第二十四話「大海の決涙」
月詠み『それを僕らは神様と呼ぶ』Music
Video https://youtu.be/msZ14E0EY-Y?si=jfL1cX0aqL846mRF @YouTubeより
『交錯戦線 CROSS CORE』主題歌「Karma」| 岸田教団&THE明星ロケッツ https://youtu.be/4A85gP932Po?si=UdVdPjF399444Y3m @YouTubeより
主題歌『KARMA』Music Video|ダイブロス・コア https://youtu.be/178IghNH_Gw?si=-zsEawvnb3zDL398 @YouTubeより
じん「後日譚」ミュージックビデオ https://youtu.be/zD-g1Sg4O5k?si=fWlyN0GUCpPI0hXS @YouTubeより
其は、大海を染めるべく流れる血涙の決意。
汝、恐れる事なかれ、されど歩め。其の血が尽きるまで。
命の趨勢を喫するべく者は、朝に夢みし幻影は、今も尚、大海を彷徨う。
争い尽きぬ島国へと、無数の翳が迫る。
先頭に立つは、理乱す、その機体は、陽の光を浴びて翳り、影に隠れて瞬く。
その姿に対して、挟み込むように雪崩れ込む、もう一陣が迫る。
我は、裁かれぬ者
一切の呵責なく、攻め滅ぼし、告げる
且つての故郷すら、戦場へと帰す。その愚行に、男は嗤う。
そして、何者がその蛮行を行ったか明らかになる。
何故ならば、其の者にあるのは唯の知識欲だけではなく、探求心とも呼べぬ。
狂喜の果ての果てにある。
対する。青年らの前には、
前後左右、四方を囲まれ、援軍の気配など見えぬ絶望の果てで、
出会う。
九年前、UD1979(4004年)年4月某日
「...」なんだ、一体何が起きてる?勝手に敵機が次々と爆散していく?大気圏突入に失敗にしたのか?
此処からでは、よく確認できない。機体のメインカメラを最大望遠状態で、凝視するが、戦場に巻き散る火の粉と虹色の光と炎に阻まれその姿が見えない。
機体の爆散に巻き込まれ、機体の一部が焼け焦げ、破片が突き刺さり、カメラの一部が破損。予備のカメラに切り替え、視界を確保しつつ、バランスを崩し、振り回され制動を掛けつつ、離脱する間にも戦場の最中で、光が踊り、次々と残りのアケファロス、ファーマの機体のコックピットが握りつぶされ、崩れ落ちる機体が、射出。
他の機体、マンティコレ(獅子型)サテュラル(虎型)それぞれ一機を巻き込み、母艦たちを叩き落して行く。
その刹那の光景で...何が起きていたか?振り返ると...周囲に展開した多数の腕部を回収。
その終点に対して、ビームライフルの雨を降らせる。アケファロス、ファーマの各機の射線をまるで意を介さずに、避けながら、背面の鬼面が吠える。
光の御柱となり、顔無しのアケファロスの機体に着地すると、その左腕を突き入れ、防御の手を描くビームライフルの砲身毎、
抜き手の一撃が突き刺さるとコックピットを引き抜き、飛び出した。パイロットらしき人影が、《人喰い》カルニヴォルス (carnivorus)の僚機が発射した光の柱が何もない空間に一瞬影を落とす染みと化し、
消し去り、狼狽える敵機に対して、再びの電磁投射砲の一撃を加え、その一撃を防ぐべく展開されたブラインドアンカーの盾を易々と引きちぎり、交差する髭型の近接用ビーム発振器に直撃。
共に、背後に控える戦艦、アガートラームの拳へと着弾。二機分のジェネレーターの起爆により、大爆発を行い。巨大な船体が傅き、大気圏へと墜ちていく。
それでも果敢に迫る最後のファーマ機は、機体の各部に備えられていた口から、ワイヤー及び電磁ネットを照射、跳ねまわる軌道を先読みして、進行方向を限定させつつ、備えられたビームライフルを乱射。
対向射線で、駆逐艦の一隻を守る様に鎮座し、意を決して、接近戦による突撃を行おうと迫る。サテュラル(虎型)がファーマ機と共に、前後に挟み込む様に接近してくる。
前後の挟撃と、別の敵機から放たれる。【falcisファルキス】が死神の鎌の様に、アイジェスの命を奪おうと、ばら撒かれる思考誘導の五月雨を翳す鬼面と手掌から放たれる衝撃波を伴った一撃と、各部のガトリングが半自動的に作動。小口径の光の弾丸同士が空中で衝突し、火花を散らせながら、四散する。
繰り出される発光する爪の一撃を身体を捻り繰り出した足刀で、弾き飛ばし、宙で、逆の足撃を以て、機体のバランスを崩し、それでも破損する機体をばら撒きながらも向かってくる。
逆転する世界の中で、一機の射出す手掌から放たれる。手掌を伴わない流体ワイヤーが放たれ。
明後日の方向へと流れるそれに、嘲笑を加えた背後からファーマが、光る刃を掲げて突撃する。そこに流れたワイヤが-突如茨の棘をその身に宿し、貫かれた機体脚部を、ビームサーベルの一撃で斬り裂き、まだ戦えるとばかりに、スラスターを吹かせて接近する。
背後から接近するそれらに対して、宙返りをして回避。勢い余って、友軍機と正面衝突をし、バランスを崩した機影に向かい回転する車軸と射線を合わせた電磁バレルを展開、
黒と白を混ぜた。刹那の射撃が、サテュラル(虎型)と駆逐艦毎、叩き伏せる様に貫く。
大気圏外より、その長身のササボンサム2機その特徴的な長い足を備えるその機体が射程外より、長距離狙撃を繰り返す。意識外の一方的なその攻撃に辟易しつつ、流れ弾がアンザス機へと流れないように、避けずに、肩部のシールドと《Pyrolysis Handsパイロリシスハンズ》を纏った腕部で弾きながらその対策を講じる。
鬼面に覆われた。肩部分の大型のマニュピレーターが稼働、その接続部分が、離脱し、
腕部のアームカバーへと重なる様に接続。加圧される虹色の光が、鬼面に注がれ、天地を繋ぐ御柱と也、相手からの射撃を飲み込みつつ、その光が、軍用艦の一隻共々巻き込み、溶断する。
その衝撃が衝突した瞬間、命中した基部から、漏れ出る炎の球体が、それぞれ膨れ上がり、機体共々巻き込みながら、その存在を抹消する。その光景を目の当たりにし、残るササボンサムは、這う這うの体で、離脱しようとするが、背後から迫る。灯の柱に弄られて消失する。・・・・・・・・・
そんな光景をまるで第三者には視認できずに、何も知らずに独り言をつぶやくその時視認出来た光は、目視する瞬間には既に終わっており、傍目からは、目標の駆逐艦からの射撃が、逆回転して自沈した様にしか見えなかった。「は????なんで?
戦艦まで大気圏突入に失敗してんだよ?なんだあいつら?大したことないな」と、嘯くハルズ=アルマインを他所に、戦場の華は開き続ける。
《Pyrolysis Handsパイロリシスハンズ》を纏った蹴り脚に盾毎、貫かれ、その熱量を吸収できずに、爆散する《傾城魚》(チンチェンユー)の一体を目視し、救援へと入ろうとメインスラスターを点火。泳ぐように飛翔し、両手に構えたライフルから緋色の炎を吐き出すも敵機に命中する瞬間に、虹色の光と、触れ合い、明後日の方向へ偏向され、巻き添えを受けた友軍機であるマンティコレ(獅子型)1機が爆発四散する。
あッ!あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!己の操作により次々と死滅していく友軍機の姿に、怒りを込めて操縦桿の引き金を引き続ける。
重力操作により高負荷のGを減衰させ続けるコックピット内で、レコーダーから流れる詩声と輪唱する様に紡がれる唄声が、踏み締められる落ち葉の様に、静かに静かにその想いに答えていく。
降り注ぐ炎の砲撃をワイヤーを巻き込み回収した手掌で、発動する《Pyrolysis Handsパイロリシスハンズ》で、相殺。そろそろ、限界点が近い...。落下するアンザス機は。
どうにか無惨な機体の侭でも、シールドに残る偏向機を駆使しつつ何とか熱に耐えているが...。腕部の手掌をワイヤーを結ばずに、射出。その機体前面へと割り込みさせると《Pyrolysis Handsパイロリシスハンズ》を発動。
熱分解の火により、迫る熱を熱で分解し、2万度を超えるその熱量を防ぎ一筋の流星へと変えていく。武装を切り離し、自らは《Pyrolysis Handsパイロリシスハンズ》を繰り出す一部の機構を放棄し、大気との摩擦に爆散するかに見えた。
デスペラードが、逆さの機体の侭、鬼面のレッグカバーで覆われた脚部が展開し、敵の各機が、《傾城魚》(チンチェンユー)のオービットマインやブラインドアンカーを盾に、大気圏突入へとその機動を変えた瞬間に、何を思ったのか、跳び蹴りを加え、八艘飛びの要領で次々と、その脚部で、踏み折りながら、次々と撃墜していく
「おぃ!!!!!!!!!やめろ、今はッ」「ママぁーーーーーーーーーーーーー!」「辞めろ!辞めろ辞めろ辞めろ辞めろ辞めろ辞めろ辞めろ!卑…ヒッ」「死にたくない。死にたくない。死ッ!」「おおッ!ちょぉぉっケツを掘るなッ!」「クソッ!あっ糞漏れ…あッ♥」「あ”ッあ”なんで、蹴らないで蹴らないで今はッ!!!!!ああああああああああああああああああああああああああああ」
確率機跳《鶴立企佇》(かくりつきちょう)…機体を跳ね跳び、繰り返す確率の低い賭けに出て、まるで獲物を待ち構える鶴の如く伸びるその脚で、大気圏突入で生じる炎を踏み砕く敵機を乗り換えながら、移動してやり過ごす無法と思われるその所業に、慄きながらアイ=アシンは、機体を安定しつつ徐々に戦場から外れながらも《Pyrolysis Toothパイロリシストゥース》を発動し、緋色の炎で、大気圏突入する炎を相殺しながら、流れていく。その日、地球には、星が降った。散った命は還らず。
その猛威を避け、救われた誰かの姿のみが地上に降り注いだ。
地球への落下軌道に乗った母艦は、放出される発砲状のスプーマに包まれ、大気圏の摩擦をものともせずに、大きな衝撃を伴い着水する。だが、部隊の戦力は大きく二分され、地上へ降り立った《R.I.P》と整備艦エンゼルフィッシュと、重力圏内からのスイングバイにより離脱した《ASAP》へと別たれる。
その日落ちた星の似姿は、それだけではなかった。《ASAP》に回収されたはずの第六部隊の面々は、何故か、合流したままではなく大気圏降下の危険へと晒される
咄嗟に大型スプーマを展開。地上への落下と共に開かれたパラシュートにより、大地へと降り立っていた。
燃え上がる視界の中で、第六部隊の面々が口々に叫ぶ。「なんで、アイス喰ってて足踏み外して墜ちるんだよッ!!!」「(・ω<)てへぺろ」
しかし、この面々が自らの幸運を知るのはこれから暫く後となる。
...
...
...
「隊長...母艦から大分、離れちまいましたやな。どうしやす?」ディ=ストーレズは、隊長へとドストレートの問いを投げかける、
そんな状況においても、ココロ=アラズは、何を思ったのか、呆けた顔をしながら、心ここにあらずとばかりに、ほげ~と夢遊する。
その光景に、アスハ=ワガミは呟く、「うちの部隊には、ラビットフット幸運のお守りが居るからな、決まって激戦区の戦場から遠く離れた場所やそもそも出撃ローテーションで、戦闘が起きる事が稀だが...。」
「今回は流石に貧乏くじを引いたかと思ったが...どうしたものか、そうでも無さそうではあるな。」
「問題はこいつ、アイスクリームが切れると、キレ散らかしてどうにもならんぐらうだなぁ...。さてどうしたもんかな」
第六部隊の隊長たるアスハ=ワガミは、困ったように笑いかけ
「とりあえず、原隊への復帰は難しそうだな?熱波で視界が不良ではあったが?通信状況はどうだ?」
「ん?」モシャモシャと、自前のクーラーボックスから取り出したアイスクリームを頬張るアイ=スクリームは、
「おい、何喰ってんだ?おやつはまだだぞ?」
大好きなアイスタイムの邪魔をされてふくれっ面の二十歳児を他所に、ディ=ストレーズが、代わりに無線と短距離長距離両方のレーザーによる通信を試みるが...。
指定する方向を定められぬまま、無為に時間が過ぎる。
その間にも出来る事といえば、「各員、装備の点検と、食料と武装の残弾数を確認しろ。」
「《験担ぎ》(ジンクス)04は、引き続き、通信を試みろ。無論暗号化を掛けてな?」
だが、その問いかけに応えるものはなく。
「《験担ぎ》(ジンクス)01、ビームライフル残弾15/15×3、ワンパック、頭部外装バルカン残弾500/600、実体弾装3/12、ビームサーベル4/4、耐ビームコーティングシールド、予備武装《大型ボールベアリング式弓》30発、スラスター用の燃料三分の一、戦闘糧食及び飲料水3日分」
「《験担ぎ》(ジンクス)02、ビームライフル×2残弾30/15×4、ツーパック、頭部外装バルカン残弾200/600、実体弾装6/12、ビームサーベル4/4、耐ビームコーティングシールド、スラスター用の燃料三分の二、戦闘糧食及び飲料水3日分」
「《験担ぎ》(ジンクス)03、ビームライフル残弾数0/15×3、ノーパックッノーバックじゃないよ。頭部外装バルカン残弾0/600、実体弾装3/12、耐ビームコーティングシールド、ビームサーベル0/4、スラスター用の燃料0、アイス90/120のみです。それよりもアイスがどう考えても三日分しかありません!!!!死にそうですッ!」
「《験担ぎ》(ジンクス)04、いやなんでお主、食料の代わりにそんなにアイス詰め込んでるんだよ。栄養を取れッ!!!というか、残弾数ないのかよッ!!!狙撃用の大型ビームライフル残弾14/7×3、ツーパック、実体弾装8/12、頭部バルカン残弾600/600、耐ビームコーティングシールド、ビームサーベル3/4、スラスター用の燃料微量、戦闘糧食及び飲料水3日分」
隊を預かるアスハ=ワガミは、有色人種由来の色黒な表情の同胞の面々を見回して、思い悩む。
「ディ=ストレーズ、此処から一番近いCarpe Diemの拠点は何処だ?」
そうですねぇっと、緊迫する状況の中で、アイスを喰い続け、そして心ここにあらずな、僚機達をいつものように放っておきながら、今後の算段を試みる。
「ここより数百キロ程度南進したオデッサですね?恐らく合流できれば、燃料や食料の補充が可能だと思われます。」
「アイスは?アイスはご飯に入りますか?」
「いや、入らないだろ?!アイスから離れろ。」
「えっ僕とアイスを引き離すなんてッ隊長は敵なのか?トルコアイスたぶたい!!!!くちどけ滑らかなトルコアイス!!!!」
「いやトルコは、黒海を抜けなきゃならんから推進材使い切った、お主がいたらダメやん?」ディ=ストレーズが応える。
「とりあえず南進しつつ、オデッサへ向かい。どうにかギアナ高地本部で、本隊との合流を試みるぞ?、」
「「「了解」」」
頭空っぽまでになにも考えて居ないモノが若干見え隠れるも、状況は次第に悪い方へと流れていく。
スラスターを使用できず、その足取りは鈍いまま、且つて潟湖は当の昔に消失し巨大な塩の盆地と化した山間部を地響きを揚げながら闊歩する。
「《験担ぎ》ジンクス02、03、04、視界が不明瞭でもコックピットは開けるなよ。コックピットの中に岩塩が入っちまうよ。」
「「「了解」」」
気の抜けた返事が届くころ、目的地として、向かう。オデッサが燃えている。
ん?何故だ?まさか?
