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その魔法少女は物理系  作者: 須美音
第一部
18/50

18

トウコはアシュリー(首飾)が本当に嘘をついていないか最終確認を行った。


「精霊女王ティターニア様に誓って嘘偽りはありません!」


「そんな訳の分からん奴に誓っても全く説得力は無いが、まあ良しとしてやるわ。あとお前、今後は勝手にしゃべるな、今まで通り大人しくしてろ。いいな?」


アシュリーの変態疑惑は完全に消えた訳では無いが知識を活用する目的もあって一応は信用し、ミリアに付けさせる事にした。



それから数日が経過した。



ミリアは出かける時には常に首飾を身に付けるようになった。

そして、アシュリー(首飾)もあの日以来、自分からは一切口を開いてはいない。


そんなある日、例によってトウコが鍛錬に明け暮れていたら、スターギルドの職員が訪ねて来た。

鍛練中のトウコも呼ばれ、ギルド職員から話を聞く事となった。

依頼内容はグルームと名乗る者達に拉致されたエリーザの救出。

グルームとは以前から他国で問題を起こしているエリート(元魔法少女)で構成されている組織。

そのグルームが最近この国にも勢力を伸ばしていると言う事だった。

どうやらエリーザは身代金目的で拉致されてしまったらしい。


「いやいや、所詮魔法少女落ちの連中だろ? Aランクの魔法少女数人で行けば余裕じゃね?」


普通はエリートがスター(魔法少女)に勝つ事など不可能なのでトウコの意見は当然だった。

しかし、スターギルド側は既にランクA魔法少女を3人向かわせたが1人も戻っては来なかった。

それ所か、次にお金を用意しなかったらエリーザを殺すと脅しの手紙が来たのだった。


「いやでも、誰だか分からん奴の為に命張るってのもなあ…」


「お姉様。エリーザはあの素晴らしいポスターを手掛けた者に御座いますが、妹でもないのにお姉様と呼ぶ愚か者に御座います。ここは放置で宜しいかと」


(あいつかっ!)


「い、いやまあ、姉と慕うのは魔法少女のアレだし、そこは大目に見てやって」


トウコは考えた。

以前はともかく、今のエリーザは一切悪行を行ってはいない。

トウコを姉と慕っているのと薬草採取で送ってもらった恩義も多少はあるので放ってはおけないと思った。


「うーむ……よし、依頼を受けるわ。さっさと場所を教えてくれ」


ギルド職員からエリーザが居る場所を聞くと、身代金を受け取ってミリアと共に急いで目的地へ向かった。

エリーザは街外れにある大きな建物の中に捕えられている。

トウコはそれらしき建物を発見すると正面から堂々と入った。

中に入ると犯人らしき数人と縛られているエリーザが居た。

エリーザはトウコを見てかなり驚いていた。


「また魔法少女か、今度はちゃんと金を持って来たんだろうな?」


座っていたボスっぽい犯人Aが立ち上がり、ニヤニヤしながら言った。


「ああ、これだ」


トウコはお金の入ったバックをドサッっと目の前に置いた。


「金は持って来たんだ、エリーザを開放しろ」


トウコがそう言うと、犯人Bが先程立ち上がった犯人Aに耳打ちをした。

それは、やってきた魔法少女の1人が闘神のミリアだと言う内容だった。


「くっくっく。良いぜ、ほら行けよ」


ボスっぽい犯人Aはあっさりとエリーザをトウコの元へ行かせた。


「お、お姉様…何故…お姉様はお亡くなりになったと…」


エリーザはトウコが死んだと聞かされていたのでトウコをみて驚いたのだった。


「お前もかっ! いや、俺、死んでないから、とりあえず説明は後だ」


トウコはエリーザの縄を解き辺りを警戒した。


「お姉様! ここでは魔法が使えません! 早くお逃げ下さい!」


エリーザは魔法が使えない状況を懸念しトウコを心配した。


「またか、まあでもあいつらも魔法使えないなら問題無いだろ」


以前、トウコがエリーザ一味と戦った時、エリーザは特定の範囲内に居る者全員が魔法を使えなくなる道具を使用した。

そういう経緯があったのでトウコは同じ道具を使っていると思ったのだった。


「違うんです! 加護持ちだけが魔法を使えないのです! 早くお逃げ下さい!」


魔法少女は神から与えられた加護を持っているで加護持ちとは魔法少女の事を指す。

一方、グルームはエリート(元魔法少女)で構成されている組織なので当然加護持ちは1人も居ない。

いくら魔法少女がエリートより強いと言っても、それは魔法が使えたらの話。

一部の例外を除き、魔法が使えない魔法少女は魔法が使えるエリートには勝てないのである。

スターギルドが討伐に向かわせた魔法少女が帰って来なかった理由はこれが原因だった。


(まあ俺には関係ない事だが、相手が魔法を使えても、ミリアにもあんま関係は無いか…)


ミリアの加護はマジックシールド、殆どの攻撃魔法を無効化する。

そして、得意な魔法は身体強化だが、現状は武術の鍛錬を行っているので、身体強化魔法を使えなくとも普通に強い。


トウコがそんな事を考えていると、いつのまにか周りを囲まれていた。


「聞いての通りだ。お前等は魔法を使えない。この前来た魔法少女のように無様に死ねっ!」


犯人Aは元々生かして帰すつもりは無かった。

前回スターギルドが討伐に向かわせた魔法少女は、この連中により帰らぬ人となっていた。


(あっ、そういや、俺とミリアは大丈夫だが、こいつはヤベーか…)


エリーザは普通の魔法少女。魔法が使えない今は恰好のターゲットになってしまう。

トウコは少し考えてから、この場をミリアに任せ、まだ余裕を見せている犯人達が魔法攻撃を仕掛ける前にエリーザを持ち上げた。


「お、お姉様っ!?」


訳が分からず驚いているエリーザを余所(よそ)に犯人Aへに向かってエリーザを放り投げた。

その瞬間、トウコは犯人Aの所まで全力で移動しエリーザを受け止めて立たせたが、エリーザは驚きの余りヘナヘナと床に座り込んだ。

その光景を見ていた犯人A,Bも驚きの余りポカンとしていたが、トウコは間髪入れずに発勁を放ち2人を動けなくしたのだった。

トウコは動けず横になっている犯人Aにエリーザを座らせた。

仲間に接触した状態で他の者がエリーザに攻撃魔法を放てば仲間を巻き込むのでエリーザには攻撃が出来なくなると思ったからだ。


エリーザの安全を確保したと思ったトウコはミリアを眺めていた。

ここに居るグルームと名乗る者達は皆攻撃魔法を使っているのでミリアの敵ではなかった。

逆にミリアがやり過ぎないかトウコは心配になった。


「おーい、死なない程度に手加減しろよー」


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