第二十六話「動く城塞」
イメージソング
NOMELON NOLEMON / HALO Official Music Video
https://youtu.be/dDAP5OQv2RA?si=q9aEQoxAk7xvtfr7 @YouTubeより
レプリカ
BAK『レプリカ feat. IKE』Official Music Video
https://youtu.be/dp1UdYcHVU8?si=hpq2noaSf-L7hLSA @YouTubeより
秋うらら
月詠み『秋うらら』Music Video https://youtu.be/pRt0pxP3uZA?si=TSGXS5a_neOQmB22 @YouTubeより
LiSA『Hi! FiVE!』-MUSiC CLiP- https://youtu.be/qebVMzPT_yg?si=G91sUwo76sMVLEBH @YouTubeより
其れは天に反逆せし者どもの唄、何を疑い、何を信じるかは、全ては、自分次第、
北天の夜空を彩るは、マスドライバー流線形の加速軌道、
降り積もる雪原の荒野に放たれし、その姿は、建造物に仕込まれたカーボンナノチューブによる電熱処理により
雪はいつしか解け、水分子の流れへと還っていく
天に駆け上りし、二隻の艦船がその姿を完全に取り戻し、空を逝く。
向かうは、無窮の宙に浮かびし、夜を彩る月影の都市、
其処に向かうべき理由は、此処にある。手に握られた鈍色の指輪に力を込めて、
意を決して唱える言葉は、「いってきます。」
それは必ず戻るとしての決意の言葉と、決意する夜明けの唄。
其処に待ち受けし、絶望に彩られたモノの名は....死に拒まれた者
其は、命尽きる事もなく、その命を燃やし、人を稲穂として命を刈り取るもの
且つての戦場で取り逃した。何者かは、死を超越した存在となり、彼らの道行きを待ち構える。
その僅か先の未来の状況を知らぬまま、
見上げて見送るは、人妻の姿、一時の別れの段となって、漸く重い腰を上げて、姉へとの再会に踏み出したハルナ=山崎の姿を偲ぶ、
・・・
・・・
・・・
「なんで、もっと早く来ないの!この子はッ」とてへへと笑い。
且つての再会を偲ぶ、怒り心頭な面もちで、なんでマレディクトなんかに入ったのと、ケツバットを振り上げ叩き込むそぶりを魅せつつ
ふわっと香る花の香を載せてそっと抱きしめる。
一拍於いてそのまま鯖折りの態勢へと移行され、あだだだだだと苦しみ藻掻く姿を眺めて、漸く一仕事が終わった事を、口の根でその安堵する言葉を転がしながら遠くを眺める。
それは、蠢くマレディクトたちを降した後の事、
本土のギアナ高地へと結集していたその敵軍の数々は想定よりも数少なく、その防壁を破ったシュバルトレーゲン《黒い雨》の爪痕は深い、たったひと振りによって生じた。
損害は、マレディクト本部の潜む地殻すら穿ち、直撃した後にマグマだまりの疵痕を残していた。
戦闘の損傷により行動不能に陥った機体は数機、大破及び中破も交えるとその数は決して少なくなく、
安堵する中、マレディクトと《Carpe Diemカルペ・ディエム》陣営の勢力図は大幅に書き換わる。
一番大きな収穫は《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)の鉱床を持つギアナ高地を獲る事だできた事だ。
ただし、資源の運搬や、それに類する作業には、一抹の不安残るも、
そうこうしているうちに、《デスペラード》改め《アンチェイン》(Unchain)の姿が何もない虚空に空いた穴から無数のアタッチメント類の基部と同時に帰還を果たし、
坂東の統治に関しては、リン=山崎が引き継ぐこととなる。
その為の懸念点を崩すべく、一先ず、《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)の鉱床より多大の素材となるインゴットの運搬となるが、
問題なくこいつで接収できるぞと自らの機体を指し示す
「なんたって、元は一つだからな」と、語るアイジェスに、春幸は疑問の声を投げかける。
「親父、傷は大丈夫なのかよ。」「嗚呼、こいつは内蔵している素材があれば修復は容易い。」
「いや、違う。親父の撃墜された時の傷の方だ。」「嗚呼、それか、鼻をぶつけて、鼻血が派手に出たぐらいだよ。問題ない。」
「そうか、よかった。」
「結局、母さんは、なんで俺を此処に導いたのだろうか?」不思議に思う春幸の疑問に対して且つての思いを滲ませながら、答える
「なんの話だ?」と疑問に思いつつ、嗚呼そうか...と、流れる唄声に耳を傾け、こいつは彼女の忘れ形見なのか?と自問自答する。
結局結論は出なかったものの再会できなかったが、あいつは誰かと幸せに生きていた時期があったんだなと、何も言わずに、苦言だけ残す。
「そうだな、きっと、お前に見せたい何かがあったんだろう。探し物は見つかったんだろ?それだけでいいだろう。」
「そうだね。」と答えると、静かに夜は沈んでいく。
・・・
・・・
・・・
場面は、《サルヴァートル・エクス》(超越する救済者)の内部の光景へと変わる
早々に素材とデータの回収と機体の改修作業を急ピッチに済ませ、早々に、マレディクト勢力圏よりの離脱選択する。
今は、傷ついた心と身体を休める時期だと、自機の改修を行いながらも、母艦の損傷を仮の補修を済ませると離脱への準備を行う。
此処は敵地のど真ん中、仮に敵を倒して勢力の空洞化が発生したとしても、必ずこの地を奪い返さんと、軍勢を差し向けてくるはず、
その前の離脱が寛容である。
子供たちは、一度の休息の刻に、揚げたてのドーナッツを頬張りながら、満天の夜空をバックに、ささやかな宴を催し、
大量のドーナッツを食し、腹を下したアンザスが、緊迫感を醸し出す修羅場にも似た決定的瞬間に、何も分からぬまま急いでトイレへと駆け込んでいく。
んー?やっぱり材料に、乳糖を多く含む素材を大量に居れたのがまずかったかなぁ?でも美味しいのよね。
と、ひょいぱくっと摘み、去り行く夫の姿を微笑ましく眺める
「何々?修羅場なの?」
外崎は、まるで事情を呑み込めないままドーナッツを飲み込むと答える
「良く分かんねーけど、ユミナリアが抱きしめようと近づいたのに、春幸の奴が...」
おろおろと状況を見守る領五は、
喧嘩両尻成敗の書き文字が躍るクソダさTシャツに身を包みながら、違和感を感じながら、ハンザスの口へとドーナッツを押し込み始める。
そのドーナッツを、おじいちゃんがそーっと手を出し、咀嚼する。
「おじいちゃん、ご飯はさっき食べたでしょ?ドーナッツは一日各自三個まで!メッよ。」と、答える声が響くシュガー=ナッツは、
なになに?痴話喧嘩なの?と沸き立つ、青葉と尻を摩ってケツバットの痛みに耐えるハルナの姿が見えるも
間断的に語り合う言葉の数は口少なく、進んでいく。
・・・
・・・
・・・
事態は進み、入れ替わる様に別の海域へ退避させていた軍船の数々も数日の遅れを以て、ギアナ高地の空域へと到達する。
散発的に生じる戦闘に関しては、いち早く、その機体の整備を終えたアンリミテッド(Unlimited)を駆る春幸が
迎撃に出る。
その機体は、肩部のシールドを取り外し、左右う非対称のその姿から、頭部の意匠のみを残し左右対称の姿を魅せ、
上腕部に位相空間固定アンカーを設置し備わっていた且つての姿を垣間見せると、
独特の高速機動を実現しながら、固い偏向フィールドによる防御と、浮かぶ、球体上のジェネレーターより生じる大量の粒子による高速機動を以て
襲い掛かる先遣隊の数々を単騎で墜としていく
その姿を観察していたアイジェスの目はその違和感を感じとる。左の方向からの被弾が目立つな?機体の調子が悪いのかと思ったが、
整備と改修作業を終えてその動作には問題が無かったはず。
機体を操るあいつの身体に目に見えて視える不調は無かったはず。もしかして左の視野が欠けているのか?
悠久の蒼空を翔ける一筋の光、シュバルトレーゲン《黒い雨》の光が踊る。
面白いように迫る《ブレイズ=ガルヴ・ディム》の編隊を砲撃の一撃と見紛うばかりの流れが、その姿を撫でると忽ち、掠っただけで融解と撃墜の結果を生じさせる。
出撃から舞い戻ってきた春幸に対して、疑問点たるその問題を指摘する。
「春幸、もしかして前が見えてないのか?」
嫌な指摘を受けるも、自らの視界が欠け視力を失った事実を隠して答える
「嗚呼、そうだね。親父。こいつの基本装備のシュバルトレーゲン《黒い雨》は、刀身の余熱で、メインカメラに異常をきたすみたいだ。掠っただけでも撃墜できるからな。機体の状況を観て貰えるか?」
相変わらず親父の指摘は鋭いが、その指摘は真実からは程遠い。いつの頃からか、甘いはずのドーナッツの味は、何も味がしていない。
喪ったのは、視界だけじゃない。その事実を隠しながらも。
その話を聞きつけたアンザスが、その尻で、乗り込み写す姿の視覚検査を試みる。
「では拙者の男尻で視力検査を、拙者の尻は左右どちらにどっちに割れてるでござるか?」
「いや、尻は真ん中で割れるんだよ?」
「正解ッ!!!!我が男尻に違いなどない!!!!男尻の張に違いあれど、その価値に差異なしッ」「そこに見えるのはみんな男尻と云ってよ春幸殿!!!ッ」
此処にあるのは男尻だと震える尻に向かって、おじいちゃんが恭しく、謎の祈りを捧げ始める。
奇妙な祈りが始まる中、訝しみながらもアンリミテッド(Unlimited)のコックピットへと乗り出すと、
確かにメインカメラの一部にアンザスの男尻の半分しか映らない。
「そうか...俺は真面目な話をしているんだが?」と頭のこめかみに手をあて答える
春幸は苦笑しながら肩をすくめて、
「親父、俺はまだ戦えるよ。尻の割れ目も見えるし」
「それは見えなくていい。」
「その武装はあまり多用するな。俺がいればメンテナンスをしてやれるが戦場で、視界を喪ったら、死ぬぞ。気を付けろ。」と、
ちょっと待ってろよと、《アンチェイン》(Unchain)のコックピットの入ると、《リペアマトン》(Repairmaton)と共に各機体の整備準備へと戻り、
次の目的地である月においては、激戦となる事が予想され、坂東へと戻る帰路の中で、開始された作業は、其れより暫く続き、
喪った機体や武装の再配備と、新たなる武装の準備へと入っていく。
親父は相変わらず鋭いが、アンザスさんのその詩的な指摘は、おかしいなと。それでも日々の出来事は続く。
・・・
・・・
・・・
進む帆に風を受けて進は天を突かんばかりに走り行く姿、
一路、ギアナ高地での合流後、連合艦隊の首脳陣は、《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)の鉱床権利を主張し、頑なにこの地の防衛に固執するも、
互いに、同盟を唄う条約の締結を試み、その合意を取れ次第、Carpe diemの正式な復活を掲げるも誰が盟主となるかについて、
議論が白熱する。その場では答えは出なかった。そしてこの地の防衛に固執する理由も、Carpe diemの勢力を形成するにあたり、
少しでも自軍の陣営の貢献を主張する必要があるのであろう。
その後の話は、各自が判断し、改めて取り決めの席を設ける事となる。その後《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)の鉱床権がその影を喪い僅かばかりの出土を残して、
消え去った事を知るのはそれからまた暫く後の事となる。
「お前たちは其れで良いのか?」と問いかけるアイジェスに対し、且つて秋桜=アーデルスワットだったものは答える。
少しでも確率があるのであれば...と、「「オデモ...ソラニイクダ」」...オリジナルである二機の《アングレイル》と共に地上を離れ宙へと行く旅路への決意を滲ませる。
後の事は、兄弟...。《アングレイル》の大部隊に任せるよと、自らたちの姿身を複製し、揃えられた部隊との、早々の合流を果たし、
のちにリン=山崎の指揮の元、坂東の守りへと配備される事になる。
ことの発端は、《アンチェイン》(Unchain)とアンリミテッド(Unlimited)の二機の交戦データを改めて確認したところ、
其れ迄発覚していなかった数々の情報が開示されている。
アイジェスの機体に関しては、其れ迄戦ってきた未来の機体に関する技術的な情報を見る事が出来き、
素材となるインゴットさえあれば、その再現に関して一部では可能との見解を示す。ただしここで問題なのは
生体コンピューターとして処理された身体を元に戻すには、一つ問題が生じる、それは《アンレコニング》(Unreckoning)の理を変える力には5分間の制限が存在する。
実際に試したとして、生体復元に関する有機処理を施さねば、唯の肉塊となって死ぬことになる。
その問題点を解決する術は、ここ地上には存在しない。
其れが判明したのは、同時に破損部位と新しく接合した新パーツの兼ね合いから、機体の不要な箇所を取り除き装いも新たに対応を行おうとしていた
矢先、セカンドアーヴル改めアンリミテッド(Unlimited)の機体にも薄っすら光点を指し示すランプに欠損が見られ点滅を見逃していたが、
改めて表示された交戦記録では、見慣れぬ機体の名が刻まれている
《アンキャストダイ》(Uncast Die)・・・1.死に拒まれた者…機体特性・・・不死身、自己再生
《アンブレイカブル》(Unbreakable)・・・1.壊されぬ者…機体特性・・・破壊不能...。武装各種...。
《アンレコニング》(Unreckoning)《アンレコニング》(Unreckoning)・・・1.裁かれぬ者…機体特性…その影響はこの世の断り(理)を変える
ん?おかしいぞ、アイジェスの機体にはその名の刻まれぬ何かの機体名が薄っすらと表示され、数少ない情報を統合すると何ら頭の生命に関する機体性能を有している事が解る。
これは何処だ?と訝しむも、タイムスタンプは《アンブレイカブル》(Unbreakable)ハルズ=アルマイン機との戦闘の直前の時間で止まっている。
何やら、希望のピースの一部が嵌り、その事実により向かうべき場所を指し示す事となる。
タイミング的に遭遇したのは月か?だが、春幸の同型機との戦闘は《アンブレイカブル》(Unbreakable)が初だったはず。
其れなのに?
その情報と共に、ギアナ高地のマレディクト本部の調査を行う間に、データーのサルベージも開始するが、どうやら早々に首脳部は、此処を引き払い宇宙へと離脱計画を記した
文章るいを見つける事となる。
何でも計画自体は以前よりあったようで、新型機の稼働テストと併せて首席も同行して、宙へと上がった後であると知る。
一同は、追撃と現状の地盤の強化を優先するにその議題が紛糾するも、
マレディクトの首脳部が丸ごと宇宙にあがり、そして、元の姿へ戻る一抹の希望を得る為、一同は地上と宙へあがる様に、再び分かたれる事となる。
宙に上がるは《R.I.P》や《サルヴァートル・エクス》(超越する救済者)を始めとする。第一部隊、第五部隊の面々に、長らく旅を共にする
《ユミナリア=ニドフェアー》、《領五=羽住》、《玻座真=外崎》、《エクィタス=ユースティティア》、《青葉=穣》、《ハルナ=山崎》
にアイ=フライヤーが並ぶ。
「春幸、ママ、ナイナイナッタ。ツキノオソラニイル」と、謎の言葉を話、宙を見上げるエメラルドグリーンの瞳は何を見るのか?