目視できる範囲で見えるのは...
《グヤスクトゥス》や《アケファロス》に《ファーマ》あたりであれ何とかなるが、ディエムだけで構成されるこの隊では、《傾城魚》(チンチェンユー)や《マンティコレ(獅子型)》《サテュラル(虎型)》は厳しいぞ?
機体の望遠機能を最大として、映る姿は、最悪だ。
数機の《グヤスクトゥス》や《ファーマ》のみならず《マンティコレ(獅子型)》が居やがる。街のあちらこちらで火の手が上がり、防衛隊らしき、分隊が、思考誘導弾の一射で、次々と火柱を揚げつつ爆散していく。
ダメだ、防衛隊が、まったく対応できていない。
そうなれば明日は我が身だと。曇天を見上げてアスハ=ワガミは、呟いた。
「街が燃えたら、トルコアイスが食えないじゃないかッ!!!!」スラスターの推進器を使い果したもモノの勢い勇んで、アイ=スクリームは、雄たけびを上げつつ、突進を開始。
「おい。お前の機体の武装がほとんど残ってないじゃねぇーか、死ぬ気か。」
「アイ=スクリームたそ、ほぃ。」ココロ=アラズは、何を思ったのか去り行く《験担ぎ》(ジンクス)03に対して、予備弾倉と共にビームライフルと、アイ=スクリームが喪ったビームサーベルを受け渡し
何も考えて居ないかのように。迷走ならぬ瞑想する。
「ココたそ、せんきゅー。俺のアイスを奪う奴は、みんなッ撃ち落としてやるぞい!!!」
「どうします隊長?」
「逝くしかあるまい...」
...
...
...
ヒャッハー騎兵隊のお出ましだー。両手に二丁のビームライフルを抱えて、全速力で突撃してくる命知らずが、僚機達の心配を他所に、トリガーハッピーよろしく
連続射撃を試みる。
放つ銃撃は明後日のまるで狙いが着けられないで、襲撃を受けた《グヤスクトゥス》のパイロットは、無為に終わる愚行に対して、やれやれ、雑魚かとばかりに
機体前面へとビームシールドを展開。
すると幅広の光の膜が、隣にあるビルの壁面へと接触し、崩れた建物に押しつぶされ、
まるで狙いを付けたように見えないディエムのビームライフルが、二つの粒子の斉射が空中で衝突するとその破光が山なりとなって降り注ぐと、防御が開いた隙に直撃、あっけなく脱落する。
その光景に、僅かな違和感を覚えた隊長機が、目標を突如乱入してきた兎の足を模したエンブレムを掲げる新手のディエムに注がれる。
空を舞い、滑空を試みつつ、迫る防衛隊のディエムに対して、アイ=スクリームが放つビームライフルの連射が突き刺さり、振りかぶった前腕部が弾け飛ぶと
まるで何者かの手引きの如く、ワイヤー投射を試みた《ファーマ》の頭部に突き刺さり、溶断する刃が静かに、コックピット迄、縦断。
大地に突き刺さり光が途切れて、衝撃音と土煙墜ちる姿が目撃される。
突然のフレンドリーファイアーに、激高するパイロットを他所に、我知らずと「トルコアイス寄こせーッ!!!!」のアイ=スクリームの叫びが木霊し、攻撃を続ける
「ここはトルコじゃねぇぞ?!なんだこいつ?!」
隊長機たる《マンティコレ(獅子型)》が振り向くと、地上では、現行機の【falcis】には、重力下での軌道は不可であるものの
代わりに、応ずるべきはテールユニットよりの思考誘導弾の一斉掃射。
その弾体が、巻き散らされれば撃墜必死のその中で
オデッサへ繋がる丘陵地より。構えた大型狙撃ライフルの一射が、立ち並ぶ建物の間を縫って、突き刺さる。
僅かにその威力を大気によって減じられたものの、機体後部より伸びた基部を僅かに掠め、生じる熱量により、誘爆の憂き目にあう。
咄嗟に、【falcis】の親機を切り放し、着弾より射線を計測。
北部より新たな敵影を確認。
僅かに遅れて現場付近に到達したのは、《験担ぎ》(ジンクス)の面々、さりとて、奮戦するアイ=スクリームを残して、物見遊山と決め込む訳も行かず。
敵機とは遥かに、劣る機体を操り、参戦す。
「隊長、先制攻撃が上手くいったけど?どうします?」とディ=ストレーズが問いかける
「ご飯にします?お風呂にします?それとも?《人喰い》狩りします?」
「そうだなぁ、お父さん、狩っちゃうぞ?」
「でも、この場合狩られるのって我らでは?」とディ=ストレーズが合いの手を入れる。
その間にもココロ=アラズは、上の空、残りの推進剤の残量を気にしつつ、小刻みに吹かされた勢いのまま、戦場へと現れた三機の新手に、驚いたものの
その姿が、単なるディエムの小隊のみで有る事に気付いた隊長機は、友軍機を楯にしつつ、ビルの谷間の道を縫ってコンクリートによって造られた建造物たるそれに楯とし、
射線を切ると一撃離脱のちに、遠間の間合いから四分の三までその数を減らした思考誘導弾による。意識外からの一撃による打開を選択。
変わる視点は、《験担ぎ》(ジンクス)へと移り変わる。
残弾数を目減りさせつつも、次々と敵の数を減らしていく。その酷く奇怪な、光景は、のちに、はた迷惑な破壊者と認識される。
その訳は...二丁拳銃の構えで脚の遅い、機体を回避ではなく。追撃へと進み、徐々に敵機をオデッサ中央部に聳え立つ、ひと際高い、ビルディング迄、追い込んでいくと、
機体の視界を熱源探査へと切り替え、何を思ったのか、その銃口の狙うのを敵機ではなく、建造物の柱に向かい、釣瓶撃ちで叩き込み始める。
道筋を左手より一つ曲がり、大通りへと連なる道を南進しながら、進む脚は遅く鈍足のその脚に向かって降り注ぐは、思考誘導弾の雨。
降りしきる実体弾の雨を潜り抜けながら、360度のオールビューのコックピットに新たに増設された、バックミラーを一斉に起動。オールドビューのパネルの一部が反転、
その鏡面を表すと、四方より迫る。影を視認つつ、回避運動に入るも縦横無尽に奔る弾体は、右へ左へと右往左往しながら、その狙いはまるでその位置を把握敷いているかのように、建造物の翳より出で、炸裂する。
耐ビームコーティングを施された盾も炸裂する弾体の威力に推され、その防御が崩れると、機体の前腕が爆発に巻き込まれ、千切れ飛ぶ、
遂には、メインカメラにも損傷の亀裂が走る。
咄嗟に避けられるという、甘い話はなく、それでも反撃の手を緩める事無く、空いた手より連続射撃を叩き込み続ける。
砕くは敵の機体ならず、
崩された建物が大きく傅くなか、勝利を確信した《マンティコレ(獅子型)》機を操る。操縦桿が軽快に、滑る。
なんで?超重量の質量に押しつぶされる中、そのパイロットの視界に広がったのは、追突注意の巨大な奇怪なオブジェ
満面の笑みでこちらを見る。やや細マッチョな男の裸体に抑え付けられ身動きの取れぬまま、そこに止めとばかりに、抜き放ったビームサーベルを突き刺し止めを刺す、と、
遅れて到着した《験担ぎ》ジンクス面々は、その光景を眺め、一人満足そうにアイスを頬張る男を前に、
いや、この状況でアイス喰うんかい?と突っ込みを入れる。
その場に降り立つは、複数の機影、その特徴的なフォルムから、同じCarpe Diem所属のディエムであることは見れるも、
その表情は剣呑の一言。
「隊長、この言い訳どうします?」
「んー別に、する事も無いだろう?」
軽快な言葉を交わしながら、沈黙するアイ=スクリーム機の周囲に集まって、機体の状況を確認し始める
「ん?まぁやましい事はないし、でも、隊長、機体が壊れちゃってますねこれ、どうします?」
見るとディ=ストレーズが、所在なさげに問いかける
「そうだなぁ、故障個所は?」
「これ左腕部は、半壊、メインカメラも半壊、ジェネレーターも動作不良起こしてますね。この分だと動きやせんぜ。」
貴重な戦力が離脱とは、困るな...
ディ=ストレーズとアスハ=ワガミが、戦力低下を懸念してる間にアイスを食べ終わったアイ=スクリームは、したり顔で
「え?壊れたら其処ら辺の機体から、拝借しちゃえば好いじゃん。味方機のディエムは難しそうだけど、其処ら辺に転がってる敵機なら誰も文句言わないでしょ。」
「いやーこれ繋がるか?規格とかどうなってんだ?」
・・・
・・・
・・・
「えー僕、ちゃんと人が居ないところ狙ったぞー」と言い訳の様で良い訳ではない、そんな良い訳でもない語句を紡いで
防衛隊からの追及を逃れ、現地改修作業に入るアイ=スクリームの破損したディエムの左腕とメインカメラをそれぞれ撃墜した《ファーマ》と
《マンティコレ(獅子型)》の頭部より移植したそれで代用し、ついでとばかりに武装も引きはがして装着するも、思考誘導弾の残段数はあるものの
動作仕様が、オデッサに居る技術者にはお手上げで、こんな時にコーディーさんとエンゼルフィッシュが居ればなぁ。と愚痴をこぼす
まぁ、現地改修にはしかたがないさと、両腕に獅子の鬣型のビーム発振器を取り付け、邪魔になりそうなので、半分を手持ちの武装ではなく固定武装として流用
効果的に使用する為に不可欠なジェネレーター出力は、《マンティコレ(獅子型)》から移植した。ジェネレーターで代用する。
上手く繋がるかを四苦八苦しながら、数週間の時が流れる。
相変わらず本隊との連絡は取れず。どうやらこの都市は、緩慢な滅びの道へと辿っているらしく、状況は混沌となっている。
敵はまず都市の通信設備を破壊し、更には通信担当のオペレーターもその姿を消す。国家間の連携を妨害しながら、襲撃を繰り返し人々を連れ去っているらしい。
その中には、街を脱出する人々も悉くどこかへと連れて行かれる。
このまま放って置くわけにも行かず。
壊した建物や、部隊の損害の埋め合わせで、現地の都市を転戦し闘う事になる。
潮風に撫でられ、仄かな潮の香りに、宇宙育ちの第六部隊《験担ぎ》ジンクス面々は、やや馴れない香りと、重力酔いに、悩まされるも。
現地部隊との合流で、僅かばかりであった物資の補充も終えて、奴らと戦う上での心得、バックミラーを駆使して、敵の思考誘導兵器を防ぐ方法を伝える
最初は、行政府の一部が移転されたその建物を破壊した蛮行を責められたものの
アイス片手に、満足げに笑う。青年に毒気を抜かれ、既に退去後で幸い犠牲者が出なかった為、不問とまでは言わないが必要な処理だと理解される。
とりあえず現場の指揮官との会話の果てに、原隊への復帰まで、この場所での協力を求められる。
快諾を受けて、勃発する小競り合いに参戦し、時に破損した機体を鹵獲した敵機からはぎ取った武装と機体部品により、現地の整備兵の協力の元、現地改修を繰り返す
凡その姿は、元のディエムとは似ても似つかぬ異形となり果てた、四機のディエムは、守備隊と共に街の防衛に駆り出される。
「隊長ぉーぅこれどうしますー。」アイ=スクリームは、手に持った鹵獲した機体から回収した。糧食を涎を垂らさんばかりに、喰らい付こうとする
部下に対して。
「ダメだぞ《験担ぎ》ジンクス03、戦場で残された貴重品や食料には手を出すな。何が仕込まれているのか分らない。」
「喰った喰いモノに爆薬が仕込まれて、食んだ瞬間に顎が飛んだりすることがあるからなぁ。」
「ここには空気や水が探せばある。空気も水もない宇宙じゃない。その幸運に感謝して、処分しろ。」
「ちぇぇーーー」
ポイッっと鹵獲した機体から得た糧食を放り投げると、擦ったマッチを投擲。着火剤と共にパチパチと燃え上がるそれらの煙を吸い込まない様に処理すると、
何度目かのアイスを頬張り、
「しかし、うちらのディエム、えらく形が変わっちまいましたねー」とディ=ストレーズが引き継ぐ
《験担ぎ》(ジンクス)01、その両腕を《サテュラル(虎型)》と《ファーマ》の物へと換装、ビームライフル残弾45/15×3、頭部外装バルカン600/600、実体弾装6/6、ビームサーベル2/2、予備武装《大型ボールベアリング式弓》30発」と二基のビームシールド
《験担ぎ》(ジンクス)02、右腕を《サテュラル(虎型)》の物へと改修、鹵獲したビームライフルの銃身を重ねし120/15×8の大容量を保持し、左脚を《ファーマ》の物へと替えると
頭部外装バルカン600/600、実体弾装6/6、ビームサーベル2/2、ビームシールド一基
《験担ぎ》(ジンクス)03、左腕を《ファーマ》の物へと換装し、メインカメラと《マンティコレ(獅子型)》の物へと回収、
稼働不全を起こしたジェネレーターを敵機の物へと置き換えると、欠けた右脚をその長さを減じた《ササボンサム》のモノへと付け変える
主な武装は、鹵獲した《マンティコレ(獅子型)》の半分に欠けた鬣型のビーム発振器と《ファーマ》のワイヤー射出機構とビームシールド一基、さらには
背面部に三連のテールユニットと共に右足のビームクローと通常のビームライフル、肩部と脚部の実体弾装とビームサーベルの数は、それぞれ6/6、2/2と半減したものの
その戦力は衰えず。
《験担ぎ》(ジンクス)04、破損した、右腕と狙撃用の大型ビームライフルを《ササボンサム》の腕部と置き換え、実体弾装を9/9まで数を減らしたものの、
頭部バルカン残弾600/600、、ビームサーベル2/2はは健在、右に、同様にジェネレータを既存の物から載せ替える。狙撃仕様から砲撃戦仕様と変更。
各機のそれぞれの装甲に《傾城魚》(チンチェンユー)より鹵獲したオービットマインの破片を申し訳程度に張り付ける
その姿は、まるでキメラの獣の様にちぐはぐなものであったが...
