狂戦士に希望を与える天才
森の中は様々な鳴き声でいっぱいだ。鳥や虫、自然の中で生きるたくさんの動物たち。
街の中で聞く雑踏とはまた違ったうるささが森の中には広がっている。
そんな生命の大合奏を聞きながら、チャティスは料理をトレイの上に置いて持ち上げ、こぼさないよう慎重に家の床を歩く。
目的の部屋まで辿りつくと、慎重を期しながらコンコンとノックした。
「入るよ」
ゆっくりとドアを開け、小さなテーブルの上に皿を置く。
ドアを閉めてよし、と一人で納得した後、ベッドの上で寝ている人物へと目を向けた。
「寝れたかな?」
「うん……ここは落ち着くからね」
小さく笑う少女――シャルは落ち着いた様子で呟いた。
そっか、と相槌をうって、丸椅子に座ったチャティスは自分で作った料理を手に取り、木製のスプーンでスープを掬う。
「少し苦いかもしれないけど我慢してね。怪我の治りがよくなる薬膳なの」
「うん……はむ」
一瞬だけ苦そうな顔をして、我慢しながら呑み込むシャル。お腹が空いていたのか早く、と目で急かしながら口を開けてくる。
その様子にチャティスは安心して、掬っては食べさせ、掬っては食べさせを繰り返しスープを食べさせてあげた。
「苦いよ……」
「薬ってのは苦いものなんだよ。だから我慢してね。……私だって我慢したし」
「何のこと?」
何でもないよ、と慌ててチャティスは誤魔化した。虫料理に不満を持っていたなどとは口が裂けても言えない。
「少しの間だから辛抱してね」
「うん……ふふ」
「どうしたの?」
急に嬉しそうな笑みをみせるシャルを不思議に思い、チャティスが訊く。
と、シャルはえっとねと愛らしい笑顔で、
「まるでチャティスがお母さんみたいだなって」
「そ、そうかな」
気恥ずかしくなってチャティスが頭の後ろを掻く。
チャティスの胸中は恥ずかしさと同時に誇らしさが入り混じっていた。
もし、シャルが自分を母親のように思ったのならば。
かつて、自分を看病してくれた母親と遜色のない世話ができている、ということではないか。
そう思うとチャティスは温かい気持ちに包まれた。もっと何かしてあげたくなる。
「……へへ、他に何かして欲しいことある?」
「そうだね……」
ベッドから身を起こしているシャルは少し考えるようなしぐさになって、窓際に飾ってある花瓶を指さした。
「それ、とって」
「お花だね、はい」
心を落ち着かせる不思議な青い花。チャティスは花瓶を持ってシャルへと手渡した。
シャルはその香りを嗅いで心身ともにリラックスする。
(この光景だけを見ると、中毒性のある危険な薬物に思える。けど、この花に中毒性のようなものは見られない……)
チャティスは父親から薬の知識を教えてもらう過程で、いわゆる良い薬と悪い薬があると教えられていた。
良い薬とは人の病や怪我を治療する薬。用法用量を守って服用すれば、対応する病気・怪我等を治すことができる魔法の物品。
反対に、悪い薬とは人をダメにする薬。摂取することで廃人となったり、症状を悪化させたりしてしまう危険な代物。
だが、決して無能ではなくむしろ優秀な父親から得た知識と照らし合わせてみても、この花が危険な代物であるとは思えないのだ。
無論、チャティスは圧倒的に経験が不足している。知識だけは天才を自称できるほど存在するが、知識だけでは計り知れないものもある。
この花も短期的にではなく長期的に嗅ぎ続ければ精神を破壊してしまうほどの劇物になる可能性もなくはない。
だが、それでも――。
「私は天才だからね。常人では思いつかないようなこと、やろうとも考えないこともできるんだよ」
「チャティス……?」
「何でもない。……ちょっといい? どうしても聞きたいことがあるんだけど」
チャティスが頼むと、シャルはいいよと二つ返事で応じてくれた。花瓶を床の上に置いて、チャティスに向き直る。
チャティスは最初にごめんね、と謝ってから質問した。