そして地上で戦線の維持と、勢力図の巻き返しを試みるは、リン=山崎を筆頭に第六部隊の面々と、シリアガリ=サカサガル、オマエ=ダニャルニャンの両名。
秋桜=アーデルスワットとオリジナルの《アングレイル》は、そのまま、無数の自立行動型の《コントラファクト》部隊と共に、《サルヴァートル・エクス》(超越する救済者)へ
乗り込む道を選択する。
凡その方針が決まる中、少年と彼女は語る
ハルナさん、地上に残らないで良いの?と問いかける春幸に対して、「ううん、良いの何より義兄さんたちを元に戻さないと...おねぇちゃんにもよろしくって頼まれちゃったしね?」
と、ウインク一つを残して、手を振りながら颯爽と去り行く背中を追いかけ、僅かばかりの邂逅の終幕を閉じる
いそいそと、去り行く男尻は、抱えた一匹の美猫の肉球を名残惜しそうに、堪能し、去り行く男尻をふりながら、
茉莉=山崎、ナクワイ⁼山崎、ナルア=山崎、秋光=山崎ら、子供たちに、預けると、名残惜しそうに自らの男尻を叩く。
其れより始まるは、天を逆巻き、輝点を制するべく走り出す。
ギアナ高地より帰還するべく数日の準備期間と船旅をへてまずは坂東の中央省庁へと舞い戻るとリン=山崎は精力的に政務に取り掛かる傍に控える二人の侍従は、その手に持った鞭で男尻を叩き揚げ
恍惚の表情のまま、獲物持つ手を、操縦桿からペンと舌戦へと持ち替え奮戦する。
ふと、みた建造物の窓から覗く飛行機雲を眺めて、みんな行ったみたいねと、笑い。歩を進め、他国との調整に乗り出し、
春幸たちは、坂東が保有しているマスドライバーが現存する北海道の地を踏む事となる。
寒いな...とぶるぶる震える臀部をみせて、そりゃそうだよ。だって服着てないんだもん?と、あきれ顔のままアンザスの男尻を眺める。
これからは宙間戦がメインになる。良いからノーマルスーツとヘルメットを被れと、ため息をつきながらアイジェスが促す。
それに応える様に、スーツの準備を渋々と始める。
「時に、月都市って、拙者達が立ち寄った時と比べて、どんな状況になってるのでござるのか??」とアンザスが問いかけると
「嗚呼、そうだな、だがその状況と戦力は、依然と同様か、様変わりしているかもしれん。」
「ふむ、でも以前はアイジェス殿がほぼ単騎で墜としたのでは?」
「いや、青葉も居たし、止めは《R.I.P》の協力があった。そもそも戦闘データを確認したが、俺の時には、再生したり、粒子を曲げて防ぐような機体は無かったぞ。」
ペタペタと素足で歩きまわるアンザスの男尻に動揺が走る。
やっべ、寒さで尻が二つに割れていやがる?!嫌がる様に、寒さで強張る。臀部に注意を向けながら、するっと滑り出す勢いのまま道路を男尻を天高くそびえさせ
大きな男尻がドーナッツ片手に滑り坂を下っていく。
「なにやってんだか?」と、独り言ちるアイジェスは、アンリミテッド(Unlimited)から手に入れた戦闘データを元に、状況を打開するべく、
新しい武装の制作へと取り掛かる。その名前は既に決めているアルクス・ヴァンフーレンス...複数の言語の名称を交えて名付けたその武装には、
大型の武装コンテナを山と積み込みフルアーマの外装に接続する背面ユニットとし、左に大型拳部ユニット右手には中央に
長銃身と上下に短銃身を備えた三丁の砲門と言って良い程の超大型ビームライフルに大型のクローユニットを脚部の補助とする
それらを繋ぐように可変式の中小の多機能アームの数々と、マトリョーシカ人形の様に重ねる外装フルアーマーユニットを要する、その背面接合部には、アンリミテッド(Unlimited)と《アンチェイン》(Unchain)両方に対応できる様に、各自の背面ユニットを予め除装する事を前提に組み上げ、更に九つの盾武装を一纏めにしたナインライブス(Nine Lievs)を作り上げる。
大容量装備と防御厚く展開する防壁の組み合わせて月都市の無力化を試みる計画を組み上げ、一つ念の為の保険として、在るものを地上へ設置する
相変わらず男尻の調子は悪そうだな。僕の状況も良い物とは言えないな、と、
全ての準備の工程が終わったのはそれからまた数週間後、大規模改修と、新武装の竣工には、更に時間と期間を要し旗艦たるその姿を構築していく。
宙に上がるには、マスドライバーでの射出の必要があり、且つての戦役で衛星軌道外には無数のデブリが存在し、打ち上げにより宙に上がるには
ビームシールドの展開が必要不可欠。既に其の装備を備えた《サルヴァートル・エクス》(超越する救済者)は、良いとしても
《R.I.P》には其の装備がなく、新たに新造する必要が出てきた。其の為の時間を利用して、
家族同士のふれあいを興じるものの、浮かぬ表情のまま、日は日の光を浴びながら進む
「領五ぉー好きな娘とかできたかぁー。」ぴたりと、頬を揃えて無精髭をすり合わせる
「親父引っ付くなッ、」
「お前の女性の好みは独特だからなぁ、チラッ」
「おぃ合図を送るな。」
「あはははははっまぁ良いんじゃないか?」
「そう言う君こそ、好きな女性好みとかどうなんだよ?」
その話に興味を持った外崎が、髪を器用に小ぶりの三つ編みに加工される事に辟易としながら問う。
「おっそいつは気になる話だな、結局お前の本命って誰なんだよ。青葉さんなのか?ハルナさんか?それとも大穴でアイの奴?って、まぁユミナリアか?あいつはいなくなっちまったもんな。」
「問題は綺麗なお姉さんか、年下か?結局どっちなんだ?」
「うっさいわ。俺の好みは...、自己愛、自分を大切に出来る人だよ。自分を大切にしないと誰も愛せないからな。」
「なんだよ、面白みがねぇな、そんなんじゃ、いざという時告白できないぞ、」
「そう言う外崎はどっちなんだよ。」
「あー俺はそうだな青葉さんとか良いよな、年上って言うけど、要望は8年前からちっとも変わらないし、綺麗なお姉さん良いと思うゾ!」
「っていうか、母さんなんで三つ編みに編むんだよ。えっ?女の子が欲しかったって?知るか?!」
「かあさん、玻座真が、嫁になるような娘を連れてきてくれないんだ。おっとぉは、哀しいよ。せめて、お前が嫁になるんだよッ!!!」
もしょもしょに微妙な顔をする外崎に対して春幸笑う。家族って良いな。
だからなんでそうなるんだよッ!!!
そしてその日はやがて訪れる。加速する船体に固定された機体は、無数の《アングレイル》の機体に防衛されながら
過大な加速を、北北西に向かって走る加速用の射出レールの上を走り、急激なGを加えながら電光纏う射出軌道を宙へを上げていく。
衛星軌道上迄打ち上げられた二隻の艦船より、するりと警戒ととある目的の為に出撃した。春幸は、アイジェスの制止を振り切り出撃を果たす。
僕は...まだ戦える。
「春幸の奴、何を焦っている?出せる機体は援護に出るぞ。」アイジェスはその感情の変化の機微を受けながら、先走る息子の背に向かい
飛翔を開始する。艦船より飛び立つ瞬間が機体の出撃の危険な瞬間の一つでもあり、その警戒を怠らず、
宣言する様にその名を名乗る
「デスぺラード改め、《アンチェイン》(Unchain)ナインライブス(Nine Lievs)カスタム。出るぞッ!!!」
「アンザス=フライハイ、ヴィキティ=アンディバインッ!!!男尻も出るよぅ!!!」
「「BLAST OFFブラストオフ」」
格納庫の隔壁による、気密性を担保しながら、固定式の射出用カタパルトに乗ると、電磁加速されるその勢いのまま、出撃を果たす。
進む船脚が向かう先は月面ではなく、衛星軌道上にある通信反射衛星群へも攻撃。
艦橋内ではDEFCONデフコンを発令、艦橋を船体内部へと格納し、臨戦態勢へと入る前衛となる。春幸、アイジェス、アンザスの三機を先頭に
地上と宇宙との連絡を阻むその無数のプラットフォームの利用を阻害するその行為に対して異を唱え、目標に対して強襲を仕掛ける。
母艦の防御は、何時もの通り、第一部隊と第五部隊が勤め、破損した機体の補修を終え、主武装である大型ライフルの砲身を一部の機体で実弾兵装の追加射出機構を追加
先行する三機の行動を待たずに、物理弾体による慣性射撃の長距離射撃を敢行する。
久々の出撃に対して、軽口を叩きながら久しぶりの戦場に舞い戻り、歓喜の踊りを踊る。
「第二部隊や第六部隊を地上に置いてきたが...」と、欠ける事無く揃う僚機の姿に、
「しかし、あの戦場を超えて、そろってまた戦場へ戻ってこれるとは、感慨深いな、」と呟く宗谷=大石に、
「ん?」そこにパラパラと、粉チーズをパスタに慎重な手つきで振りかけるパルメ=ザンが応える様にハンドサインを返す。
「いやぁーあの時は死ぬかと思ったな?」「なぁ兄弟。」「でも兄ぃ僕のベイブが...」と《ソッチ=コッチ》《アッチ=コッチ》二人が掛け合い
「まぁ、死ぬより機体が大破する方がマシだろ?新装備も作って貰ったしな。」
「てか、なんで、コックピット内でチーズ振りかけてんの?無重力下だし精密機械だ壊れるよ。」
「何言ってんだよ重力アシストが効いてるから、ほらこの通りペンネにチーズが絡むぞ、」と、咀嚼する緊張感のない空気が隊へと流れていく。
奔る榴弾たるその基部には、大型ビームライフルから供給される粒子が貯蔵と加速を繰り返し、特殊弾頭として組み込まれた弾倉
イグニス・パルヴァス...且つて地上を席巻した《イグニス・エト・スルフル》を小型化した。
その原理は、小型のオービット・マイン製の流体金属を射出形成させた弾頭に対して
直列接続したビームライフルの基部へ実体弾の砲身を重ね、生じる粒子と熱量を蓄積集中させ、目標に対して狙いを付けて、
電磁射出を実行、目標に命中後に爆発四散、衝撃と共に熱量を解放。小規模の破壊兵器となるその威容を見せつける。
突如として通信反射衛星に、危機を知らせるアラートが鳴り響く、駐留中の四部隊が、その脅威を排除するべく出撃する。
その姿は、バイザー式の頭部照準器を備え、角張った頭部に、一つ目のセンサーが踊り、砲身に装填されしは、
長大な砲身を備えた、狙撃手たる《ヴィ・ペイン》
弾体となるは、流体金属へと変異する前のインゴットを背面部のラックより副腕が掴み取ると装填動作に入り、
装弾と共に照準を合わせての迎撃行動へと移ると、イアクトル…素材のインゴットを砲身内部でその組成を変化させ
放つ流体金属を磁性によって生じる球体上の弾体を鞭の様に操り、液体金属を加速、圧縮を繰り返し爆縮反応を見せる榴弾の一撃とする。
放立たれる一撃は、HEAT・EFP・レールガン・爆縮の特性を有し、プラズマ状に転換した一撃は電磁誘導により
その射線を変えながら相対する。春幸達への迎撃の一手として繰り出される
互いに長距離戦の様相を呈しながらも、その往来が、生じる閃光と共に先行する三機の機影に向かい降り注ぐ、
それぞれ、衛星軌道まで下降しつつ、真向いの12時から三方に分かれて飛翔する中、等間隔で並ぶ通信反射衛星の数々に対して
迫る中迎撃の火柱が上がり始める
飛翔物のプラズマを纏った一撃を、細心の注意を払いながら、機体を斜め45度傾け、アンザスの尻も、後塵に配する
春幸にも見える様に傾ける。
戦闘中に尻を見せるなよッと一喝するも、括約筋の動きは戦場で活躍するべき道を指し示す様に前方の射線に照らされ燦然と輝き始める。
流体金属に覆われたプラズマの一射を
難なく躱したアンザスに続き、アイジェスも機体を傾け螺旋の機動の水平方向のバレルロールを繰り返し難なく回避軌道を決めるも
背後の春幸は、欠けた視界により接近を許す。すわ直撃するかに見えた瞬間、限界まで刀身を縮め抜刀したシュバルトレーゲン《黒い雨》の極薄の刃を以て
弾き斬る。欠ける視界は変わらないのなら、左腕に掴んだ基部による防御を選択する。
その光景を見守りながらも、こちらも迎撃の一手をとばかりにイグニス・パルヴァスによる制圧射撃を試みるも
発射から、その速度は音速を超える弾道を魅せるモノ、着弾迄の動作にはややタイムラグを有する。互いに長距離による狙撃の手を持ちながらも
その防御を抜かんと差し迫る。
母艦の艦橋内では、敵機より迫る射撃の穿孔する一打に、危機感を覚え、船体の急速旋回と潜航を指示、衛星軌道ギリギリの位置迄、降下を試みる
その効果は、何処まで発揮するか分からぬまま、
イグニス・パルヴァスを持たぬ《カルペ・ディエム・アスキック》が、合わせて四条の《天地併呑》(ウニヴェルスム・デヴォラーレ)による時間差、
偏差射撃を試み迎撃にでるも、その狙撃は攻撃の一部を撃ち落としながらもその狙いがそれる。
《デケム・プレセプタ》...10秒ワンセットの奇跡の軌跡を描き、
《ヴァナヘイム》(豊穣の国)による予測を遅まきながら発動しつ、既に通り過ぎた弾体に対して、刹那の援護を重ねる。
無謬の威を心得たとばかりに発動
着弾迄の数秒の間の間へと指し挟まった母艦の機動には、いささかの淀みもなく回避を選択。
都合30秒のクールタイムを超えるべく。
炸裂弾頭の損害予測を立て、さらに残存するであろう敵の戦力を計算...物理演算を試み、相対距離を詰めながらの加速軌道へと入り
自機たちも前進を選択。
先行する三機の進む速度はいと早し、内一機は、駆ける天輪の環を掲げ、加速軌道へと入る。
「春幸殿、尻脚が早いでござろうッ!!!」
比較対象を馬に譬えるならば襲歩にも似た飛ぶ速度と四拍子のリズムで刻む。春幸の機体、アンリミテッド(Unlimited)は、脚部機構と前腕部の機構をそのままに
奇行にも思える突撃軌道によって、目標の一基である通信反射衛星の尻尾に向かって噛付く様に弛緩し撓る様に死を振りまくその刃が、
瞬く...どうせ左目側は見えないんだ、メインモニターが破損したとて、何ら影響はない。
であればこの武装を使わない理由はない。問題はその刃の影響範囲が広いため、機体を僚機から先行しない限り、短めの刀身状態で使用するほかないという事。
次射は...母艦には届かせないとばかりに伸長させた刀身を振るいの一撃を切り払う。流体金属に覆わられたプラズマ球の次弾は、その熱量を霧散させながらも、
戦闘行為を継続。
効果範囲が広いため、狙いを付けずに誘爆を誘発される刃が打点をずらすものの天墜ちる堕天の夜を刻む、踊饗の如くを烏滸がましくもる、その晩餐が振る舞われる
長距離に及び狙撃戦から、中距離戦へを様変わりし、振るう刃は、数十キロの彼我の距離を一挙に縮める極細の刃となり、防ぐ手立てを有さぬ
《ヴィ・ペイン》の群れは、長距離砲撃ににも似た、その刃に振るわれ次々と爆散していく
その光を後方から確認したアイジェスは、ハンドサインで、アンザスに対して指示を出す。分かる二人の機体からさらに遅れる事、
数分
《ホーリーグレイル》と《ヴォーパルバニー》《アド・アストラ》の姿が追従するも、其の脚はやや先行する機体に見劣りするも、
構えし、獲物には、各地の隕石落下地点より回収した《星屑鉄鋼》(スターダストダイト)をふんだんに使用し、貴重な《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)の素材も
局部的に使用した、その武装は、高速戦闘に寄与するべく仕込まれた。背面テールユニットの数々、各機の背面武装に干渉しない様に増設された
そのスラスターは、装填されたカートリッジを消費しての瞬間的な加速を生み出すスラスターユニットと数発の黒蝕穿劫弾…
その弾頭を《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)で形成させた実体弾を備えつつ、使用の際に関する注意事項が、存在する。
その注意事項に一通り目を通すと、
強力だけれども、使用するタイミングには注意が必要だなと、瞠目し、視線をコンソールから前に戻して、試しに、その機構へと灯を入れる。
装填するカートリッジは、《星屑鉄鋼》(スターダストダイト)のインゴット、
点火と共に急速な加速力を生み出し、果てる事なき緋の光を放ちながら、彼我の距離を一気に詰め寄っていく。
加速するGが、機体の重力アシスト機能の限界へと迫る中、すすむる駆け足は、その場限りの加速に過ぎない物のその姿は一筋の流星、
隆盛を誇るマレディクトへ一矢報いるべき、その歩を進める。
後方から、タイミングをずらして照射されたイグニス・パルヴァスの断頭が、迎撃の流体プラズマを抜けて、通信反射衛星に着弾し、
蓄積された熱量を解放し、小規模の衝撃と熱を巻き散らすその効果が、衛星軌道上の空域に、戦線の拡大を知らせる。
地上の管制室では、途切れ途切れに、その数を減らしていく、衛星を示す光点が、また一つ一つ消えて行く。
一体何が起きているのか?分らぬまま、地上からの観測は、手を拱いたまま進む。
ヴィ・ペインの一団は遠く離れた発射点の迎撃を続けながら、巻き込まれる友軍機と崩れ行く通信反射衛星の姿に、
襲撃してきた者の攻勢に些かの混乱を生じ始める。
敵の攻撃を分析する。分析官はその武装の反応を確認し驚愕する。《イグニス・エト・スルフル》だと?しかも小型化した?