迫る脅威に対しては、十全と働く事となる。
長らく滞在したオデッサに、決定的な契機が訪れる。その日、街は焼かれ、この世界から忽然として消え失せ、歴史の翳へと消えて行く。
《クシェドレ》その名を知る者は、この場には居ないが、その姿は、第六部隊の面々にも焼き付いていた。
且つて、目撃したその彩とは大きく違う、やや燻んだ銀光放つ、その姿は、街を飲み込まんと欲する。
いち早く、その姿を視認した、防衛隊の一部が、先陣をきるが、戦場を横断する超火力による咆哮に巻き込まれ、
無惨にもその機体を散らしていく。
膨大な熱量を誇るその一撃は、防御として構えた耐ビームコーティング施されたシールドを容易く溶断、
その上半身部を軽く消し飛ばすと、大きく傾いだ中央部の建物を更に溶断しながら、その穂先を、大仰な足取りで、横に一文字、筆書きする様に横断させると
そこに残りしは、絶望の光景。
一面の建物が、半ばから圧し折れ融解し、その姿が一瞬で掻き消える。
たしかこいつには、ビーム兵器の類が効かなかったはずだが...今打てる手は、
ディ=ストレーズ《験担ぎ》(ジンクス)04が駆る改修型のディエムの《ササボンサム》より奪ったその手を以て、
長距離狙撃を繰りだすササボンサムの大口径ビームがその戦場で再現される。凡そ長距離といっても良い距離から到達する
光の帯は、地球上の大気に減衰されたものの狙いを外さず、叩き付けられたものの
その威力も《クシェドレ》やや燻んだ銀光放つ竜には、通用せず。おおよそ身長数十メートルの巨影に、銀色の首を擡げて、地に染まる乱ぐい歯を備えその容姿は、まるでおとぎ話に出てくる、悪竜のそれであった
且つての威容を再び目撃する
やや太めの光が、躯体の直前で偏光され、その粒子が機体まで届かない。
照射を繰り返すもののその姿は健在。
(・д・)チッ
こいつには接近戦しか打開策が無い...他にも手はあるにはあるが...大質量で押しつぶすには、都市内部へと引き入れなければならず。
さりとて、それを待っている間にこの分だと障害物とみなされた建物が全て...
そこで第六部隊の面々は、選択を迫られる。
此処での抵抗か、逃亡か?
「隊長ッ!!!」通信用のコンソール状で真剣な眼差しでこちらを見る戦友に対して
「なんだ?」と答えるアスハ=ワガミに対してアイ=スクリームは、問う
「アイス食べて良いですか?」
がくッと、操縦桿を倒して倒れ込む隊長機に対して、僅かばかりの半瞬後、胴体部があった空間に砲撃らしき光の帯が過ぎ去っていく。
棒アイスを咥えながらも、突然飛び出した僚機を先頭に反転攻勢に出る四機のディエムは、
(今のは危なかった...直撃を受けて居たら...)と冷や汗をかく隊長機は、粒子が散布されノイズ交じりの各機に対して指示を出す。
「ディ=...トレーズ...《験担ぎ》ジンクス04、砲撃支援しな...、目標の射線を..れ」
「ココ...=アラズ...《験担ぎ》ジン...ス02は、私と一緒に中距離から、支援射...、敵の攻撃と意識...散らすぞッ!!!」
「あとは、分るな?」
「ハイッその間にアイスをたぶるんですね?!分り...す!!!!」
「違うッ!!!!」
なんでそうなる?!
激高する間も、いつもの事だとばかりにディ=ストレーズは、長距離射撃を繰り返し、ジェネレーター直結の腕部から照射される光の帯で、
偏光フィールドにより防がれるのは前提とし、一瞬でも目くらましでもなればと、
心ここにあらずとばかりにボーっとするココロ=アラズが、心得た場とばかりに多銃身のビームライフルを両手に、スラスターを全開にして、
やや気だるそうな気配を見に纏いつつ、さりとて握る操縦桿とフットペダルへと、力を込めつつ、最小限の噴射を繰り返し、
左右、にブレる旋回を繰り返し淡いスラロームの曲を描き、射撃戦を試みる。
応撃の光の柱が通り過ぎ、回避軌道の終点に直撃する瞬間に左足を前に出すと地面に対してワイヤーを射出、地面に撃ち込まれた、それを起点として、
半円を描きながら回避。
続くアスハ=ワガミは、同様に推進剤を、小刻みに吹かせて、最小限の消耗で、切り抜けるべく地上を疾走。
射程距離へと滑り込む間にビームライフルの斉射を見舞うが、
その全てが偏光フィールドに防がれ、意味は無いかに見えた。
その窮地においてアイ=スクリームは、神経を集中させて、アイスを口いっぱいに頬張る。ふと見ると、地面に撃墜されたディエムの頭部バルカン用の外装を見つけて、
それを徐に頭頂部へとセットする。残段数は手つかずのまま。
これで準備は整ったとばかりに、ふぅーっと息を吐いて、叫び声をあげる。
キーッンと耳に残る叫びを残して、その手に掴んだ操縦桿とフットペダルを強く吹き込む。そこのは一切の配慮無く、スロットを全開に吹かして、
爆音轟く叫びに後押しをされて、無謀な突撃が開始される。
それはこの部隊特有の事情であるが、全力戦闘を行う際に、通信チャンネルを自隊にのみ絞る。何故ならばこいつの声がデカいから。
その事情を知る者は少ない。
踏み出す一歩は、推進剤の損耗を考えず一直線に目標へと向かう。
「漸く始まったか?」と舌なめずりするディ=ストレーズは、長距離射撃の射線を目標のメインカメラが備わっているであろう頭部へと集中させる
瞬く光が、目くらましとなって、アイ=スクリームの無謀な突撃の一助となる。
疾走する。疾走する。失速する間もなく更に再加速、過熱する推進機構はオーバーヒート間際、熱く熱せられたインテークが熱により徐々に溶け出し自壊を始める。
それでも進む機体に合わせて、
左右からアスハ=ワガミとアスハ=ワガミが、敵機のメインカメラに向かってビームライフルとバルカン砲の斉射を繰り返す。
且つて自分達が辿った地点と重なる様に聳える奇妙で巨大な塩の盆地と化した山間部に地響き上げて進んでくる巨体に対して、目くらましによる妨害を繰り返すも
効果は薄い。実体兵装以外受け付けないその防備に対して遠間からでは頭部バルカン砲の斉射ではまるで効果はなく、
空に照り返される陽にあたり、その絶望的な戦力差に...
(・д・)チッ
見ると視界の端で、オデッサの防衛隊らしき機体が別の《人喰い》カルニヴォルス (carnivorus)共と争う姿が見える。
その場所からやや離れた丘陵地より、伸びる狙撃の一射が、《クシェドレ》の頭部へと命中し、狙おうと首を向けたその視界が防がれる。
「こちら《ハルト=ノーウェン》ッ貴公らを支援する。行けッ!!!」
その声は無線封鎖している第六部隊の面々届かないも、其のエールは確かに届いていた。
「他が抑えてる間に片付けるぞッ!!!ビームライフルの斉射後、実体兵装一番二番投射ッ」
最後の一手に届かせるように脚部に備え付つけられた実体兵装を次々と、目標へと発射するも、繰り出される実体弾頭が空中で炸裂した瞬間
龍の咢より放射される極大の光の柱が直撃、降りしきる弾頭の残骸より投射されるは...
ビーム攪乱幕、その威力が減じられ、その傍を疾走する一機のディエムが爆風を抜けて目標へと狙いを定めその射程距離へと迫る
見ると、ビームの大火力以外にも、実体兵装による投射を織り交ぜ始める、その巨大な体躯より竜の鱗が剥がれて、弧を描きながら、
攻撃を加え続ける第六部隊の面々へと着弾。弧を描き飛来してくる攻撃にディ=ストレーズは、バルカン砲の斉射と共に、銃口を傾け迎撃に入る。
次々に撃ち落とされる龍鱗の実体弾を、自機と僚機に当たらぬ様に処理していく。
視界を塞ぐ射撃を嫌がり首を左右に振りつつ、実体兵装と大火力ビーム砲を交互に繰り出す者、
付かず離れず。距離を開けながらも、機体の周辺を回る二機の異形のディエムと、直進以外の行動を未だ見せないアイ=スクリームに対し、
嫌々する様にその口腔より。光の帯を吐き出しながら、周囲の大地を焼き焦がさせる。
無謀な突撃と、嫌がらせの様な、視界を防ぐ攻撃に、
操るパイロットは、(・д・)チッ
「この《クシェドレ》は重力圏下に於いてのテスト中だが...私では十全に操れない。だがッ!!!」
無名のテストパイロットは、絶望の状況。それでも突撃してくる不思議な機体を前に、吠える
「負ける訳にはいかんのだよッ!!!」
大型クローを展開。接近戦への備えを見せたまま、周囲に粒子と実体兵装をばら撒く。アスハ=ワガミのココロ=アラズ両名は、地面に《ファーマ》より奪ったワイヤーを撃ち込み
機体を斜めとして機動する軌道により回避を繰り返し、乱れ飛ぶ射撃戦を繰り返す。
「まだか?!」
突撃を終えて、至近距離まで迫る。アイ=スクリームは、前方で奔る僚機の背を見送りながら
その行動を実行させる。
「残弾、...き出せッ!!!!実体...装三番から四番投射。敵の装...を抉れッ」
突撃の終点より飛び出すは、一機の異形のディエム。そしてその勢いのまま左腕を換装した《ファーマ》の手から伸びるワイヤーを忍ばせ、実体弾を撃ち落とす為に
射角が固定された頭部へと接地、と共にスラスターとバーニアを残りの燃焼すら考慮せず、熱暴走による暴発すら、誘発して前へと飛び出す。
その彼我の距離が縮まる中、頭部に装備されたバルカン砲を、ただその一点だけ...頭部メインカメラの一点のみに晴れた日に映る曳光弾の交じりの弾丸を
これでもかと射かけ続けると共に、敵機頭部へと着地。
バルカン砲の斉射により、辛くもその視界が防がれ、サブカメラへとの切り替えを行う、決定的な隙に、
ここぞとばかりに、第六部隊の面々が反転攻勢へと仕掛ける、まずは着地と共に右脚のビームクローを展開、着地と共にその首半ばまで溶断、
崩れ落ちる基部を踏み抜き、左脚部の実体弾装を投下、炸裂する三連続の爆音が、その幅広な胴体部部に突き刺さる。
噴煙と共に、武装の一つである龍鱗の発射機構に亀裂が入る。勢い余って後方へと機体が流れ、ゴロゴロと大地に横たわる頃、
その機体の残された武装は、半壊したビーム砲と実体兵装の発射口、残るは、その両手の大型―クローのみ、意を決して方向転換を掛け
大地に横たわるアイ=スクリームに対して、攻撃を仕掛けようと振り向いたところ、一発二発と、ディ=ストレーズの射撃が突き刺さる、
霧散する粒子の砲撃に晒されつつも左右側面より現れた、アスハ=ワガミのココロ=アラズの二機が、手に持った、ビームサーベルの基部を、それぞれ二基づつ、持ちより
投擲、突き刺さるビーム刃が、その装甲を弄る中、せめて一機だけでも道ズレにと倒れ込む機体に向かってその牙を研ぐ。
留まらぬ巨影に対して、それぞれが発振するビーム形成された爪を展開。接触と共に、震える様に斬線が重なり、偏光フィールドに遮られながらも
その牙がついに本体へと届く。フィールドではなくその巨体を以て、弾き飛ばすと、今も立ち上がろうとする、機体へと狙いを付け、
「貴様ッよくも《クシェドレ》...を、やってくれたな。何者だッ!!!!」
「良く知ら...やつに、名乗る...前なんて無いね。唯のアイスをこよなく愛する者だッ!!!」
「夏場のアイスも格別だが、冬のアイスの旨さを知らぬ者よ、アイスが無ければ愛...ない、なんつって、愛とアイスの話は別腹だけどね?、雪の寒さに震えて待て」
「いや、今は、冬じゃないぞ?」
「そうか...それでは...」
前方に構えた半分に欠けた鬣型のビーム発振器をその手に構え、二重に重なるその手より射出されるは、《ファーマ》のワイヤー
着弾と共に巻き取れるそれが向かってくる敵の勢いのまま、その機体の下部へと滑り込むと、髭型のビーム発振を差し込み溶断しながらその腹を抉り、斜めに奮って、
陽光を纏った刃が空へと向かい掲げられる、更には、後方から投下される、ビーム砲の乱射と共に、0距離からのビームライフルの乱打と、発振する爪が、互いにその装甲を剥離し、
無防備な箇所へと集中攻撃を加える。
「離れろッ!!!爆...」アスハ=ワガミの警告に合わせて飛び退る各機を他所に、崩れ行く巨体が、無惨な姿をさらす。
宙より降り立つ星の一欠片は、地上で絶望する人々を勇気づけながら、見捨てられた地域を中心に転戦を繰り返す。
ある時は、整備を手伝って貰ったお礼に、ある時は、物資の補給と、一欠片のアイスと交換に。
...