「嫌なことを思い出させちゃうけど……」
「あのひと、のことだね」
「うん」
チャティスは頷いて、詳細を話し始める。
「クリスがなぜあなたを殺さなかったのか知りたいの。……シャルが生きているのが嫌な訳じゃないんだけど」
「わかってるよ、チャティス。遠慮しないで訊いて」
「……ありがとう。それじゃあ、あの剣が振り下ろされた時――」
チャティスは俯瞰していた先日の一件を思い出す。
まず結果だけを言えば、クリスはシャルを殺さなかった。
「待って……クリス!! シャルは、シャルも! 殺しちゃダメ――!!」
そう叫んだあの時、チャティスはミュールと同じ悲劇が繰り返されたと思ったものだ。
だが、実際にはシャルは生存している。振り下ろされたクリスの剣は、シャルの真横に突き刺さっただけだった。
その時の嬉しさと、疑問がチャティスの心の中にこびりついている。
解消したくても解消できない謎。直接本人に訊けば早いのだが、まだチャティスはクリスに謝罪をしていないのだ。
謝罪をしたくとも、まだ何かしらの誤解があるのかもしれない。そう考えると、チャティスはどうしても謝れないのだった。
「あの後、クリスは何か言ってたよね?」
「うん、言ってた」
「教えてくれる?」
「いいよ、チャティスなら」
シャルは回想するように目を閉じて、ゆっくりとクリスの言葉を再現していく。
「……今は見逃そう。お前は正気に戻った。だが、覚悟しておけ。俺はいつかお前を殺す」
「そう、言ったんだね」
チャティスはじっと考え込むように口元に手を当てた。
今は見逃そう。お前は正気に戻った。
この言葉は言葉通りの意味だと推察できる。単純に正気に戻ったから殺さない、とシャルに告げているだけだ。
だが、そう考えるとなぜミュールを殺さなければなかったのか疑問が残る。
ミュールだって、クリスの猛攻を受け正気に戻っていたのだ。
(後の言葉も変)
覚悟しておけ。俺はいつかお前を殺す。
これは言わば殺人予告だ。時期が不明瞭の、しかし確実に殺す意志を込めた言の葉。
だが、どうせ殺すのならばすぐに殺してしまえばいいのではないか? それにわざわざ逃げられるリスクを背負ってまで言うべきことではないはずだ。
後で殺すなら後で殺すにしろ、黙っていればいいのだ。そうすれば、いざ殺害する時になっても逃げられたり反撃を受ける可能性が減る。
なのにわざわざクリスは告げた。そこにクリスの考える何かが隠されているはず。
そう信じるチャティスは頭を巡らせる。クリス、ミュール、シャル。狂戦士たちの顔が浮かんでは消え、消えては浮かぶ。
(クリスは一体何を考えてるの? ……っ、わからない)
チャティスは考えを一新するために頭を振る。
思い悩むチャティスを間近で見ていたシャルはそういえば、と付け足した。
「あのひとは、私に生きたいかどうかも訊いてきたよ」
「……生きたいかどうか、訊いた? ……っ! そうか!!」
チャティスはガタッ、と座っていた丸椅子を倒す勢いで立ち上がる。
浮かぶのはミュールの言葉。眠れない夜、チャティスがミュールに会おうと城へ向かったあの日、チャティスは謁見の間でクリスとミュールが戦っていることなど夢に思わず、城内を散策していた。
ミュールの部屋に行く途中、たまたま通った謁見の間から聞こえてきたミュールの返答。
死にたいのかというクリスの問いに対し、ミュールの返事は、
「はい、クリス。わたしは生きていてはいけない狂戦士……。殺して、ください」
というものだった。
その後、チャティスは茫然としながら謁見の間に入り、ミュールが殺される様を見る羽目となる。
つまり、クリスはミュールが死にたいと言ったから殺し、シャルが生きたいと言ったから殺さなかった、ということだ。
そう考えるといくつかの疑問点は解消される。だが、それならなぜ、わざわざいつか殺すなどというのか?