何処で情報が漏れた?!その直撃は、通信反射衛星に配備されていた防衛部隊の基本装備であるビームシールドではその衝撃と熱量を防ぐこと叶わず。
今ある手はいち早くその射撃点への長距離射撃による撃墜と判断し、一つの衛星上に、十二機のヴィ・ペインの機体が、長距離投射兵器による打撃戦へと以降
その威光を以て、打開策とする。
真空の夜明けを待つ慣性射撃による狙撃に相対するは、九枚の盾をその手掌に合わせ、展開する。《アンチェイン》(Unchain)擁する
アイジェスは、特に推進機構を持たずしても浮遊し、飛翔を可能とする素材を使用しながらその前面に展開する虹色の障壁と共に、その部材本体に貯め込まれた
その新装備を以て真相を知らずに戦う。敵に対して反抗作戦を仕掛ける。
投射されし、無数の弾帯を九枚の盾を駆使して。虹色の光を放つ障壁を展開しながら、その厚い防備に敵兵の意識が苦心する。
最初に後方へその姿を流した三枚の盾が、母艦とイグニス・パルヴァスの発射点である。僚機へと反撃の攻勢が迫る中
粒子を効率的放出する為に更なる効率化を試みた推進機構を備え、全力稼働可能時間を5分と規定したものの
その動きは緩慢な動きと共に急加速を指示し、敵兵の狙撃攻撃を、射角を付けて斜め45度の感覚で、中型の楯に試みた障壁で逸らした角度に沿って其の勢いを逸らしながら
僚機への援護とする。
更には、三方に分かれる前陣の自機と僚機達にそれぞれ二枚ずつの盾、内三枚は、やや大型で、且つ残り三枚は小型のバックラーの球円状の基部を見せ、先行する様に前方へ飛翔を試み、その対象へのけん制とする。
先行する様に前方へ飛翔を試み、その対象へのけん制とする。
第二陣に当たる。《ホーリーグレイル》と《ヴォーパルバニー》《アド・アストラ》もそれぞれ、《ヴィキティ=アンディバイン》、《アンチェイン》(Unchain)、アンリミテッド(Unlimited)が
其々の順番に退避する様に三方に分かれ追従と加速軌道を描き、円周状の機動に於いて、
分割軌道による同時強襲を試みる。
投射される弾体数は、その数を徐々に増やし始め、都合、十二からその倍する射線を描き炸裂するイアクトルが、電磁加速され、その弾頭の形を変え炸裂するその弾体に対して
対処するは、先頭を行くアンリミテッド(Unlimited)を見送り、自陣の援護に徹するアイジェスが、その手に持った大型リボルバー型の銃身を備えた照準に、その目標を載せると、
飛来してくるイアクトル...放つ流体金属を磁性によって生じる球体上の弾体を鞭の様に操り、液体金属を電磁加速し撃ち、圧縮を繰り返し爆縮反応を見せる榴弾の一撃
は、こちらの回避と防御する軌道を先読みし、蛇行を繰り返しながら高速で飛翔し、僚機よりの迎撃を避けながら飛翔体が加速状態を維持したまま、放たれる。
機体の角度を90度傾け、重力下の大気したとして、滑り込む様に機体を流し、続く軌道の捻転に続き、一射、二射、三射と、様々な速度と威力に切り替えながら
放つ、射かける黒と銀劫を纏わりつかせた。高出力の粒子砲の一撃撃に晒され、その弾体のいくつか、彩る地上の蒼き球体を背にして、進む軌道と共に
発射時間を一秒刻みのなだらかな五月雨の雫として、撃ち落とさんと吠える。
その狙いは、放つ射線は蛇行を繰り返しこちらの狙いを外そうと試みるが、過行く宙の彼方へ届く前に、あるいは撃ち払われ、浮遊する楯の防御に阻まれ霧散する。
しかしその数は、徐々にその数を増し、迫り来る弾体の機動を予測した偏差射撃を試みる。
放たれる銀劫を纏わりつかせた漆黒の矢は、狙いを僅かに逸れるもののその弾体が掠めると同時にその存在を誘爆させ、果てさせるかのように法悦の表情を浮かべて霧散する
更には、先行させた三つの大型楯を経由し、その基部の中央に空いた穴めがけて盾の粒子加速機を通してその放射粒子の加速と圧縮を繰り返し
その覇光を天に向かって吠えらんとばかりに嗚咽する。交差する弾体と、射線の邂逅が生み出すは宙に衝撃を孕む。
無数の火花が天を彩りながら、最果てに在りしその光景をまざまざと見せつける。
後方へ撃ち漏らした射線が僚機に注がれた瞬間。後方を確認せずとも射線上に中型のシールドと障壁を伸ばし、対抗するも
全力稼働は5分とし、湯が沸く程の時間で消費される膨大な粒子をその素材部から放射しながら使い果すも、
使用後、基部内に装填された黒曜鉄鋼》(ブラックライト)製のカートリッジで、再装填、燃やし尽くさんと発する光を以て防ぎきる。
更には、小型の三基の盾を前方へと射出、その側面を反射鏡面として、切断の妙を以てして、敵機へと曲射とする。
縦横無尽と奔る空を泳ぐ三対と三枚の盾がそれぞれの場所で僚機の姿を覆い隠し、更には攻撃の一助となる粒子加速器として駆動
然りの御柱を走らせる。
更に更にと更に先行して進むるは
衛星軌道上に無数ある通信反射衛星を正道となりしは、唯一振りの刃。
《アド・アストラ》が、展開するファルクス・レフレクトールによりその射角を変えつつ砲撃を繰り返すも、
地球の衛星軌道上に均等に配置されたそれらの基部に対しての一斉攻撃には足らず。
反射する基部がシュバルトレーゲン《黒い雨》の刃に耐え切れず燃え尽き大気圏内へと落下していく。
「おいッ?辞め...」
春幸は、アイジェスの制止を振り切り、威を決してのアンロックを強硬。
「音声認識による命令を受諾しろ。キーワードは... 《Lies is whiteライ・イズ・ホワイト》 その詩は、嘘さえも白く装われる。」
「俺があるべき姿は、命を惜しむ覚悟ではなく。理想に殉じる弱さでもない。唯、喪う命と守るべきものの重さを測り、捧げるだけだ。」
「《Eleos is whiteエレオス・イズ・ホワイト 》その詩は、憐みを以て慈悲を捨てよ。純白の慈悲亡き慈悲を謳え。」
「俺が与える慈悲は、常に、弱き踏みつぶされる者と共にある。其れゆえ我思う故、我は、天より振る、其の泣き顔を晴らせッ!!」
五つの王冠の内、四つが外れ、隠れていた頭部が顕わになる。発光する光が、急激に膨れ上がり、浮遊する漆黒の王冠が、輝ける御手へと装填される。
それは無限に其の目標を写す照準を、筆頭に、次々と様変わる現象が巻き起こる。その距離や時間を超えて繋がる手と手は、その目標を捉え、
其の全ての攻撃を外さぬ威を要しながらシュバルトレーゲン《黒い雨》の刃が、次々と焼き堕とし、戦場に彩る喝采を心得る様に試みる。
放つ戦形は、クリックモード。五分限りのその超加速と0と1の間に滑り込む軌道の対象より、軌道上に存在する通信反射衛星の間を駆け上がりながらも、その狙いはあたわず、
数分の機動で、其の黒く輝る刃は、その光輝を以て、突き出した刃は、地球の周回を終え、一筋の砲撃とかし、周囲に展開されている防衛部隊ごと薙ぎ払い、撃滅を果たす
その光景に?アイジェスは、またやったのか?と、老婆心ながらその行為に対して苦言を呈しようと、通信の呼び声を掛けながら、
一方コックピット内では、喀血し、ヘルメット内部の吸引機構による視界の確保を終えて、意識を喪う。
漂う機影に対し、其処に追従する機体はなく、宇宙圏内を浮遊しあわや大気圏突入コースへと入ろうとした瞬間。
無数の盾が惑うナインライブス(Nine Lievs)は、その基部で落下をそしすると、遅れて到着した。
アイジェスの手が、フラフラと泳ぐその姿身を掴む。
「おぃッ春幸ッ!春幸ッ春幸ッ」と呼びかけ続ける声への反応はなく。
やはり。この機体が求めるモノは...と警戒の彩を滲ませる。
撤収作業を終えて、再び、月への進路を取るものの倒れた春幸の治療を優先しての船速をやや墜としての巡航へと至る。
治療を行うべく運び込まれた春幸を心配そうに眺めるユミナリアは、複雑な表情のまま、腐心する。
その状況に操舵を行う。外崎は、「なんだってんだ?なんだアイツ、持病持ちだったのか?」と、悪態を吐きながらも、その声音には困惑と心証を痛めるかの様に、
紡がれる。
「そうじゃないみたいだよ。だってコロニーを出ていく前までの健康診断の結果には異状はなかったし。」
「なら、地球で病気でも貰ってきたんじゃねぇのか?全く参るぜ、」
「おじさん、結局、春幸は次の戦闘どうするんだ?」外崎が疑問を問いアイジェスが答える
「嗚呼、今はとりあえず。メディカルポットに入れて自動診断実行中だ。結果が出るまで、あいつは戦闘にださない。」
「オイオイ大丈夫なのか?」
「正直よくわからん。が、次の目標の交戦記録を得られれば...良いんだが...」
「次の目標は...恐らく、且つて見た。死なずの兵士たちが相手だ。考えられる対処法は...」
だが...
「その前にやるべきことがある。これで、地上と宙との通信網が回復した。今こそ、マレディクトの勢力外の人々と協力するべき時だ。」艦長席に座るエクィタス=ユースティティアへ
呼びかける。
「月で手に入れた情報をユリスさん。君のお父さんに渡す必要がある。リン=山崎の演説と共にに長距離レーザー通信でのデーターを送って、共同体の参道への足掛かりとしたい。」
「分かりました。ユミナリアさん、頼めるかな?」
「はい。」心なしか元気のない《ユミナリア=ニドフェアー》は、はにかみながら作業に取り掛かる。
しかして、マレディクト包囲網が徐々に形成し始め、次の戦場への準備が始まる。
…
…
…
それは其の時よりも数刻前、《サルヴァートル・エクス》(超越する救済者)での一幕、
「ハルユキ、イタイイタイナノ?」アイ=フライヤー、エメラルドグリーンの瞳の少女は、心配そうにのぞき込む、
機械が示すその診断結果は、どういう訳なのか、年齢に比べて、テロメアの長さが...極端に短くなっている。
この事実は、アイジェスとその場に居たアンザスの胸の内に秘められ、とりあえずの対応として、新たに出撃する事を禁じるとして対応。
何か打開策がないかと調べてみるも、門外漢のアイジェスには、答えが出なかった。
せっかく作った武装もあいつが居なければ意味がない。と、
一転して、更に時間が経過すると、二隻の艦隻は、月都市の防衛ライン直前まで進むと、接敵迄のタイミングを計りつつ。
出撃する段になり、春幸の出撃が不可能で有る事を知った大石=宗谷は、いくつかの武装から《メガエアライド》を選択、その推進力を以てして、
敵陣への切り込みへと乗り出すべく発進の時を待つ。
陣営の防御は、《ラッドチェスト》と《ハンマーブレーカー》を装備した第五抜隊の面々が対応。
先頭に立つはアイジェスとアンザス、さらに後陣に配するのは、
更にエクィタス=ユースティティアと青葉=穣の《ホーリグレイル》と《ボーパルバニー》の姿。
やや遅れること数十メートルを秋桜=アーデルスワットが操る《ルカヌス・ウラヌース》の機影が追従する
前回の戦闘で武装の一部を喪ったハルナ=山崎は通信手として、艦内で火器管制を行う領五のフォローへと入る。
そこに待ち受けるは、人の命を冒涜する飽食を誇る揺籃の胎児を喰いモノにする。胎喰都市...そこに住まう、獣たちの
存在に誤りはなくとも、その問題が鎌首を擡げて、その事実に掲げしは、
この都市にいる全ての人間が、人喰いを喰らう人喰いではないという事実
待ち構えるのは、且つて争い墜としたはずの男の叫び、既に胎喰都市は、通信反射衛星を墜とした事による発せられた警告文により、その防衛機能が稼働を開始、
既に数か月の間、その無明の闇へと眠っていたモノが、産声を上げるかのように、吐き出した言葉は、
薄い粘膜の溶液に包まれながら、その幕を突き破らんとして生み出されたモノは、体中の欠損部位を再生し、息を吹き返した何者かの姿、
我は...《アンキャストダイ》(Uncast Die)・・・死に拒まれた者
一斉に起動するは無数の結晶体の装甲を持つ存在、
何者かの鳴動と共に胎喰都市の未成熟な胎盤が剥がれ落ち、起立し、溢れんばかりの怨嗟の声を上げながら、それまで孕んでいた。基部がその姿を現す。
月面都市中央部から産み出されしは、一柱の巨体もつ死を超えし何者かの姿、更に組み替えられた防壁が組みあがり
巨大な人型の何かへと変じ、生まれるは、無数の《ヴィヴィアニテ》にも似た巨体の群れ、
問いかける声は...
同時にその事実を告げる
この感覚、この匂いは、お前か?アイジェス=ブラットワーカー!!!
(この感覚、腐臭香るこの匂いはお前か?ヴォルク・チェロヴェク??)
久しぶりの邂逅の中で、互いの思考が交わりそして、相対する男だけが呟く。一度ならず二度、三度とまでも俺の歩みに立ちふさがろうとは?
今は違う。俺は...思考の海に漂うは、且つて分かたれた道行きの結末。その結果は何を示すのか?
…
…
…
それは今より約半年ほど前の事、それは春幸達がコロニーの宙域から離脱した直後での出来事、
その頃修復作業に掛かりきっていた、アイジェスは何度目かの推進剤と燃料の補給の為の往復を繰り返す。
最中に、何かの違和感を感じヴェリタスの機体に追加の増槽とブースターの追加と共に、
背面ラックへ、大型のリボルバー型のハンドカノンとそれに装填する為の展開型のスピードローラーと各種弾倉を補充し
来るべき時に備える。
そう言う事か?と、懐かしき友人との会話を弾ませ、その途中で、青葉=穣に、旅立つ子供たちの未来を託す。
「艦隊に、援護射撃を要請しろッ」
「乱戦で無理です。味方に当たる?!」
あれは?!
「隊長、データベース照合ッ?!78%の確率で...ヴィキティですッ!!!!」
「ええい何故100%一致しない?!そもそも誰が載っている?!将軍は死んだはずだぞ?!」
最大望遠の視界の端に、その威容が見えかくれする。
空気抵抗を極力減らしたかのような流線型に、鋭く伸びたバイザーから突起状に見える一対のねじれたアンテナと怪しく光るツインアイに、流線型の盾と実体剣を両腕に装備し、
大型のスラスター内蔵の滑空翼に、旋廻する砲門を備えた副腕を持ちて、宙そらを逝く、白と黒のまだらの翼をはためかせると、天使と悪魔にも似たフォルムの機影が踊る。
ばっばんッ!!!!と、突如全チャンネルで語り掛けるは、画面に映るは、男の臀部。
「この男尻は?アンザスさん?!」
・・・
・・・
・・・
「隊長は、《ヴィキティ》と邪魔な《falcisファルキス》を止めてください。」
飽和射撃と共に、接近戦で仕留めるッとスラスターを全開に開き、交差する一瞬の隙を繋いで、斬りかかる。
リロードに両手が塞がった《ヴェリタス》は、何を思ったのか、弾切れを起こしているはずの銃口をこちらに向けて狙ってくる。
其れを鼻で嗤って、繰り出す射撃を《ヴェリタス》は宙返りをしながら回避と共に...
光が迸る...
やや、強弱の差が仄かに見られるも、薄く通常のビームライフルの2発分程度の出力で放たれたその一射は、勝利を確信し、油断した
《アド・アストラ》の基部を貫くと、その胴体部分んを半壊させ、貫いた一撃が背面の推進器の推進剤と誘爆、宙に火の粉が香る、一瞬の花火を打ち上げる。
それを綺麗だと、感じる間もなく。大出量の閃光の一射が伸びるがそれを事気もなく、宙返りをして回避すると、
漸く《コリストス=メギトス》は手品の種を指摘する。
「その獲物ッ!!!!出力を絞って撃てなかったのか(撃てたのか)?!」
最後の一射の威力を絞ってこちらの油断と攻撃を誘発させたな?!
これで、残りは二機のみ...空薬莢の排出共に、ラピッドローダーによる高速装填を実施。
残る残弾は、銃に装填された分以外の一度のリロードを残すのみ...
それで、奴らを墜としきる。
大型リボルバー式の獲物を右腕に、予備弾倉を機体腰部に移し替えると、残る開いた手にグレネードの射出機構を構え、
デットウェイトとなった背面部のラッチを投棄する。
戦場では数の有利を喪い焦りが見えた中...
その鼻腔に香る匂いは、死体が腐ったかのような腐敗臭を放ち、接近するたびに背筋に凍れる程の殺意を感じる。
この匂いは...且つての思考の交流から逆算しその名を思い出す。《ヴォルク・チェロヴェク》か?!
長機を担当すアンザス機は、瞬時に滑り込む様に航行する機動を描き、射角煌めく多方より放たれし、
銃火を器用に回避、あるいは、龍鱗の《falcis》を使用して、弾き逸らし、射撃戦を後方よりの援護に任せて
機体と機体がすれ違う瞬間に交錯、刃がはためく瞬間、象眼に吸い込まれる粒子を見送りながら
ヴィキティの実体剣と改修型アイン・アングリフの可変式大口径ビームライフルを実体剣へと換え、駆動する刃と共にすれ違う。
相対する様に防御機構を展開するも、龍鱗の《falcis》と星の名を冠した正式名称がである《アストラ》
反射式の【falcis(ファルキス】】である通称のファルクス・レフレクトールが、噛み合うように宙域の制圧圏を奪い合うように砲撃を互いに加えながら、
無数の軌跡を描きながら衝突。
刃は、摘蕾の如くその蕾を摘み取るかのように、その基部の一部を抉るとアンザスが操る機体は、返す刀で、減速した改修型アイン・アングリフの側面へと
実体剣の刀身を叩き込む。其々の崩れる躯体を他所に、
射出する推進機構を燃やし、機体の動作限界まで過加速を試みる《コリストス=メギトス》は、アイン・アングリフの新入角の車軸と合わせて、
機体を操作、気の狂った動きにより前方の機体を一瞬のブラインドとして目隠しに使用しての強襲。
罹る機体の制動を調整し、狙いすませた。《ヴェリタス》が、まずは一射を、左右の砲身のうち、左方のレバーアクション式のグレネード射出機により
粒子攪乱幕を投射。それに合わせて右方の大型のリボルバー型の銃身から放たれる閃光を重ねて、まずは、改修型アイン・アングリフの吸収フィールドを乱し、
連弾する射撃は、通常のビームライフルに使用される6発分の粒子量を保持したままの連続射撃。
波涛にも似たその熱線の連打は、一射打つごとに方向宙返りを繰り返しを行い狙いが、定まるのか?と訝しむモノのその狙いは、その反動を殺しつつも
二機の機体に対して、それぞれ痛手を見舞うかの様に放たれる。
《コリストス=メギトス》は、咄嗟にスラスターを逆噴射、回避と共に反撃の一手として左腕の銃身と、テールユニット部より射出する
ヴェノムレインと、神経接続とAIによる実体弾の投射を実施。迫る弾体の包囲網を、擦れ違いざまに照射、
罹る危機に於いて、威力を絞った大型のリボルバー型の射撃と、アンザスが駆るヴィキティの背面より稼働する副砲が後方へと向きを変え
八つ手に広がる砲撃を放ち、無数の弾体を迎撃、大きく弧を描く旋回軌道をS字方向に曲げての再突入を試みる
(・д・)チッ
《ヴォルク・チェロヴェク》は舌打ちを一つし、
「《自信家》コンフィデンス04...ッ星が墜とされたッ!!!援護を、もっと、砲撃の密度を上げろッ!!!」
照射する射撃と、実体剣での斬りあいを繰り広げながら、徐々にその刀身が削れていく。
糞ッなんだあの刀身、旧式機体の筈なのに、最新機の武装より何故鋭い。刀身がさざれに、削れていく。
あの黒と白いが交じり合ったような刀身の素材は、まさか《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)が混じってる?のか?
