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その魔法少女は物理系  作者: 須美音
第一部
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36

ミス魔法少女コンテストで優勝したトウコ。

次の日、(けい)の新たな技を会得する為、ルミラの住んでいる場所へと向かった。

途中一泊した街で多少のいざこざがあったものの、それ以降は特に何事もなく目的に到着した。


「じゃあ、また一年位は戻らないかも知れないが、死んだとかじゃないからなっ!」


以前、ルミラの元で一年以上鍛錬を積み戻ってみると、何故かトウコが死んだ者扱いになっていた。

そんな事があり、今回も長期間不在になるので念を押して言ったのだった。

しかし、ルミラ(いわ)く今回は要領を教えるだけなので1か月も掛からないと言う事だった。


「あー、1か月以内に戻るから皆は先に戻ってくれ」


トウコがそう言うと、皆はツバキの魔法でトネシンの街へと戻った。


ルミラはこれから教える(けい)について説明をすると、トウコは目をキラキラとさせながら真剣に話を聞いていた。

先ずは発勁(はっけい)の応用技で対象にダメージを与えるのでは無く治癒をする方法。


「えっ! 発勁(はっけい)って相手を痛めつけるだけじゃないの!?」


トウコは発勁(はっけい)で治癒が出来ると聞き驚いている。


「以前ここでの鍛錬で発勁(はっけい)(けい)を対象に作用させる技と教えただろっ!」


そしてルミラは次に内勁(ないけい)の応用技で相手の(けい)や魔法をそのまま相手に返す方法について説明した。


「えっ! 内勁(ないけい)って防御や治癒だけじゃないの!?」


「先日我がヌシに使っただろっ! もう忘れたのかっ!」


ルミラは怒りながらも説明を繰り返したのだった。



それから二週間程度が経過した。



トウコは要領を教わるも、中々上手く出来ず苦戦をしていた。

そんなある日、要領は教えたのだから帰って鍛錬を積めとルミラは言い出した。

ここで行っている鍛錬は帰ってからも出来る内容だったのでトウコは素直に帰る事にしたが、ルミラがトウコを帰すのは更に別の理由もあった。


トウコはサポートキャラであるポン太の魔法、テレポを使用しトネシンの街へと戻った。

街に戻るとコンテスト後二週間も経過しているにも関わらずトウコポスターがあちこちに張られていた。

通例ではコンテスト数週間前に張られコンテスト後には全て()がされるので、明らかにエリーザの指図と想像がついた。


トウコは足早にミリア邸へ向かった。


それから一か月程度の月日が流れた。

その間トウコは一日の大半は(けい)の鍛錬を行っていた。

そんなある日、エリーザが訪ねて来た。


「お姉様。この時期がやって参りました」


エリーザはもったいぶるような感じで話を切り出した。


「またかよ。コンテストの時にも同じセリフを聞いたぞ。んで今度は何よ?」


また面倒事を持ってきたと思い、トウコはちょっと冷めた口調で言った。


「今年はスターワールドフェスが開催される年で御座いますっ!」


スターワールドフェスとは、四年に一度開催される世界最大の魔法少女の祭典。

今年はトウコ達が居るこの国が開催国となる。

この祭典では幾つかの競技が行われるが、その中でも特に注目を集めているのは美しさを競う美部門と、強さを競う武部門。

各部門はそれぞれ各国から最大三名まで出場が可能。

国によって出場者の選定は異なるが、トウコがいる国では出場希望者は事前に出場申請を行い審査に通った者が出場すると言う流れになっている。

一番出場希望者が多い美部門と武部門に関しては、基本的に国が定める大会等で三位以内に入賞しているのが条件となっている。


「んで、その何とかフェスに出るって言い出すんじゃないだろうな?」


「勿論で御座いますっ!」


トウコの問いに対しエリーザは即答した。

小規模ではあるがトネシンのコンテストで二回優勝しているトウコは規定上、美部門の条件を満たしてはいるが、戦闘系の大会には一切出場していないので武部門は出場条件を満たしてはいない。

それに対しミリアとツバキは戦闘系の大会で好成績を収めている実績があるので武部門の出場条件を満たしてはいるが、美部門の条件は満たしてはいない。

基本この手の大会系には興味が無いトウコだが、強さを競う武部門には興味があった。


「言っとくが美の方には出んぞ。まあ、強さを競う方なら出てみたいが…資格無いしな」


トウコが残念そうに言うと、何か言いたげな表情をしたミリアがトウコの前に来た。


「お姉様、問題は御座いません。出場者を全員殺せば出場者枠を確保する事が可能で御座います」


また例によってミリアはとんでもない事を言い出した。

更にエリーザもその話に乗ってきたのでトウコが一喝。

するとエリーザは出場者を殺すのではなく、審査員立会いのもと、勝負をする事を提案してきた。

それが可能なのか疑問に思うトウコだったが、取り合えずフェスを開催する街へ行く事にした。



スターワールドフェスを開催する街、ヘレロビに到着。



ヘレロビの街はこの国最大の街でツバキが過去に訪れた事があるのでテレポートの魔法でサックリと行く事が出来た。

街に到着すると、フェスの準備が着々と行われていた。

早速フェス運営本部へ行き、ミリアとツバキの武部門出場申請は受理されたが、やはり大会経験が無いトウコは受理されなかった。

出場申請が受理されたからと言って出場出来るとは限らない。

多数の出場希望者の中から運営本部が最終的に出場者を決定する。

現在まで内定が決まっているのは一人だけ。

一度しか大会に出場した事が無いとは言え、ミリアとツバキはこの国最強と言われている。

残りの出場枠の選定に頭を抱えていた運営は文句無く二人を内定候補に考えていた。

そんな中、エリーザが突然例の話を持ち掛けたのだった。


「結構多いんですよ。大会未経験なのに勘違いして出場したがるモブキャラが。では大会出場者と対戦する資格があるかテストしますね~」


運営は近くに居る者に話をし、誰かを呼びに行かせた。

エリーザ、ミリア、ツバキの三人はトウコがモブキャラ扱いされてキレそうになっている所をトウコは制止させた。

そして、暫くすると奥から何者かが現れた。


「もー、またモブキャラの相手をするんですかー? 今日は虫の居所が悪いんで雑魚モブに土下座させちゃいますよー」


そこに現れたのはルバモリウ街で会ったヌエットだった。


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