この三ヶ月の間に、地上で起きていた戦闘に関する映像を見せられた。それは、ほゞ一方的な蹂躙だった。
しかし少年の春幸が見た光景には、打ち捨てられた地域に存在した。小さな英雄の姿は映すことは無かった。
次々と乗機を喪う激戦に晒され、水も食料も弾薬も其の全てが枯渇し、打つ手が途絶えるなか、鹵獲した食料に手を出そうとした。その瞬間、何処からともなく飛来した。
恐らく宙に上がろうと奮戦する為に試みたかつての船体が、マスドライバーから射出を失敗し、地上の第六部隊の元へと墜ちてくる。
負傷したパイロットたちの代わりに新型のカルペディエムを受領、更なる転戦を母艦となったその船舶と共に行動を開始。
同日同時刻...
次々と崩壊し、崩落する基部は、大気圏へと突入して、次々と燃え上がり、その光景は地上では流星群の天体ショーの如く眺められていた。地上へ落ちて、カルペディエムの地上拠点奪回作戦へ参入していた。
第六部隊アスハ=ワガミ、ココロ=アラズ、アイ=スクリーム、ディ=ストレーズの面々は、撃墜した敵機と中破した自機の間で、死んだ、敵兵の姿を明日は我が身だなと、思いつつ心、ここにあらずとばかりに空を眺める。
其れから部隊はは現在へと移り変わり、、坂東での省庁陥落から事が起きてから
最終的に終結するまで数か月以上の時間を有する争いが勃発するまでに、起きたその始まりの事態は、他愛も無い世間話から始まる。
「おい、どうしたんだ春幸君?」
訝しむエクィタス=ユースティティアは、《サルヴァートル・エクス》(超越する救済者)の通信端末を弄る、春幸に問いかける。
「いやさぁ、偶には父さんと連絡とりたいなって、コロニーに長距離通信してるんだが、一向に返答がない。留守かな?」
「でも、親父さんはすぐそこにいるのでは?」
「いや違うんだもう一人俺には別の歳をくった父さんがいるんだ。確か、コロニーのアイリスに居るはずなんだが...」
「嗚呼、そうか君は知らないんだね。現在の地球圏では、地上から宙へ一方的に通信する事は出来ないんだ。」
宙を指さし、答える
「マレディクトの通信反射衛星がひしめいてるからね、アレを使わないとダメなんだけど、当然、マレディクトの許可が必要だ...でも」
「ね?その許可は僕らには、下りないよ。」
「バンキッド=アルマニャック先生の話してた内容と、実際の現実に差異があるのは、そう言う事だよ。」
「それに目下の悩みとしては、他にある。今のところ、《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)の産出地が、ギアナ高地近辺に集中してる所為で、供給が途絶えてる。」
「おかげで、鹵獲した敵機を流用する以外、戦力を強化する手立てがない。」
「あと、迂闊な長距離通信は、居場所を知らせる様なモノだから控えて貰えるかなぁ?」
ん、そうなのか...てっきりここ坂東に居る分には、問題ないと思っていたが、短慮だったかな?
「すまない、気を付ける。親父の機体からは?」
「そうだね?その手があるとは言え、有限であるその素材を使うのには些か、配慮がいる。削りすぎていざ戦えなくなったら事ではあるし、どれくらい残ってるかな?」
「そうだなぁ親父の話だと増減分と装備を作って消費した分を引くと1400%程度はまだ余裕があるらしい。昔通りなら、1週間もあれば数パーセントの素材が増加するから、ある程度の融通は効くみたいだ。」
「そうか、でも対策を練るべきだね。まぁ君たちが、加減して撃墜してたお陰て、機体の流用は着実に進んでいるよ。」
「そう言えばリンさんたちはどうしてるかなぁ?」あれっきり、忙しさにかまけて、話を聞けてない旦那さんは戻ってきたけれど、
あんまり体調が良さそうに見えないんだよなぁ。後でお見舞いに行かなきゃな。
あれからリン=山崎さん達は、火中の最中に居て、今も、放送端末による動画でその姿を見せている。
その姿は、やや化粧を厚めにしているが、あれは、きっと...泣き腫らした表情を隠している。
ハルナさんも会いに行くそぶりすらみせてないけど、状況的に…仇のマレディクト陣営に所属してたのが気まずいんだろうなぁ…
放送端末においては、始終決起を促す言葉が踊り、あれから時が経ち、この国の様相は様変わりしてた。
唯、国の中枢を潰せば、戦争が終わる。これはそんな簡単な問題ではない。マレディクトが、且つてのCarpe Diemの勢力圏を
引き継ぎ、その影響力は未だ健在として、更には、国内の北部と南部のマレディクト拠点と大きくその勢力が解れ、国を三つに割る
状況となっている。
周囲の国々や独立した自治権を持つ場所は、あの宣誓を聞いた上、どう行動するのか?沈黙を守るかに見えたがその動きが徐々に明らかになっていく。
既に、哨戒機の索敵結果によると、周囲に艦隊の翳が見える。中には示威行為の為か、小競り合いの戦闘も観られる
未だ、国軍としての形を成していない。坂東へと、国内のマレディクト勢力が、部隊を派遣。
戦闘状態へと、突入の最中に、其の火蓋を切るべく、対応するのは、何度目かの戦闘行為を経験する、
春幸擁する《サルヴァートル・エクス》(超越する救済者)の陣営が南方を任される
向かう先は、桜坂を抜けて、最終目標である宮州までの平定を試みる、
手早く通信作業を切り上げると、特殊兵装であるロビンフッドを装備した、隠密特化の機影が、
カタパルトによる出撃を止め。
その脚部に備え付けられた。静かなる機動を有し、静々と眩むような陽光を隠密用のクロークで、透過しながら、来るべく戦闘に
備え出撃す。
眼前に広がるは、関祭地方並びに国内でもひと際大きな都市ではあるが、既に宣戦布告が行われ、戦線より住民の退避が試みられている
其の為、街の明かりは消えてから久しく、視界に入るのは摩天楼の建物と積層式の住宅街が立ち並ぶ一角が目の前に広がる。
例の如く第五部隊の面々とハルナは、母艦への襲撃に備えて待機。連れだって進むはヴィキィティを駆るアンザスと、ホーリーグレイルを乗機に、
随伴機として、やや後方より、飛翔し追従し、その中には、他の艦船から出撃したであろう。
坂東所属の《ブレイズ=ガルヴ・ディム》と《コントラファクト》の四機編隊が複数追いかけてくる。
どうやら、指揮をするリン=山崎さんに指示を受ける様にと、含みを持たされているようだが...要は、フォローをする様にって事だろうか?
と、思い悩む間にも、短距離通信レーザーによるホーリグレイルが、通信を試みる。
「何時もの通り、小規模編隊での襲撃だとは思けど、なにか最近の敵の動きが、パターン化されつつあるような気がする。」
「恐らくここら辺で、変化があるかもしれない?」
「そうかも、だけど随伴機には《コントラファクト》だっけ、敵の粒子攻撃をジャミングする機体がいるし、こちらは敵の攻撃を防ぎながら、実弾兵装を中心に攻めれば対処は簡単かもしれない。」
「そうかな?そうだと良いのだけれども?まずは、春幸君、アレを展開して、引き気味に援護射撃を頼むよ。目立つ僕とアンザスさんを囮に死角に回ったら仕留めて。」
「そうか拙者のプリ尻を囮にするのですな?(`・ω・´)ゞしゅっぶ了解で有ります。」
「各々がた出陣でござる。いざ尋常に!!!男尻勝負!!!!」
掛かるスラスターを点火し、一機の機影と無数の機体を見届けると、矢筒状の装弾を確保すると、
左腰部の罠製造ユニットを切り放し、自立稼働するその基部が次々と、自走式の地雷と、上空へ宙へと上がる空中地雷の散布を開始。
次々と次々と放たれし、その狩人たちは、周辺の空域と大地に展開されると、
獲物を釣るべく、飛翔する友軍機が宙を飛翔する。
大型のスラスター内蔵の滑空翼を備え、敵機よりの攻撃に対処するべく、追従する僚機と共に、一直線へと敵陣へと突撃を開始、
相対する敵機が、反応。
三つのタイヤを三角形のフレームに収めて、左右で六輪駆動する。複数のエクゥス・クッリトが、多連装のターレットを展開しつつ
面部の武装コンテナより大量の実体兵装の弾薬を中空へと展開。
実体弾による攻撃には、《コントラファクト》による防御は、意味を為さない...後方での待機を命じ、
ホーリーグレイルが直掩にはいると敵の砲撃から防御するために実体シールドのビーム刃を展開し、回転する楯と、
上下左右に、バナナ型に湾曲した弾倉を装弾するライフルで迎撃にはいる。
射かけられた攻撃に反応したアンザスは、エアブレーキを展開、と共に後方宙返り、落下と共に、機体に捻りを咥えつつ180度回転
来た道を戻るかのように、捻転し、僅かばかり一呼吸遅れて僚機の《ブレイズ=ガルヴ・ディム》の編隊も同様の軌道を描こうとして、
不慣れな機動により其の軌道がブレ、地上への落下を誘発するも、地上すれすれに進むも体を入れ替え、何とか上昇を試みる。
「ありゃ、しくった。同じ動きは無理かー。」
ふらふらと飛翔する僚機に合わせ、高度を落としつつ付馴れな機体を守る随伴する。
突如逃げ出した。アンザスらに対して追撃に入る地上部隊の一帯を市街地の一部に差し掛かると、民家を楯に射撃戦を展開。
応撃には、巻き添えする可能性があり、さりとて接近戦を試みる訳にも行かぬまま、上空から
両腕、両足をレフトガンズ、ライトブレード、クルス・デルストラ...それぞれ三つの武装を集約し、オービットマインを使用した増加装甲を備えた
《マレディクト・ペルフェクトゥス》が踊る。
ん?なんだあれ、見た事ある様でいて、初めて見る様な機体だが?やる事は一つだとばかりに、
手をこまねいているかに見えると、地上と空中に散布された、奔る。ドローンが、戦場に充満する。死臭纏うマレディクトらに対し、匂いに反応して、自動実行される。
中空を奔る。爆炎と電撃による閃光が瞬き、地上を奔る小型の走行地雷と共に、陣取る敵影に対し、EMP爆弾による爆裂が突き刺さり。電子制御にピンポイントに衝撃が奔る。
忽ち機体の制御を喪い。沈黙する。
放つ空中地雷の一射を数機の《マレディクト・ペルフェクトゥス》は、転輪する脚部の推進機構を駆使し、惑星に追従する衛星の如き動きを魅せ、
回避と共に、背面テールユニットによる、思考誘導弾の一斉射撃、機体を反転、繰り出す軌道は、大仰なまでの急加速と、制動を見せ、
一撃離脱を敢行。
罠として起動するは、敵側の優速鋭く、狙いが外れるかにみえるも、加速し、追撃に入ると左腕よりメランディルオール《天地暴喰》を展開、
逃げ惑う四機編隊の《ブレイズ=ガルヴ・ディム》へと照準を合わせ、放たれた宙貫く御柱として、照準を付けて狙いを絞り、放たれし、燐光纏う極大の光が、
今まさに逃げ惑う僚機へと降り注ぐ、
(・д・)チッ
《コントラファクト》...の妨害は、間に合わないッでござるなもし、意を決して、射線軸へとアンザス操るヴィキティが、
急激なピッチアップを行い、機体をその場で、回転、方向転換を試み、割って入る。
