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第五話 

 街に戻るには、理由がある。まず、あまりゲームをしない僕たちだが、多少この手のゲームには知識が残っている。その一つに、通常組み合わせないスキルを組み合わせる。というものがる。これは昔、僕とタカ、それとゲーム内で知り合ったやつとパーティを組んでいた時だ。そいつがあるとき、「面白そうだから」という理由で考案された。

 いくつかの完成された案の中に「後衛が一人で戦う」を題材に作ったものがある。今日はそれを実践するために必要なモノを揃えるためだ。

 あとは、そのゲーム内であった「やつ」に会うため。一応目星は付けてある。



「なぁ、タカ。「アイツ」いると思うか?」

「アイツの性格上、今はここにいるはずだ。間違いない」


僕らは今、街の最南端にある店に来ている。店の名前は【Sunday】だ。見た目はかなりボロい。

確かに、「アイツ」なら店の外装はボロくするはず。

僕たちは店に入った。店内には商品の入ったショーケースが二つとカウンターだけだった。客は居ないようだ。


「お~い。ミナトいるか?」

僕はその店内の様子から確信を持って名前を呼ぶ。すると、奥の部屋からパタパタと人が歩いてくる音が聞こえた。


「はい。どなたですか~」

奥から顔を出した女性は昔と変わらぬ姿だった。


「よぉ、ミナト。久しぶりだな。俺、タカだよ」

「え? タカ君? じゃ、そっちの子は……」

「リンだよ。久しぶりだねミナト」


僕が答えるとミナトはなぜか目をウルウルさせ、終いには鼻をすすり出した。

「泣くなよミナト。どうしたんだい?」

僕が聞くと、なんとか返事してくれた。

「だってリンちゃんたち、解散してからどのゲームやってもいないし、ひょっとしたらもう会えないのかと思ってたから……ううっ」


また泣き出しそうになったのでタカが「どうどう」と背中をさすっている。

しばらくしてようやく泣き止んだミナトに僕らは切り出した。


「なぁ、ミナト。また僕たちとパーティ組まないか?」

「うん! 喜んで」


満面の笑みでいい返事をしてくれた。うむ、なまじ顔がいいのでかわゆい。彼女は長い黒髪をポニーテールで括る。これは前からだ。タカに言わせると。


「可愛く、性格もいい。ただ、スタイルも……バスト以外はクリアだ」

らしい。タカはスケベだからな。実は常にこんなこと言ってる。


「でも、リンちゃんがまさか女装してるなんて。そっちに目覚めたの? しかもゴスロリって…」

「ちがう。これは知り合いが条件付きでくれたの。僕の趣味じゃない」

「わかってるよ。でも、かわいいな~」


ミナトが抱きついてきて頭を撫でてくる。くそ、なんでお前らそんなに身長高いんだよ。しかも撫でるな!


「はいはい、ミナトもリンちゃんもそこまで。ミナトには早速で悪いが、ついてきてくれ」

「うん? いいけど。どうしたの?」

「昔、お前が考えてた戦略が実現できそうなんだ」


タカがミナトに僕たちの考えを伝えるとニコニコ顔から急に真剣な表情になった。

「あれのこと? ならもっとすごいのがあるよ」

「本当か? すごいなミナトは。早速頼めるかい?」


僕が尋ねると急にミナトは破顔して「いいよ。スグ行こう」と手を引っ張って連れて行かれた。

ただ、店を出る際にタカが「なんでこいつばっかり……」と意味不明な言葉をもらしていた。







 そして僕たちがやってきたのはスキル屋だ。スキルはレベルが上がるごとに振られるSPポイントを消費して購入する。装備できるのは現状では五つが限界だが。


「で、ミナト。一体なんのスキルを買うんだい?」

「ふふん♪ リンちゃんはガンナーで、法術師なんだよね? それで神子。なら、【鷹の目】と、【精霊の加護】だね」

「【精霊の加護】ってなに?」

「文字通りだよ。精霊たちから恩恵を受けられるスキル。耐性がつくのよ」

へぇ、僕にはいらなさそうだけどミナトが言うんだ。違いないだろう。


タカに関しては今はそのままでいいらしい。あと、ミナトは回復要員。職業は僧侶らしい。

なぜ、店を持っていたかというと、彼女は昔から生産側の人間だった。だが自分も戦場に出たかったとの理由で回復もとっていた。というわけ。


 スキルも買ったのでひとまずログアウトすることに。僕もタカもバイトだ。ミナトには晩にまた来るよ。と言ったので大丈夫だろう。






ステータス

RIN Lv19

【鷹の目】LV1 【精霊の加護】LV1 【ステップ】LV13 【魔力】LV17 【魔術師の才能】LV16



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