表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その魔法少女は物理系  作者: 須美音
第一部
34/50

34

ミス魔法少女コンテストが開催されトウコを除く出場者の紹介が終わるとステージにサイクロプスが登場。

サイクロプスと対戦をする希望者を募ると十数人が名乗りを上げたが殆どが倒され、残ったのはミカリと用心棒の二人だけとなった。


「こうなったら私のチャーム魔法で(とりこ)にしてみせますわ!」


ミカリは一応チャーム魔法を使う事は出来るが過去に成功した事が無い。


「そんなゴミ魔法が通用する相手なら恐れられたりしませんよ! 馬鹿なんですかっ!」


用心棒はミカリの馬鹿さ加減に苛立ちを覚えている。


サイクロプスが近寄ってきて攻撃をしようとした瞬間、ミカリがチャーム魔法を発動。

すると、サイクロプスの動きが止まったのだった。


「えっ!? え、え? き、効いたのかしら? 敵はチャームにかかっていますわ! 二人共、やっておしまいなさいっ!」


魔法をかけたミカリ自身も驚いていたが、すぐさま二人に攻撃を指示した。

用心棒の二人は仕方なく攻撃をしようとした瞬間、サイクロプスに殴られ気を失った。

サイクロプスは歩き出しミカリの目の前で立ち止まると、ミカリは恐怖にかられ意識を失った。

サイクロプスは魔法にかかったふりをしていただけだった。


希望者全員が倒された為、結界が解除された。

その数秒後、上空から何者かが派手にステージへ降り立った。


それは、トウコだった。


「おおーっと! ここで前回優勝者、殺神のトウコがステージに舞い降りたーっ!」


司会者がトウコの名を出した途端、観客から黄色い悲鳴が飛び交った。


「この無様に負けた雑魚共の死体を片付けろ!」


トウコも意外とノリノリでステージに上がっていた。


「い、いえ、気を失っているだけですが…」


司会者は皆死んでない事を説明しつつ、倒れている者達の回収を行わせた。

そして、ステージに再度結界が張られた。


「ヒサシブリダナ」


サイクロプスは以前会った事がある言い回しをした。


「えっ? 前回と違うサイクロプス君だよね? 何処かで会った事あったっけ?」


「ルミラ」


「えっ!? 師匠なのか? マジで?」


トウコの問いにサイクロプスは頷いた。


「そっか、師匠か…んじゃ、茶番は必要ねーわ。久々に全力で戦うとするか」


トウコの言に対しルミラは無言だった。

ルミラは予めエリーザにトウコと戦う際は手を抜いてほしいと言われていた。

トウコは負荷の腕輪を外し全力で戦う気満々で軽く運動を行っている。


「よし! んじゃやろーか」


トウコはやる気満々で構えたがルミラは無言だった。


「おいおい、その姿じゃ(けい)は使えないんだよな? いくら師匠でも、あんま舐めた真似してっとマジでボコボコにすんぞ!」


ルミラは暫しの沈黙の後、人の姿に変化した。


「やれやれ…ヌシがそこまで言うなら本気で相手をしてやろう」


ルミラはエリーザにお願いされた手前、サイクロプスの姿のままトウコに負けるつもりでいた。

しかし、トウコが余りにもやる気に満ちているので気が変わった。

本当はコンテストが終わってからトウコの実力を見定める予定だったが、この場で確かめる事にした。


「おおーっと! サイクロプスが人の姿に変化(へんげ)したーっ!! こ、これは一体どう言う状況だーっ!」


司会者は驚きながらも状況説明を欠かさない。

司会者を含む見ている者全員が困惑している中、スタッフが現れ司会者にメモらしき紙を渡した。


「えーっと…たった今入った情報によりますと、上位の魔物は人型に変化する事により真の力を発揮する。との事です……茶番だったー! 引き立て役の方々ではサイクロプスの実力を発揮する事すら出来なかったー!」


司会者は見ている者が思っている事を大声で代弁した。


「さて、我の元を離れてから、どれだけ強くなったか見物(みもの)だな」


「いやいや、毎日鍛錬はしてるが、この短期間でそんなに強くはならねーだろ」


そう言いつつもトウコは日頃の鍛錬の成果が何処まで通用するか非常に興味があった。



そしてトウコから仕掛け、二人の戦いが始まった。



二人は目にも止まらぬスピードで激しい攻防を繰り広げている。

観客はあまりの凄さに目が釘付け状態。

戦いの最中(さなか)、時折二人は会話を行っていた。


(けい)は使って来ぬのか?」


「通用しない相手に使ってもしゃーないだろ」


ルミラの問いに対しトウコはそう答えたが、内心では使う機会を(うかが)っていた。

一方ルミラはトウコを試すよう頻繁に発勁(はっけい)を放っているが、トウコは(ことごと)内勁(ないけい)で防いでいた。


スピード面では、まだ若干ルミラが有利ではあるものの、トウコは武術を駆使し体術面ではほぼ互角の戦いになっている。

戦いは膠着状態(こうちゃくじょうたい)が続いた。

トウコが今まで(けい)を使わなかったのは、使ってこないと思わせる為。

不意をついたら通用するかもと、淡い期待を抱いていた。

そして、頃合いとばかりにトウコは掌底連打の一部に発勁(はっけい)を織り交ぜて攻撃をした。


「ふふっ。これを待っておったぞ」


ルミラはトウコが(けい)を使うのを待っていた。

トウコが放った発勁(はっけい)をそのままトウコに押し返したのだった。

発勁(はっけい)を放った状態でそれが逆流してきたので内勁(ないけい)を使う事が出来ずトウコは自分の(けい)をモロに食らってしまった。


「ぐっ……そんなんありかよっ!!」


トウコの右腕は麻痺して動かす事が出来なくなった。


「ヌシには教えておらん技だからな」


「くっ、次は絶対その技教えてもらうからなっ!」


「無論、そのつもりだ」


ルミラがここに来た目的はトウコに(けい)の応用を教えるか否かを判断する為。

トウコがそのレベルに達しているか、この戦いで見極めていたがルミラの想像以上にトウコは(けい)を使いこなしていた。

それ処か肉弾戦のみの戦いでは、ほぼ互角の勝負になっていた為、多少の焦りがあったのも事実。


トウコは内勁(ないけい)で治療を試みるが慣れない事なので時間が掛かってしまう。

相手から受けた(けい)や魔法を防いだり受け流す事はルミラとの特訓で学習し、日頃の鍛錬で精度を上げてきた。

しかし、治療に関しては教えてもらってはいたものの、ダメージを受ける事が無かったので使う機会が無かったのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