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学校戦争 ~教育の奪い合い~  作者: あおのり
初陣
6/27

難攻不落の攻城戦 バスケ部 vs バレー部 ①

バスケ部

陸上部、野球部と続いて三番目に部員を多く持っている。

連携の取れた部活。キャプテンは「山田 大介」周りに優しく、運動神経がある一方で、勉学にも優れている。そんな彼がキャプテンになるのは当然のことかもしれない。

 副キャプテンを務めているのは「根裏 林太郎」周りを引っ張るリーダーシップ。試合の時にも、全体の状況を見定め、全員に的確な指示を出す。


 バスケ部が学校戦争の拠点として選んだ場所は体育館であった。練習をしたいというのは勿論、根裏は建物なので雨風を凌げるし、防衛にも向いていると考えたのだ。


4月8日

体育館の争奪は、バレー部とバスケ部の全面戦争となった。普通ならば、バスケ部が勝つと思うのではないだろうか。意外にも、この戦いは結果的に見るとバスケ部の負けとなった。


 人数的にも身体能力的にも劣っているバレー部の唯一の勝ち筋。それは、部員の教室が体育館に近いことであった。

バレー部が陣地を構築し始めてからバスケ部が到着するのに一分。十分すぎる時間だ。

裏口やその他の小さなドアを全て施錠し、入ってこれるのは正門からのみ。

さらに、そこから入れば四方からサーブボールを無数に受ける。


 この作戦を全て考えたのは「田村美香子」高校二年生だが、中学一年生からバレー部として暮らしてきた。

今回の作戦は、体育館を確保することが前提であり、どんな犠牲を出してでもかたなければいならない。


田村はこの学校戦争のことを知った一週間前から寝る間も惜しんで作戦を練り続け、確信を持った上でこの戦いをしている。



「バスケ部が来てます!!」

準備万端の田村の所へ、見張り役が報告をした。

「よし、やってやるぞ...」


中学生6,7人が正門からスタンガンを持って突撃してくる。

「何だこれは!?」

バレー部はあらかじめ、入り口にボンドをこれでもかという程に垂らしておいた。

「投げろぉぉ!!!」

田村の叫び声を聞いて、バレー部員が四方からボールをぶつける。

混乱した中学生らはそのまま膝から転倒し、足から頭まで地面から離れなくなってしまった。



「前衛の中学生がやられたが、どうする?」山田が根裏に聞いた。

「そうだな..」根裏が口を開く。

「山田はそこで待っといてくれ。俺らが決着をつけてくる。」

そう言って根裏は、中学生、高校生を連れて戦いに行った。

挿絵(By みてみん)


「ボンドは前に突っ込んでった生徒の上に乗って回避しろ!絶対に負けちゃダメだ!」

根裏の後に部員は付いて行く。ボールを受けてバランスを崩し、ボンドにくっついて行動不能になる生徒もいる中、ついに根裏は正門付近を守るバレー部を倒す事に成功した。

 いくら相手が優位であったとしても、相手は女子である。残るは舞台付近の部員のみ。


「まずいですよ..どうするんですか!?」

一人が田村の胸ぐらをつかむ。

「落ち着け..まだこれからだ。」


根裏が前に出て戦っている分、後ろは手薄。そこを田村は狙った。あらかじめトイレに部員を隠しておいたのだ。前を見て必死に祈る山田。だが、背後からは刺客が迫っていた。



あと少しでスタンガンを食らわせられる。バレー部がそう思った時

「危ない!!!」

山田の横にいた「小山昭彦」が間一髪でスタンガンを浴びせ、バレー部を撃退した。


山田は息を整えながら感謝する

「ありがとう小山。おかげで助かったよ。」

「いえいえ部長。これぐらい大丈夫ですよ。」

次の瞬間、山田も小山も気絶した。


田村はこの「伏兵作戦」が失敗に終わることも視野に入れ、あらかじめバスケ部部員に根回ししていた。

不意な攻撃に不意な攻撃。山田の周りにいた部員も対処が出来なかった。

そのまま守りに入ることができず、手前側の戦力はほぼ0になったと言ってもいい。

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