奮うは、嘆きの落涙、音声入力により、発動、モードディアブロ...奮い共振を繰り返しながら震える角が、真正面から迫る極大の光に対して
投射される。重なる粒子の環が、我が死を乗り越えるべく、振るわれる。
鳴響する叫びと呼応するように、粒子の大砲撃を分解し、互いに対象を塵と帰る。その御業を以て、凌ぐとともに僚機達の退避を確認すると、
更に自らを目標とさせるべく、その体を入れ替え、水平飛行中から45度バンクし、そのまま斜めに上方宙返りし速度を高度に変え
初動と終端でその方位が180度変わり、速度が減少する代わりに高度を上げ、シャンデルを実行。
自らの狙いが外された《マレディクト・ペルフェクトゥス》を操るパイロットは、目立つその機影に対して追従を試み
砲撃による牽制と共に突撃を敢行
放たれる通常射撃の雨を、第一射の粒子パターンを記憶した僚機側の《コントラファクト》が妨害、その間にも戦場の至る所で自立型の地雷が展開する。
宙を斜めに横切る爆炎の錐と、雷撃の鉾が舞い、地上に堕ち、沈黙する機体が見られ、その数は徐々に増えていく。
その波間に、交錯する二つの機影は、それぞれが己が誇る。鉾を胸に、《Pyrolysis Edgeパイロリシスエッジ》の熱分解の炎が、揺らぐ陽炎となり、
極光纏いし、一筋の燐光が、大型のビームサーベルとなって襲い掛かる一閃と交錯する。
互いの刃が、機体へと到達する事なく、接触の反作用で、飛翔する機動がブレれ、その余波によって《マレディクト・ペルフェクトゥス》の装甲が
燃える様に白熱化する。
その光景に、一瞬の隙を突いて、装甲をパージ。乱れ飛ぶ白熱化したオービットマインの破片が、中空を飛翔し回避運動へと入ろうとする
ヴィキティへと、襲い掛かり流線型の盾と実体剣を両腕で重ね防御を差し込むも接触した瞬間にその熱が膨張と共に炸裂、反動で、疾走する滑空翼が、地上の建物と接触
衝撃で大地に轍を作って墜落の憂き目にあう。
異変を察知した。春幸は、罠の展開を、自立ユニットに一任し、自らは、其の身を隠しつつ、
連弩式の中折れ装填式クロスボウを構えると、本来で有れば無音の射撃で墜とすべきだが、射程距離外や、優速を誇るには、速さが足りない。
掛かる一撃に対して。機構の一部に干渉し、照準の先に、疑似電磁バレルを形成、独特の射出音を響かせながら、
アンザス機へと襲い掛かろうと刃振るう。《マレディクト・ペルフェクトゥス》に対し投射する。
《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)製の鏃は、十分な加速力と貫通力を誇り、その装甲に着弾と共に突き刺さる。
地上へと落下し、衝撃でコックピット内部で展開されたエアバックを掻き分け、握る操縦桿に力を込めて、
迫る危機へと対処するべく、起き上がるも上空からの再びの《天地暴喰》メランディルオールの光...スラスターを全開にして、倒れ込んだまま、点火。
地面を擦りながらも、急上昇を開始、追いすがる光の巨大な柱を回避、ついで降り注ぐ極光纏いし、一筋の燐光が刃となった《天地刹喰》メランディルソールの一撃を合わせ
左右から迫る。逃げ場を失うかに見えた瞬間、上昇の頂点で、失速。ループの頂点で、180度ロールを行うことで、進行方向を逆転させ、
更に反対方向へと切り替え、背面姿勢からのロールと共に水平飛行へと変異する。
徐々にせり上がる機体の上昇スピードを上げつつ、敵機の攻撃を凌ぎきる。
機体スレスレの場所を過ぎ去る熱量を、掲げる楯を凌ぐと同時に龍鱗型の《falcis》を展開。
重力の軛より脱したその基部がその動きを筒状の格子の様に、踊り、向かい来る敵機に向かい、投射攻撃を仕掛ける。
其々の場所で、飛翔する三機の《マレディクト・ペルフェクトゥス》は、それぞれ、セカンドアーヴル、ヴィキティ、ホーリーグレイルが
陣取る。陣容へと飛散し、攻撃を仕掛け始める。
《コントラファクト》の援護を受けながらも極光の砲撃に対して、決定打を撃てないまま、射撃戦を繰り返すホーリーグレイルに対して、
嘲笑うかのように射程外からの長距離砲撃を仕掛ける。
相対する《コントラファクト》部隊は、その砲撃を記録、粒子の波長を記憶して、逆位相で対象に流すと粒子を上手く生成放出させない
その発振する筒状の砲身をパイプオルガンの様に束ねて、其の鈍重そうな機体から生み出される波動が
敵の攻撃を散乱し、妨害する。
不味いね...僕の機体には、大火力に対抗する術は、二人と比べて少ない...だが完全にないという事でもない。
湾曲した複数の筒状何かが脱落し、掲げるは聖杯の如き、器を模した、ファルクス・レフレクトールを展開
掲げる銃身を構え、それらの反射機構を有した《falcis》が、数基、正十二面体の軌跡を描き、方陣を敷くと
バナナ型に湾曲した弾倉を装弾し、多数の弾体を使い分ける奇妙なライフルの弾倉を穿劫弾へと切り替え
極大な反動と共に射出。狙った先にはファルクス・レフレクトールの檻、反射と乱反射を繰り返し、反射される毎に
反射を繰り返し、加速する弾体が、最後の一基の反射軌道を載せた一撃は戦場を横切り、
衝撃で、巻き起こる大気の渦が、幾何学模様の輝線を描き、《マレディクト・ペルフェクトゥス》へと迫る。
何かの危険を察知して回避行動に移ろうとしたところで、無数の空中地雷の罠が、唐突に、集中砲火を咥えてくる。
奔る火柱と、電光に晒され、機体の制御を喪い、その勢いが減じた瞬間加速する穿劫弾の一撃が突き刺さる。
その機体の一部を深く深く抉ると、オービットマインに覆われた装甲を抉り取りながら、左腕のレフトガンズの砲身が半ばから削り取られ、
対消滅する弾頭と共に弾け飛ぶ、
腕部を喪い、バランスを崩した《マレディクト・ペルフェクトゥス》に、追撃の手が掛けられるも...
咄嗟にパイロットが告げる言葉は…
それは、もう一方の戦線、北方へは、坂東臨時政府が把握している情報では、既に宙から落ちてきた無数の戦艦、
恐らく、宙でやり合ったであろう《袖無し》の面々に対して、修理作業と戦力の補充を行っている旨が添えられ、
急遽、春幸らとは別に北進する戦力を捻出する必要性に駆られていた。
「整備ついでに、正常な状態へと機体のチューンナップを一段上げたとは、伝えてはいるが、春幸達は大丈夫だろうか?」そんな心配毎をしながらも、
「アイジェス、彼は良い腕だ。向こうにはアンザスも居るし、敵戦力を大幅に減らしている南部戦線での活躍は聞いている、大丈夫だろうよ。」と宗谷=大石が応える。
「其れよりも、些か戦力が南方に偏り過ぎている。向こうより我々の心配をした方が良いだろう。」
戦力の減少を補うべく
《メガエアライド》、《ハングオンライダー》、それに今回の戦場に合わせる装備は…《ラッドチェスト》その反射装甲の鎧となる子ネズミ型の《falcis》
それらを束ねて、進む《R.I.P》を母艦とするアイジェスらは、向かうは、北海道。
途中に点在するマレディクト支部を、一つずつ、処理をして行き、その勢いは破竹の勢い。されど、そのような状況が続く事もなく。
終点たる。北海道の地に置いて生じる問題は…
「朕、どうしよう?!目標の位置がいつの間にか?補足できなくなっているし、朕のう〇〇も食も細くなってる?!」
おろおろと汚尻を振り乱し狼狽える。ポルチーニ=ポポニチンを他所に
樽眞厨=タルムは、「こうなったら仕方ない後はなる様になれで、准将よりの救援を待つばかりだ。」と、諦念にも似た感情で
お茶を啜る。
「ねぇッちょっと君、行き成り竹の子見たいに急に生えてきたけど、?この前まで居なかったよね?」
ぶるぶると、贅肉弛んだ二の腕を震わせながら、樽眞厨=タルムが応える
「えー最初からいましたけど―?奥ゆかしき振り向きちんちんたる私は、画面に映らない様に、謙虚にしてただけですー。」
「ち〇ち〇映ったら放送事故になるしねッ!!!」
(まぁ、ただ単に船体の損傷で。通信機故障してたんだけどね?)
「ん?」
「おいっ!それよりもぽくちんの真似してない。」と、跨るおまるに対して指さし、猛烈な勢いで出産を繰り返す、デ・ポク・ポクチンが指摘し
(そんなに目くじら立てなくても、面白ければいとおかし、問題ない。うーんこのお菓子おいしいなぁだが其れで良いんだよ。いやそれが良い。)
艦橋内のオペレータが我関せずと、夢想する。
勢い余って写される局部を、副官の頭部が、ブレる体幹に合わせて、ぐるぐると体と一緒に回り、演舞し、
その局部を負い隠して嗤う。まだ、まだ我らには…がある。
やだ、なにこの光景、早くおうちに帰りたい、艦橋で艦長が浣腸片手に、涙が滲む。
何気に絵ずらが混沌に陥り苦しくなってきたものの事態は進む。
「時に、現存する戦力とこの拠点で補充できる、機体はなんぞ在るかな?」
「そうですねー。数機のマレディクトの追加パーツがあるので、これで二機機分の《マレディクト・ペルフェクトゥス》が組み上げられますね。」
「残りは直接的な戦闘力が基本武装の程度しかない《ミヌラ・トルビオー》が二機」
「追加で補充可能な機体は《ブレイズ=ガルヴ・ディム》四機に、《コントラファクト》四機、あとは、地上戦にしか使えない《エクゥス・クッリト》が四機」
「最後に残された。外装らしき外装が取り外された試作機らしい一機ですね。」
「おい!なんでそんなに数少ないの?なんで?ねぇなんで?ちょっとおまるから、こんにちわ溢れそう!!!!」
「うん〇!すごく意味が解りません!!!」艦長が溜まらず、申し出る。
「なんでも全国から機体を搔き集めて、1000機の大編隊を作って、実行した作戦で、請われて援軍をだしたら丸ごとまるっと、返り討ちにあったみたいですね。」
「ねぇ、馬鹿なの?!なんで余剰戦力を残しておかなかったの???」
「まぁ、戦力の逐次投入は愚策ではありますからね。唯、なにぶん、地球圏は粗、マレディクトの勢力権ですからね。そもそも余剰戦力を残して防備に当てる意味は薄いかと?」
「後から何を言っても結果論ですから、これ以上は言えませんね。」
合間合間に、問いかけと合いの手を入れるポルチーニ=ポポニチンと忠司=ローアングラーの会話の中で、哀惜の念を持った艦長が震える手で浣腸を支える
「とりあえずで良い。船体の修復だ完了次第、救援を贈った准将と合流を測るべし!!」という意見に帰結し、
そんな状況に関わらず、北進する一行は、目標間近かまで、歩を進め、
「領空侵犯に関する防御は、新兵ばかりの機体が担当してるからな、その数は、少なくとも、早めにフォローを入れて置いた方が良い。」
「ただ、別に俺達は、フォロー前提に合わせて準備して実行してる訳ではない。其のまま動きを真似た軌道をやるとタイミングと状況が合わなくなる危険性がある。」
そもそも声の届かない誰かにまで、何かを伝えるつもりは無かったんだがなぁ?
