第3章 松子の場合 〜JINー仁ー〜 1
松子が召喚された時、ちょうど、子ども①がおやつを喉に詰まらせた。
「松子おねえちゃ…!」
「話は後よ!」
松子はすぐに、子ども①に駆け寄り、背部叩打法を施した。口から、コロッと、シャインマスカットが出てきた。
「これからは、マスカットは半分に切って出しなさい!」
「は、はいですじゃ〜!」
おやつ係の賢者は青ざめながら土下座した。
次に、子ども②が、母親に抱きかかえられながら登場した。両足を激しく擦りむいている。出血量が多い。
「ま、松子おね…!」
「静かにしなさい!聖女スキル、『ペニシリン』!」
え、なに、この姉の適応力の高さは…。スキル使いこなしてるし。そして、『ペニシリン』、スゴイ。いわゆる癒しの魔法で、怪我が治っていく…。母親は、泣いてお礼を言い、帰って行った。
続けて、賢者①が、いきなり倒れた。大騒ぎする十一人のジジイたち。
「あの…ま、まつ…!」
「黙って!気道確保、心臓マッサージ、開始!」
無事に、賢者は心肺蘇生法により、生き返った。
こうして、召喚から数分間で、聖女 松子は、三人もの命を救った…。
ピザポテトを食べながら、私たちは会議をした。松子お姉ちゃんは、以前、違う国に召喚されたことがあったらしい。
梅「え、違う国?違う異世界ってこと?」
松「うん。そこは獣人とか魔獣の国で、まじで、もふもふし放題だったー。」
竹「えー。もふもふいいな〜。」
松「それがさ、動物アレルギー発症しちゃってさー。聖女やめて、速攻、家帰ったー。(笑)」
梅「やばー。(笑)」
竹「うける。(笑)」
松「あと、聖女スキルさ、『ペニシリン』しかないんだけど。」
…なんだって?ステータスを三人で確認する。
竹「ほんとだ〜。…いや、でも、隅っこにあるよ?」
梅「聖女スキル、『JIN〜仁〜』…?!」
松「これさ、『JIN〜仁〜』の漫画が全巻読めるスキル。」
竹「外科的なスキルじゃないんかい。(笑)」
松「あと、『JIN〜仁〜』のテーマソング流せる。」
梅「いらねえ。(笑)」
次で3人姉妹のお話は終わり!