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その魔法少女は物理系  作者: 須美音
第一部
25/50

25

依頼の盗賊魔法少女の討伐が無事完了し、トウコ一行はツバキの魔法でルバモリウの街へ戻って来た。

テレポートの魔法はテレポと同様に街の出入り口付近に出現する。

捕えた魔法少女達をこの場に残し、ギルドへと向かった。


ギルドに到着早々、ヌエットは自分が報告するからと1人で受付嬢の元に向かった。

ヌエットは任務完了の報告と洗脳されていたツバキの事を説明し、捕えた魔法少女達の回収をお願いした。


「それで、どうだったの? 流石にそれだけの人数が相手なら、さぞ壮絶な戦いだったのよね?」


受付嬢はいつもよりテンションが高くワクワクした表情でヌエットを見つめている。


「いえ、それが…さ、最後は殺神さん所か闘神さんも戦ってはいないです…」


ヌエットはどう説明して良いのか分からない様子。


「えっ!? じゃ、じゃあどうやって捕まえたの?」


「何か突然、洗脳されてた人が殺神さんの目の前で土下座して頭を踏まれたら、闘神さんも呼ばれて目の前で土下座させられ頭を踏まれて…気が付いたら全員拘束魔法で拘束されてて…そんな感じです…」


ヌエットは見たままを言ったつもりだが、そこには若干の誤解があった。

それは、ミリアはトウコに呼ばれ土下座させられたと思っている事とトウコが拘束魔法を使用したと思っている事。


「えっと…ヌエットちゃん? ツッコミ待ちかしら?」


「ち、違いますよー! ほんとに見たままを言ったんですよー! あの人ほんと無茶苦茶なんですって!!」


ヌエットの話は思っていた通り受付嬢には信じて貰えなかった。

そんな時、ヌエットの背後に何者かが現れヌエットの頭を鷲掴みした。


「誰が無茶苦茶だって?」


ヌエットの背後に現れたのはトウコだった。

トウコは半分怒った表情の笑みを浮かべていた。


「ひゃあああああ! さっ、と、トウコさん!! い、いや、と、トウコさんが無茶苦茶、つ、強かったと…」


「俺、何もしてねーわ!」


このままでは何をされるか分からないと思い、ヌエットは話題を変える為、必死に思案した。


「そ、そそ、そう言えば、ど、どうやって洗脳を、と、解いたのですか…」


「ふむ、それは…」


トウコは少し考えながらもヌエットの腕を掴み全身に激痛が走るよう発勁を放った。

以前のトウコは勁のコントロールが出来なかったので、対象の肉体を破壊する事しか出来なかった。

しかし、ルミラのもとで特訓を行い勁のコントロールを身に付けていた。


「ぎゃああああああああああああああああっ!!!」


ヌエットは全身の激痛により、暫く悲鳴を上げていた。

その光景を目の当たりにした受付嬢の顔は青ざめていた。


「まあ、こんな感じで洗脳を解いたわ」


「はぁはぁはぁ…ななななな何をするんですかっ!!!」


「ほほう、まだそんな事をほざく元気があるのか、ならば次は5倍の…」


トウコは不敵な笑みを浮かべつつも冗談で言ったつもりだったが、ヌエットはトウコが言い終わる前に泣きながら割り込んできた。


「ごごごごごめんなさい! 無理です無理です! 5倍とか死んじゃいますからーっ!!!」


そんなやり取りをしつつ、トウコは受付嬢にエリーザをギルドに連れて来るよう頼んだ。

受付嬢は引きつった顔をしながらも手の空いてる者に頼んでいた。


報酬を受け取り、その1時間後位にエリーザがギルドに到着。

トウコ達は用も済んだので帰る為、ギルドを出ようとしたら、武装をしたガタイの良い男が入って来た。

その男は、この街の騎士団の団長だった。


「街の外に居た盗賊は全て捕えましたが、他に盗賊はいませんか?」


騎士団長は受付嬢に残りの盗賊魔法少女が居ないか確認をした。

受付嬢が返事をする前に騎士団長はギルド内に貼ってあるポスターとトウコを見比べて、とんでもない行動をした。


「お前! 両腕を前に出せ!」


騎士団長は何故かトウコに近づき両腕を前に出すよう命令をした。

トウコは不思議に思いながらも言われた通り両腕を前に出すと、騎士団長に手錠を掛けられた。

その光景を見た者達は驚いて大声を発した。


「「「「ええええええーっ!!!」」」」


「そっ、そそそそそれって…ま、魔法を使用不能にする封魔石の手錠…ですよね…」


ヌエットは驚きながら、トウコに掛けられた手錠の確認を受付嬢に行った。

受付嬢は青ざめた顔をしながら小さく頷いた。


封魔石とは、この世界ではそこそこ貴重な魔力を吸収する鉱石。

非常に強固で特殊な技法により手錠として加工し、主に犯罪を犯した魔法使いに使用される。


「ぎゃあああああっ!!! あっ、あなた! な、何て事をしてくれたのですかっ!!」


エリーザは叫びながら両手で頭を抱えて騎士団長に詰め寄った。


「い、いや…指名手配犯のポスターと、このスターが同一人物だったので…」


騎士団長はポスターの顔のみに目を奪われ他の部分は見ていなかった。

余談ではあるが、魔法少女は魔法少女の事をスターと呼ぶ者は少なく、また、魔法少女以外の者は魔法少女をスターと呼ぶ者が多い。


「あっ、あなた馬鹿ですの!? コンテスト優勝と書いてあるじゃ御座いませんかっ! しかもお姉様は盗賊を捕えた英雄ですのよ!!」


エリーザは騎士団長を責め立てている。

こういう場面では、(すぐ)に手を出そうとするミリアやツバキと違って、手を出さず言葉のみのエリーザにトウコは地味に安心感を抱いている。


騎士団長は深々と頭を下げ何度もトウコに謝罪をしている。

怒り狂っているミリア、ツバキ、エリーザを宥めながらもトウコは特に気にしている様子は無かった。


「まあ、勘違いと分かった事だし、さっさと外してくれ」


トウコの言に対し騎士団長は非常に言いづらそうな表情をしている。

それは、手錠を外す鍵はこの場には無く、城に行かなければ外せないとの事。

城までの距離は馬車を飛ばして約2カ月、エリーザはエアボートを提案したが、

城近辺は飛行禁止区域なのでエアボートで行ける、城に最も近い街から馬車で移動しても早くて10日程かかるとの事だった。

流石に10日もこのままの状態は辛いのでトウコは手錠を破壊すると言ったが、手錠なので破壊は不可能と言われた。


「はあああああっ!?」


余裕を見せていたトウコに多少の焦りが出て来た。


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