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ルバモリウのギルドからトウコを罵倒するような感じの手紙が届いたのでルバモリウの街へ向かう事となった。
ルバモリウの街はツバキの魔法で移動する事が可能なので一瞬で到着した。
早速ギルドに行くと、そこには大きな女性が立っていた。
(こいつか…あの手紙を書いたのは…)
トウコは受付嬢と目が合ったが何故か気まずいような感じで目をそらされたのだった。
受付嬢はこっそりと手の空いている職員に別室で休んでいるヌエットを呼ぶよう指示をした。
大きな女性はこちらに振り向き、ミリアに近づき自己紹介を始めた。
「おおー! 私はキャスリと申します。あなたがトウコさんですか! お噂は聞いております! 成程、確かに鍛え上げられた体つきですね!」
キャスリはミリアをトウコ勘違いしている。
「違うわっ! トウコは俺だ!」
「こ、これは大変なご無礼を…あなたが美少女絶対破壊神…と、言われている…トウコさん…ですか…」
何故かキャスリの表情から落胆さが窺える。
「美少女絶対破壊神!? そんな事、今初めて言われたわっ!!」
キャスリは不思議に思いポスターの方を見た。
トウコも気になりキャスリが向いた方を見たらトウコのポスターが張ってあった。
そして、そのポスターの上に張り紙があり、それにはまたとんでもない事が書かれていた。
「美少女絶対破壊神トウコ~彼女に壊せぬ物は無し~ なんじゃこりゃーっ!!!」
トウコは受付嬢を睨むと受付嬢は軽い悲鳴に似た声を発して何処かに隠れてしまった。
「えっ!? どういう事ですか?」
キャスリは状況を飲み込みていない様子だった。
トウコは受付嬢が勝手に書いた事だと説明するとキャスリは分かりやすく落胆していた。
「そうですか…確かにトウコさんは破壊神って感じでは無いですし…強い相手と手合わせが出来ると思ったのですが残念です…」
さかのぼる事、数時間前。
武者修行の旅をしていたキャスリが仕事を求めギルドにやって来た。
そこでギルド内に貼ってある張り紙の文言に目が行った。
「ほー、美少女絶対破壊神トウコ~彼女に壊せぬ物は無し~…こんな凄い人が居るのですね!」
キャスリは目をキラキラさせながら受付嬢に言った。
「はっ、はい、最近まで居られたのですが…今は…ホームに…」
「そうですか、それは残念です。居られたなら是非お手合わせを、と思ったのですが…」
(これは好機! この方強そうだし、トウコ様と手合わせをしたら実力が分かるかもしれない…)
受付嬢はトウコの実力を確かめる為、キャスリと手合わせをさせようとしている。
しかし、キャスリが本当に強いかを確かめる為に、まずはヌエットと手合わせをしてもらう事にした。
「嫌ですよー! あんなデカい人、どう考えても勝てる訳無いじゃないですか!!」
「大丈夫よヌエットちゃん。魔法使いの強さは体格じゃないわ! 魔力と所有魔法で決まるのよ!」
「いえいえ、あの人、何処からどう見ても物理系ですよ!! 私も物理系なの知ってるでしょー! 普通に殺されますって!!」
ヌエットは暫くゴネていたが、真剣勝負では無く軽い手合わせと言う事で説得し、ヌエットは渋々了承をしたのだった。
そして、ヌエットとキャスリが手合わせをした結果…手加減をしていたキャスリにあっさりとヌエットは負けてしまった。
ヌエットは目まいがするという理由で別室へ休みに行った。
(凄い…キャスリさんの強さは本物だわ…これなら…)
受付嬢はキャスリの強さに驚いた。これならばトウコの実力を引きさせると確信した。
「キャスリさん、例の美少女絶対破壊神の方と連絡と取ってみますので、来て頂いたら手合わせお願いできますか?」
「それは是非! しかし…何時来られるのでしょうか?」
「大丈夫ですよ。お仲間にテレポートが使える方が居ますので、すぐ来ると思いますよ」
受付嬢は普通にトウコを呼んでも来ないと思ったので、挑発的な内容にしてトウコが怒って来るように仕向けた。
しかし、手紙の返答は逆に用があるならトネシンに来て欲しいとの事だったので、再度過激な内容にして返答をしたのだった。
そして現在に至る。
「ほほう、俺が強そうに見えないって事か…いいだろう、相手になってやる」
トウコは自分が格下に見られている事にカチンと来て実力の差を思い知らせる事にした。
「い、いえ…流石に…体格差が違い過ぎると言いますか…魔法での戦闘ではなくて…」
キャスリが思っている手合わせとは肉弾戦なのでトウコとの体格差が、あまりにも違い過ぎる事を気にしている。
(あれ? こいつって、俺と戦いたがってると思っていたが…それに言葉遣いも手紙と違って何か丁寧だし…まさか…)
「ちょっと聞くけど、俺宛に手紙を書いた事ある? この手紙なんだけど」
トウコは手紙をキャスリに見せた。
すると、キャスリは今日この街に来たばかりで手紙は出してないと言う。
トウコはギルドの受付に行き受付嬢を呼び、今来たばかりのヌエットと受付嬢を目の前で正座させた。
「さてお前等、何故正座させられたか分かるよな?」
(な、何故、私まで…)
今来たばかりのヌエットは状況が呑み込めていない。
「ちょ、ちょっとこれ、どう言う状況なんですか!」
ヌエットは受付嬢に詰め寄るが受付嬢は下を向きながら真っ青な顔をしてヌエットの言葉が聞こえていない。
そして再度トウコに理由を求められたら、受付嬢は恐怖にかられながらも、たどたどしい口調でこの街の為にと必死になって説明を行った。
「なるほど、それで俺の強さを確認したかったって事か…いいだろう、どっちみち相手にしてやろうと思ってたし」
「お待ち下さいお姉様。この者がお姉様の相手に相応しいか、先ずは私が見極めます!」
「私もミリア殿と同感です。我々に勝てない相手が姉上様と戦う資格は御座いません!」
ここに来てミリアとツバキがチャンスとばかりにしゃしゃり出て来た。
トウコは自分が相手をしたら終わりと思っていたが、例によってトウコの出番が怪しくなってきた。
二人は何故かやる気満々な感じになっているので、その熱意に負けトウコは二人に任せる事にしたのだった。
「じゃ、じゃあ、任せたわ」