と、驚愕の目を開くが、やや既存のアイン・アングリフとは、氷壁の形成スピードが墜ちたものの
障害物として生み出しては、その動きの牽制を仕掛けるもそれのタイミングを事前に知っているかの様に、
粒子攪乱幕を投射し、その形成を阻害する。
一方、《自信家》コンフィデンス04も、その状況に歯嚙みしながら、自らの苦境の原因を探る様に、牽制射撃ではない絶死の一打として
放った攻撃が、目標の直前で撃ち抜かれ【falcis(ファルキス】】同士の射撃戦の軍配は、敵の近接型のAIアシストなのか?神経接続か思考誘導の
手によるものか、いずれかに類するものと想定されるが、友軍側から賊軍のそれへと傾く。
おかしい相手の機体は旧式の筈で、我らがマレディクトの名を冠する最新の試作機体でもある《マレディクト・レフトガンズ》の戦速にも、
遅れるも、その動きに喰らい付いてくる。
その違和感の正体を測りきれないモノのその動きに何かの共通点を見出す。
あの動きは、こちらの行動を一手、二手先んじて対応し、機体の性能差をカバーしている。
その感覚が、且つて自らも体験したモノと似通っていた事にも気づかず、打開策を練り始める。
ならば...それ以上の速度で加速すれば、と
試験飛行の為にリミッターを設けられた、推進機構の制限を解除し、足手まといと化した《ヴォルク・チェロヴェク》を置き去りに、
射撃兵装による包囲射撃を敢行。
事態の収拾するべく乗り出すが、時すでにお寿司。その衝撃で、機体がぶれ、鮨詰めになった、戦闘用糧食がコックピット内を舞う。
過大な加速と推進器の限界を見誤り、スラスターの熱暴走を誘発。自らの乗る機体が試作のテスト機であることを忘れた男の致命的な隙を見せ、
明後日方向へ機体がはじけ飛ぶ。
その絶対的な隙が生じたそのタイミングで、アンザスは、機体の動作モードを定めて、攻撃の一手を見定め、
後方に追従するアイジェスに対して、互いの目標対象を入れ替える十字軌道を描き、
奮うは、嘆きの落涙、音声入力により、発動、モードディアブロ...奮い共振を繰り返しながら震える角が、
真正面から迫る極大の光...メランディルオール《天地暴喰》の一射と共に、斉射される実体弾頭の弾幕に対して投射される。
重なる粒子の環が、我が死を乗り越えるべく、振るわれる。鳴響する叫びと呼応するように、粒子の大砲撃を分解し、互いに対象を塵と帰る。その御業を以て、凌ぐとともに
先行する龍鱗の《falcis》の小口径の砲身から延びる粒子砲の乱舞により、その躯体を切除、多大なる損傷を見まいつつ、生じる加速は定まらず
明後日の方向へと飛翔し、そしてその姿を消え去る
突如として果てた、友軍機の存在に対し、罵声を上げるも、自らが相対する機体が、旧式のオンボロ機である《ヴェリタス》に過ぎない事に安堵し、
実体剣による斬り込みへと試みる。あのライフルは厄介だが、両手が塞がっている今であれば、接近戦の刃を防ぐ武装は無いはず。
あの攪乱幕も粒子を固着し切断力を上げる実体剣の前には無意味。
投射される射撃戦を回避しながら、スラスターを全開に、象眼部よりの牽制射撃による相手の進行方向を制限しつつ、迫る機影に対して、
アイジェスは、冷静に対応する。
向こうはこちらの攪乱幕を警戒しての一直線の突撃を繰り出してくる。機体の優速性の差で、いずれ追い付かれる。
相手が一直線に突っ込んで来れば、攪乱幕による吸収機構の阻害を抜けて、こちらの攻撃が届かないはずだった。
その決定的な危機に於いて、まるでどこ吹く風、罹るグレネード射出機を前方の宙域へと投棄。
「その匂い、《ヴォルク・チェロヴェク》なのか?」その問いに返すは?「なんだお前?何故俺の名前を知っている????」
この感覚、いつぞやで感じた事がある?だが今はそのような些事はいい。「はっ気後れして知り合いだから助けてだと命乞い?か」その意をまるで解さず
襲い掛かってくる。
全てを諦めたかの様なその瞬間に、自機と敵機の中間地点まで泳ぐその粒子攪乱幕を満載した、
銃身へとリボルバー型の銃身から延びる。閃光が瞬く、突如として膨れ上がった、数発分の粒子の攪乱幕が展開され、
直進する改修型アイン・アングリフの直前で破裂し、ヴォルク・チェロヴェクの視界と気勢を削ぐ一打となり、
射撃の間隙を抜けて、《ヴェリタス》の通常の粒子量によるリボルバーの基部より放射されるビームの連打が、その機体の象眼部分を焼き尽くし、
更には、抜き放った光剣を構え、突進してきた《ヴェリタス》と改修型アイン・アングリフが交錯する。
「いつぞやの《人喰い》の仲間だったウェンディゴ部隊の雄が!何を如何して此処にいるッ!」
「糞ッこのポンコツがッ!!動きやがらねぇまともな機体さえあれば俺もッ!!!」
その刀身を短く詰めたビームサーベルと実体剣の刃が触れた瞬間、機体を反転し、射撃の一射と共にその発振器を投擲、
慣性軌道のまま機体の基部に突き刺さる姿を仰ぎ見ながら、告げる「理由は知らんが、此処で墜とさせて貰うぞ。」
しかし、無窮の宙には、同じく限界稼働を終えた《ヴェリタス》が残り、止めの一撃は浅く敵の側面に突き刺さりながらも
その機体が瞬き、閃光を放ち、その身体を焼いた。
...
宙の端で、大きく二つの華が開く。その光を放ったモノがいずれかは、判明しないまま事態は収束し、
場面は暗転す。
その頃、別の宙域にある。ウィンディゴ部隊の駐留地において、
当初の任務を受けて実験体を確保しようとした部隊は、そろって
MIA(戦闘中行方不明)となり、消えた二機の機影は、宙を浮遊しながら、救難信号を受けての救助を待つこととなるが、
損傷は酷く、通常の設備では延命するだけが精いっぱい、負傷した傷の治療までは手が回らなかった為、月都市へと封印されていた...者への搭乗者として選ばれる事となるが、
その事実を知る者は、その場には本人以外存在せず。事態の類推のみが可能だった。
それは、オーバーワークで沈黙した機体を《ヴィキティ》が《ヴェリタス》を回収後、一路L4宙域のコロニーヴァルハルへと戻る
複数の隔壁を開けて、舞い戻ると、急ぎ機体の整備の準備と、アイジェスが保有する。
《ロシナンテ》やや古びた輸送船に、溢れんばかりの資材と日用品や食料と水を積み込み、
コロニー無いと外縁部の騒動に訝しむ子供たちの家を回り、アンザス家一行も含めて、この地を去るべく話を進める。
幾人かの親は、外崎家をはじめ「何故、逃げ出さなければならないのか?」と、疑問の声を上げる。
「その懸念は分かります。だが理由は分からないが今、子供たちが、マレディクトの争いに巻き込まれた。このまま此処にいると、エーリヴァーガル戦役の再来が起きる。」
「また、敵の虜囚となって離れ離れになっても良いのか?」そう問いかける声に、心得たとばかりに、反論の声は上がらず、
いそいそと、準備が進む。
ただ一人、エクィタス=ユースティティアの親の姿だけ確認できていなかった。
「ユースティティア夫妻は、エクィタス・ウッドスプライト社を保有してる。軍とのパイプもあるだろうし自分達でどうにかするだろ?早く行こう」と
領五の両親は、声を掛け避難を促す。
致し方なしとして、念の為、事前に交換していた連絡先へと警告文を載せ、
すぐさま接岸中の宇宙港より離岸する必要がでてくるが、緊急事態として宇宙港が封されている。最悪、宇宙港の隔壁を破壊して出航するほかないと思い立った直後、
ロシナンテの通信設備に、エクィタス・ウッドスプライト社よりの電信が届く。
其処に短く、警告に感謝、話は既に付けた資金や何か困った事があれば我が社の門を叩いてくれ、我が家の友人達の先行きを祈る。
と短く書かれ同時に宇宙港からの出向許可が声高に掲げられる。管制官の指示に従い、コロニーヴァルハルを離れ
向かう先は、且つての仲間に救援を得る為の道行き、
去り行くロシナンテの背に、ユースティティア家より届くは、単身での抵抗は抗しえないであろうと、他のコロニーとの協力体制を試みる旨が残される。
その意志に感謝しつつ、互いに武運を祈る。
目的地のL5宙域のコロニーミーミルへ向かうには、およそ三日前後の期間を有するもののその旅路は、酷く緩やかなものとなる
追跡者の翳や、進路上の障害物などは見えず悠々自適な旅路として、アイジェス達の心に刻まれる。
途中、トラブルなく進む船脚は、推進剤や物資の残量に余力を残したまま、進んでいき
それは意志を新たに、向かった先、且つての古巣、5つのラグランジュポインとのうち一つL5に存在する。スタンフォード・トーラス型、その巨大なドーナッツ状のコロニーの一つ、ミーミルで起きる。
「なぁアンザス。第三部隊や他のの奴らは今頃どうしてるんだ?」
尻を斜め45度に傾け、小首おかし気て媚態を作りつつ、答える内容は...
「んー第三部隊の面々は、みんな何かに嫌気がさして、勇退扱いで拙者と同じく、退職金貰ってそのまま着の身着のまま、みんなバラバラになったね。偶に連絡が来ることもあるけど
アイジェス殿の後を追って離れた当たりから各自の行動は分からないなぁ。」
「第二部隊の面々は理由は不明だけど除隊して、第四、第七は、コーディー=スルー一緒にマレディクトの中央部に移ったっぽいからな、あの口ぶりだとあんまり碌な感じではなさそう。」
「協力を得るなら、第一部隊と第五部隊かな?《R.I.P》と一緒に未だ現役の筈?」
「そうか...大石とは、第三部隊と違って、関わり合いが薄いが、協力して貰えるだろうか?」
ふむ...あんだけ色々あったのに薄い感想なのか?
「まぁあの髭ズラのおっさんも、それなりに苦労してるだろうし、なんとかなるのではござろうか?」とアンザスが答える。
船脚緩く進む先に待っていたのは...
久方ぶりの故郷に戻ったアイジェスは、管制官の指示に従い、宇宙港へと入るが、突如見舞われた。騒動に巻き込まれる。
「アイジェースッ!!!!どこ行ってたんだよぉぉぉぉぉ。会社が傾いてる。」
ウォンウォンと泣く二人のいい年したおっさんが樹上にしがみつくコアラの様に、その身体を絡め、
なにこれ?どういう状況?
かつての同僚のハナネとトーレス=モレロの両名がひしっとその身体を絡めアイジェスの動きを止める。
「いや。意味が分からんのだが?」
「何言ってんだよぉーお前が居なくなってから、大変だったんだぞ!港の管制官に頼んで、帰ってくるの待ってたんだからぁ~」
えーなにこれ怖い。おじさん同士の痴情かしら?と我関せずと、取り出したバナナを頬張り、もきゅもきゅ(*´ω`*)モキュと音を鳴らしながら咀嚼するアンザスは、
取りなす事すら忘れ、食事を続ける。
端的に言えば、懇願するのは...
「アイジェスうぅぅーパテントの権利持ったまま、どこかに出かけて戻ってこないんだもん!!!会社火の車よ?」
いやその状態のまま8年もってるだから別に、俺が居なくても別に良いだろとは思わないでもないが...
…
…
…
必死の懇願により、港にある待機用のラウンジに連れ出されると、状況の不明なもののとりあえずアンザスが、随伴員として、付き従うモノの
その目的は、ラウンジでの食事の一点に注がれる。
永らく離れた不義理を詫びつつ
「悪いが、別に会社の為に戻ってきた訳じゃないんだよな。」
「パテント、パテントだけでいいから!」
ぐいぐいと、四十絡みのおっさんが、迫る姿に、
隣でフルーツパフェを頬張るアンザスが、助け船を出す。
「なんぞわかりませぬが?そんな重要なもんなんですかな?」
「そりゃぁそうよッ中にはマレディクトや、野戦で負傷した兵士の手足として使ってる義手や、納品した設計図を元にして作られたものは数多く」
「其の整備事情だけでも、会社は潤う...なんだけどぉぉ完全にブラックボックスばかりで、アイジェスが残していったマニュアルを読んで対応してるけど、あれ何で動いてるの?!」
ダンダンと地団駄を踏みつつ
「今、軍から旧式戦艦の改修事業を下請け、受けてるけど。ちんぷんかんぷんッ!!!あれもう最初から作り直した方が良くない??」
左右に控えるおっさんが、おっさんを挟み込むサンドウィッチと化す。むさ苦しい光景の中、
リスの様にフルーツパフェを頬張る男が、我関せずと「(* ̄- ̄)ふ~ん」と、ふと思い立ち
ちなみにその戦艦って?
「《R.I.P》だよー先の戦役で活躍したものの、あれから8年、既にロートルとも呼べるけれども、戦意高揚と保存の為に、改修事業が進められてるんだけど?!全然船体の仕組みがわかない?!あの船の設計したの君だよねぇーどうにかしてー仕様聞かれてもちんぷんかんぷんッ!!!ちんちんかもかも漏れ出ちゃいそう!!!!あれ、本来、上流の元請けが遣る仕事なのに、
どんどん下請けに投げられて、アイジェス君がえいッってやった仕事なんだよー。」
んんんんんんんんんんんん?????
「それ一体どういう?」と疑問を睨めかせ、その疑問を問い詰めようとして、アイジェスが言葉を引き継ぎ答える。
丁度いいなと、まぁ俺もよく覚えてないんだがなと、小声で笑いを滲ませ答える
「良いだろう、丁度俺達もあの船に、用事があったんだ。」
敵対したコリストス=メギトス達は堕とした、流石に、いまだマレディクトに敵対行動をした事は、漏れて居ないだろうが、念の為...対策を立てて置く
「協力するのもやぶさかではないが、こっちの仕事についても協力してもらう、作業ついでに偽装用のIDも用意して貰えるか?」
・・・
・・・
・・・
二つ返事で承諾し、ドヴェルグ社の作業員として駆り出された、アイジェスと、アンザスは、《R.I.P》の改修作業現場へと赴く、
紆余曲折を経て、やや作業は遅滞したものの、現在改修を施された《R.I.P》は、それまで偽装され装備されていたと思われていた《マグレブ》磁気浮上式低重力ホバー機構を捨て
隠されていた《Fictumフィクトゥムドライヴ》の副次効果の一つである重力低減効果を利用した制御技術を転用。さらに推進機構も通常の推進剤式から
《Fictumフィクトゥムドライヴ》を転用したプラズマ推進機関へと換装を果たす。
現地改修作業を指揮していた。クルーニー=ブルースは...やっと下された作業許可に安堵し、日々の暮らしを過ごしていく。
ブラックボックス状になっていた機構については、元請けからの出向者という。人物の指示のもと、課題がクリアされたとの報を受けて居る。
一度顔を合わせて、意見を伺いたいものだと、先方には一方を入れている。
どの様な者なのか。興味は尽きない。
技術的な権利を独占する為、中央のコーディー=スルーより疎まれ、官職から閑職へと流されたその男はそれでも腐らず。日々の研究と開発に専念する。
今ある技術と素材を使ってより良いものを練り上げる日々はそれなりに楽しく、そして充実していた。
宇宙でのマレディクトの本陣として、異例の隆盛を誇るコロニーミーミルに於いても
新型の配備を許されず、且つての戦場で使用した旧型機を使用する他ない、外様の自分達の現状に腐らずに、《カルペ・ディエム》から、
更なる改修を試み、そんな苦境を蹴り飛ばす意味を含めて《カルペ・ディエム・アスキック》と名図けられた、機体が格納庫内に並んでから数年
改修を終えてから、何処をどうやって生き延びたのか?地上を中心に活動する。且つての同僚であるトゥルス=スミス経由で請われて、
改修用のデータを通信反射衛星経由で、送り届けたモノの地上の彼らもあれから数年、交流が続いている物の同じく冷や飯を喰らっているらしい。
だがキンキンに冷えてるトルコアイスは格別だなと、豪語するその愛嬌のある男の姿を思い浮かべる。
もはや、トルコという国も、冷菓子と地域の名前に名残を見せているだけで、その実情は変わっているのだがそれでもニ千年近くその名が残るのは、
きっと良い事なのだろうと独り言ちる。
「しかし、あの粒子に重力軽減の副次効果があるとは、嬉しい誤算ではあるが...」
お陰で少ない推力での大気圏内での飛行を可能としているが、それは、凡そのこの世代に機体では持ち得ている、だが...
あの機構の深い場所はブラックボックスとなっており実際に作ったクルーニー=ブルースも、その仕組みを把握していない。
それでも、これから何があるのか分らないからな、と、且つての仲間と袂をわかつたのちもその研鑽は未だ続いていた。
それは唐突に表れた。クルーニー=ブルースは、技術交流を目的とした。食事会に赴くとそこには、
褌を占めたアラサーの男が、何を思ったのか黙々と山盛りのプリンアラモードを一心不乱に食し、
何の感慨もなく、あっクルーニー=ブルース氏お久ッ!!!男尻の調子はまだ上がらないけど?間に挟まる?
むさいおっさんのサンドウィッチよりはマシでしょ?
( ,,`・ω・´)ンンン?
「アイジェス君にアンザス君じゃないか?一体どうした?久しいな?」
「嗚呼、ちょっと野暮用でな、」スンスンと空気中の匂いを嗅ぎとり、安堵の表情を浮かべる、
この匂い...
「流石にあんたらは人を喰ってないみたいで安心したぞ。」
( ,,`・ω・´)ンンン?
久しぶりだな?元気だったか?この八年何処でどうしてたんだ?と疑問は尽きないモノのやはり技術者としての疑問に気が逸る
本題に入る前に?質問なんだが?一体どうやって旧式の《R.I.P》に最新式の推進器と現代改修を行ったんだ?作業が停滞して君が来て竣工してから一週間も経ってないぞ?と
クルーニー=ブルースが疑問を口にする
アイジェスは笑い。簡単な話だよと、それまで外付けで付けてた《マグレブ》磁気浮上式低重力ホバー機構を外しただけだよ。
あの船は元から重力推進式で設計している。機能を偽装する為だけに、旧式の動作機構を付けたので、内部機構の切り替えと余分な外装の除去で改修作業は終わりだよ。
技術談義をそこそこに
且つての戦役での思い出話に花を咲かせ歓談に終始するモノの本題である。マレディクト本隊とウェンディゴ部隊に関する話をするには、
店内では...と河岸を変える事に、どこか盗聴か、監視の無い場所が...。と、会談の場所を昔懐かしきドヴェルグ社の会議室へと移す。
途中買い込んだ。つまみや、飲み物を抱え、
「ここって大丈夫なの?」と、アンザスが訝しむが、粗ノーマークで大丈夫だろう。少なくとも発覚するまでの時間は稼げる。
その語る行為の結果は現実の無情さとは異なる。
そこに、遅れて合流した。宗谷=大石の姿があった。
「はぁ~クルーニー=ブルース殿、こういう事は先に言って貰えるか?勝手に予定を変えられるのは困るんだがな?」
といいつつ、冷や飯ぐらいの自分達が、奮戦する目標は当の昔へと消えた事は重々承知ではあるが、数日前に本部より追撃部隊への参戦の打診を受けている。
どうやら遠く離れたL4宙域で、クーデターかテロが発生した為、マレディクトの地球本部があるこのコロニーの部隊に対して追撃の認が下された。
中央にいるとしても、階級や待遇自体は、8年前と変わらず、さりとて、昇進する様な事案に今まで関わる事もなく、装備の一新もされていないこの部隊に
何の命令なのかと訝しみつつ準備をする最中、正直、状況が分からず乗り気ではなないが、久しぶりの任務に、血が沸き立たないモノでもない。
そんな状況下に於いて、突如、宗谷=大石は、クルーニー=ブルースからの呼び出しを受ける
其処に待ち受けていたのは、その素肌を堂々と晒す。半裸のおじさんと、昔懐かしき男の姿だった。
「お嬢?ドン・キホーテか?それにそのまわし姿と男尻の張りは、間違いない。《お調子者》(ストゥルティ)、こんなになっちまいやがって
何年振りか?6年か?8年?」
( ,,`・ω・´)ンンン?