とばかりに、愚痴をこぼすが、目下の目標である北海道に存在するその拠点まで到達する
変形機構持ち、砲身に高機動用の推進器を載せたる支援機の騎乗する
《ヴォーパルバニー》
大きなセンサーと思しき、天を衝く様に聳え立つ兎の如きその両耳を模した頭部には、更にその示威を示すかの様に轟く後頭部へと昇る一本角蒼い下地に染められた基部が覗き、
所々に白磁色のラインが奔る。仄かに愛嬌を持った機体が操り、
背面部に《ラッドチェスト》を纏いし、《デスペラード》が乗り込むと、
更には《ハングオンライダー》を装備した《カルペ・ディエム・アスキック》を駆る大石=宗谷は、
通常時は左右に分離する大型シールドと化すその基部を合わせ鏡の様に接合すると、一輪の環と化して並走し、
残りの三機の《カルペ・ディエム・アスキック》部隊は、後方に控える《R.I.P》の防御として、展開させる。
攻め手たるアイジェス側の戦力は3機のみではあるが...何より、且つての戦役で多数の敵を単独で屠った。《デスペラード》が存在する故
青葉=穣と大石=宗谷共々、悲壮感などなく、それは東北県内を進む間にまざまざと見せつけられた。
漸く到達した北原が一面に広がる草原に、聳え立つ基地らしき建物が乱立する一画が、重力感覚器官《Sensorium Gravitatis》(センソリウム グラウィタティス)の索敵範囲に
入ると、状況の把握内容の確認を試みる
「《頭脳》セレブルム01...確か敵の残像勢力の数は、精々十数機程度で、良いのか?」
「搬入されている物資や素材から推定されているのはそうだな。」
「であれば、一人頭、4機から5機斃せば良いのか?」
「別に貴殿一人で、全部片づけて貰っても構わんのだが?なぁ?ボギー1?」
「いやはや、その名は帰したここは無名の操縦士として、此処は仲間に頼らせて貰おう。頼りにしてるぞ。」
そう言うと、まずは、未だ粒子密度の薄いこの状況において、長距離レーザー通信で狙い、警告の電文を送付。武装解除と投降を呼びかける。
返ってきたのは罵声交じりの非難の声と、散発的な砲撃を知らせる閃光が降り注ぐ
《ハングオンライダー》の側面を背面に折りたたまっていた、副腕を稼働し掴み箱乗り状態で、加速を体感する中、重力推進機構を起動、
手には、装弾数八発の大型リボルバーを構えての初撃を叩き込む。
テンコマンド...Sec...デケム・プレセプタ
10秒ワンセットのその偉業を以て、本来であれば大気の減衰と重力とコリオリ力の影響で到達不可能なその距離をゴリ押す。
まずは目算の状況把握と予測演算の為の《ヴァナヘイム》(豊穣の国)にこちらの位置を諭されない惑乱の為の《ニヴルヘイム》(霧の国)
を弐セットづつ、
残る6秒全てを《ヨトゥンヘイム》(巨人の国)に発動に集中させる。
装弾されている弾体は、《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)製の小型ジェネレータを内包した大型弾頭を六発、と粒子攪乱幕を二発、四発目と七発目に装填し、
戦闘開始の嚆矢として、撃ちだすは、質量を持った粒子による一射。射かける黒と銀劫を纏わりつかせた。6秒間の行使によって極大化され高出力の粒子砲の一撃撃ちだす
それに合わせて《メガエアライド》の大型銃口から走る船体を覆わんばかりの光の粒子の一打と共に背面部の武装コンテナより多数の成形炸薬弾頭のミサイルを弧を駆け
それらを以て、戦闘開始の合図とする。
狙いは、遠く離れた。恐らく《デスペラード》以外の通常機体のセンサー範囲外である。
その射撃閃は、遥か彼方の敵基地へと降り注ぎ、大地を焼き焦がし、武器庫の一部を消失させ、爆音轟かせる。
そして躍り出るは、三機の機影、其の内、先頭を走る《ハングオンライダー》を駆る大石=宗谷は、
燐光纏うその大車輪より回転刃の光の輪を牽制として射出しながら、目標の前面に展開し始めた四機の《エクゥス・クッリト》と同数の、《コントラファクト》を確認し、
更には、《ブレイズ=ガルヴ・ディム》の四機編隊が、出撃するも、その半数以上が...原隊を離脱、逃亡へと入る。
その姿を見て、ポルチーニ=ポポニチンは、非難の声を上げるが、
「こりゃぁぁぁ戦えー。何故逃げるッ!!!相手はたった三機だぞ?ってアレは?」
(そりゃ逃げるよなぁー、単身とは言え、准将を単騎で墜とした化け物が相手じゃァ。コノママダト、ジリビンだしなぁ...)パシャパシャ
「おじさん、敵が逃げちゃうよッ」
「ブルーリーフッ逃がすな追撃して墜とすか拿捕しろッ!!!」
「えっ何それ?私のコードネーム?」
「嗚呼そうだ、不便だからさっき決めた、嫌だったか?」
「ううん、気に入った。先に逝くね」と、ウキウキな足取りで方向転換、右旋回で、左方逃げ出した一群に対して追撃へと入る。
視界の端で、飛翔する《メガエアライド》の基部が大きくその機構を変え、折りたたまった船体が、大型の外骨格作業機械の如く
手足を接地面に接合し、一機の巨大な機体として起立する。
大型の砲身を前方に構え、
ファイアッーの掛け声と共に、投降を呼びかけ、それでも逃げ出す敵機に対し、射撃戦を試み、船体の左右から延びる大型のアームには
巨大なビーム刃を発振する大型ビームサーベルが備え付けられる。
其の威容に逃げきれないかもと悟った《ブレイズ=ガルヴ・ディム》はその機体背面部と脚部から、球体と光の環の波動を足場にし、急制動を掛けつつ空を渡り、どうにか追従しようと迫る青葉からの追撃を振り切ろうと、加速するが、
左右に旋回し、狙いを外そうと機体をブレさせ、背面に向かって、無暗矢鱈と、その銃身から吐き出されるビーム砲の乱撃を叩き込む。
「逃がさないッ」と吠える狩人の手は、僅かなブレもなく、操縦桿の引き金を引き絞る
無数に迫る弾体が、《メガエアライド》基部へと照射されるが、構える大型ビームサーベルを誇る腕部からその灯が消えると共に、
その掌中より偏光フィールドが展開、敵の攻撃を直前に霧散させる。
次の瞬間、天駆けるは、一筋の閃光に巻き込まれし二つの戦場の華、
「逃げた地上部隊を頼むッ」と大石=宗谷へと頼み、
自らは、残る敵陣の制圧へと乗り出す。
混乱する敵陣に対して、無数の質量を持った粒子による連射を加え、射かける黒と銀劫を纏わりつかせた光が、
防御の暇も与えず、打ち倒していく。
「《コントラファクト》の光波妨害はどうした?」
「敵機は、粒子砲の波長を一射毎に変えながら撃ってます。二機だけでは、カバーしきれませんッ」
「ポルチーニ=ポポニチン様、このラ・パンド=チョトネ、引き千切った袖に掛けて、《袖無し》の意気を閉めさせていただく。」と
きゅっと尻の穴を閉め、さては、男尻を拝借、よーぉ、パッチンっと勢いよく叩かれる臀部と共に
勢いよく飛び出すは、二機の《マレディクト・ペルフェクトゥス》と、見た事も無い新型の姿、
ん?
青葉と春幸達が接収したデーターベース上には、存在していない機体だな?
次の瞬間デスペラードのコンソール上に思い出したかのようにその名が刻まれるは、
《アングレイル》と《マレディクト・ペルフェクトゥス》
後者は、マレディクトの素体にフルベースの武装を施し...の機能も付随させている事ではあるが?
前者の機体に対しての情報が無い。
脳裏に警告を知らせる、幻像が浮かんでは消える。
両手にトンファー型のライフルの基部を見せ、その機体色は、紫、複数の機体の装甲を張り付けた、急増のちぐはぐなまでにバランスが崩れたその機体が
敗色濃厚の戦場に降り立つ。
その機体から発するは、且つての戦場で感じた違和感にも似た、腐った臓腑と濁った血溜まりをより香る鉄錆の香り...
これは、一体なにか?視界の端に映るその文面に、最大限の警戒を、奴ら...
「朕が乗ろうとしてた機体に誰が乗ってるでおまる?!」
その機体の動きは、まるで、操縦桿を使った運転により人が動かしている様な動きではなく、さりとて熟練のパイロットが再現できる様な
範疇を超える軌道を魅せる、
一歩踏み出した瞬間に、スラスターを点火、一瞬で踏み込みのAMBAC制御を載せた一歩が、銃口を構える《デスペラード》の視界から掻き消え、
前腕部に搭載されたトンファー型のライフルから、一閃瞬く緋雷の電光が走り、高速機動を超えた一撃が、咄嗟に前腕を構えて防御に入った
《デスペラード》へと着弾する。弾け飛ぶ慣性運動に従い大きく大地の轍を敷きながら、姿勢制御バーニアにより、機体の制動を掛け、
目算する敵機の次の移動ポイントを予測しながら偏差射撃を試みるが、機体を左右に振りながら、向かってくるその軌道に翻弄され狙いが定まらない。
おかしい...敵の機動が読めない。
しかも動きが、まるで思考制御しているデスぺラードの動きと酷似している。操作してるのは一体誰だ?
接近戦の間合い迄、懐深く入られれば長獲物は、取り回しが...射撃戦では、分が悪いと見て、大型のリボルバーを投棄
左右の袖口から取り出した。質量子ブレード...《グラムクァントラミナ》の発振器を両手に構え、
迫る敵機に相対するも次の瞬間には後方宙返りで距離と取りつつ前腕のトンファーライフルの前後を入れ替え、射撃戦へと移行、
銃口の先から予測線を脳内に引いて、二条の閃光を《グラムクァントラミナ》の刃で切り弾くも、徐々に距離を取られ始める。
その最悪のタイミングにおいて、数機の《マレディクト・ペルフェクトゥス》が、違う場所、同じ時間、同じタイミングでその言葉を戦場へと問いかける
「「「「「悉く恐怖に厭いやかされ死ね。《グリムズヘイムッ(陰鬱な世界)》」」」」」
淀んだ空気と視界、そして腐臭漂う血錆踊る、鼻腔を擽る香り、其の全てが危機感と共に、その威を解放する。
視界がぐにゃりと、揺らぎ、機体を操るべく四方を惑う平衡感覚が狂う。2つの場所でそれぞれ行使された状況に置いて、
緑色深き、青海泥を示す色彩が、揺らぐ決意と共に、
(・д・)チッ攻撃が曲がる。揺らぐ気配と愉楽に揺らぐ空間が歪曲したかのように視認し、
此方の射撃が届かない。
春幸は、急ぎ、次の狙撃地点へと移動を開始するも、目標までの目算が遠い。道が、歪んで見える。立ち並ぶ建物の陰に隠れ隠密用のクロークを被り
静音移動による進行を開始。
見ると後方の控えて防御に徹するエクィタス=ユースティティアと囮となって、前方の戦場で奮戦するアンザス=フライハイは、
其々の場所でその現象に苛まれる。互いに展開したファルクス・レフレクトールと龍鱗型の《falcis》の動きが、突然乱れ、
空間認知能力で把握しているはずの目標を見失う。
咄嗟に、《falcis》でのオールレンジ攻撃を仕掛けたものの砲口より照射される小口径のビーム波が、狙いを外し、流れ弾が、街中へと墜ちる。
Σ(・ω・ノ)ノ!
ちょぉと待った―。っとばかりに、アンザスは展開を中止、エクィタス=ユースティティアは、攻撃を停止して防御へと切り替える。
ぐにゃりと歪む視界と、徐々に空域に充満する熱気が、徐々に各機の冷却機構に負荷をかけ始め、熱波を受けた建物が燃え上がり始める。
戦端が開かれた時点で既に、退避は完了したとあったが、視線の先の立ち並ぶ建物の一角に、人影を見る。
(・д・)チッ
人の楯かぞな?何か状況が可笑しいでござる...これは、ペロ、悪辣な罠の味がする。
機体のロールを繰り返し、一時退避、空中にダミーバルーンを投下するも、膨れ上がる端から熱膨張により破裂音が響き渡る。
「春...。スノードロッブ。そ...から射線は通るで...ざるか?右正面の建物...逃げ遅れた人が...」
「射線が通っていても...狙いが...それる...これは、空間を歪めてる???」
「いや...流石にオーバースペック...では?仮...、技術革新...促すと言...ている。機体であ...可能性があ...ござるが?」
「多分違う。何故ならば、さっき...、ロビンフッドの罠が、敵機に対...効果を発揮...続けている。」
「それは。恐らく...」
...
...
...
自動操作で起動していた空中地雷の一隊を、四つに分けて、一隊を牽制に使用して、それぞれ三方へと分けた空中地雷を展開、
摩訶不思議な状況に狼狽える僚機の直上へと到達。
その動きを察知したエクィタス=ユースティティアは...そうか?!と、次の状況に対して対応する。
装弾した穿劫弾の排莢を、手動で実行、焼き付いた銃身の冷却迄...30秒、熱せられた空薬莢が大地へと墜ちる
周囲に浮かぶ空中地雷の数々が、その目標を捉え、その異常事態に対して、春幸が対策として試みた一手が突き刺さる。
浮遊する空中地雷より、照射されしは、勝者たる起死回生の一手、奔る霜を振りまくワイヤー状に広がるは、その状況を局地的に生じさせる
極小の氷界、忽ち機体と武装の熱が収まり、次弾を装填、視界に広がる異常事態が、それぞれの場所でクリアとなる。
「それは。恐らく...」春幸が看破したその効果は、空間を歪曲しているのではなく、歪曲しているのは、自分自身の認識力が、外的要因により、
阻害されているしかも、《ムスペルヘイムッ(灼熱の国)》のおまけつきである。他にも違う効果が付与されている可能性もあるが...
問題はその効果範囲と、効果の強さではある。だが、その燃焼効果は、親父が使っている物とは一段も二段も、効果が低い。
つまりは、《ニヴルヘイム(霧の国)》の効果で防御すれば、問題は解決する。
ただこれにはリスクがある...
