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世界中の誰か独りには伝わるかもしれない話

作者: 篠崎 凪乃
掲載日:2016/03/07

物心ついた時からわたしは独りだった。

物理的にではなく精神的に独りだった。

親と居ようと知人と居ようと、

他のどんな人間や動物或いは無生物全般。

誰かや何かとどれだけ長く居ようとわたしの中の独りが消えることは無かった。


寂しいわけでも悲しいわけでもなかったが、

常に満たされない報われないような、

何とも言い難いもどかしい思いにずっと苛まれている。

きっとこれからも変わらないのだろう。


ある時わたしは悟った。

「世界でわたしは独りきり」

どんなに優れた環境に居ようと

どんなに劣悪な環境に居ようと

あたり前な平凡な環境に居ようと

笑っても泣いても怒っても悲しんでも

生きていても死んでいても

例え生まれ変わり世界を超えようと

ドコまで行ってもわたしの独りきりが消えることは無いのだと。


感情の起伏が無いわけではない。

わたしだって人間だ。

怒りもするし泣きもする。

感情は至って普通の筈だ。

それでもずっとずっと独りぼっちなのだ。

多くの人と関わる事があったわたしは、

その人たちに様々なことを言われてきた。

しかしそのどれも何一つわたしの心に響くことは無かった。

家族の言葉でさえとても空虚で伽藍洞な酷く虚しいモノに思えた。

近い筈なのに言葉では言い表せないほど圧倒的に遠い何か。

その何かが未だに何かわからないまま、

世界とわたしの心を隔てているような気がする。


ソコに住んでいるのに他者とは何かが違う。

人はそれぞれ、違うのは当たり前という人がいた

言葉の意味は分かっている。

でもソレとも違う、ありありと見せつけられているのに、

霞のように実体のない違和感の正体が掴めない。

考えても解らず深みにハマり、

誰かに話しても一笑に付す。

そうしてまた孤独に苛まれる。


そうやって独りの連鎖が続き、

苦しみ続ける。

胸の奥は鎖で縛り付けられたかのように、

ギシギシと軋みをあげて痛い。

言葉に出来ず、吐き出せない

そんな何かが胸に残り続けて

心を蝕み、大きな穴になり

何かが詰まっていたはずの

この胸はまさに伽藍洞のよう


希望も絶望も夢や望みすら持てず

壊れている自分に気付かないふりをして

精一杯強がって見せる。

気付いてしまったら、

わたしは自分を保つことなど出来ないから。



多くの人にはきっとわからないだろう。

特に今の人たちには何を言っているのかすら、

理解できないかもしれない。

それでもわたしは信じたい

この孤独を

苦しみを

辛さを

痛みを

味わっている人が他にもいることを

そうでなければわたしは本当にこの世界で独りになってしまうから

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