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その魔法少女は物理系  作者: 須美音
第一部
33/50

33

トウコとエリーザは食堂に入りテーブルに着くと、そこには二人の魔族がいた。


「はっ! ここは…」


魔族が居なくなったのでトウコはエリーザを起こした。

魔族の事は秘密にしておく為、食事をした後、急に眠ってしまったとエリーザに説明。

そして二人は食堂を出て、各々の家へ戻ったのだった。



数日後のコンテスト当日。



ミリア邸の一室。

ミリアとツバキは異様にテンションが高い。


「しかし今更だけど、俺だけパフォーマンスを披露するとかズルくね? 他の出場者の印象が薄れるから俺の勝確みたいなもんだし、逆に俺が負けると糞ハズいけど」


今回のコンテストはエリーザの独断でトウコの凄さをアピールするのが目的となっている。

トウコは賞金欲しさにエリーザの話に乗ったのだった。


トウコ達は一足早く会場入りする為、コンテスト会場へ向かった。

例によってトウコは注目を集めている。そんな中、背後からか声が聞こえた。


「あなたが前回卑怯な事をして優勝したトウコとか言う小娘ね? 私は前回3位のミカリ。今年の優勝は…」


振り向くとトウコと同じくらいの背丈の可愛らしい魔法少女が立っていた。


「いや、お前も小娘じゃん」


ミカリが何かを言い終える前にトウコはミカリの背丈を確認し、思った事を口にした。


「なっ、なんですってーっ!! 出ていらっしゃい!!」


ミカリはトウコの言葉に怒り、用心棒を呼んだ。

すると、二人の魔法少女が姿を現した。

ミカリには以前、魔法少女数人を含む10人程度の取り巻きがいた。

しかし2年前、ツバキに一掃されミカリの元から離れていったので、用心棒を雇っているのだった。


「「とっ、トウコお姉様っ!」」


用心棒魔法少女の二人はトウコを見て驚いている。

二人は2年前、トウコの雄姿を見てそれ以来ずっと憧れていた。

そして二人は照れながら軽い悲鳴に似た声を発しながら走って何処かへ行ってしまった。


「ちょ、ちょっと、あなた達ーっ!」


その場にポツンと取り残されたミカリは気まずそうな感じになっている。


「あ、あんたのインチキなんか絶対見破ってやるんだから! お、覚えておきなさい!」


ミカリは捨て台詞を吐きながら全速力でこの場からいなくなった。

トウコはサイクロプスを一撃で倒したのは、やり過ぎだったのかとミカリの言葉を真に受け考え込んでいた。


「殺しますか?」


ミリアはさらりと怖い事を言ったが、トウコは考え込んでいた為少し返事が遅れた。

ミカリの事は放置する事にしてトウコ達はコンテスト会場へ向かった。

会場に到着すると、エリーザの使いの者にステージが見渡せる特別室へ案内された。

その部屋にはエリーザとコンテスト運営委員長が居た。

トウコの出番は最後なので、食事を(たしな)みながら出番まで出場者を眺める手筈(てはず)となっている。


暫くしてコンテストが開始された。


名前を呼ばれた者はステージに立ち挨拶をする。

このコンテストは基本容姿のみを競うものでパフォーマンス的なものは行わない。

トウコを除く出場者全員の紹介が終わるとサイクロプスがステージに連れてこられた。


「さあ! 今年もやって参りました! 前回の優勝者、殺神の二つ名を持つトウコさんがお相手をするサイクロプスが登場しました! しかし、残念な事に前回は少なからず八百長疑惑が(ささや)かれました。そこで! 今回は希望にも対戦を楽しめる趣向に致しました! 我もと思う方は是非ステージまでお越し下さい!」


司会者が声高らかに今回の趣旨を説明。

しかし、ステージに来る者は誰も居なかった。

司会者は焦っている。真の目的はサイクロプスに希望者全員がボコボコにされた後、トウコが圧勝する事。

希望者が居なければ、トウコの強さがアピール出来ず、今回も八百長疑惑が浮上してしまう上にエリーザにお叱りを受けてしまうからだ。

切羽詰(せっぱつ)まった司会者は更にサイクロプスを倒すと賞金を出すと明言。

賞金が出るならばと一人の魔法少女が名乗りを上げステージに上がった。

それを見た他の魔法少女達も次々とステージに上がっていった。


「トウコとか言う小娘のインチキを証明してみせますわ!」


十人程の魔法少女がステージに上がるのを見てミカリも名乗りを上げ、用心棒二人と共にステージに上がった。

希望者の多さに司会者は胸を撫で下ろしている。

そして、ステージ外に被害が及ばぬ様、結界が張られた。


「それでは! 賞金に目が眩んだ引き立て役の皆さん! ゴミ虫のように一方的に蹂躙(じゅうりん)されちゃって下さい!」


司会者の本音がスタートの合図となった。



トウコ達が居る特別室。



トウコは前回と同じサイクロプスかとエリーザに確認した所、交渉したのは前回のサイクロプスだが今回来たのは別のサイクロプスだと言う。

何故別のサイクロプスが来たのか不思議に思い再度尋ねると、理由は不明だが迎えに行った時は別のサイクロプスが待っていた、との事だった。


「あの引き立て役の方々、思ったよりは善戦していますね」


エリーザの目にはトウコの引き立て役程度にしか映ってはいないが、瞬殺されると予想していたので、意外と強い者達が名乗りを上げたと思っていた。


「いや…アレは雑魚共の強さを見極めている段階だな。奴が反撃に移ったら雑魚共は終わりだろ。多分、知らんけど」


トウコは冷静にサイクロプスの行動を見て判断した。

しかし実際の所、サイクロプスは強いと聞いただけで戦った事はないので、ハッキリと断言する事は出来なかった。

サイクロプスは事前に前座連中を殺さないよう手加減してほしいと言われていたので対戦相手の戦力分析を行っていた。



ステージ。



分析が完了しサイクロプスが反撃に移ると、魔法少女達は次々と倒されていった。

そして、後方で様子を伺っていたミカリと用心棒が残ったのだった。


「あ、あなた達! さっさと倒してしまいなさいな!」


ミカリは用心棒の二人に無茶振りをしている。


「む、無理ですって! あのSランクの人も倒されたんですよ! 我々の魔法なんか通用しませんって!!」


用心棒の二人は既に戦意を喪失している。

元々サイクロプスには絶対に勝てないと思っていたが、ミカリに参加すると言われ、雇われている手前仕方なくステージに上がっただけだった。

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