アンザスは「うわわっと!!!」叫び声に合わせて敵陣よりの砲撃が機体に向かって照射される。攻撃を、刃光る実体剣での切り払いを以て、その威光を裂き散らすモノの
極大の極光が迫る中においては、回避を選択するしか残されていなかった。
空中地雷の放つ界域より離脱した事により、認識に関する歪曲効果が顕在化し、ふらふらと、体を流して、機体の背が、並ぶ建造物を押しつぶし停止する。
敵が狙ったように、この手段には、決定的な弱点がある。足を止める必要がある為、狙い撃ちにあう。
敵が発生させている界域にかんしては、そこまで広範囲をカバーしてる訳ではないが、見える範囲では、《マレディクト》の強化機体と思しき二機を中心に展開されている様に見える。
つまり、数が合わない...もしや...。
「《お調子者》(ストゥルティ)ッ!!!援護するから敵の武装のどれでもいい、脚でも手でも良い、その一部を破壊して!!!」
「ん?難しい話をしていますな?しからば、ごめん。拙者も一手、札を切らせてもらうでござる、」
「《ヴィキティ》改め、この機体、新たに名付けるは、ヴィキティ=アンディバインのお披露目でござい。モードセラフィム《フロストフェザー》」
白と黒のまだらの翼をはためかせると、天使と悪魔にも似たフォルムの機影が踊り、悪魔の角が反転し後方へと流れると、代わりに生じる天使の環の如き光り輝く威光を
以て、白と黒のまだらの翼が白色の光に包まれ転身する。翼の光が、舞い散る羽根と化し、目下の直上より降り注ぐ。
一翼の翼が放つ光波、触れたものを凝結させるその羽ばたきの副産物が、熱気を充満させる空間に対して過冷却効果を生じ、余波での熱死を妨害。
更に実体剣の刃をガイドとして、目算する距離を測定、狙いを付けて発生する磁場を銃身として、龍鱗型の《falcis》の弾体を装填、
過大な鮮やかなライトグリーンが栄え、十分な加速度を以て大気の壁を破りながら飛翔体が飛ぶ。
此方の攻撃に対抗して同じようカウンタースナイプによるメランディルオール《天地暴喰》の極光が迫る。
あたりに巻かれた氷結の羽根が、落下する途中でメランディルオール《天地暴喰》の光と接触、
薄氷が割れる音を響かせながら、徐々にその勢いが止まる。
対する電磁加速された、龍鱗型の《falcis》は、勢いを殺さぬまま目標へと飛来する。空中を高速機動から、狙いの付けられぬものと高を括って、
ホバーリングを続ける《マレディクト・ペルフェクトゥス》に対して襲い掛かる。
真っすぐこちらに向かって飛翔する。弾体に違和感を感じ、咄嗟に回避行動に入るも僅かに動作が遅れた脚部に対して、斜め下より迫る龍鱗の刃が、
飛星が光跡を夜空を貫き、稼働する推進機構に、部品の消失によるERRORを吐き出させ、残る展開している機体は一騎のみ、
その間にも、僚機への襲撃は留まる事もなく、春幸操るセカンドアーヴルの元とエクィタス=ユースティティアの操るホーリーグレイルの元にも訪れる
「なるほど、そう言う事だね。」と、合いの手を入れつつ
「良尻を提供するでござる。」「カバーに入る。フォロー頼む」
其々の目標に対して、照準を合わせる最中に、次々と空中を浮遊する牽制用に放出した地雷が撃ち落とされていくも、地上から忍び寄る自律走行式の地雷が
空中へと、牽制爆撃の炎を放出させ、其れに追われて僅かに目標の速度が落ち、その旋回軌道の頂点へ、狙いを付ける。
狙うは一点、敵左腕に見せるレフト・ガンズユニット、に対して、二機の狙撃が襲い掛かる。
次矢を装填する為に、中折れ式の装填と弦の引き絞りを連動するその機構での張力を利用しての連続射撃が、偏差射撃の要領で、次々と迫るも、
連射を避ける《マレディクト・ペルフェクトゥス》は、右腕ライト・ブレードの刃を以て弾き堕とす。
その僅かに生じた隙に対して、二度目の穿劫弾の装填を終え、冷却時間までの猶予を局地的な《ニヴルヘイム(霧の国)》の発動を以て、踏み倒す。
狙い澄ませた一打は、滑空し、回避軌道を止めた《マレディクト・ペルフェクトゥス》の右腕...エクィタス=ユースティティアの所在地より僅かの右方より迫るも
その機体に向けて再度の反射加速狙撃を試みる。
ファルクス・レフレクトールの限界反射、曲面は、その一射毎に大幅に削れていくも、その一手が、乱反射と加速を繰り返し、目標に向かって飛来する。
穿劫弾...それ自体に小型のジェネレーターを搭載した実体弾に、発光する実体剣の刃と同じ原理で螺旋状の溝...ライフリングされた銃弾を撃ちだし、
敵の装甲を溶断しながら貫く。閃断する。
加速する弾体が、縦横無尽にファルクス・レフレクトールが展開する機動に沿って幾何学模様の軌道を描き、突き刺さる。
追加武装で有るライト・ブレードの基部を大きく抉ると同時に、空間認識による阻害と周囲の気温上昇が止まる。
降りしきる雪片の羽根が舞い、降り積もる雪原の様に積る中、《グリムズヘイムッ(陰鬱な世界)》の効果が途切れた隙に、
龍鱗型の《falcis》を全方位開放、大きく広がる枝葉の様な軌跡を描き、閃断する刃となって建物の背後へ回ると、
民衆集う一角に向けて銃口を向ける《ブレイズ=ガルヴ・ディム》の銃身が半ばより切断され、《falcis》より感覚共有された姿を元に、
春幸へと指示をだす。
大きく回り込み駆ける自走型地雷は、搭載されていた投射地雷を全面開放、叫ぶ炎の照射を左右から仕掛け、ビームシールドでの防御を誘発しつつ、
その姿をノイズキャンセルの機能を持った隠密用のクロークと静音走行を実現する脚部ユニットにより背後に回り込むと、
左腕の袖口から射出し掴む、ビーム刃の発振器を構え、剃刀の刃の様に研ぎ澄まされた薄刃の光剣を敵機のコックピット目掛けて突き刺し、一瞬の打突を終えて展開を止め
そして再び隠密用のクロークの陰に隠れつつ周囲の敵機に対して舞う砲撃の間隙を抜けて、牽制攻撃に徹し、
地雷を使い果した自走ユニットへと、解放された人々を載せて救命活動を開始する。
それに合わせて、敵の攻撃の密度を抑えるためにエクィタス=ユースティティアは、指揮する《コントラファクト》部隊と共に前線に広がる戦線の押上を試みる
その意気のあった連携を僅か張りの会話において成立させる。
もう一方の戦場に置いては...
《デスペラード》へと着弾する。弾け飛ぶ慣性運動に従い大きく大地の轍を敷きながら、姿勢制御バーニアにより、機体の制動を掛け、
目算する敵機の次の移動ポイントを予測しながら偏差射撃を試みるが、機体を左右に振りながら、向かってくるその軌道に翻弄され狙いが定まらない。
おかしい...敵の機動が読めない。
しかも動きが、まるで思考制御しているデスぺラードの動きと酷似している。操作してるのは一体誰だ?
接近戦の間合い迄、懐深く入られれば長獲物は、取り回しが...射撃戦では、分が悪いと見て、大型のリボルバーを投棄
左右の袖口から取り出した。質量子ブレード...《グラムクァントラミナ》の発振器を両手に構え、
迫る敵機に相対するも次の瞬間には後方宙返りで距離と取りつつ前腕のトンファーライフルの前後を入れ替え、射撃戦へと移行、
銃口の先から予測線を脳内に引いて、二条の閃光を《グラムクァントラミナ》の刃で切り弾くも、徐々に距離を取られ始める。
その最悪のタイミングにおいて、数機の《マレディクト・ペルフェクトゥス》が、違う場所、同じ時間、同じタイミングでその言葉を戦場へと問いかける
「「「「「悉く恐怖に厭いやかされ死ね。《グリムズヘイムッ(陰鬱な世界)》」」」」」
淀んだ空気と視界、そして腐臭漂う血錆踊る、鼻腔を擽る香り、其の全てが危機感と共に、その威を解放する。
視界がぐにゃりと、揺らぎ、機体を操るべく四方を惑う平衡感覚が狂う。2つの場所でそれぞれ行使された状況に置いて、
緑色深き、青海泥を示す色彩が、揺らぐ決意と共に、
(・д・)チッ攻撃が曲がる。揺らぐ気配と愉楽に揺らぐ空間が歪曲したかのように視認し、
此方の射撃が届かない。
放棄後、中空に浮かぶ《falcis》となった大型リボルバーの残弾数は六発、二発目迄を使用し、続く黒と銀劫を纏わりつかせたやや出力を絞った通常のビームライフルの威力までに落とした
牽制射撃を仕掛けるもその狙いが歪んで命中せず、一方的に、間合いの外からの銃撃を仕掛けられる。
離れては撃ち、接近しては切り結ぶその動きに、翻弄されつつ、《グラムクァントラミナ》の刃で応戦する。
装備の出力的にはこちらの刃の方が大きいはずだが、その質量を持った光の刃は、僅かにその斬閃をずらし、躱され間合いを外され、一呼吸の内にゆっくりと
此方の機体にその刃を襲い掛かってる。
相手の動きと合わせ、刃と刃を撃ち合わせる様に、交錯した瞬間に、質量を持ったことで、撃ち負けるものの、その勢いを殺さず後方へと機体を流したまま、
下部へと滑り込む様に敵機の刃を流し、態勢を崩した瞬間に、デスペラードメインカメラ、視界を潰すかの様な動きを見せ、咄嗟に浮かぶ銃身より、出力を通常以下まで落とした射撃を自機にむかって照射、命中し弾かれた動きにより、
寸前のところで回避を成功させる。
(・д・)チッ
「誰だこの動き、まさか?アハト=佐伯か?!どうしてこの場所にッ!!!!」
片手をあげて、友軍機の攻撃を制すると、不遜不屈に、不断の意志を載せて、答えるは、八年近くぶりに聞くかつての同胞の声、
「久しぶりだな...ドン・キホーテ...どうしてなどと聞く方が、野暮という物だよ。」
「俺の名前を見れば分るだろう。自分のルーツたるこの地に居たとしてなんの問題がある?」
且つての無口だったその面影に翳りを見せつつ饒舌に話し始める。
その声を聴いてポルチーニ=ポポニチンは、叫ぶ?なんで?准将がここに?それに無口じゃない?
「ん?その声、どうして無口だった俺が、話しているか?という疑問顔だな、空気感で分るぞ。」
「俺がそもそも無口なのは、この口が語るに足る相手以外と、会話する事が苦痛なだけだ。ただ野放図に、饒舌なハルズ=アルマインとは、違う。」
「どんな手段を使ってあの機体とアイツを斃したのか、気になるところではあるが...」
「違うッそうじゃないッ!!!!」
「嗚呼そう言う事か?第二部隊、インヴィクトゥス《不敗》たちの事か?感が鋭いな?」
「失敗作だが?気に言って貰えたか?どうした?もしかしてお前が、処分してくれたのか?やつらの最後の命乞いは見ものだったぞ?」
「なんであんな真似をッ!!!!」
「いや、コーディー=スルーの奴が、《人喰い》カルニヴォルス (carnivorus)の技術に興味を持っていたな、確か?《聖痕》持ちとか?言ったかな?」
「その再現に、丁度いい素体が必要だったんだよ。《聖痕》を埋め込むには遺伝子的な、類似性が必要だが、異なる遺伝子を持つモノ同士で結合できるかの試験には、素体が必要だったんだ。」
「どうせ腐らせるだけの肉だろ、俺自ら喰っても良かったが、出来れば、《人喰い》カルニヴォルス (carnivorus)の方が、俺の舌は歓ぶからな、くれてやった。お陰でまた一つ俺は...に近づけた。」
「おかげで俺は、漸く喪った手足を取り戻すことが出来たぞ?」
「お前ッ!?!」
激高するアイジェスに対して、あくまで冷静な口調で淡々と告げる声音とその腐臭は、抑えきれないまでの悪臭となってアイジェスの元へと届く
「なにを言ってる?復元した《人喰い》カルニヴォルス (carnivorus)。アニス=フライヤ-...奴から聞いたぞ。お前も喰ってるだろ?」
「知っているんだぞお前の想い人の結末を...何故一方的に俺達を責められる?」
ギリギリと歯を食いしばりながらも、意志を新たに、答えを紡ぐ。
「いや、俺は...」
その会話の途中で、何かに気付いたアハト=佐伯が操る機体が何かに気付き、その姿が一瞬かき消える。
次の瞬間通り過ぎる、光の一柱、射程外から放たれた一射を事も無げに回避。
再びの戦闘状態へと突入し。それまで散発的な射撃戦に終始していた《マレディクト・ペルフェクトゥス》の動きが、活発化する。
放つ極光の煌きが、《デスペラード》の元へと降り注がれるも、《ラッドチェスト》を射撃方向へ展開。
その光を弾きながら、脳内で対策を練る。
さっきの援護射撃は...青葉か?だが、このままだと、駆けつけたとしても...対象の効果範囲外であれば狙いが付くという事は...
円周軌道で、周りを飛来する《マレディクト・ペルフェクトゥス》の姿にも狙いを付けるモノのその射線は合わず。
此方も機体を重力制御による推進で、回避しようにも、上空へ飛翔しようと上昇を選択した動きが、下方へと切り替わり、
天地が視界の中で逆転し、迫る《アングレイル》の攻撃が徐々に機体に命中し始める。
今はまだ頑強な壁として健在している《ラッドチェスト》の装甲に守られ、破損は見られないモノの徐々に追い詰められる。
接近しての打突が、《ラッドチェスト》に突き刺さるも。粒子と光を反射しその身を護る装甲が、その光刃も、反射させ、返す
剥落する装甲の一部が散乱する姿をみせながら、
《グラムクァントラミナ》の刃で目標を振り払うが、払った先にはその姿が掻き消え、更には、機体温度が徐々に上昇し始める異常事態を体感する。
試しに、小分けに牽制射撃で打ち切った三発目から、四発目のリボルバー内の弾頭に切り替えて、
頭の中で次の弾頭は…だったはず。ならばと、照射する対象を目標から自機へと切り替える。
照射される粒子攪乱幕により、機体の視界がクリーンとなる。
…つまりこれは、《ムスペルヘイム》(灼熱の国)の変形か?となれば、これは、鹵獲した《ルカヌス・ウラヌース》と、名付けられた機体の
操作権をジャックする機能の変形でもあるのか?
ならば、と、残敵を掃討して戻ってくる僚機達の帰還を待たずにその一手を切る。
テンコマンド…Sec…デケム・プレセプタ.
《ニヴルヘイム》(霧の国)を10秒間、展開される霧氷の幕が、更に、空を奔る《マレディクト・ペルフェクトゥス》に対して、残りの残弾である五発、六発目の
通常の八発分の粒子量が込められた射かける黒と銀劫を纏わりつかせた。高出力の粒子砲の一撃を目標へと注ぎこみ、
突如として《デスペラード》の照準が堪らず急旋回と、ピッチアップを駆使しての急停止と急加速を以てその射撃を回避した刹那の間に、
それまで精彩を欠いていた《デスペラード》の動きに火が入る。一気に急上昇して、翔ける《マレディクト・ペルフェクトゥス》の軌道範囲へと躍り出る。
侮る事に馴れた、贅肉の塊は、突如として現れたデスペラードに驚き、
空中で《グラムクァントラミナ》の刃を閉じ、その発振器の刃を合わせる様に照射展開を試み、相反する粒子が衝突、重なる様に弾かれた光子の刃が、目下の敵機に対して照射
飛ぶ斬撃とかした質量を持った粒子の刃が、《マレディクト・ペルフェクトゥス》のライト・ブレードユニットと交錯し、その刃で防御するも、多大なる重圧に晒され、その機体が大きく弾かれ加速のスピードが乗った速度のまま、基地敷地内の建物へと落下していく。
「准将ッポポニチン様ぁ《袖無し》の意気がぁぁぁぁぁ」と、意気消沈し、沈むように墜落する。
さらには後方から突撃してくるもう一機の《マレディクト・ペルフェクトゥス》に対して、
重力の軛を解かれ、対応の一手を見つけた《デスペラード》が反転攻勢を仕掛けようと、その刀身を、敵機目がけて投擲を試みる。
一筋の、黒と銀劫を纏わりつかせた刃が、目標の機体を僅かに掠め、暫しの時間的猶予を作り出すと、落下するスピードの中、地上からこちらに向かって射撃してくる
《アングレイル》に対して、《ラッドチェスト》を展開、空を浮遊する子ネズミ型の《falcis》が
器用に敵機のトンファーライフルの一撃を弾き、その攻撃を、やや速度を落とし旋回する《マレディクト・ペルフェクトゥス》の男尻へと突き刺す様に誘導を試みる。
その行為に、男尻を抱えて逃げ惑う。
空いた片手に大型リボルバーの銃把を掴み、背面部に折りたたまれていた副腕を稼働させ、スピードローダーを使用しての再装填。
今度は《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)製の小型ジェネレーターを内包した大型弾頭を八発収め、リロードを終えると、
逆さに反転、急降下しながら、通常の八発分の粒子量が込められた黒と銀劫を纏わりつかせた一射を当てようと照準を捉えた目標に照準を合わせる瞬間。
「おっと、時間切れかな、流石に北アメリカ大陸からの遠隔操作じゃ此処までだな...」
「置き土産として、こいつを置いておく、あっ言っておくがこいつに乗っているのは、他に居るぞ?お前の大好きな仲間の馴れの果てがな。」
「精々楽しんで欲しい。」
突如、ブツンっと操り糸が切れたマリオネットの様に制止すると、次の瞬間赤い目を燃やした、何者かが起立する。
機体の損傷をナニモノするぞとばかりに奮戦する《マレディクト・ペルフェクトゥス》の元へと
残敵の掃討を終えた青葉と大石の両人が合流する様に西と東の方向から方向を掲げて、結集する。
いつの間にか奥の手の対策を看破されるが…ラ・パンド=チョトネとオマエ=ダレヤネンの両人は不思議に思う。
何故さっきから効果がない?
