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その魔法少女は物理系  作者: 須美音
第一部
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スターワールドフェスに出る為ヘレロビの街のフェス運営本部に来たトウコ一行。

トウコは大会出場者と対戦する資格があるかテストする事となった。

そのテストの相手はルバモリウ街で会ったヌエットだった。


「じゃあモブキャラさん、裏の広場に来てください。土下座覚悟で挑んで下さいね~私に勝てたら大会出場者と…」


歩きながら話をしていたヌエットは目の前にトウコがいる事に気づき言葉が止まった。


「ほほう、お前が俺に土下座をさせると?」


トウコはヌエットの態度に怒りが込み上げている。


ヌエットはトウコの強さを知っている。

過去に何度か痛い目にも合わされているのでトウコを相当恐れている。


「も、も、モブキャラ何処に、い、居るのかなー。う、運営さん! も、モブキャラ何て何処にも居ないじゃないですか!」


ヌエットはトウコと目を合わせないように、震えながら周りをキョロキョロと見て誤魔化している。


「何言ってるのヌエットさん。目の前に居るでしょ、小さいモブキャラが。あっ、ひょっとして小さすぎて見えないのかしら?」


運営は軽く笑いながらトウコを(あお)るような言葉を連発している。


「ちょ、ちょっと何言ってるんですか運営さん!! ど、何処にもモブキャラ何ていませんよ!!」


ヌエットはトウコの怒りを買わないよう必死に運営の言葉を否定している。


「い、いや、ち、違うんですよトウコさん、あ、あの人ちょっと頭がアレで…」


更にヌエットは言い訳をするもトウコに睨まれると身の危険を感じ運営の元へ駆け寄り泣き付いた。

そして、トウコの強さやヤバさを必死に説明して戦いを辞退した。


「ん-、でも私は実際にトウコさんの強さを確認していないですし、他に戦える子も居ないし、それにこれも仕事ですよ。良いのですか?仕事を放棄しても」


ヌエットはルバモリウと言う街のスターギルドの依頼で魔法少女を派遣してもらう為、交換条件として嫌々フェスの手伝いをしていた。

ここで仕事を断るとマイナス査定され、派遣される人数を減らされる可能性があるので、ヌエットは従うしかなかった。


「うぅ…私じゃ絶対に勝てないのに……言っときますけど大会出場者でもあの人には勝てませんからねっ!!」


ヌエットは運営に捨て台詞を吐いてから、覚悟を決め再びトウコに近寄った。


「で、では…裏の広場に…」


「必要無い。お前まさか俺とまともな戦いが出来ると思ってるんじゃないだろうな? 安心しろ、一秒で再起不能にしてやる」


トウコの容赦の無い言葉を聞きヌエットは覚悟を決め、ある行動に出た。


「も、申し訳ありませんでしたーっ」


ヌエットは再起不能にされるより、土下座頭踏みを選んだ。

トウコの前では皆恐怖で土下座を選ぶとのだと痛感したヌエットだった。


「おい、運営ねーちゃん。もういいだろ」


ヌエットを他所(よそ)にトウコは運営に現状を判断させた。

運営もこれ以上ヌエットを虐めるのを止めて大会出場者との対戦を許可したのだった。

そして対戦日を伝える為、一週間後に来るよう言われた。


フェス運営本部から出てから少し歩くとトウコは立ち止まった。

一週間後に対戦日を聞くと言う事は実際に対戦する日は早くてもその数日後。

その事をトウコがボヤくと、エリーザが対戦相手をここに連れてこればいいと言い出した。

トウコがその案を採用すると、エリーザはフェス運営本部へ対戦者の情報を聞きに行った。


対戦者の名はコゼット。マスコビと言う街に在住する魔法少女。

マスコビの街はここから非常に遠い上にツバキが行った事の無い街なので、一度トネシンの街に戻りそこからエアボートで移動する事になる。


そんな訳で早速トネシンに戻りエアボートに乗ってマスコビの街へ向かった。

マスコビの街はルミラが住む場所の近くにあるが、以前に二度ほど途中で立ち寄った街とは別の街。

街に到着した時には既に日が落ちていたのでコゼットに会うのは明日にして、夕食を取る事にした。


食堂に入り食事をしていると、何やら愚痴話が聞こえてきた。

なんとなく話を聞いているとギルドで出している魔物討伐依頼の魔物を魔法使いでも無い普通の少女が片っ端から狩って魔物換金所に売りに行っている、と言う内容だった。

そのせいで、魔物討伐の依頼が達成出来ずにお金に困る魔法少女が増えたのである。


トウコは食堂に入ってから気になっている事があった。

それは見知った少女が大量の食事をテーブルに並べ、一人でガツガツと食べていた事だった。

話を聞くまでは放っておくつもりだったが、気になったので確認をする為、少女の居るテーブルへ行った。

トウコが少女の真横まで行くと、やはり少女はルミラだった。

ルミラはそんな事はお構いなしに食事をしている。


トウコが話しかけてもルミラは食べるのに夢中になっている。

イライラしながらも、先ほどよりも大きな声で話しかけるとルミラはトウコの方を向いた。

ルミラはトウコだと気づくとビックリして口に含んでいた物をトウコの顔面に噴出した。


「な、何故ヌシがここに居るんだっ!」


その光景を見ていたエリーザが悲鳴を上げながらトウコに近寄り、持っていた布でトウコの顔を拭いた。

トウコはここに来た経緯を軽く説明してから本題を切り出した。


「所で、最近魔物を狩りまくってる迷惑野郎って師匠だよな?」


「めっ、迷惑だとっ!? わ、我は人間の為にと…」


「嘘つけっ! 金に換えて飯食いまくってるだろがっ!」


ルミラは以前ミス魔法少女コンテストで街へ行き、人間の食事の虜になっていた。

トウコは呆れた表情をしながらルミラが狩りまくってるせいで困っている人間がいる事を説明。

更に余罪を追及するが特に悪い事はしておらず人間のルールに従って生活していたと言う。


「な、ならば、我はどうしたらいいのだ…」


ギルドから討伐依頼が出ている魔物は人間に害を与えるので、それを狩るのは決して悪い事では無い。

好き勝手暴れる魔法少女よりもルミラの方が遥かにまともだった。

その事を知ったトウコは哀れに思い、この街よりもっと大きな街に行く事を提案した。

しかしルミラにはそんな街の心当たりは当然無く、トウコにも思い当たる街は無かった。

トウコは悩んだ挙句、ルミラが住める街が見つかるまで行動を共にする事にしたのだった。


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