第3章 松子の場合 〜JINー仁ー〜 2
今日は保育園も学校も休みの日だったので、私は松子お姉ちゃんと竹子とたくさん話した。
松子お姉ちゃんから見ても、竹子は、環境の変化についていけず、色々パンク状態らしい。でも、帰るとなると、それはそれで、心配もあるらしい。
「だって、教員なんて、ブラックだもん。ここは、絶対、定時で帰れるし、部活もないし。ドロドロした職員室の人間関係もないし。おじいちゃんたち、優しいし。何でもしてくれるしい〜。」
…いつの間にか、甘やかされた竹子は、クズになっていた。私は竹子の脇腹にタックルを入れた。吹っ飛ぶ竹子。
「んーまあ、私はとにかく、息子の幼稚園のお迎えあるから、帰るわ!」
「えっ?!」
「神に与えられた特殊スキル、『帰還』!」
まじか!!
松子お姉ちゃんは、文字通り、光の速さで日本へ帰ってしまった…。
すると、それを見ていた竹子が、
「梅子ちゃん。私も帰れるかも。」
と言い出した。聖女スキル、『ファッション』で自室のクローゼットから服を出し入れ出来る。もしかしたら、服だけでなく、自分も通れるのではないかと言うのだ。
そこで、やってみた。…通れた。竹子は、一度家に帰って、プリッツを持って帰ってきた。
「だから!なんでお前はお菓子しか食べないんだよ!」
私は、竹子をひっぱたいた。
「ひ!痛い!」
倒れる竹子。
とりあえず、松子お姉ちゃんが持ってきてくれた炊飯器で、竹子は肉じゃがを作り、賢者たちや子どもたちに振る舞った。聖女スキル、『炊飯器』で、材料をそのまま炊飯器に押し込めば、次に開けた時にはもう、煮物が出来上がっている。しかも、美味しいやんけ…。
また、松子お姉ちゃんが持ってきてくれた、テレビのリモコンなのだが、あれも使えた。竹子のたくさんある聖女スキルの中に、『ネットフリックス』があった。ステータス画面を拡大利用すると、リモコンで操作でき、ネトフリが見放題というスキルだった。なかなか、便利やんけ…。
私も、竹子の『ファッション』で、日本に帰れることが判明した。でも、ノスタルジア以外の国にも行ったみたいんだよね。
あと、フェンリルとか、会ってみたいんだよね。だから、帰るかどうかは考え中。
ま、のんびり行こう。
次は番外編。