その謎の答えは、以前クリスが言っていた彼自身の目的だった。
――俺の目的はバーサーカーを殺すことだ。
「そうか、だから、いつかシャルを殺すんだ。バーサーカーを殺すことが旅の目的だから。……思い出した。あの後――」
チャティスは今まで忘れていた、クリスがミュールを殺した後に言った内容を思い出す。
――眠れ。崇高なる想いと共に。……お前の理想は俺が引き継ぐ。
「ミュールの理想は、狂戦士同士が争わない世界を創ることだって言っていた。狂化戦争は愚かな所業だって。もしかして、クリスの本当の目的は、狂化戦争を止めること? いや……違うよ。戦争を止めるだけだったらもっと別のやり方があるはず。じゃあ……っ……そんなはずは」
「チャティス?」
「まさか……いや、でも、だからいつか殺す? でもそしたら……彼は」
チャティスは気付いた。理解した。
クリスの本当の目的を。上辺だけの表面的な理解ではなく、その中身の、本質を。
「わかった、わかったよ、シャル。クリスの本当の目的は、彼自身も含めた全てのバーサーカーを殺すこと」
なぜかはわからない。その理由だけはチャティスの持つ情報だけでは推測できない。
きっと、訊いても教えてくれないのだろう。
だが、何をしたいのかはわかった。
だから、ミュールを殺し、シャルだって後で殺す。狂戦士だから。
そして、全ての狂戦士を斃した後は、自分の胸に剣を突き立てる。狂戦士だから。
しかし、そんなのは到底受け入れられないし、黙認する訳にもいかない。
それに、なにより――。
「……放っておけない」
「チャティス?」
チャティスの意図がわからず訊き返すシャル。そんな彼女に、チャティスは覚悟を秘めた瞳を向ける。
「私、決めたよ。クリスの旅路について行く。放っておけないから」
薬師チャティスは、狂戦士の旅へとついて行くことに決めた。
※※※
シャルの看病を中断したチャティスは、自分の覚悟を伝えるため、何とかして木の上の家から地面へと降り立ち、クリスを捜索していた。思いっきりお尻を打ったが、歯を食いしばっていた身に耐える。
しばらく辺りを探している内にあの幻想的な花畑の場所へと足を踏み入れたチャティスは、やっと目当ての人物を見つけることができた。
クリスは、花畑の真ん中で佇んでいた。無表情なはずなのに、どこか悲しみを愁いているような顔で。
居ても立ってもいられずチャティスは声を掛けた。
「この花、綺麗だよね」
「……そうだな」
日が傾き始め、夕日が場を照らしている。
青の花々は、黄昏の黄金でも映えた。美し過ぎる場所に立つチャティスは、この光景は自分にもったいないとさえ思ってしまう。
絶景に感服し、しばしの間二人で花畑を眺めた後、チャティスは口火を切った。
「あのね、クリス」
「何だ?」
「ごめんなさい」
チャティスはまず頭を下げる。最初に謝るのが筋だと思ったからだ。
「謝られるようなことはされてないが」
「したよ。私はクリスに助けてもらったのに、お礼もせずに出て行った」
「あれは俺が――」
「うん、わかってる。だから、私も」
「自分勝手にお礼し、謝る……か」
「そうだよ」
チャティスはクリスの傍まで近づいた。隣に立ち、仮面めいた横顔を見上げる。
外套のフードを脱いでいるため、夕日で輝く彼女の顔がよく見える。
「私は色々とあなたのことを誤解していた。ミュールのことも。たぶん、シャルのことも。バーサーカーのこと、狂化戦争のこと、街のこと人のこと、自分自身のことさえも、誤解してた」
「……」
「私は今でも自分のことを天才だと思ってるよ。神に選ばれし天性の子。千年に一度の逸材。誰にも成せないことを成す天賦の才を持った人間。でも、私の中にはチャームなんて呪いがあって、そのせいで様々な災厄に巻き込まれる」
