0_01話
数年前に個人サイトで小説を投稿していましたが、心機一転で「小説化になろう」にお世話になることを決意。
宜しくお願いいたします。
タグは今後調整します。
かつて世界を巻き込む大戦があった。
外から来た者から世界を取り戻すために内に残った者が戦った。
長い年月の果てに、内の者は外の者を倒した。しかし、長い年月もの間、外の者に影響を受けた世界は、改変され続けていた世界は元には戻すことができなかった。
故に、世界は外の者が来る前には戻らず、しかし、完全に改変を受けた状態でもなく、適度に折り合いを付けて新たな時代を歩み始めた。
それを知る者は殆どいない。時代が大きく変わったことは時代の終わりと共に、生き残った一部の者たちによって強制的に忘れ去られた。
それから数百年の時が流れ、一人の少女が旅に出る。
未知なる冒険と今は乏しき神秘を求めて。
† † † †
私、ライニー・フォン・シュベルトヒルトは小さい頃から不思議な夢を見る。それはそれは不思議な夢だ。なぜかというと、夢にしてはあまりにも実感がありすぎるから。まるで、本当に私が体験したことあるような夢なのだけれど、私には見に覚えがないし、恐らく、世界中探したところで、夢に見たような場所はこの世にはないと思う。
あるときは城内。あるときは草原。あるときは・・・草木すらなく生き物の気配すら感じないような無の世界。そんな場所で私は常に戦っていた。
感じるのは使命感と苦痛。何としてでも世界を取り戻すという意志、その意志を蝕むような全身の痛み。負けずに歯を食い縛るも、呼吸する度に全身が焼けるような熱に襲われる。空気が動くだけで肌をグサグサと引き裂かれる痛みが襲う。何より、体だけの痛みに収まらず、体の奥底、魂が常に悲鳴を上げていた。夢の私はそれを表に出すことなく、ひたすら内に秘めていた。事情を知るものたちにすら欺けるほどに、ひた隠しにしながら、願っていたのは使命の完遂。
時間が経つほどに増す激痛。それに反比例するかのように弱体化していく己の力。終盤での私は全盛期に比べて見る影もなく、一般的には強者なだけであって、猛者がいる戦場においては弱者となっていた。工夫を凝らして戦えはしていたものの、それ故に、全盛期に戻れないが故のもどかしさもあった。
そんな人生の終盤。私の中に転換期が訪れた。人生初めての出来事。
それはそれは小さな恋だった。
どんな状況でも諦めず、持てる己の力を駆使して剣を振るう姿に見とれた。周りが諦めた状況でも、諦めない。どんな絶望的な状況でも立ち向かう英雄的存在に惹かれた。そして、私自身が彼を護りたいと思ったのだ。
使命は胸にしっかりとある。しかし、それと同等に、いや、使命感を上回るレベルで彼を死なせたくないと思ったのだ。
ああ、だからこそ。この夢は胸が締め付けられるのだ。強敵と相討ち、地に伏した私に駆け寄る彼の姿が映る。その周りにいる仲間たちも悲しげで、それでも、申し訳なく思うけれど、彼の涙を見たくないと思ってしまって。
死にたくなかった。
使命のためなら死ぬことも厭わなかった私はそれほどに弱くなっていて。その弱さがとても大切だった。だから、本当の想いは秘めたまま、死ぬ間際に言ったのだ。それが彼や彼らを縛り付ける呪いになると知りながらも、夢の私は告げていた。
いつかの未来で、みんなで旅をしよう。誰も見たことない風景をみんなで見よう。
彼に好きとは言わないまま、それでも、みんなで取り戻した世界を廻りたいという本音を告げて。私は使命半ばで息絶えた。
これが私の見る不思議な夢。夢にしてはあまりにも実感がありすぎる。まるで、本当に私が体験したことあるような夢なのだけれど、私には見に覚えがないし、恐らく、世界中探したところで、夢に見たような場所はこの世にはないと思う。そんな夢。
夢を見たときだけ、いつも見ている夢だと思い出す。そして、目を覚ますと忘れている。涙の跡があり、どんな夢を見ていたのやらと呆れながらに起きるのだ。
夢の中の私が息を引き取ると同じくして、体が浮き上がる感覚を覚える。それは覚醒の兆候。また、私は目を覚ます。約束すら忘れて。けれども、約束を果たすために。
始まりは意味深。ある意味伏線?
同時並行で執筆中の作品と繋がってます。
投稿はまだまだ先ですが。




