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第2章 竹子の場合〜夫がいないと何も出来ません〜 1

 竹子は、辺りを見回している。

「え、なに、どこ?ここ…?」

今にも泣き出しそうだ。

「何なの?チンさんは?チンさんのとこに帰してよォォォー!(泣)」

ダメだ、本当に泣き出しやがった。

 そう、次女の竹子は、気が弱いのだ。しっかりセイヤ!私は竹子をビンタした。床に倒れる竹子。

「せ、聖女様がー!」

介抱する十二人のジジイたち。竹子は、そのまま床に臥し、三日間寝込んだ。

 竹子は、体も弱いのだ。空気が合わないという理由で、さらに二日寝込んだ。

 さらに、偏食で、竹子はピザポテトとじゃがりこしか食べなかった。私は、竹子が召喚された際に持ってきてしまったピザポテトを土に埋めて、量産し続けた。なんて手間のかかるやつを呼んでしまったんだ…。


 竹子と会話が成立するようになってから、ここが異世界であること、私たちが聖女であることなどを説明した。

 竹子の脳の容量は、小さい。事情を説明したら、もう丸一日寝込んだ。

 やっと歩けるようになってから、ステータスを確認させた。聖女スキル、『盗っ人』。

「『盗っ人』?!何それ?!竹子ちゃん、本当に聖女なの?!」

「わかんないよ〜(泣)」

また泣き出した。ピーピーうるせえ。私は舌打ちして、竹子の頭をぶっ叩いた。さらに泣く竹子。

 大体、竹子は、夫のチンさんがいないと、何も出来ない。自炊も、着替えも、とにかく身の回りのことも、ままならない。

 壊滅的なのが、買い物だ。竹子は、日本でも金勘定が出来なかったが、ノスタルジア国のお金の計算なんて、もっと無理だった。常に周りには、賢者が誰かしらつき、世話を焼いてあげないと、生き延びられない。

 だが、竹子にも、それっぽいスキルがあった。聖女スキル、『板書』。竹子は、プロジェクターが重くて持てないという理由で、ICT機器を使わず、いまだに黒板を使う教員だった。試しに保育園の黒板にチョークで字を書かせてみたら…うん、板書、キレイ…!

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