「拙者の顔じゃなくて男尻で、判別して男尻に話しかけてくるのやめてもろうていいですか?」
もっしゃりとバナナをたぶる手を止めずに、答えるアンザスを他所に、現状についての会話を始める。
「というか、すっかりお前は、虐殺者が板に付いちまったよな。結局あの戦役の顛末すら、俺達に言わずに。」
「まぁ、ボギーワンであった事も、黙ってたもんな。」
「それは我が男尻が変わって説明いたしましょう。」
「いや、大体の話は、二度の軍事裁判で、聞いてはいるが、コンチクショー俺やアハト達の事も墜としてたなんてな、あの戦役の状況を見れば分る。手加減してくれていたんだよな?」
「あの戦場で、俺達が感じていた万能感の正体も、きっと原因はお前なんだろ?」
「しかしなんで、長い間音沙汰もなしで、どうした?」
複雑な表情と感情を滲ませながら、会話を始めるも、急に萎んだ男尻の姿を眺め?狼狽えるドヴェルグ社の面々を他所に
本題に入るは、もう一人のおじさんアイジェス。
うって変わって真面目なは話をしはじめ、宗谷=大石の顔が強張っていく...
俺達が聞いていた話と違う...
比喩ではなく、燃料や素材にする以外に、本当に人を喰っているだと?しかも、アイジェスの...は...既に月の住人達は全員...それで...そうするしかなかったのか???
あの現場に露と消えた命は全て、もう二度と戻る事はなかったという事実に震える。
しかも、ウェンディゴ部隊は...その悪習を放つ腐臭の悪習として、今も尚、続けて居るだと?
そういえば自分も、ウェンディゴ部隊への参加を促されたが、断ってから、その処遇が窓際へと押しやられて行った。
それは単純にクルーニー=ブルースの扱いや次々と離れて行った仲間たちの行動に違和感を感じていたのと、正直荒事への興味がなくなっていたからではあるが...
そこではたりと気付く。
「お前達来たのは?L4宙域からか?」
( ,,`・ω・´)ンンン?何故それを?
急ぎ宗谷=大石は、端末を操作し、捜索対象の情報を検索、其処に映るは、エメラルドグリーンの少女の写真と、所属不明の機体の望遠でとられた一枚の
戦闘中の絵姿のみ、どうやらなにかの偶然か?その追撃任務が下った理由を推測するが、何故かアイジェスが問題なく入港できている。
同じかつての仲間同士を殺し合いさせる為に選ばれたのかとも思ったが...
「時に、お嬢、どうやってこのコロニーに来た。」
「嗚呼、俺のファミリネームは、悪名が轟いてるからな、仕事用の船舶と船主のIDは、偽造処理を行って、別人になってる。コリストス=メギトスとも遣り合ったが...
お前も俺を売るのか?」
・・・
重い沈黙の中、その言葉を絞り出すかのように、息を飲んで吐く。
「一つだけ教えてくれ、どうして8年前、俺達に何も言わずに消えたんだ」
「あいつに恨まれるのは俺だけで良い...」
風斬り音を奏でながら、宗谷=大石の拳が飛ぶ。めいいっぱいの力を込めて振るわれた拳はアイジェスの頬を深く抉り吹き飛ばす。
「お前、俺達の事を見くびってるのか?それぐらいの事、俺達にも背負わせてくれ。一緒に釜の飯を食ったなかじゃないか?」
おろおろとする。クルーニー=ブルースにドヴェルグ社の二人と、心配そうに冷やそうか?と何故か自らの臀部をアイジェスの頬に添える男は、
意味不明な行動をする。
その涙、男尻で拭いて進ぜよう。
シリアスなのか尻アスなのか分らぬその状況に、埃を払って、立ち上がると吹き出して笑う男たちは、次第に打ち解け、他愛もない話を繰り返す。
「で、何しに戻ってきたんだ?あの子供も今頃でかっくなってるだろうし、今なら説明したらわかってくれるだろうさ。俺に橋渡しでも頼みに来たのか?」宗谷=大石が問いアイジェスが答える
「嗚呼、それなら今は別行動だが、あれから一緒に暮らしてる。」
( ,,`・ω・´)ンンン?
「誤解は解けたって事か?」
「いや、あいつが今どう思っているかは?分らないんだ。」
「そうか...いつか分かって貰えると良いな。」
「それは無惨な結果を知らせる事になる。避けたいな...」
「となると本題は別にある。どういう訳なのか詳細は不明だが、子供たちがウェンディゴ部隊の奴らに目を付けられた。お陰で住んでいたコロニーは、どこからかの超超超長距離狙撃にあって、被害を被った。被害から逃れるために、闘う必要がある。其れにはマレディクトの威光に沿わない国、コロニー間の連携が不可欠だ。」
「別口のロビー活動を他の協力者がしているが...」
「もしもの時の戦力が必要だという事ですね。」クルーニー=ブルースが同意し言葉を繋げる
「しかし、マレディクトとウィンディゴ部隊が別々に動いているという可能性は...あいつらが、頭になっているって事はないな。」
「前に顔を合わせた時にも奴らは鉄錆の様な香りを見に纏ってた。それが骸が築いた結果だという事か?」
問題は。俺達が動かせる部隊は四機編隊の二部隊のみで、他の昔馴染みの動向は、何人かが地球にいるという事だけだ。
「逃げる当てはあるのか?それにお前、乗ってた機体。《デスペラード》は喪ったままなんだろう?戦力的に心もとない」
「8年前とは違うんだ。軍のバックアップも期待できないぞ。それに協力できる仲間は集められても弾薬にも資金が掛かる。」
「それに関しては宛てがある。社名は伏せるが、軍事会社のバックアップとパテントを利用すれば...奴らが支払ったパテント料で奴らの男尻を蹴りつけてやるさ」
「それにあいつは俺が呼べば、必ず俺の元に戻ってくる。が、今は、できるだけ温存しておきたい。」
ふむ
何か考えがあるということだろうなと、相槌を打ち、一先ずは追手を避けつつ。子供たちとの合流を試み、後の事は、合流後思案する
宙で反抗勢力を形成するか地上へ降りて、奴らに其の真を問うべきなのか?を
「お嬢、いや、ドン・キホーテ。他の奴らへの説明と協力については、俺に任せて貰おう。同意が得られ次第、合流しよう。それで良いな?特別顧問殿?」
「問題ない」
「いや、問題ありありだよー。パテントをそんな目的でッ!!!!使われちゃぁ会社がッ!!!」
( ,,`・ω・´)ンンン?そういやそうだったな。とドヴェルグ社の抗議に耳を貸しながら、
「貸すから協力してくれ」
「流石は、新しき我らが曹長ッ‼‼‼好き!!!」
それから数日後、アイジェス達と合流後、追跡軌道へと入る船舶の列より離脱、軽い遭遇戦をしながらも、その動向をお互い掴めぬまま、
かつての戦場での《アンブレイカブル》(Unbreakable)との遭遇戦へと流れへと繋がる。
...
...
...
そして、刹那の回想を終えて舞台となるは、月の静かな海へと続くアリアデウス谷。
アリアデウス谷は目標である静かな海の西縁より直線状に続きその長さはおよそ約250km〜300km、幅は約3km〜5km、深さ約300m〜500mを誇り、母艦の姿を隠して進行するのに適している。
船脚早く進めるは、そのやや中央から谷の内部で南北に段差や偏り生じる光景を抜けた後の区画より進行を果たし、
その思惑を以て進むも、アイジェスの機体内に鳴り響くアラートと共に、《アンキャストダイ》(Uncast Die)との交戦に突入する。
「何故だ。粒子放出量は十分の筈?」
しかして、告げる戦端を斬るべく放たれた嚆矢の矢たる穿劫弾の輝る弾丸は、明滅する魂を抉るかのように、その機影を抉り霧散させる。
その一撃を行使し、狙ったのは《ホーリグレイル》を駆るエクィタス=ユースティティアの姿、着弾と同時に、ファルクス・レフレクトールを射撃モードで展開。
中口径の粒子砲の斉射が、降り注ぎ今にも命中しそうなその光の応酬を、宙空で撃ち堕とし、あるいは弾き、かくして戦端が開かれる
前面に展開された、大型の《デウス・ヴィヴィアニテ》、さらに中型の《デスリヴァナント》《ヴィヴィアニテ》から放たれる粒子砲の射列は死を想起させる。
激しい前戯となり、まずは、繰り出される初手は、何者かの鳴動と共に胎喰都市の未成熟な胎盤が剥がれ落ち、それまで孕んでいた。基部がその姿を現す。
組み替えられた防壁が組みあがり巨大な人型の何かへと変じ、生まれるは、無数の《ヴィヴィアニテ》にも似た巨体の群れ、
その口腔より放たれたしは、閃光の波涛、流れゆく閃光は一筋の光を残して、月面の宙の元で、互いの一撃が交錯する。
放たれ斉射される一撃が此方の一手の飲み込み、艦隊戦の突撃陣形として、形成する。真正面に陣取り、全ての責め苦を受け止める様に
九枚の盾。
ナインライブス(Nine Lievs)が踊る。
無数の閃光の一部を展開する障壁体による。分解防御の冴えが渡り響く。
装着するアタッチメントを大火力を誇るアルクス・ヴァンフーレンスではなくナインライブス(Nine Lievs)を選択したのは、
目標への大打撃よりも僚機への防御を優先した結果故、
応射として、こちらもリル(rille)より浮上し、《天地併呑》(ウニヴェルスム・デヴォラーレ)を、交互に15秒刻みで、四機編隊二部隊のローテーションを組みながら
その光の柱を注ぎ込む
「対象距離までの距離概算...想定される距離は...150000を切る迄、カウントダウン。実体兵装による長距離慣性射撃開始。」
丁度、途切れる様に
「イグニス・パルヴァス...小型の《イグニス・エト・スルフル》は使うな。都市部の一般市民に被害が出る。」
「各自射程距離に入り次第、相対距離を無視しての投射攻撃はじめ。ダミーバルーンとチャフを投下後、一番、二番砲塔、構えッ!!撃てっ」
複数の機体を継ぎ接ぎしたかのように、歪な機体の面影を残し、伴い這い寄る混沌の如く迫ってくる。
先んじで戦火の瞬きとして確認できた。
《デスリヴァナント》と《ヴィヴィアニテ》の姿が最大望遠の艦橋より確認。
その姿身は、射列の一撃により、その機体への打撃として機能するも、自己修復し、ガンベルーの電磁装甲を楯とする《デスリヴァナント》は、
固く防御を固める《ヴィヴィアニテ》の六連結晶体のシールドに阻まれ、こちらの攻撃が、阻まれ続ける。
「なんでセンサー阻害効果範囲内で、敵に気付かれた?!」
※2026年2月4日修正
当初は、防御と攻め手に分かれて先行した機体での襲撃後、射程外から機体前面の砲身からの射撃で先制攻撃を仕掛けるてはずだったが、
既に敵陣の本丸は戦闘態勢にはいっており、こちらの迎撃に無数の機体すら出撃して待ち構えているというありさま。
その違和感を感じ取りながらも操船に集中する。ナンネン=ハイマンらは、長期戦を覚悟する。
「ドン・キホーテ、喰らわせてやれッ!!!!!!」
奔る主力である機影を見送りながら、同時に艦影の軌道を左右に振りつつ回避運動へと入る。それに対するは、
次々に、推進機構VTOL (Vertical Take-Off and Landing)での、挙動で、宙空に停止しながら、方向転換を行う。《デスリヴァナント》の姿、
その機動は、本来では月面での機動ではありえないが...恐らく理を捻じ曲げその様な飛翔を実現化させる。その威容に、舞う粒子の粉を置き去りにして、
防御を無数の《ヴィヴィアニテ》と《デウス・ヴィヴィアニテ》に任せ、次々と射列から離脱し、こちらに向かって襲い掛かってくる
空戦機動にも似た高速機動を展開、扇上に分かたれた無数の軌道を胸に、無数の光鞭が、十重二重と問いながら、その威を指し示し、
その滑らかな肢体を見せつける様に、体を捩り肉欲に塗れるかの様に肉薄する。
まずは、それらの接近を察知し、二つの機影が踊り出る。
その武骨なフォルムは、色は紺鼠色、鈍色に彩られた非力だった己の姿を映す鏡、歪でありながらもその機体は、且つての乗機を彷彿させるような、
二本の影を艶やかに映し、左右対称であったその容姿は、左右非対称へと移り替わる。V字のツインアンテナには左右から延びる一対の角、
対照的に、曲線美を纏った白と黒のまだらの翼をはためかせると、天使と悪魔にも似たフォルムの機影が踊り
吠えるように叫ぶその二つの線型は、煽情的なまでに戦場を翔ける。
互いに水平後方でのバレルロールを繰り返し、照射される砲撃の光を開始し、手に持つ銃身と背面部の副腕ユニットから走る、
黒と銀劫を纏わりつかせた。質量を持った光と、銀劫が互いに重なる様に照射され、奔る機体の前面に備え付けられた
盾を展開。其々の壁面に光の膜を展開し、罹る目標からの反撃を傾けた楯の傾斜に沿って弾き逸らし、膨大な熱量を持った。
其の連撃を掲げるガンベルーの電磁装甲を楯として、応射の光鞭の照射が返礼として寄せては帰す。波間の様に、波涛となって押し寄せてくる。
その光景に対して、繰り出す御手は《デケム・プレセプタ》
九つの効果を10秒限り行使する、《アンチェイン》(Unchain)
まずは一秒刻みで《ヴァナヘイム》(豊穣の国)と《ミズガルズ》(世界の庭)を交互に展開。
僚機への物理演算によるフォローと共に繰り出されるは、月面の宙に描く電子加速の疑似バレルの輝き、
接近してくる敵影を捉えると、その機体を弾体として、逆に投射、居並ぶ射列を崩さんと、誉れ高き叫び声を上げながら、
想いの丈を吐き出すべく。怒張する己を握り込む。
1秒毎に切り替わるその愛撫に晒され、多数の攻防が徐々に多数の盤面で展開されていく
...
...
...
その頃、ポルチーニ=ポポニチンらが駆る《スウィーフ・ウィドウ》はその多脚で進む艦船を月面都市へと寄港するも、
箱が実験体の接近を知らせ。
ん?尻友めっどういう訳か宙に上がってきたのかと?急ぎ月面中央へと打電するも既に月面都市は戦闘態勢へと移行している。
月面都市の防衛ラインかセンサーに引っかかったのか?
と、繊細な男尻を載せて、おまるを抱えてポポニチンが奔る。
更にそれに続くは、回転する斬戦が続く《ルカヌス・ウラヌース》の機影、遠く離れた伴侶への慕情を胸に、月面の渓谷にも似た地形リル(rille)内で生じる
警告鳴り響く、警戒戦に於いて軽快な足取りで、壁面を駆け上がりながら炸裂する《炸薬鞘》(ウァギーナ・エクスプローシーウァ)の炸裂音が、音の無い世界に鳴り響き、
薄弱な月の重力下に於いて、その想いの丈を引き絞るかの様に、終わりのない慣性軌道を描きながら、
無数の《デスリヴァナント》の陰に向かって踊り狂う。吐き出された慕情は、緋の光を纏い、縦横無尽に羽根飛び続ける図形を
異物として宙へと書き出していく。
放つ寂寞の叫喚は、その叫びと共に世に放たれる。《ハーヴィージャック》「Harvey(戦いに値する者)」を「Jack(奪う/乗っ取る)古い言葉を繋ぎあわせて名付けられたその機構により
対象となる群がる機影に対して、其の意を行使し、月面の大地を飛翔する機体の姿が、その脚をとめ落下する中。
次々と撃墜していくその機影の数々が、無数の躯を晒しながらも、まるで逆再生の映像を見せつけられる様に、その無情の様が、
眼前へと叩きつけられる。
(・д・)チッ
後方から援護に入った青葉とエクィタス=ユースティティアが、叫ぶ
「ダメですみんな、こいつらはッ!!!事前に話した通り、コックピットを狙わないと、再生しますッ!!!」
「くっそッ話半分で聞いてたが。本当に再生するとは?」宗谷=大石は、僚機達へ攻撃の目標をコックピットが存在するであろう
胴体部、若しくは頭部にむかって集中攻撃を加えるべくハンドサインで指示を出す。
「狙いッつづけッ」
「コントラファクト部隊、光波妨害開始ッあとは、俺に続いて円周防御。近づく奴らは墜とせよッ!!!」
砲身のクールタイムにより使用不能の左方の砲身を使用せず、右側に稼働するフレームと共に狙いを付ける
更には迫る光鞭を防ぐために、三重防御のストラクチャーシールドを展開。吸引と光波と実体の三重防備の陰に隠れながら
あるいは光剣の刃で切り払い、防御する。
「なぁなぁ。大石さんッ既におむつにビックブラザー漏らしてんだけど、これ(ノ・ω・)ノオオオォォォ-オッ、コワイ、コワイ、ウンコが怖いッ!!!」
「長距離からの大火力使えないで、包囲戦の真っただ中なんて、これ貧乏くじ引いてないか?」
乱れ飛ぶ光の砲撃を《ラッドチェスト》の反射装甲で捌きながら、オウ=コワイイが叫ぶ
「ふっ《臆病者》(クヴァイリス)01、前回の戦では漏らしてなかったのに、この程度で?泣き言、言うのか?」
「ふーんだ僕たちだって、成長してるんですからね。整腸が整いすぎて、漏らしたけどッ!!!以上、ご清聴ありがとうございました。ベイビーッ!?」
シナドロ=アマイが「」付けるが、続くネライ=アッタライナの叫びが掻き消す。
「狙いが当たるぞッおかしいッみんなウンコは漏らしたな?」
「「「「なんだとッ?!」」」」
その言葉に、第五部隊の面々の警戒度が跳ね上がる。普段当らないネライ=アッタライナの攻撃が当たるという事は、それは...
