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学校戦争 ~教育の奪い合い~  作者: あおのり
初陣
4/27

ターニングポイント 野球部 vs 陸上部


野球部。

キャプテン清原勇知が束ねる、中高計60人で構成された部活。

グラウンドを本拠地としつつ、色々な部活を同時に攻撃する戦術を取る。


8時57分、グラウンドを陸上部と野球部が二分していた。

野球部40人と陸上部50人の戦いの始まりである。


9時5分

「勝ったぞーー-!!!!」

体育館からの大声が上がったのを皮切りに、野球部が攻撃を開始した。


 清原の指示を受けて、野球部員が上空へ球を打ち上げる。打った球は放射線を描き、陸上部の上に次々と落下した。不運な事に、陸上部は上に対して何も防御をしていなかったので、一方的に攻撃を受けてしまう。


9時8分

 ついに陸上部が動き出した。田上飛翔含む10人を残しその他の部員は縦横無尽にグラウンドを駆け回る。

グラウンド全体は煙で覆われ、互いに何も見えない状態になった。

「そろそろ攻め時か...」田上がつぶやく。


ホイッスルが鳴ると、煙の中から陸上部が現れ、攻撃を仕掛ける。最前線の野球部はリーチのあるバットで戦っているが、突破されるのは時間の問題だ。と、清原は思った。

「北西はいるか。」

「ここにいます。」北西が返事をした。「北西悠人」バットにスタンガンをつける改造をしたのは彼である。野球部のエースで、先発を努める。

「あれを使って反撃をしてこい。」



 陸上部は勢いに乗っていた。完璧な油断からの奇襲。相手の野球部も十分な力を発揮できていない。

そう思った時、剛速球が陸上部の一人に命中した。彼の胸からは血が出ていた。

 煙の中でかすかに見えたのは、「ピッチングマシーン」しかし、ただのピッチングマシーンではない。

北西が工夫に工夫を凝らし、夜を徹して作った改造マシーン。350km/hのスピードでボールが投げられるようにされている。もちろん、そんなスピードで受ければ、命に関わる。


 今まで生徒達が背負っていた「退学」のスリルが、「命」のスリルに変わった。そう気づいた時、既に陸上部は戦意を失っていた。

「うわああああぁぁ!!!!逃げろおおぉぉぉ!!!!」誰かが叫んだ瞬間、

蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。

背中を向けて逃げていく陸上部を、野球部は正確にボールを当てていく。

田上の元には、十人も戻ってこなかった。

挿絵(By みてみん)


「もうダメか..」田上はつぶやいた。前からは、野球部が全速力で追撃をしてきている。

「こうなったら、俺らではもう勝てない..幸い、あいつらよりは足が速いはずだ。とりあえず逃げるぞ!」

全員が逃げようとした時、唯一の退路には、テニス部とサッカー部がいた。


 テニス部とサッカー部は陸上部を相手にする訳ではなかったようだ。

テニス部とサッカー部が野球部の方へ突っ込んでいく。追撃してきていた野球部との戦闘になった。

「まだ終わってない..俺たちも行くぞ!」二十人足らずの陸上部も、二つの部活の援護に駆けつける。


野球部の清原には、三つの部活に攻められている事が伝えられた。

清原は、もうこの戦いに勝てない事を悟ったので、全員で将棋部の教室まで撤退する事を決めた。

「ピッチングマシーンはどうします!?」北西が声を張り上げて清原に質問する。

「もう持って行く余裕はない。くれてやれ..バットは持っておくように伝えろ。」


こうして、野球部・陸上部は完全に滅びてはいない物の、大打撃を受け、結果的にサッカー部とテニス部が得をする結果となった。グラウンドはサッカー部、テニス部、陸上部で三分割され、グラウンドの激戦は幕を下ろした。


(私立大近畿学園 二階グラウンド 地図)

挿絵(By みてみん)

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