョロキョロと辺りを見渡した。


「いや、お前ちょっと待て! ここに魔法少女は四人しかいないのに、何で俺を無視して他を探そうとしてんだよっ!」


「トウコ様は美少女だと、オリビア様に伺っておりましたので」


トウコは怒りを抑えながらも自分がトウコだと名乗ると女性は目を合わせる事無く、軽く返事をするのみだった。


「こいつ絶対失礼な奴だっ!」


「貴様は自分が美少女だと本気で思っておったのか?」


「お前は勝手にしゃべんなっつってんだろっ!!」


トウコの怒りを他所(よそ)に女性は外に出て、ウキョウ国にテレポートする為、トウコを呼んだ。

トウコはポン太と言い争いをしながらも外に出ると、既に展開されていたテレポートに入りウキョウ国へ移動したのだった。


ウキョウ国は世界の中心の国。

人口も非常に多く建物様式などカイドウ国とは全く異なる発展を遂げている。


何となく気まずい雰囲気の中、馬車で暫く移動すると城に到着。

トウコは案内されるまま部屋に通されると、落ち着かない様子で椅子に座った。

暫くするとオリビアと高貴さを漂わせる女性が部屋に入って来た。

オリビアから依頼を引き受けたお礼を言われると、高貴な女性もまたトウコに近づき、自己紹介とお礼を述べた。

高貴な女性の名はレーニア。ウキョウ国のお姫様で魔法少女。


依頼内容の姫様護衛任務は、魔王の調査。


トウコは驚き、オリビアに再確認するも、冗談ではなく本気との事だった。

その調査に姫様が同行すると言い出したので、オリビアと同等の強さを持つトウコに白羽の矢が立った。


トウコは以前、魔物であるサイクロプスのルミラに敗北をしている。

その魔物より確実に強いと思われる魔王など冗談じゃないとトウコが断ると、これはあくまでも調査で戦う意思は無いとオリビアはトウコを説得。


実は何十年も前から桁違いの魔力が度々観測されていて、それが何時しか魔王の仕業だと恐れられてきた。

この世界では稀に魔力持ちの魔物が存在するものの、基本上位の魔物や魔族は魔法ではなく(けい)を使う。

魔力と言う事はつまり魔法を使う、魔法を使うと言う事は(けい)は使えない。

魔力の高さは気になるものの、魔法ならばオリビアが何とかしてくれるとトウコは考え調査を了承。


目的の場所は城からは非常に遠いが、付近の街までテレポートで移動し、そこからエアボートで数時間との事。

話はまとまり明日の朝一番で出発する運びとなった。


次の日の早朝。


メンバーはシエラとシャノを加え五人。

早速テレポートで付近の街まで移動後、シエラは魔法でエアボートを出現させた。

トウコはこの世界に来て間もなくの頃、魔法使いからボックスと言う道具を貰っているが、それと同じような効果の魔法との事。

道中はレーニア姫からトウコ自身の事やフェスでの試合について質問攻めにあいながらも目的地付近に到着。

到着した場所は街から遠く離れた人気が一切ない草木が生い茂る山の中。


シエラの魔法で魔力発生源を探知しながら、その方向へ警戒しながら歩いていると、こぢんまりとした建物を発見。

こんな人気が無い山奥にと一同は不思議に思うも、どうやらその建物から魔力が発生しているとシエラは言う。

意を決して建物の前まで行くと、中から少女が姿を現した。


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