自滅自爆覚悟の攻撃が始まる前兆である事
機体同士の接触迄の十数秒間、クールタイムを終えた機体に対して、《天地併呑》(ウニヴェルスム・デヴォラーレ)の使用を抑え通常射撃での戦闘を主に注意喚起が行われる。
左右の砲身と、脇に抱える大型ライフルを構え、威力ではなく弾幕による、迎撃を選択。
母艦の周囲で防御態勢へと入る八機の《カルペ・ディエム・アスキック》は、進む船脚早く、駆ける。母艦を防御しながらボカンボカンと、向かってくる敵機を
墜とし始める。船体の防御には、中型のナインライブス(Nine Lievs)の思考誘導による楯が、援護に入りながら、
続くアイジェスの《ヴァナヘイム》(豊穣の国)と《ミズガルズ》(世界の庭)の援護が後方迄到達する。
...
...
...
その光景の最中へとヴォルク・チェロヴェクは。次手の手札を切る
「《アージナリーワン・ウェポンⅡ》アンロックスリー По трупам(パ・トルーパム)「死体を越えて逝け」」
思考共有により、漏れ聴こえる。嗚咽にも似た共感と官能により。無言の圧力から生じる。香る匂いは、死体が腐ったかのような腐敗臭を放ち、腐臭漂う戦場に於いて接近するたびに背筋に凍れる程の殺意を感じ、
互いのコックピット内部では、戦急を告げる唄と共に、同型機との遭遇を示すアラートが、鳴り続ける、
極彩色の絶頂を来すべく、優しく愛撫する。振るうは絶頂の叫び。嗚咽する涙は、流れぬまま、その行為に終始する。
爆音を彩り、飛ぶ体液は、飛散する間もなく炎に包まれ、その行為の無情さを指し占める様に前後する。
ジェネレーター...動力炉の暴走と共に、こちらの母艦に向かって炸裂する動きを見せるその姿に...戦慄を覚え、一切の回避行動を無視した軌道により、
《ヴォーパルバニー》の回避行動を反転させる機能は無意味と化し、それでも対抗すべく、
僚機の援護としてナインライブス(Nine Lievs)の盾を防御に回しながら、僚機が放つビームライフルの一撃に対して、
粒子加速器たる、基部の中央部の孔にその光の頂点を突き刺し、再加速を促すその劫媒は、《天地併呑》(ウニヴェルスム・デヴォラーレ)にも似た、光の射線を
渓谷の合間より警告するべく放ち、母艦に到達する直前に、その一撃を指し痴れる。
傍立つ嬌声は、天へと頂く姿身を写し、いつ果てる事もなく、防空圏を形成する、百二十余基の《falcisファルキス》を
操る領五は、《サルヴァートル・エクス》(超越する救済者)の火器管制を任され、其の全ての動向を把握しながら、
向かい来る敵機のコックピット目掛けての砲門を重ねて墜とし続ける。
その行為は、乱れ惑う、痴態の如く花開く花弁がよる導に注ぎ入れながら、目標の姿を払うも。
相打ち覚悟の敵機の脅威にさらされ、また一基と、その蕾が消えて行く。
月面都市たる。胎喰都市が鳴動と共に、都市部内より飛び出したその荒々しい御手で、近くの友軍機を掴み上げると、投擲する榴弾として、
慣性軌道のままに、《サルヴァートル・エクス》(超越する救済者)と《R.I.P》の眼前へと投擲。その淫らな感嬌と共に、炸裂。
ジェネレーターのオーバーライドによる暴走を行使しての特攻兵器として仕掛けてくる。
宙空への襲撃に対し。溢れんばかりの歓声を上げ、黒と銀劫を纏わりつかせた粒子を貫く、粒子加速器と化した前方の展開した3基の大型シールドの開口部より
放たれる覇劫を逆向きの天地を逆転する機動により、螺旋の軌道を描き進む、《アンチェイン》(Unchain)とヴィキティ=アンディバインの似姿が、
その口径を大幅に増やした数条の光もて、迎撃へと奔るも、その数は徐々に増やしていき。
繰り返される。《デケム・プレセプタ》による思考共有の支援の中、その聞き覚えのある声が響き渡る。
ぐじゃぐじゃに、涙と鼻水を流しながら、「死にたくない。死にたくない。嫌だ。なんで俺がこんな目に」と
聞き覚えのあるその声は...ピチャチュ=レーベン...且つて同じ学び舎で暮らした同級生の姿...
「おいッ何だこの声、なんであの野郎が此処にいるんだ?しかも...」
「もしかして...マレディクトの兵員募集に...」ユミナリアの代わりに通信主を担当するハルナが、もしかしての仮定をの別と
「チッそう言えばあいつの進路希望...そうだったな。」
「おぃッ領五手心加えるな墜とせ、一発でも直撃したら、親父や俺達もただじゃすまねぇ。墜とせ」
「でも外崎君ッ墜とせないよ。だって?!」
べしょべしょに晴れ上がった目元と、溢れたノーマルスーツは、その失禁の噴水にその役目を終え、股間を濡らしていた。
...
その状況に、業を煮やして、一人の青年が立ちあ上がる。
先行する二機の機影は、なだらかな山脈の尾根を越え、その相対距離を中距離戦の距離まで詰めるが、後方の自陣に対しての攻勢が
激しいものとなり。
「伏兵とな?!センサーが生体反応を察知できてない?何故でござる。ドン・キホーテ。拙者が戻りますぞッ?」
「嫌ダメだ、恐らく仮死状態にしてやがったな。其れで反応がなかった。此処で後ろを見せたら、迎撃の厚みを喪う。此処で一つも撃ち墜とすぞ。」
「ほら狙えッ!」瞬く間に撃ち落とす。機影に、何度目かのラピッドローダーを展開しての装填を行い。
応撃の自爆攻撃をヒラりと躱しながら、撃ち貫く。姿は、慣性制御を十二分にコントロールされた。重力制御と、脚部の踏み足を駆使してのAMBAC機動、
繰り出す一歩一歩に合わせて、敵の攻撃が左右へと流れていく。
機体の角度を45度傾けながら、水平方向へと180度回転を繰り返し、滑る様に進むその最大船速に周囲の景色がゆらりと変わっていく
タキサイキア現象にも似た極限状況に於いての視界と景色のスローモーションが、次々とその照準に敵機の目標を載せると、引き絞る引鉄の発砲により、
上下斜め左右と過ぎ去る。弾頭と化した機体の数々を宙空で、撃ちだされた質量を伴った粒子に晒され爆発炎上を繰り返す。
更には、その足下にひしめく大型の機影、《デウス・ヴィヴィアニテ》のその結晶体装甲には、こちらの二機の手持ちの通常兵装では、
直撃した瞬間、粒子の光が偏光され、大きく斜めへとその狙いが外れる。
(・д・)チッ
其の不利を推して、ひたすら引鉄を引き絞るアイジェスは、敵の結晶体装甲を利用しての偏向射撃を試みる、斜めを奔る
光りのコントラストが、度重なる攻撃の応酬をまざまざと見せつける。
「《お調子者》(ストゥルティ)ッ!!!接近戦と《falcisファルキス》で直接攻撃で墜とせ。」
「こっちも超電磁砲で援護する。」
攻める巨壁となって迫るは無数の《デウス・ヴィヴィアニテ》は、機体内部で収束加速する粒子体をその口腔より放ち
閃光の波涛、流れゆく閃光は一筋の光を残して、二機の姿を追いまわし、避ける機動に合わせて追従する。
その攻撃の余波は盆地の壁面を崩しながら其の裾野を削り取っていく。
群がる敵の数は増え続け、絶対的な火力差を見せつけられる。
しかしこちらも大火力を行使するわけにも行かず。威力を絞った。実体兵装を駆使しての反撃へと移る。
その頃、味方の危機を感じ取った青年は、メディカルポットを抜け出し、気だるい身体を抱えつつ、独白する。
俺は不殺を志した訳でも、復讐を捨てた訳でもない。唯、あの娘に一目母親の姿を見せてやりたい。
親父は、子に親の罪を背負わせる事は無い。と、そう言って笑っていた。月には、たしかアイの家族がいるはずだ...
母さんを殺した奴らは許せない。でも、同時にアイの奴には、唯、笑っていて欲しかった。だから
復讐なんて物は次の世代に持ち込むなッ子供には親の罪なんて関係ねぇだろ。
報いは受けて貰う。但しそれは...アイをその手に抱きしめた後だ。その手の温かさと罪深きその書状を清算するのは其の後なんだ。
復讐の連鎖を止めるって事は、こういう事だよな親父。
何より母を喪った哀しみは、俺にも痛いほどわかる。仇の子供といえども親に逢わせたいって思うのは自然だろ。
哀しみを知ってる方が優しくなれるとは、言うけれど、その意味を知ったのは...その事実を知ってからだった。
「逝かないでッ!!!」少女の制止するその言葉を振り払い。出撃するは、病状を推して立ち上がる。
春幸は、巨大な移動要塞として形成するべく無数の武装と装甲を直接触れた手でその感触を確認し、
小さくうなずき。これならいけると、
背面ユニットを除装し中型のフルアーマー武装を接続したアンリミテッド(Unlimited)に乗り込むと、コンソールを操作し、接触回線による通信を開き
戦闘中の領五へと呼びかける
「えっ?何、機体先行後に、デカ物の装備を分離、射出してくれって?宙空換装するの?!えっ君が出ないと思って動作テストしてないよ?」
「親父に仕事は常に完璧ではないかもしれん。」だけど、言葉を区切り、其処ら辺は、「俺がアドリブで対応する。」
区画を区切った格納庫を横切り、真空の宙へといざいかん。固定式のカタパルトへとその脚部を収めると、
「春幸=ブラットワーカー...アンリミテッド(Unlimited)出るぞ!!!!」
電磁加速する射出機構に乗せられ加速と共に射出される。機体が、離脱する瞬間に宙を駆ける粒子の一射が、船体の回避軌道を超えて飛来し、
射出口の直前で炸裂、燃え上がる様にプラズマが生じる中、放出される粒子が、機体の腕部から離脱発光する球体上のジェネレーターから発する
輝流に流され、艦船からの射出ムーブに於いて一番危険なその状況を潜り抜け、
続く大型の銃身と大型クロー、大型武装コンテナ、大型の腕部などの数々の光景を流し後景とするべく次々と、アルクス・ヴァンフーレンスを形成する
部品たるその基部を連続射出。
向かい来る光波の砲撃を回避と防御を試み、機体の接続ラインを示す。レーザー誘導と共に、僅かにその接続シークエンスに、乱れが生じる。
その不具合を思考制御による制御を重ねて、その軌道をアジャスト、震える様に組み上がっていく一つの動く城塞は、発振する基部が荒ぶる戦人となり、
その戦場へと顕現する。
背面部と胴体に武装コンテナと左に大型拳部ユニット右手には中央に長銃身と上下に短銃身を備えた超大型ビームライフルを備え
まず最初に行った事は、その右腕部に接続された。
重量子&輕量子の二種混合式大型ビームライフル...デュオ・クァンタム・ランス、まるで無造作な動作と操作による、目標までの距離15000
それは、輕量子と質量を持った重量子の二種類の混合粒子を衝突させ、まずは初段の一撃が、二色の発光する。
成形炸薬を二段構えに撃ちだすタンデム弾頭の仕組みを粒子砲の一撃へと昇華し、《デウス・ヴィヴィアニテ》の結晶体装甲へと注がれ、
初弾の先頭に染まる色は、透過する橙色の輝き、光波を反射する粒子光と重粒子が、その装甲内で炸裂、その装甲を内部から拉げ、砕き、崩壊させる。
崩れ行く大型の姿身を他所に、更なる疾走をその機体にもたらす、動く城塞と化した。
アンリミテッド(Unlimited)は、前方で奮戦する。僚機への援護射撃を試み、まずは後陣に仕掛けられた。《デスリヴァナント》の伏兵。
恐らくかつての都市潜入への対策として、休眠状態にしたそれらの騎兵を、月面の大地へと埋め、
目標である。春幸達への対策としていたのであろう。それらに対して、覇を唱えて、機体を反転させ敵陣を切り開く。
一気に組み上がる大型の宣揚を見せて、膨れ上がる警戒の彩は、一気にその機体、動く城塞に見紛うばかりの機体へと注がれ
集中砲火の嵐が吹き荒れる。多数存在する。《コントラファクト》の防御陣形から漏れた無数の攻撃が、鈍重そうなその機体に向かって突き刺さる
その装甲を溶断せしめる光波の鞭が乱れ飛ぶかにみえるも、絡みつくその刃を無造作にその大型の腕部で絡めとると、その手掌から生じられる
ツェルレークト・ヴァント《分解壁面衝撃楯》反発するフィールドの磁界と斥力を衝突させその対消滅エネルギーで敵の攻撃を分解して防ぐ
障壁形成を旨とするその優しき愛撫がその柔わらかく繊細な局部を撫でるかのように、その威を示す。
触れた端から量子分解を起こし、敵の攻撃が、悉く、霧散する。
その光景の最中に於いて、繰り出すは、簡易式コッレクティオハンズと複合追尾式マルチロックオンミサイルの弾頭を
無数の弾頭の数々の内から簡易的な装薬を施し、焼夷弾、凍結弾、粘着弾、粒子攪乱幕、EMP弾頭、の中から二種混合の流体金属を磁性で操り、敵機の直前で混ざ合わせ起爆する
爆裂反応流体弾であるレアクト・ボーゲンを選択。追尾方式を画像、熱源、位置情報追尾、条件の真偽を扱う式論理演算式の複数を同時展開、
射角を付けつつ背面基部に立ち並ぶ武装コンテナより、棚引く噴炎を駆使して青、赤色、橙色、緑、紫etc色とりどりの推進機構の火を噴出しながら、
向かう先は、機体の進む方向とは違う、360度の射角を全てカバーする程の光と爆炎のシンフォニーを奏でながら、無数の命が無残にも散る。せめての
無聊を慰めるは、唯その命が誰も傷つけないまま散ったその姿が、酷く美しい光景に見えた。
瞬間通り過ぎる機影が、消え去る間際の炎の花弁を潜り抜け、一射、二射とデュオ・クァンタム・ランスの二色の閃光が穿孔する様に交じり合い
ハレーションを起こしながらも並み居る敵を薙ぎ払いながら多く旋回を続け、次々と投射兵器を繰り出していく、
お次は、フルアーマー装備である増加装甲に付随される中型のマニュピレーター...を駆使して、その手に持つは、無惨なる光景を見せる口径が構えし、
大型グレネードランチャーを両腕に備え、射角を取りながら飛翔、長大な線景をより抜き出した、右腕一番基、位相空間固定アンカーを射出、
何もない虚空に対して固定すると大きく旋回軌道を描きながら、散弾式の擲弾による広域投射を加えながら、
大型クローである、リーゼンクラウエ...巨大な爪を掲げ、その鉤爪の間より発振する大型ビームクローを展開、
形成される電磁バレルを砲身として《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)製の弾頭と装填。繰り出される射出音が音の無い世界で鳴り響き、
虚空を横切る一陣の風として無風の宙へ吹きすさぶは、慣性飛行を終えた弾頭が、破断する光景と共に
射線には入った無数の《デスリヴァナント》と《ヴィヴィアニテ》の機体を巻き込み、
月都市前面に展開される一体の《デウス・ヴィヴィアニテ》に突き刺さる。飛翔体は途中の接触によりその勢いを殺したものの、
罹る勢いに押され、大きくその装甲撃ち抜かれながら、傅く様にその場に崩れ行く。
...
後方よりの度重なる援護射撃に、アイジェスとアンザスは、誰がそれを行ったのか...俄かに驚いたモノの...来たのか...。と言葉短く反応し、
告げる
「スノードロップッ!!!!無理はするな、危なくなったら俺達に任せろッ!!!それでも...闘う意思があるのであれば、続けッ!!!!」
「メイン楯と、メインアタッカーがキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!これで且つる。」
繰り出す超電磁砲に、実体剣と龍鱗型の《falcisファルキス》による近接攻撃を試み、漸く一体の《デウス・ヴィヴィアニテ》の歩みを止め削り倒すまでの
間に、既に二機の《デウス・ヴィヴィアニテ》姿が後方からの援護射撃で沈んだ。
これなら想定通りの展開が出来るとばかりに、一転して攻勢に掛かる。
...
目標に対して、ヴォルク・チェロヴェクは、崩れた身体を覆う様に重なる瘡蓋より染み出す。
体液を吹き出しながら燃える様に、叫ぶ
《アージナリーワン・ウェポンⅡ》アンロックツー Заткнись и сдохни(ザトクニーシ・イ・スドーフニ)
「黙って死ね」
その悪罵くに、対応する様に無数の骨...フレームの数々が飛び出し硬直。噴霧する冷気が、周囲一帯を覆い、一気に死者撃つ砲弾と化した、
数々の機体を誘爆する弾道として撃ちだしながら、何の回避軌道も取らずに最短距離のみを進むそれらの機影は、いつしかその防御を機体内部から迫り出した
金属製のフレームを突き出し、噴霧する冷気を孕みながらの自爆攻撃を仕掛け続ける。
それは、且つての学友ピチャチュ=レーベンに於いても例外は無かった。
必死に回避軌道を描きながら、進む《サルヴァートル・エクス》(超越する救済者)に対し、進路上へと自爆攻撃を加えんと迫る
《デスリヴァナント》に操られたピチャチュ=レーベンが...