「それは」
「事実かどうかは知らないし、信じたくもないけど、実際にそうなんだと思うよ。……私ね、本当はここにいない人間なの」
「どういうことだ?」
突然のチャティスの告白に、クリスが無表情のまま問いかける。
チャティスは自分の手を夕日に翳して、説明し始めた。
「私ね、不治の病だったんだ。治療法が確立されていない悪魔の病気。罹ったら最後、苦しんで苦しんで、死ぬしかない」
「でも君は生きている」
「うん。父さんのおかげ」
チャティスは微笑を浮かべると、くるりとターンしてクリスの正面に立つ。
「父さんはすごい薬師だった。私を救うため、色んなところに行って様々な薬や薬草をかき集め、とうとう私を治療できる薬を作ったの。だから私は今生きて、あなたの目の前にいる。……私は選ばれたんだ。生きなさいって。特別な人間にしかできないことを成しなさいってね」
だから、私は天才なんだよ――。チャティスは朗らかに笑う。
「でもね、天才にとって小さな村は狭すぎた。村の人たちは優しいし何一つ不満はなかったけど……あそこじゃ私は何もできない。父さんの言う通り薬屋を継いで、母さんの言う通りに幼馴染と結婚したりね。それじゃダメ。私は優秀で聡明で天才なのだから。だから私は村を出て、野盗に襲われて……クリス、あなたと出会った。本当に感謝してるよ。あ、これも自分勝手なお礼だから」
チャティスはクリスが言葉を発する前に先手を打った。開こうとしたクリスの口が閉じる。
してやったり、とチャティスはクリスの様子に満足する。
「それで、クレスト、ラドウェール、アリソンと旅をして……ミュールに出会った。優しい優しいお姫様。私がもっと早くミュールの正体に気付いていればクリスがミュールを殺すことなかったのかも」
「それは」
チャティスは背伸びをして、クリスの口元に人差し指を立てた。
「大丈夫。もうわかってるから。クリスはミュールを殺したかった訳じゃない。ミュールが自分で死のうとしたんだよね。……私を殺さないために」
クリスは首肯して答える。チャティスは寂しそうな瞳でクリスの頷きを見て、
「やっぱりね。……相談して欲しかったな。何か方法が見つかったかもしれないのに」
「そんな方法は」
「今はない、のかもしれないね。クリスもミュールも知らなかったから殺し合ったんでしょ? クリスはなぜか狂わないみたいだけど、きっとその理由もわからないんだよね? だからミュールは自殺して、私を殺さないで済む最善の方法を取った。そして、私はちゃんと理解もせずに出て行った……」
チャティスは花畑の中に沈んでいた倒木の上に乗り、両手を広げバランスを取りながら歩き出す。
「で、私はシャルと出会った。不思議な少女。森の中でひとりぼっちの、寂しげな少女。ミュールとの類似点が多かったんだから、すぐ気付くべきだったのかもしれないね。彼女がバーサーカーだって。っとと」
チャティスは体勢を崩しそうになり、何とかして持ち直す。
「でも、彼女との出会いは、無駄じゃなかった。シャルのおかげで私は自分のやるべきことに気付いたよ。ミュールのおかげでもある。父さんと母さんのおかげでもあるし……ほいっと」
チャティスは倒木の上から跳ね降りて、クリスへ振り向いた。
「クリスのおかげでもあるよ。成り上がるだけじゃなくて、薬師としてもやらなきゃいけないこと。もうあんな想いはたくさんだからね」
「薬師を目指すことにしたのか」
「ちょっと違うかなーっ。私は既に薬師として完成されてると言っても過言ではないんだよ。なんたって父さんから学んだからね。兼業するってこと。薬師と、成り上がるための職業と、両方ね。まぁ何になるかはまだ決まってないんだけど」
