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天才はもう要らない  作者: ラクト
1/1

妖怪には勝てない

これから1話のボリュームが縮むかもしれません。

今日は日曜日、俺は平凡でなにもない休日を過ごすつもりだった。

だが、なぜか俺は今カラオケにいて、しかも歌わず数人で机を囲み



トランプをやっていた



いや、なんで?と思うだろ?思わないとおかしいでしょ?

というわけで、この状況になった経緯を説明しよう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



それは、いつも通り何もなかった金曜日の放課後の事だった。

今は7月の終わり頃、もうすぐ夏休みだ。

なに?まだ2話なのに早すぎる?うるさいやい!作者に行ってくれ!

この学校、というか施設の夏休みは8月1日から9月5日まで。


日数的には、普通の学校とあまり変わらないだろう。

でもここは政府の極秘施設、実家に帰ることはできない。警察学校よりその辺は厳しい。


そして何より………


めっちゃ暇なのだ


実家に帰ることはできない、というか俺は帰りたくない。

そしてこの施設内に娯楽があるかと言われると……

そこそこ止まりである。

今の日本は科学技術が進化して、娯楽はかなり増えた。


ゲームの世界に行ったり、本一冊読むにしても専用の機器を付けることで、本の世界を第三者目線で見ることも出来る。


要するに何でもありだ、本に関してはもう本じゃないし………


今この施設にいる「天才」と呼ばれる生徒の数は150人余り、でもこの施設に住める人の数はゆうに1000を超える。

一つの小さな町に匹敵するこの施設は、ガランとした実に静かな町と、世間には認識されているらしい。

そりゃそうだ、あまりに人が居なさすぎる。


長くなったが、これで俺がいかに暇な夏休みを過ごす事になるか分かってもらえただろうか?


「上山ー、夏休みどうするー?」


早速来たよ、俺のルームメイトにして運動の天才様が………


「そうだな、ゲーム三昧になるんじゃないか?どうせ町に出ても誰にも会わんし」

「そーだねー、ゲームかー体なまっちゃうなー」

「それも問題だな、ある程度は体を動かさないと」


俺たちがそんな話をしていると。こちらに一人の女子がやってきた。


「ねぇ、夏休み暇?暇だよね?」


誰だかはわかるだろうか?まぁ分かるか……


「なんだよ早見、だいたい暇だよね?ってもう決めつけてんじゃねえか!?」

「だって暇でしょ?」

「………はい、暇です……」


そーですよ暇ですよ!というかこの施設にいる人は全員暇だと思う。


「じゃあさ、みんなでなんかして遊ばない?どうせ二人ともゲームとかしかやらないでしょ?」

「まぁそうだな」

「そーだねー」


実際それしかやることはなかったし、遊ぶのもいいかもしれない。


「みんなって誰なんだ?」

「私、静ちゃん、御上、あんたら」


静ちゃんとは静川の事である。


「5人か、どこで何するんだ?」

「とりあえず、8月10日にカラオケ行こうって話になっててさ」

「カラオケか、お前はいいか?猫間」

「いいよー、久々に行きたいなーって思ってたしー」

「じゃあ決まりね!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


という流れになった訳だが………


最初の方は良かったのだ、みんな歌ってはしゃいでそれは高校生らしい楽しいカラオケだった。

流石に猫間以外が疲れてきて、息抜きにしようという事になり、早見が持ってきていたトランプで遊ぼうという事になったのだ。


遊ぶゲームは ダウト


シンプルかつ運や観察力が問われるゲーム

でも俺たちは忘れていた。このゲームをするにあたって絶対に楽しくプレイできない奴がいる事に。




「ぜ、全然勝てない……….だと」

「あははっ!上山弱すぎ!!」

「素直な奴だなぁ、上山は」

「よーわー、流石にやばいよかみやまー」



俺はこのゲームが弱い、理由はよく分からん。

どうやら俺は顔にすぐに出てしまうらしい、でもいい!嘘つきよりいいじゃねぇか!!

あと相変わらず静川は何も言わない、それにしても……



「それにしても、御上強いねー!あんたさっきだから全部一位じゃん!それに嘘も全部見抜けるし!」

「まぁ、それが俺の「才能」だからなぁ」


御上 天音の才能は「観察」

その類稀な観察眼は、普段気にしないような外見の情報を読み取る。

小学生の頃からその才能があり、いじめられましたそうだ。


そんな彼を不気味がる人たちは彼のことをこう呼んだ



サトリ



サトリとは一種の妖怪である。

人の心をやめると言われている。まさに御上は当てはまる。


初めて会った時から、御上の人を見る目は他とは違っていた。まさしくコンピューターにスキャンされているような、そんな感覚だった。


結局俺たちは一回も御上に勝てず。

熱唱した後、好きなだけ食べてお開きとなった。

この施設の店は、俺たちに対してはなんと無料なのだ!

そういうとこは好きである。


今日の結論、妖怪には勝てない



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ー今日の天才ー


御上 天音(みかみ あまね)


天才属性「観察」


5教科偏差値


国語 4

数学 3

英語 4

社会 3

理科 3


座右の銘「騙されることの無い人生を送りたい」


夏休み編、まだ続かせたいのでおなしゃす!


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