「領五墜とせ。躱しきれんッ!!!」
「領五ッ」「領五君ッ?!」「撃てないッよだって!!!!?!」
回避しきれない軌道で艦橋への直撃コースへと入った《デスリヴァナント》が体中から無数の【falcis】を展開し、
その躯体すら、領五が操る無数の《falcis》と競り合う様に、空を切り、疾走し、互いに撃墜しながらのドックファイトを敢行。
「くっそ、こいつ他の機体も混じってやがる奴がいるッこの状況で、消える...ブラインドアンカーを展開されたら...」
突き進む進路があわや交錯する瞬間横合いから巨大な要塞と化したアンリミテッド(Unlimited)...アルクス・ヴァンフーレンス《動く城塞》の
リーゼンクラウエ...巨大な爪を掲げ、その鉤爪の間より発振する大型ビームクローを刃を展開しないまま、掴み取りその動きを止める。
悠々と進路上を横切り、その攻撃を阻止するも破裂する程膨張と怒張を繰り返す《デスリヴァナント》は、機体のフレームから突き出された。
その基部から吹き出される冷気が、そのまま捕獲した手を固定し、誘爆への道連れとするべく、
「だじげてッ」
「今助けてやるぞッ!!!」駆動する前腕より散弾式の榴弾をばら撒きながら、フルアーマーの装甲に備え付けられた中型の副腕を晒し、
掲げるその手には、振動する光の刃を!!!その宵闇を切り拓く、有情の刃と小型のマニュピレーターが器用に目標のコックピットを機体から引きはがし、
更にはその大咢のマニュピレーターを操作し、着脱のその手を切り放し、其のまま弾体として、遠く離れた《アンキャストダイ》(Uncast Die)へと
叩き付ける様に、射出。
加速と破壊をまき散らしながらその目標へと突き刺さり特大の衝撃を巻き散らし着弾する。
その姿は巨大な巨人が、為すすべもなく、崩れ落ちる光景に憧憬にも似た恐れが伝播する
春幸は、あたりを見回し、速度を優速から微速前進まで墜とし、相対距離を合わせつつ、《サルヴァートル・エクス》(超越する救済者)の周辺で奮戦する青葉機の隣迄くると、
抉り取ったコックピット部を《ヴォーパルバニー》の手に委ねると、交代する様に指示。
「春君ッ?!身体は大丈夫なの?!」
「大丈夫ですよ。アレさえ使えなければ、どうとでもなります。幸い、今はこいつがある。みんなに今からデカいのを撃つから注意してッ」
「タイミングを合わせて、《falcis》との接続を一端切ってッ」
「えっ?なんて?」
「青葉さんは退避しつつ、みんなに知らせて回って、準備が出来たら合図を送るからね。」と
悠々と進むアルクス・ヴァンフーレンス《動く城塞》と共に、その宙域の攻防を制するべく、更なる攻防へとその身を浸し、
一つ喪われた大型マニュピレーターの欠損を残し、もう一つ残された大型のクローと多数の大中小の腕部より掲げしは、
簡易の慈雨...その光景はかつての戦役で、無双を誇った《アンエディテッド (unedited)》との交戦データを元に
作り上げられたその機構は、乱戦に於いてもその効果は機能し、無数の《デスリヴァナント》のコックピットだけをピンポイントで狙い撃つ。
熱い欠けた左の視界が、その端より燃える様に身悶えさせるように、情念の炎で身をやつしながら、それでも、死角から接近してくる攻撃は、
回避する事もままらないが、その頑強な防御機構により完封、振動する機体を制御を取り戻し、視野の消失を機体性能によってカバーする。
目で見るのではなく、身体全体を感覚器官へと換え
触れるだけで絶頂を果たす程の鋭敏さに身を晒しながら、その一手を斬る。
敵機の数々の死角に、突如として、光の球体が浮かび、目標がロックされ何かが展開さるは、且つての戦場での悪夢。
一斉に噴出したそれが、其の全てを撃ち抜かんと夕赤輝く光の本流を以て、襲い掛かる。
とっさに防御と回避を選択する間もなく放たれし、滂沱の想いは、対象の装甲をまるで水に浸された和紙の様に容易く貫き、コックピットに騎乗する。
パイロットの姿を唯の塵へと帰していく。同時に迎撃を試みるその行為すら尚も、意味の無いものとして撃ち墜としていく。
その光景に、僚機達は、何をするのか?と訝しみつつ、その一端を知るアイジェスは...瞬時にその行為の結末を知り、
後方の僚機を守り浮遊するナインライブス(Nine Lievs)を僚機の手元へと預け、散開状態から、艦船への乗りつけ、密集体型による防御へと移行。
「俺も合わせるぞッ!!!」
えっえっなに?
「領五君、《falcis》しまってッ!!!」
「スノードロップッ待たないで良い。思考接続だけ切れ!!!後の事は、俺がフォローするッやれッ」
投射するは、メインカメラ越しで、覗く、目標の中心点、
ウォキフェラートル《悲鳴を上げる者》高出力の思念兵器妨害兵器...その基部は穴の開いた筒状の飛翔体、
真空の無音の宙に於いて吐き出す叫び声は...同時にアイジェスも、《デケム・プレセプタ》による10秒限りの
その威を行使する。《ヘルヘイム》(死者の国)...と最後に繋ぐ《ヴァナヘイム》(豊穣の国)の思考共有
ぶつける思念は...無数の人の死の断末魔。対象を限定としない《ヘルヘイム》(死者の国)の効果の一部を技術転用し、放たれしは、効果範囲内全てに効果を及ぼす
悲痛なる叫び。操る《falcis》の思考制御へと割り込み、
一斉に、展開し始めた無数の《デスリヴァナント》手から離れた、《falcis》の群体が春幸の射出した中継器を経由しての広域展開。
叫ぶものの声は、その操作を乱され逆に自らを傷つける鉾となり襲い掛かる。
さらには、《ヘルヘイム》(死者の国)の効果が、12時方向へと月面都市を前に、《静かな海》へと続くリル(rille)アリアデウス谷の合間を抜けて、
前陣のアイジェスとアンザス。後陣で奮戦する母艦と防衛を担当する春幸達の眼前でその効果を生じさせる。
徐々に前陣と後陣の距離は詰まり、合流するかに見えたその状況に於いて、その一手は、思考を乱す波涛となって、周囲に対して展開され、
繰り出される一手はそれまで攻勢に転じようとする一手を封じ斬る一手となる。
次々と敵の【falcis】がその様相を変えて味方が操る《falcis》として、逆に相対する敵の目標へと続く。
三秒の《ヴァナヘイム》(豊穣の国)の思考共有により再びの思考を再接続、その操作権を奪った
多数の砲撃の雨が同士討ちをするなか、悠々と、二隻の艦影が、其の横を通り過ぎていく。
このまま押し切るべく...アイジェスは、自らの切り札を切る。
「エンコード、《バラッド・オブ・ザ・デスペラード》!!!!!!!!!!!!!!!」」音声認識による識別により、使用者権限を確認。「一葉灼伏…30%」
心の中で小さく呟く
機体内部に搭載されたジェネレーター内部で、それは熾る。中央部に鎮座する。赤黒い表皮を備えた樹木に向かい。内部から伸びるマニュピレーターが起動、その腕部で、樹木の一部を切り取ると、樹皮から流れ出る血の色に似た樹液を流し、心なしか痛みに耐えて叫ぶ声が響き渡る。ジェネレーター内部のかつての文明で使用された蒸気機関の火室の様に、開閉する投入口が開き、手折った枝を放り込むと、炉の灯によって、焚き付け、一気に貯蔵、放出される。
その粒子量が爆発的に、推し広がって逝く。………
左右非対称へなった全景にV字のツインアンテナには左右から延びる一対の角、吠えるように叫ぶその線型は、煽情的なまでに戦場を翔ける。
やや大型のそのツインアンテナは、開閉機構が稼働し、機構展開すると、V字から、左右に横倒ししたY字状に展開して、やや歪なX型の様相に変える。
左目に当たるメインカメラは大きくその開口部を開き、耀劫を滾らせながらも、その姿を変え見通す先は遥か遠く連動して鬼面の表情となった口元の放熱機構が開いて牙が覗き、肥大化した右腕の大型楯となる大型マニュピレーターは、都合二つの主腕と副腕が、重なりされやや大ぶりのその指と腕部を形成展開される副腕となって、
大型の副腕が、一回り小さい主腕を包み込むと其の手掌から漏れ出る覇劫が、且つての姿を幻視させる。
その武骨なフォルムは、色は紺鼠色、されど頭部開閉機構が展開されると同時に彩が艶やかなトリコロールカラーへと変態する。と
脳内に鳴り響くその詩が、俺に力を与えてくれる。
「その怒りの道を指し示せ。《ミズガルズ》(世界の庭)」
「その心、姿映し導き出せ。《ヴァナヘイム》(豊穣の国)!!!!」
「繋ぎ禊て、不離一体を以て、その不利を覆せ。」
コックピット内のコンソールにミッド《世界》とヴァナ《豊穣》の文字が瞬き、《connect》の表示が踊る。
《我らに叡智を与えよ!!!!》「其の詩で迷いを晴らせ、賢人クヴァシル!」
以降を威光を以て修正する同規模で生じるフィールドの界域に対して、生じる結果は...
無音の声により阻まれる。
Σ(・ω・ノ)ノ!
声が出ない?一体何が起きてやがる?
「此処までのお前の快進撃は、コリストス=メギトスの奴から聞いてるぞ。力を見せすぎたな。」
「声が出せねば。その力は、音声認識の認証が下りない。俺のこの機体は、《アンキャストダイ》(Uncast Die)...」
「全てのキャスト(詠唱)を否定し殺す存在だ。一言も別れを告げずに死ね。」
(・д・)チッ
攻撃の手を緩めないまま、畳みかけようとするアイジェスとそれに追従しようと、モードチェンジを試みるアンザスの機体の
攻勢の手が霧散する。
切り札の一手の封ぜられ。回避軌道を描きながら、その影響範囲外への離脱を試み、僚機達の到着を待つが、
その声なき声を拾った一秒だけの《ヴァナヘイム》(豊穣の国)に、全てを掛けるべく、行使する力は弱いまま、
射撃の列を形成しながらも、左右の旋回を繰り返しながら、その目標が定まらぬまま事態は進む。
何かの打開策となる様に、一手不自然と思われる光景を思い返す。奴がアンロックのツーを行使する直前、俺は何をしていた?
《デケム・プレセプタ》...音声認識を必要としないその一瞬の行為に対してまでの阻害は見られず。
僚機達への援護に重点を置いた10秒間の《ヴァナヘイム》(豊穣の国)を展開。を断続的に行使し続ける。
後陣に群がる的を、的確にそのコックピットを貫きながら、凡その処理を行った。春幸は、アンリミテッド(Unlimited)に完全武装を施された
アルクス・ヴァンフーレンスの大火力と自機のアンロックを外す事も考慮していたが、その手札の一部が欠け落ちる。
動揺する最中に於いても観えぬ左側を庇いつつ。一気に追走する様に行動を再開した僚機達の姿を背後に置き去りにして、
その足下に、目標である胎喰都市たるその中央部に、聳え立つ巨大なモザイク細工の様にちぐはぐな機体を見せる目標を
目視する。足下では、《デウス・ヴィヴィアニテ》の足元を切り崩し、止めを刺している二機の機影の姿が見える。
(親父も音声認証...エンコードが使えなくなってるのか????)
其処へと、月都市であるその外縁部の一部からオープンチャンネルで流れる唄が聞こえてくる
「貴方がもしも、何もかも喪ったとしても、最後に残った一欠片の■■を握り占めて」
「それがあれば...貴方は、もう一度折れた羽根を...」
ノイズ交じりの音声の最後に、聞きなれたもう一人の父親の声が響く。
「春幸ッ!!!!!母さんからの託けだ。受け取ってくれッ!!!」
「えっお父さん?なんで月にいんの?!母さんも一緒なの?!」
声が途切れ途切れその事実を明かす。
「違...母さんは...運命を...知っていた。だから、お前達への...ジを...頼まれ...私...ごと討て...」
ぶつ切りの声に、確かにこの大火力を誇るアルクス・ヴァンフーレンスをもってすれば、奴の護る都市毎、焼き尽くせる事は可能だが、
ここはそんな真似をしなくても、僕らの有利は揺るがない。何故ならば...
そんなの全ての元凶である《アンキャストダイ》(Uncast Die)のコックピットをぶち抜けば良い。その火力は、
音声認識を封じられた親父にはないかもしれないが、僕には純然たる力としてそこに存在している。
握る拳は、操縦桿を掴み、汗ばむ手を握りしめ、引鉄のトリガーを引く。
デュオ・クァンタム・ランスの二色の閃光が穿孔する様に交じり合い
それは、輕量子と質量を持った重量子の二種類の混合粒子を衝突させ、敵の装甲防御を薙ぎ払いつつ放たれる同目標に対する
寸分たがわずのワンホールショットを決めて、着弾と共に行使される膨大な熱量と混合される粒子に厭かされ、
防御する様に手を掲げた《アンキャストダイ》(Uncast Die)の手を貫き、凡そコックピットと思わしき、胴体中央部、に頭部を
綺麗に撃ち抜きその活動を停止させる。
なんだ...簡単じゃないか?と、悠々と旋回する春幸が操るアルクス・ヴァンフーレンスの元へ、倒したはずの《アンキャストダイ》(Uncast Die)の左腕が掴みかからんと
機体の真横を掠め、咄嗟に射出した位相空間固定アンカーによる、最小旋回軌道により、寸前で回避。
巻き戻すアンカーを他所に、その状況に驚愕する。
確かにそのパイロットが存在していたであろうそのコックピットに対してやや火力過剰な威力を放ったはず。其れなのに、次の瞬間には、その姿が、さき程迄の損傷が無かったかのように
戻っている。まさかコックピットを撃ち漏らしたのか?
《アージナリーワン・ウェポンⅡ》アンロックワン Вечно живущий(ヴェーチナ)「永遠に」
「邪魔だ、如何なる攻撃も俺を殺すことはできない。何故ならば...」
我は...
我は...《アンキャストダイ》(Uncast Die)・・・死に拒まれた者
「全ての死は俺を通り過ぎていく。」
動く城塞と化したのは...ただ一つだけではなかった。二つの城塞は果たして交錯し、そして互いの手を降しながらも、千日手の様相を呈する
もしも、この戦いが本当に千日続くモノであれば...いくら斃しても死なない相手と戦い、勝てるものの存在はそこには...
続くその行為は、絶望に繋がる一手。
《アージナリーワン・ウェポンⅡ》アンロックフォー Оживить(アジヴィーチ)「蘇らせる」
死せる骸は、いつしか破壊された断面より次々と、その装甲と駆動系の生み出し繋げると、やや歪なモノの斃したはずの
《デスリヴァナント》や《ヴィヴィアニテ》...そして《デウス・ヴィヴィアニテ》をその場に再びの参戦を試みる。
その手に《デスリヴァナント》のコックピットブロックを保持していた《ヴォーパルバニー》の手から徐々に復元が開始され、
あわや、復帰と共に自爆を行使する大惨事となる直前に、向かうは《ホーリグレイル》の実体剣が突き刺さりその復元を阻害、コックピットから零れ落ちた
ピチャチュ=レーベンの身柄を確保すると、至近距離からの穿劫弾によりその上半身を貫き、崩れ行く機体を母艦の船体より蹴落とし、
月面へとゆっくりと叩き堕とす。
「青葉さん大丈夫ですか??」
「私は大丈夫...だけどこの状況。」
周囲では第一部隊と第五部隊の面々が奮戦を再開。引き絞る粒子砲の一射を喰らい崩れ落ちる端からどんどん再生しながら、自爆攻撃も辞さないその行動に。
パイロットまで再生してる?いや、その場合...人の命を生き返らせているという事?そこまでのオーバースペックがあるのか?少なくとも本体はそうかもしれないが...
確認する事がある。とこの場を任せてもいいか?と問いながら、スラスターを吹かせて、向かってくる機体に対して、実体剣の刃を突き立てながら、ファルクス・レフレクトールを操り
目標である一体の《デスリヴァナント》に肉薄する。突き立てる刃と、回転刃となった実体シールドを両手に、数瞬の間に機体を分解その端から破壊した基部が復元していく。
コックピットを抉りだしたその時に、違和感の正体を感じとる。さっきみたピチャチュ=レーベンを保護した後の《デスリヴァナント》は、他と同じように復元してきて向かってきた。
秋桜=アーデルスワットさんが駆けつけ、切り斃していたが...
やはりコックピットに居る...パイロットは死んでいる...後で確認するが?自在に生き返らしている訳でもなさそうではあるが、幾ら斃しても向かってくる敵に、徐々に
春幸の仲間たちは追い込まれていく。
まだ、思考を繋ぐ力は、途切れ途切れではあるもののその効果はある。通信が成立しない状況は、問題ない。
だが一つ問題点がは、アイジェスさん、アンザスさん、春幸君、共に、音声認証が発動機キーである切り札の行使を、阻害されているここは前線を押し上げ
多重的飽和攻撃で一気に墜とすか?三人に任せて長期戦を見越しての引き撃ちをしながらの撤退行動なのか?
二つに一つの選択を攻められるが、まごまごしていれば向かってくる機体の数は、百や千ではきかない。無限に迫ってくるその数は、もはや目算の数では、把握できていない。
この物量を支えるには僕たちでは役者不足である...としても
僕らの切り札であるイグニス・パルヴァス...且つて地上を席巻した《イグニス・エト・スルフル》を小型化した広範囲兵器を保有している。
引きながら纏めて撃てば、殲滅は難しくとも、その数は確実に減らせるはずではあるが、それは同時に味方を見捨てる事に繋がる。
向かってくる機影は僚機達と射撃戦を行いながら、簡易による、射線や敵の陣形を無視して繰り出される
と夕赤輝く光の本流を以て推し留めるも僚機達の弾薬は、春幸のアンリミテッド(Unlimited)の援護なくして兵站は支えられない。それが封じられたままでは...
決断の時が迫る。
ポルチーニ=ポポニチンと、忠司=ローアングラー、ラ・パンド=チョトネの三名は、その頃、炬燵の中で蜜柑を食べていた。
えっ?なんで?
だってさぁー状況はわからんのだが、どうやら月面都市で得られた情報を統合するとアレから、地球と宇宙を分ける通信反射衛星が軒並み
破壊され、地上のマレディクト本部との通信が不可能になった。という事は?もしや我ら詰んでない???
猫の様に、炬燵で丸くなるしかないのでは、炬燵の布団の端からプリッとした臀部を晒しながら、剥く蜜柑は美味しいのか?
「でも、准将たちがいなくなったらもはや勝ち目がなくない?」
「まぁ月面にはまだ、《シンギュラリタス・テクノロギカ》...技術特異点たるその機体があるとはいえ、あれ一緒に戦ったら最後、仲間ですら死兵の球にして還る事ができないから
何も知らん新兵が、押し付けられる仕事なんだよねー。我らプリけつ三兄弟の出る幕では...」
「まぁうち二人が、何処にいるのかもわからんのだけどねー。あと、知ってるーあの機体の切り札、自機をジェネレーターを小規模メルトダウン状態にして超新星爆発を起こして、
都市部と月面を丸ごと焼き尽くす事を前提に組み込まれてて、仲に居る住民も、全員、死兵の私兵に変えるとんでもない仕様だからな。今頃何も知らない住民もあり合わせの機体の載せられてる準備にはいってるだろうさ」
寝そべる尻に向かい、ローアングルから、ハイアングル上方よりの接写で、その姿を収めていた。忠司=ローアングラーは、
ポポニチンさま????それってヤバいのでは、あいつらが来たら確実に巻き込まれますよ?