えへへ、とチャティスははにかんで、
「でも、今日の本題はそれじゃないの。私はね、クリス。あなたについて行くことにしたんだ」
「……何?」
チャティスの宣言を聞き、訝しむ声を出すクリス。彼の反応が予想通りだと言わんばかりにチャティスは続ける。
「あなたの目的はバーサーカーを殺すこと。きっとこれからも色んな国に行って、バーサーカーと戦うんだよね。相手が脅威なのか、生きたいと願う意志があるのかを確認し、殺して倒して戦って、全てのバーサーカーを倒すまで戦い続ける。……放ってなんておけないよ、クリス」
信念の灯る瞳でチャティスはクリスを射抜く。てっきり怒り出すかと思っていたチャティスだったが、クリスはずっと同じ表情のまま、感情を露わさない仮面のような無表情のままだった。
「放っておけない、か。戦闘能力のない君がか?」
「戦闘能力ならある。……って言いたいけど、図星かな。今はピストルだって壊れてるしさ」
チャティスはホイールロック式ピストルを取り出して、苦笑する。戦闘能力、という観点でいえばチャティスは間違いなくクリスの足手まといになる。
だからこそ、チャティスはアリソンに残ろうと考えたのだ。もうその望みは儚く消え散ったが。
だが戦闘ができようができまいが、譲れないモノは誰にだってある。それは天才も例外ではない。
「それでもついて行くって決めたんだよ。自分勝手にね。放っておけないから」
「……自分勝手に、か」
「自分勝手に、だよクリス。私は我儘な女なの」
そう言って、しばらくチャティスとクリスは見つめ合っていた。両者は何も言わず、ただ相手に視線を注ぐのみ。
そうこうしている間に日が暮れて、クリスが根負けしたように視線を逸らす。
「勝手に付いて来るというならば、勝手にすればいい」
「うん。勝手にさせてもらうよ。もう二度とあんな悲劇は繰り返させないし、それに――」
チャティスはとことこ……と花畑の中央まで歩いて、両手を広げて天を仰いだ。
「このお花、不思議でしょ! 心が安らいで癒される。……理性的になる不可思議な花! 私ね、この花を研究すれば狂化を治せる薬ができると考えてるの!」
そう大声で叫ぶチャティスに月光が降り注ぐ。チャティスと彼女の周りの花々が淡く照らされて、きらきらと輝き出した。
その光景をクリスはただじっと見守っていた。何も言わず、何も行わず。
「できるよ、きっと! バーサーカー同士で争わない世界が! 私は天才だからね!!」
えっへんと胸を張るチャティスはただただ綺麗で、眩しかった。
※※※
一通り話し終えると、チャティスは夕食の準備があると言って先に小屋へと戻って行った。
だが、恐らくは助けを求めるだろうとクリスは踏んでいる。チャティスひとりでは木を登るのは難しいからだ。
運動神経は決して良くはなく、思慮も浅はかで、自分の実力を過信している自己愛の強い少女。
もしクリスがチャティスについて見聞きしただけだったとするならば、彼はこう分析したことだろう。
だが、クリスはそう思わない。
クリスによるチャティスの分析結果は天才だった。
ただの天才ではない。広義の意味での天才でもない。
チャティスは――。
「人に……バーサーカーに、希望を与える天才……か。サーレ、君はどう思う?」
死人に口なし。死者に問いかけても答えは返って来ない。
そう認識しながらも、クリスは問いを投げかける。
「俺のやり方と、チャティスのやり方。どちらのやり方が君の理想なんだ、サーレ……」
クリスは、うぅ手伝ってぇ! と涙目でチャティスが叫ぶまで、サーレに問いかけ続けた。




