科学部攻城戦 科学部 vs 野球部
俺が科学部室に到着したとき、扉の前には野球部員が8人いるが、内3人は倒れている。
「やばい!ばれた!」不意にそう叫んでしまった。まだばれていないのに。
「科学部員だ!追いかけろ!」野球部員が一人追いかけてくる。右手にはバット。左の腰にはスタンガン。
さっきのせいで必殺技は使ってしまった。もう戦える技はない。考えても何も浮かばない。
何で二階までわざわざ来ている?何で科学部?前からは野球部員が近づいてくる。
「早く磁石弾を持ってこい!」高校生二年生、安藤が怒鳴り声を上げる。
「待ってください!待ってください!」部室内では大騒ぎだ。
「ロケット弾を持ってきなさい!早く!」鶴谷裕吾が指揮を取る。
野球部は中に進入をしようとしてもコイルガンに防がれる。ロケット弾の準備ができた。
野球部員がバットを振ってくる。何とかよけられたが、次はどうなるかわかったもんじゃない。
やるしかない。あれを。
バットを振ってくる。この隙を狙って一撃で仕留める。
一気に脇まで駆け寄って、スタンガンを当てた。
「うぐっ..」
倒せると思った。しかし、野球部員は一瞬よろめいただけで、何故か倒れない..一度距離を取り直す。
一体、なぜ..?
「撃てえええええええ!」
ペットボトルの先の火薬に火が灯された。後ろでは中学一年生がポンプを一気に押し始める。
圧力が限界に達し、ペットボトルは、光を発しながら野球部に直撃した。爆発があたりを巻き込み、
野球部員を窓ガラスごと吹き飛ばす。
「ニトログリセリンだ。何とか防ぎ切れたな。」
科学部は誰も中にニトログリセリンを入れていることを知らなかったので、自分が爆発したときの事を考えてしまい、変な空気になっていた。
「これがあるから。そう簡単に倒せないよ。」野球部員は服を脱ぐと、中から捕手用のプロテクターを見せてきた。
もうだめか..そう思った時に、後ろで何かが爆発した。
怯んでいる。今がチャンス。
もう一度近づき、今度は顔にしっかりと当てた。
倒れている野球部員達を横目に見ながら、青田は科学部教室内に入った。