Σ(・ω・ノ)ノ!
そうだッ!!!脱糞しよ!!!!じゃないそうだ饗都を脱出しよう!!!!行くぞ副官
それは良いんですけど...と忠司=ローアングラーは、追跡の任を受けてから保持している謎の箱を指さし、問う
「これ持ってたら追跡対象...准将達を斃した尻友に、こちらが追われるのでは?」
...
...
...
たっぷり30秒間、間をおいて下した決断は、ここ(月都市)に置いて行こう!!!!!
そう言って、急遽母艦である《スウィーフ・ウィドウ》に自らの男尻を載せて、戦闘区域とは逆の方向へとその歩を進め、離脱を決める。
...
...
...
繰り出す簡易コッレクティオハンズの波涛の連撃によって、撃ち落とし、ビームライフルの一撃を粒子加速器と化したナインライブス(Nine Lievs)で強化し
奪い取った《falcis》を利用しての迎撃行動、様々な光芒の攻防を経て
春幸が選択したのは...思考導索...月都市の全容を見下ろしながら、簡易の瞬きを繰り出し続けながら、周囲に
二つの思考誘導で動作する《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)製の導索を展開し、本来であれば足を止めねばならぬその兵装が、
ひとりでに円周上に、展開、その流れが起立する《アンキャストダイ》(Uncast Die)の足元へ絡みつき、
もう一端の思考導索は、ひとりでに、空域を離れ、リル(rille)の終端部で、奮闘する仲間の元へと導き出る。
流れる流体金属性のワイヤーはその終端を春幸が操るアルクス・ヴァンフーレンスへと繋げ、ジェネレーターと直列した出力と
思考導索、それぞれに等間隔に結ばれた《falcis》が、咆哮を上げて左右の基部より、小口径の粒子砲をばら撒き始める、
偏差射撃にも似た一斉射に巻き込まれ、並み居る機体が徐々に削られていく中、春幸はその終端の接続を解除、
流れる勢いのまま流し、更には《アンキャストダイ》(Uncast Die)に絡みついた思考導索に内蔵されていた小型動力炉をオーバーライドにより
自壊を伴うオーバーロードを仕掛ける、二つの状況下に於いて次々と連鎖爆裂を行使しての、破壊の嵐が吹き荒れる。
その数100mは優に超えるその都市部との接続部が崩れ破断し、機体の姿が膝を折りつつ、倒れ込む姿に、春幸は、己の高揚感が上がる感覚を掴みながら、
機体のフルアーマー装甲部、左腕側に接続し備え付けられた大型前腕、
ツェルレークト・ヴァント《分解壁面衝撃楯》の使用時にも展開される大型マニュピレーターをそのまま攻撃へと転用したシルト・アインシュトゥルツ《楯崩壊》
の反発するフィールドの磁界と斥力を衝突させその対消滅エネルギーで敵の攻撃ではなく装甲を分解して破壊する
障壁形成を旨とするその優しき愛撫がその柔わらかく繊細な局部を撫でるかのように、その威を示す。
触れた端から量子分解を起こし、敵の装甲が、悉く、霧散する。
目標の厚い装甲を貫き、そのコックピットが存在するであろうその基部を抉り取るも、崩れ行く《アンキャストダイ》(Uncast Die)の姿は
まるで逆回転の映像作品を見るかのように、その姿が元の形へと舞い戻っていく
(・д・)チッ
(外した?!コックピットは胴体じゃない他の場所...頭かッ?!!)
だが接近しすぎた春幸が操るアルクス・ヴァンフーレンス元へと破損した《アンキャストダイ》(Uncast Die)の装甲や機体の部品が絡みつく様に纏わりつく
その束縛から逃れようと、接近兵装を使用しての切除を試みるが、眼前にその巨大なる《アンキャストダイ》(Uncast Die)が、アルクス・ヴァンフーレンスの上からのしかかってくる。
咄嗟に、接続していた装甲や武装をパージ、分裂し、位相空間固定アンカーを射出、束縛の範囲より抜け出した無数の砲身と武装コンテナの基部が踊り、
射角や周囲に浮かぶように距離を取りつつ、各自が思い思いに射撃兵装の使用を試みる
簡易式コッレクティオハンズは、味方の援護のまま
複合追尾式マルチロックオンミサイルの弾頭を焼夷弾、凍結弾、粘着弾、粒子攪乱幕、EMP弾頭をぞれぞれ混ぜ、追尾方式を画像、熱源、位置情報追尾、条件の真偽を扱う式論理演算式の複数を同時展開、
一斉投射。放物線を描き飛来する弾頭が次々と《アンキャストダイ》(Uncast Die)へと降り注ぐがその損傷は軽微
爆裂反応流体弾であるレアクト・ボーゲンと中空でのコンテナよりの武装引き出しを、中型、小型のマニュピレーターを駆使して、
実弾弾倉のバズーカを構え、連続投射。
成形炸薬弾頭の冴えが次々と着弾するも破壊した端から再生を開始、幸いな事に、相手が持っている武装は、友軍機を弾丸として撃ちだす。射出攻撃に限定され、
ほゞすべての機体性能のリソースを永遠に続く再生機能へと集中させた所為なのか、その攻撃は物理的なその伸びる手に限定される。
このままコックピットを狙い。どうにかパイロットを排出させるしかない。
だが、その目論見は徐々に崩れていく
何度目かのデュオ・クァンタム・ランスの二色の閃光が穿孔する様に交じり合い、直撃するがその攻撃が、
腕を楯とした防御に阻まれ、コックピット付近に届かない。どうやら狙っているのが...自機のコックピットであることを
勘づかれ、こちらの攻め手が通らなくなる。その再生スピードは徐々に加速していき。
徐々に《アンキャストダイ》(Uncast Die)の機体が様々な色の光を纏いつつ、虹色へと発光を促す。
危険な雄の香りを滲ませるその目標に、アイジェスとアンザスが操る二機が加勢へと入る。操作する六基の大小のナインライブス(Nine Lievs)を
操り、小型のバックラー型の基部の側面より発光する障壁を以て切断兵器と転用、舞い踊る様にその身体を責め立て、激しく上下に分け、
唄の無い世界で狂おしい程の想いを込めて解き放つ。
更には、大型の大楯へと踊るデュオ・クァンタム・ランスの砲身を重ね。粒子加速器によるアシストを受け、通常時の三倍まで威力を上げた
輕量子と質量を持った重量子の二種類の混合粒子を衝突させた粒子砲の一射が、目標の装甲を紙切れの様に容易く破断し、貫くも
今度は威力がありすぎ、消失したコックピットは、その命を再び燃え上がらせ、その手を取って、その威を行使するべく、
再びその姿を再生させる。
《アージナリーワン・ウェポンⅡ》アンロックファイブ Через мой(チェーリェス・モイ)「「私(の死体)を越えて逝け」
途端に、周囲の空間の熱量が一斉に、その機体の中央部へと注がれる。其れ迄、臨点温度を大幅に減じていたプランクエンジンの温度が徐々に上がっていく
語られぬ者のシリーズの二番機...一番機から...機までは、その宇宙開闢の熱量を目標として作られた動力炉ではあるものの
未熟だった技術体系に於いてその作動状況には差異がある。
そもそも二番機である《アンキャストダイ》(Uncast Die)の制作目的は...。宙よりの脅威に対抗すべく、無限に再生する弾頭を作り上げる事にあった事は
余人には知られていない。その狂った設計思想に基づき正しく使用しようと、多数の住民が満載している月都市の中央部でそれを炸裂しようと試みるのは、
自然な流れなもののもしそれが、行使されれば...
脳裏に走る思考の火花が、アイジェスに再びの《奏魄魂業》(そうはくこんごう)の行使に踏み切らせる。
【ひさしいな...知っているか?あの機体は、本来、異空より飛来した隕石を撃ち落とす為の弾頭だという事を...】
【そんな大きなものを撃ちだす様な、砲身は何処にあるって?嗚呼、あるともさ、だが今はそれを使う場面ではない。】
【行くぞ、愚か者。動作と思慮を込めて思考のギアを上げて逝け。どうせ声は上げられないのだ。ならば想いで、其の全てを描き斬れ】
それは唯、一瞬の行為、吐き出される様に飛来するは、遠くで奮戦するオマエ=ナニモノが駆る僚機より離れた《ハンマーブレーカー》の武装と装甲の数々。
手に持った獲物を投棄し、浮遊する盾以外の外部武装を持たぬ。《アンチェイン》(Unchain)の機体へとその重厚な装甲が次々と張り付き、
その頑強な似姿をそこに浮かび上がらせる。
その手に電動ブレーカーと推進式金づち型ハンマーを持ちて、それを交差する様に組み合わせると、可動域を保持したまま
一つの大型のペンチの様な基部を晒す。
向かうは目標足る。《アンキャストダイ》(Uncast Die)の威容。
駆けるは、覇を唱えんと欲するその情動、掲げるは、天を衝くべく放たれる一夜の一矢。
《デケム・プレセプタ》
10秒限りのその行使を唯瞬きをするその一瞬に全てを込める、重力制御による推進で、天と地を逆さにしながらも飛翔するその姿は
まるで地より逆上がる。星々の煌めき。
発振する粒子の色をそれまでの緑から黒い指向性を持たされた粒子を赤雷の光が包み込むように変わる。
数多の星は、我こそは、鈍き光の六等星でしかないとしても、それで星の価値が変わるか?
星はすべからく全てが、等価で素晴らしく愛おしい。
何故ならばその星一つ一つが消え去れば喩え、一等星が一人だけ瞬いていたとしてもその夜空は酷く寂しいものとなるはず。
この五本の指の手の様に、繋がる手と手が、その星を輝かさせる、宙に輝く恒星以外の星の大半は、一人だけでは輝けない。
月も明けの明星、金星でさえも、掲げる六等星に対して追い越せ追い抜け、追従するは、四つの光、
まずは一手、一条の黒い閃光を放つ閃断する黒百の光を巻き散らし、その一手が、《アンキャストダイ》(Uncast Die)へと直撃
その射線の先には、上下左右に、バナナ型に湾曲した弾倉を装弾し、多数の弾体を使い分ける奇妙なライフルを傾け、その加速とライフリングに沿って
放たれた。黒蝕穿劫弾の余波により、その砲身が破損。無用と化した獲物を投棄し、構える正三角形の大楯より実体剣を引き抜くと、
射撃の隙を狙って飛来する《デスリヴァナント》の一機に対してその刃を突き立て、突撃の構えを取る。
(おいおい、この期に及んで突撃かよ。まぁ悪くないな、俺達も続くぞ)
(悪いがここは、俺が道を切り拓かせて貰おう)
と、言いたいところだが、声が出せないのか?まぁ、長い付き合いだ、アドリブでこちらに合わせるだろうと、
軽快な足取り軽やか、炸裂する《炸薬鞘》(ウァギーナ・エクスプローシーウァ)の炸裂音が、音の無い世界に鳴り響き、
薄弱な月の重力下に於いて、その想いの丈は、慕情を胸に、再び再会出来る希望を持ってのいつ果てる事なき、連続発射。
その手が空撃ちを誘発する間も惜しんで、発動される加速を終え、
終わりのない慣性軌道を描きながら、踊り狂うは、陵墓の護り人たる、矜持。慕情は、緋の光を纏い、縦横無尽にその巨大な体躯に向かって駆け上がる。
(おいおい、その機体の武装は《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)製じゃないぞ?途中で折れるか...最悪...)
その宗谷=大石の予感は的中、駆けあがる様に振るわれた刀身は其の半ばから折れ、目標であるべきコックピットが存在すると思われる頭部までの高度に達するも
無手となったその手から繰り出されるは、機体を僅かに揺らす、足撃。
その脆弱たるその一撃は、何の破壊行為も及ぼさずに、振り上げた拳に殴打され月面のクレーターへと落下していく。
(かかったッ)!!!
(秋桜=アーデルスワットッさん(殿)!!!)
同時に、挟み込むように、浮遊する大楯、ナインライブス(Nine Lievs)を使用しての、粒子加速砲の一打。
アンザスと春幸は、機体を螺旋状の軌道からの急速上昇を試みながら、
銀劫と二色の彩を描くその銃口から放たれる光を浴びながら、秋桜=アーデルスワット機へ止めを刺そうと動く左右の腕に向かって投射さる。
繰り出される粒子は、その腕を破砕し、ややその損害を被られなかった左腕が、左方から迫るヴィキティ=アンディバインへと叩きつけられりる。
咄嗟に展開した実体盾とビームシールドの機構をもってその一撃を防御するも、直撃を受けた機体が遠くへ流されていく。
月のレゴリスを巻き散らす間もなく、その準備は既に終わっていた。
繰り出す軌道は、重力降下による。自ら生じさせた重力場を元に再加速を以ての最短距離の機動、サイクロイド曲線...とは、僅かにその軌道をずらし、
目標の意識は、既に秋桜=アーデルスワットの奴が持っていた。完全に奴の視界から俺の存在が消えた。
楕円の軌道を以て接近すると同時に、その威を完全に開放する。
《デケム・プレセプタ》ワンセック、たった一秒の行使に対して使用するは、1000%の一撃が、
一つの大型のペンチの様な基部を晒し。その刃が、その足下の足元から地響きを立てながら、徐々にその装甲を食い破り、
波及するその崩壊は目に見えて、衝撃の環を多数宙へと描きながら、その巨躯を切り崩し、砕いていく。
崩れ落ちる機体の一部は、落下する直前に、《falcis》として使用したアルクス・ヴァンフーレンスの一部を楯とし、
防ぎながら、それでも漏れてゆっくりと落下する最中に、アイジェスが再度展開した《デケム・プレセプタ》で発生させた《アースガルズ》(神々の庭)の重力場により、
別の空間への投棄を果たす。
真空内で鳴り響く、破砕音を耳にしながらヴォルク・チェロヴェクは、自らの結末を見る事無く、その一生を閉じた。
崩壊する巨躯をそのフレームごと破断し、一気に頭頂部まで達するとその獲物は、機体の制御中枢であるコックピットを天高く掲げ、
凱歌を唄いながらその無頼の勝どきとして掻き鳴らす。お前を斃したのは俺じゃない。囮として、其の身を捧げたあいつの元にある。
不死身の機体だとしても、その力を持つ本体から切り離され潰されれば、どうにもならない。
その結末に不満を持つモノもいるだろうが...それでも...
・・・
・・・
・・・
一転して、開放された胎喰都市には、既に戦力となる者たちの姿は無くなっていた。
問題は山積しつつも、月都市への入城を果たした。春幸達は、機体の整備や修復の時すら惜しみ、
何かに急かされる様に奔る少女の後を追う。
月の宇宙港に接舷すると、何かの熱に浮かされる様に駆けだした少女は、道端にうち捨てられていた。箱に抱き着き
在りし日に母の名を呼び。遠く離れた都市部の建物を指さし笑う。
「アノネ、ハルユキ、ママミツケタ」
「それってどういう意味?」
「春幸とりあえず、船に箱を移動させよう。もしかしたら予想が当たっていればすぐに治療の必要がある。今なら死んでいなければ...助けられる。」
もう一つの箱をめぐっての闘争は、回収に向かった宗谷=大石らの第一部隊の面々が少女が指さした研究所のある区画を臨検し接収を果たす。
《サルヴァートル・エクス》(超越する救済者)でまずは開封されるのは、港付近に放置されていた一箱
其処から現れたのはかつての仲間である。アニス=フライヤ-の姿、素の頬は痩せこけや肉体は、栄養不足の為か酷くやせ細り、
何らかの副作用の為なのか、小さく震え続ける。
その場には、春幸、アイ=フライヤーに、アイジェスと青葉、そしてハルナが同席する。
何かと物入りだろうし、ケアをするには、女性が良いだろうとした人選であったが...
ママぁ~とてとてとあるくエメラルドグリーンの瞳の少女は嬉しそうに、母親にしがみつこうとして。
その声に耳を震わせ涙を溜める
「お前なんか産んだ覚えはない。ママと呼ぶな、こんなガキなんか産まれなければ良かった。私の意志には関係ない事だ。近づくなッ!!!この忌々しい痴れ者がッ!」
「ドウシテ?ソンナカナシイコト。イウノ???」
「この姿を見て分らないのか?貴様らに分るのか望まぬ分身など作り出す為に、両手両足を捥ぎ取られ、目の前で材料にされて喰われる気持ちがッ!!!」
「全てお前の所為だ。お前が産まれた所為で、こんな目に合う。」
「何度作り直され、奴らの餌にされる屈辱を味わったのか?この痛み、この屈辱其の全てがお前という存在が産まれた所為だッ!!!!」
うるうると涙目になった少女に...
「おいッそんな風に...」と抗議の声を上げようとした春幸の眼が、その大きく開かれ、内臓を根こそぎ奪われたその腹部を目にして、
眼がカッとなる。
ふるふると、首を左右に振る。大人たちの姿を見て、
続いて開閉された箱が開くと、「くぁwせdrftgyふじこlp、殺せぇぇぇぇぇ」...
...
...
...
同じくその内臓と思しき組織を根こそぎ奪われたその姿が、黒い影に隠れて、此処からは伺い知れないモノの、更なる地獄の釜の匂いを滲ませる。
体中に繋がる管という管を引き抜き暴れる。かつての敵達は、血反吐とあらん限りの罵倒を少女に吐きながら舌を喉に詰まらせ息絶えた...
...
...
...
その明暗を分けたのは...。なにか?二人の意志は、全てが何もかも遅く、そして確かに間に合った命もあった。
その結末は未だ為らず。
去り行く君の去り際に、さり気なく添えられたのは、一輪の宙の上では貴重な花の献花だけだった。
〆
毎月、月末最終日に2話更新予定。
⇒家事をしろという意見が頻繁に届く場合や、家族の体調不良が重なった場合、
月の更新が一話のみか若しくは、休載となる場合があります。
また、作業の邪魔や文章の勝手な削除が発覚した場合、問答無用で休載します。
誤字脱字、誤りがあったら修正するので、教えてください。




