犯行声明 高校一年三組 保健室
4月8日 9:15
保健室に野球部員が現れた。野球部員を抱えて。
保健室含めその周り二三教室を陣取っているのは、高校一年三組である。
「すまないが、こいつを助けてやってくれないか。」その野球部員は言った。
担がれている野球部員の足や腕からは血がポタポタと垂れており、気を失っている。
担いでいる野球部員も服が擦り切れており、十分満身創痍に見える。高校一年三組に所属している、帰宅部の「山田隆弘」は後にこう語る。
「僕含む二十人以上は彼らを助けようとしていました。でも室長はこういったんです。」
「保健室を奪い取ってよかった。チャンスが回ってきた。」
山田は次にこう話した。
「室長は賢い人だと思います。倒した先のクラスメイトを退学にさせずに、味方にして人を増やしたりしていました。また、それだけでなく戦いで疲弊した体育会系の部活が保健室に助けを求めてやってくるということも予測していたんです。」
「室長は野球部の一人を人質にとって、優位に立つつもりでした。もし仮に、野球部が全勢力を上げて保健室になだれ込んで来たとしても、おそらく彼は野球部を非難して、なんとかやり過ごすつもりだったのでしょう。悪く言うかもしれませんが、それができるぐらい、彼は卑怯者なんです。でも、だからこそ信頼できた。」
そう言うと、彼はうつむいていた。
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「さあさあどうぞ、上がってください。」
野球部はこれほどかというほど大きな笑みを浮かべ、そのまま生身で保健室に上がる。
そして二秒後、野球部二人は地面に倒れた。
「よし、そこの包帯でこいつを縛っておけ。ギブスもつかっていいぞ」
室長は淡々と命令を出した。
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10:00
野球部の防衛する茶道室にビデオレターが届いた。
USBメモリーをPCに挿すと、犯行声明が浮かび上がる。
(野球部の諸君よ。君たちの仲間の二人は預かっている。返してほしかったなら明後日グラウンドへ...)
「何なんだよ...これ...」
中学生がため息を漏らす。
茶道室には、異様な緊張感が立ち込めていた。外ではまだ戦っている他部活の生徒が怒号を出している。
茶道室の外で見張っている北西が清原に訪ねた。
「一体、何があったんだ?」
「体育教員だ。」清原はポツリと、確かにそういった。
少し自分も話を書くの疲れたので、気休めにしてください