ミッション1第一章その1-廃ビルにて-
ここは住宅地から離れた廃ビル。
そこに4つ人影があった。
髪を腰のあたりまでのばした男が口を開いた。男はカマキリと名乗っていた。
「今度の仕事は密輸船の護衛だ」
それに対して、右の頬に赤い風車のタトゥーが入っている女が
「で、なんでうちらを集めた?」
と気だるそうな声で言った。女はイタチと名乗っていた。
「それは俺も聞きたいな」
イタチの隣にいた髪を銀髪に染めている男が言った。男はミツバチと名乗っていた。
「まぁ、待て。カマキリにも何か理由があって俺達を集めたのだろうよ」
そう言ってなだめたのは、2メートルはあろうかという大男だった。彼はLOVEドッキュン土田と名乗っていた。
彼らはフリーの傭兵だ。だが、チームをくんでの任務というのはよほどのことがない限りなかった。だから、イタチやミツバチはなぜ集めたのかを気にしているのである。
カマキリは重々しくその理由を口にした。
「今回の任務だが、密輸船を襲おうとしてるやつらがいる。」
「そんなん何回もあったろうよ」
ミツバチがだるそうな声音で言った。
「それはそうだが…。今回襲ってくるのはチーム『灰猫』なんだ」
カマキリのその言葉に全員が固まった。