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その魔法少女は物理系  作者: 須美音
第一部
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26

勘違いで騎士団長に手錠を掛けられたトウコだったが手錠が破壊不能と知り、若干の焦りが出て来たのだった。


「土下座」


トウコは冷たい表情で騎士団長に土下座を要求。

騎士団長は即座にトウコの目の前で見事な土下座を披露した。

するとトウコはその場で軽くジャンプをしたかと思うと、騎士団長の頭に両足で着地した。

騎士団長は顔を地面に埋めながらトウコにお礼を言った。


「あっ、有難き幸せに御座います!!」


トウコは男相手に容赦は無かった。

しかし、()しくも騎士団長の夢である美少女な魔法少女に頭を踏まれたいと言う願いが叶ってしまった。

騎士団長もまたドエムだった。


「あ、あんな感じだったんですが…私の言う事を少しは信じて貰えました?」


その様子を見ていた受付嬢にヌエットは、先程自分が話した内容が嘘ではない証明になったと思った。

受付嬢は青ざめた表情をしながら無言で首を数回縦に振ったのだった。


トウコは『ハッ』と思い、ミリアとツバキの様子を見ると案の定、悔しそうな表情を浮かべている。


(ま、まあ、彼女等はアレとして…これって魔法を吸収するだけで、ただの硬い石だよなあ…発勁で簡単に壊せそうな気もするんだが…)


発勁は勁を対象に作用させる技で、その対象は鉱石であっても問題無く作用させる事が可能。


トウコは手錠に軽く発勁を放ってみた。

すると、手錠はピシピシと音を立てながら亀裂が入った。

それを見たトウコは手錠を破壊できる事を確信した。


「これ、10日も待ってられんから壊すわ」


「いえいえいえ! 魔法も使えない上に簡単に壊せたら手錠の意味が無いじゃないですか!」


ヌエットの言う事に皆は無言で納得をしていた。

しかし、皆の想いとは裏腹に、トウコは再び発勁を放ち手錠を破壊すると一同は驚いた。


「「「「ええええええーっ!!!」」」」


「どんだけ貴重なアレかは知らんが、間違って付けたこいつの責任だからな! 俺は弁償せんぞっ!!」


トウコは貴重な鉱石で出来ている手錠を破壊した事を気にしているが、論点はそこでは無かった。


「い、いや、その…何て言うか…その…」


騎士団長は絶対に破壊出来ないと思っていた封魔石の手錠が壊されたのを目の当たりにして言葉を失っている。


「い、いやいや、おかしいですよっ!! な、何で魔法も使えないのに壊せるんですかっ!!」


素手ではどう考えても破壊は不可能。仮に壊す事が出来るとしたら魔法しかない。

しかし魔法は封魔石により使う事が出来ない。どんな裏技を使ったのかヌエットは気になって仕方なかった。


「ふふふっ。お姉様なら当然ですわ。殺神の二つ名は伊達ではありませんのよ!」


エリーザが自慢げにしゃしゃり出て来た。


(その二つ名もお前が勝手に付けただけだがな)


トウコは手錠を壊した方法を教えてやると言いヌエットに近づいて腕を掴んだ。

ヌエットはとっさな事に多少驚いたが、先程トウコにされた事が脳裏によぎった。


「ほぎゃあああああああああああああああっ!!!」


ヌエットは全身の激痛により、暫く悲鳴を上げた。

その光景を目の当たりにした受付嬢は『またか』と言う様な表情をしている。


「まあ、こんな感じで手錠に亀裂が入ったわ」


「はぁはぁはぁ…ななななな何で私でやるんですかっ!!!」


「ほほう、まだそんな事をほざく元気があるのか、ならば次は手錠を完全に破壊した威力で…」


トウコは不敵な笑みを浮かべつつも冗談で言ったつもりだったが、ヌエットはトウコが言い終わる前に泣きながら割り込んできた。


「ごごごごごめんなさい! 無理です無理です! それ本当に死ぬやつですからーっ!!!」


(ヌエットちゃん、学習しないわね…)


受付嬢は呆れた表情でヌエットを見ていた。


その一方でトウコは無事に手錠も外れたので皆と共に帰る為ギルド出た。


ヌエットと受付嬢はトウコが居なくなった事で安心して会話を始めた。


「け、結局、殺神さんは無茶苦茶やる人って事だけは分かったですが、強さはよく分からなかったですね…」


ヌエットにはトウコに痛めつけられた記憶しか無い。


「でも、普通のスター…いえ、魔法使いなら絶対に壊せない、あの封魔石の手錠を壊したのって凄いわよね?」


「いえ、アレってハンマーで叩いても壊れないので、誰にも壊す事出来ないですよ。あの人、人間じゃないですよ…」


「でも、これは使えるわね…」


受付嬢には何やら考えがあるようだった。



そして、トウコ達はツバキの魔法でトネシンの街へ戻った。



トウコがトネシンに戻ってから10日程度、特に何事も無く例によって毎日勁の特訓に明け暮れていた。

そんな折、ギルド職員が訪ねて来たのだった

内容はトウコに来客があるとの事なので早急にルバモリウに来て欲しいと言う内容だった。

これは依頼では無く単に来て欲しいとの事なので報酬は発生しない。


「いやいや、行かないし。用があるならこっちに来いって言っといて」


トウコはそれを拒否するとギルド職員はギルドへ戻り、ルバモリウのギルドにその旨を書いた手紙を速達で送った。

ちなみに速達は転送系魔法を利用するので即座に届ける事が可能。

すると1時間程度で返事が届き、再びギルド職員が訪ねて来た。

ギルド職員から話を聞くと先方はどうしてもトウコに会いたいと言う事だった。


手紙の内容を要約すると、ある人物がトウコと手合わせをしたい。と言う内容。

トウコが手紙を見せて欲しいと言った所、ギルド職員は非常に気まずそうな顔をしながら手紙を渡した。

不思議に思いながらもトウコは手紙を読むと、そこにはとんでもない事が書かれていた。


『臆病者トウコ、勝手に殺神を名乗っておきながら逃げるとは何事か。お前の弱さを公衆の面前で証明してやろう…』


と、言うような感じの内容で長々と書かれていた。

1回目の手紙にも似たような事が書かれていたが、ギルド職員はそれをオブラートに包みまくってトウコに来客と表現したのだった。

トウコはルバモリウのギルドに行く事にしたが、特に怒ってる様子は無かった。


「どうやらお客さんがお待ちのようだ。2人共、行くぞ」


「「はっ!」」


(この人、ほんと何者なのかしら…)


ギルド職員の目にはトウコが闘神と雷神を従える者に映っていた。


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