問題はあの霧か?と訝しむも、《デケム・プレセプタ》の効果時間の合間に、その光景が映し出される。
駆けつけた青葉と大石の両名は、展開され続ける効果に晒され、一点、恐怖に襲われ、半狂乱となって、互いに、銃口を向け合い。
フレンドリーファイアを誘発。互いの《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)製の装甲に守られ、その攻撃が辛くも致命傷とならずも、
脚を止めた瞬間に、其の軛から解き放たれた《アングレイル》が襲い掛かる。
恐怖に駆られて大型の円盤型のバイク左右に分離して大型シールドとして、アルマジロの様に防御を固めて蹲るも、極光仰ぐメランディルオール《天地暴喰》の
砲撃に触れて、大型シールドの陰から飛び出した無防備な機体が、その無惨な背中を晒したまま、無防備な背中を見せてその動きを止める。
異常事態に気付き、フォローへと入った《デスペラード》から延びる質量を持った粒子の一射が、己の牙を誇示するのではなく、守るべきものを守る為に振るわれる。
大石機の陰に隠れるように、機体の制動を掛けつつ、砲撃戦の構えをとったラ・パンド=チョトネは、何を思ったのか?
それまでの動きとは打って変わって消極的な動作から積極的な動きへと変わるも
「えっ准将いなくなっちゃったの?なんで?!」
さらに無防備な青葉機に対しても思考誘導弾による。絨毯爆撃を仕掛けるも《ヴォーパルバニー》の敵機と自機の回避行動を反転する機能に晒され、
狙いが思い通りに効果を発しない。事に訝しみながらも、
暴れる機体を抑え込もうと、大石機から引きはがさんと奮闘するアイジェスは、先ほどのアハト=佐伯の言葉を反芻する。
さっきの言葉の意味はなんだ?
見ると、基地の各所から、修復を終えたのか?次々と艦船が離脱と共に艦砲射撃を加え、
「艦長ッ!!!そんな!まだ私の浣腸がまだなんですけど?!」抗議の声を黙殺しながら離れ行くその姿に、鬼札を切る。
エンコードッ!!!!!!!!!!!!!!!」「一葉灼伏…5%」心の中で小さく呟く。
「悉く凍えて護れ《ニヴルヘイム》(霧の国)!!!!」
声に呼応して、展開されるは霧氷の世界が、一気に腐臭漂う鉄錆混じった香りを洗い流し、清廉なる世界を作り上げる。
はっとなり、吹雪く氷雪に洗い流され、勝機を掴み取るは、敵側に凹面レンズを向けて妨害を行使し、
次々と仲間たちが正気へと立ち返っていく。
(この状況的に…《グリムズヘイムッ(陰鬱な世界)》の効果は《ムスペルヘイム(灼熱の国)》から派生したものの
二種から三種の混合とみて良いだろう?但し、混合した結果、その効果値に関して多少の強弱がある。
だが、此処で捕獲するべく、左右の武装を掲げ、仲間と共に反転攻勢を仕掛けようとしたところにそれは舞い込んでくる。
《ラッドチェスト》を再展開、その砲身から延びる光のコントラストが、防御から攻撃へと転じ、
正気を取り戻した青葉機と大石機も同じく攻勢へと突き進む。
狙うは、逃亡を開始した敵艦。機体各部の成形炸薬弾頭および射かける黒と銀劫を纏わりつかせた。高出力の粒子砲の一撃撃ちだし
撃ち落とさんと試みる。
その時。理を超えて何がか繋がる音がして、突如として撃沈間際の艦隊の姿が掻き消える。
ん?!「一体何が起きた?制圧寸前の基地ごと目標が消えただと?」
同じとき、別の場所でも撃墜間近の敵機の姿が掻き消える。
そこの残されたのは、冷徹なる怜悧な剃刀にも似た言葉が一つ、
「悪いな、こいつの性能にも…があるからな、時間稼ぎをさせて貰ったよ。」
「大事な素体だ。回収させて貰おう。次は、そうだな一か月後か?数か月後か?また会えることを楽しみにしているよ。」
「その時は、地獄を見せてやろう。」
数か月後、
《レグヌム》、《グオジア》、《ストラーナ》、《クク》(국)が、集い、そして、争いの火種を持ち寄り急襲するかに見えた。突如、国の領海以内に出現した大部隊と対峙するべく出撃する、アイジェスをはじめとする仲間たちの一行は
一考し、一稿を遡上する
其々の国々に対して、先陣を切りながらも相対するは、白磁の白き機体に映えるは、注連縄を死出の旅路とする紙垂の如きひらひらと舞う白き鰭を纏い
その手に持つ刃は白鞘に納められし、何物にも侵されぬ純白の刃。
清廉な姿をみせるもその姿は、異様な圧を周囲に巻き散らし、それまで自らが感じていた理を覆すかのように、
無言の重圧を仕掛ける。
(何故だ?何故動かぬ?命令は既に下している。其れなのに一向に攻撃の気配が見られない。)
下士官たちの動揺とは裏腹に、奇妙な表情で笑う男の顔のには、無数の疵
そこに異を決したよう告げる言葉の波到が達する。
「《人喰い》カルニヴォルス (carnivorus)は、嫌だね。我々が喰らうモノは自ら決める。」口々に、拒絶を知らせる。公用語で話されたその言葉が当たりに響き渡る。
「こちらにも誘植者は、沢山いるんだ。今更、そいつらを喰えなんていわれてもな。」
「何より、先の戦役では、貴様らは何もしてくれなかった。助けてくれたのは…小さき戦友だけだった。」
「その戦友が言うには、貴殿らの行いは、不躾すぎる。悪いがその要請には答えられない。」
「いざ、食するは、白き頂の氷片。頂きアイス!」
(...)
一体なにを言っている?何の話だ?そんな話は聞いたことも無いぞ?
「嗚呼そうだろうとも、故に我々は、人喰いにはならない。彼らの言を聞いて貰おう。」
続く、数か月前に伝えたリン=山崎が、演説した声が再生される。
私は、母、この国の…いや世界の事実の一端を知る者として、語る。
マレディクト…この世界を牛耳る、者どもは、《人喰い》かつての戦役で、降した人間たちを食料として、素材として、
奴らはその惰喰を思う間がまま、行使している。
何故、そんな事を知っているかと諸卿等は問われるだろうが、今こそ答えよう。
私は、エーリヴァーガル戦役で、戦列の一端を担った。かつてハルズ=アルマイン...アハト=佐伯らと、同じ所属とする
第二部隊を預かる者として、此処に糾弾する。
私の名は、カルペ・ディエム第5方面部隊所属リン=山崎、
汝らは泥濘に沈む家畜として去勢された豚として、朽ちるのか?
断じて、否だ?
奴らは裏切り者を探している。最初は…だが、いずれ奴らは、手引きをした誘植者を喰らうだろう?
そして、最後には、何も知らない君たちを餌として食むだろう?
卿等は、座して服従して、只喰われる家畜となるのか?
Carpe Diem「今を生きよ」と、今一度述べるぞ。
何時だって、人の尊厳を守るのは、蒼空から雷を降らす神などではなく、唯、戦うべく自らでしかない事を知れ。
決起の時は近い。不死身の山裾が燃える時、一同轡を並べて、その意気を揚げよ。
立てよ。人民。己の意志で、「今を生きよ」
・・・
・・・
・・・
今一度問うぞ!我らは、クラース・テー・イプスム・マレディクトゥス(Crās tē ipsum maledictus)「「明日、お前自身が呪われるだろう」
呪われし、身に堕ちた人喰いのマレディクトではなく、
今一度、我らは名乗ろう、Carpe Diem「今を生きよ」!!!!!!!!!!
且つての戦役で衛星軌道外で大量にばら撒かれた。デブリによって宙と大地との往来が絶えて久しい。
単純に降下するだけならば、予め避けるか防御を担当する機体を配備すれば良いが、デブリが舞う中、宙にあがるには、難易度が跳ね上がり、それ相応の装備と準備が必要になる。
僅かに残った航路を使用できるのは、ビームシールドを搭載するマレディクトに属する一部の艦船や、特例を以て物資の搬出を行う者たちのみ。
地球への通信も基本的にはコロニー各所から、通信反射衛星を駆使してのギアナ高地、マレディクト本部へと限定されている
故に、宙に居る人間には、知らされぬ事であろうとも、地上で這いつくばて、一部の生きる人々にとっては、記憶真新しい、傷痕。
其れを黙するは…且つての戦場に置いて、倣うべき格言、敵の残していた重要物資には手を付けるな。
その決まりを守らぬ者は、マレディクトとなり、その傷を隠した。
思うところはあるだろう。
その呼びかけに、傷つく誰かの為に、我らは今一度立とう。転戦の果てで、人喰いに堕ちる事無く、唯、平穏であるべき刻を闘い続けた者どもがその声に答えて駆けつける。
誘植者という、謎の言葉を残し、その荒々しい戦場へと、いざいかん。
「貴殿らのやり方は、乱暴すぎる。よしんば、その味を広めて、仲間を増やそうとしていて現状の変化を求めていたのだろうが、その事実は白日の下に晒された。」
「今後も貴軍に対して反旗を翻す者は現れるであろう。」
大海を染めるべく流れる血涙の決意。
汝、恐れる事なかれ、されど歩め。其の血が尽きるまで。
命の趨勢を喫するべく者は、朝に夢みし幻影は、今も尚、大海を彷徨う。
争い尽きぬ島国へと、無数の翳が迫る。
先頭に立つは、理乱す、その機体は、陽の光を浴びて翳り、影に隠れて瞬く。
その姿に対して、挟み込むように雪崩れ込む、もう一陣が迫る。
我は、裁かれぬ者
一切の呵責なく、攻め滅ぼし、告げる
且つての故郷すら、戦場へと帰す。その愚行に、男は嗤う。
そして、何者がその蛮行を行ったか明らかになる。
何故ならば、其の者にあるのは唯の知識欲だけではなく、探求心とも呼べぬ。
狂喜の果ての果てにある。
対する。青年らの前には、
前後左右、四方を囲まれ、援軍の気配など見えぬ絶望の果てで、
出会う。
その光景は、久方ぶりの友との邂逅と、且つて轡を並べて闘った戦友の馴れの果てが戦場を席巻する。
空に描けし太陽の光は、とうの昔に消え去り、光は絶え、大地を支えし重力は喪われた。
(...)
無言を貫くその男は、「わかった。」と、ひっくり返った盤面を自ら単騎の力でさらにひっくり返す。
周囲の水域で展開される艦船に対して、突如として現れたその現象は、まるで平時の状態とはかけ離れた。
重力が反転し、大気の組成も、命をはぐくむ触れる海水も其の全てが、其の理を解する事なく変えてしまう。
数百キロ圏内全ての海域で巻き起こったその現象に、
優性とみられた盤面が、崩壊する。
その答えが分からないのであれば、解らせてやろう。最初からそこに答えなど無い。
ただそこにあるのは、無数の可能性の果ての果て、どうなるかは、自らの目と耳で聞くがよい。
そもそも俺にも分らぬ事よ。
我は…者
《アージナリーワン・ウェポンⅧ》アンロックワン…傷天害理
舞う紙片を模した放熱板らしき一片が、燃え上がる様に消失し、其の理を変える問いが投げかけられる。
そこに一片の慈悲なく、己を裏切ったモノへとの断罪の刃を振り下ろす。
逆転する世界の中で右往左往とする僚機達に姿を確認し、
「春幸ッ!!!アイジェス、これどうなってる?このままだと、みんな宇宙に逝っちゃうよ。」
「宙間装備を持たない海上や大気圏内専用機は、退避しろ。戦力にならん。」
「だけどみんな宙に上がっちゃてるよッ!!!」
デスペラードの機体内部では、同型機を認識するアラートが鳴り響いている。その音を無視しようとして、映る景色に瞠目し、呟いた。
10秒限りの行使では、足りない。意を決して、対抗策としての一手を打つ
「エンコード、《バラッド・オブ・ザ・デスペラード》!!!!!!!!!!!!!!!」」音声認識による識別により、使用者権限を確認。「一葉灼伏…30%」心の中で小さく呟く。
機体内部に搭載されたジェネレーター内部で、それは熾る。中央部に鎮座する。赤黒い表皮を備えた樹木に向かい。
内部から伸びるマニュピレーターが起動、その腕部で、樹木の一部を切り取ると、樹皮から流れ出る血の色に似た樹液を流し、心なしか痛みに耐えて叫ぶ声が響き渡る。
ジェネレーター内部のかつての文明で使用された蒸気機関の火室の様に、開閉する投入口が開き、手折った枝を放り込むと、炉の灯によって、焚き付け、一気に貯蔵、放出される。
その粒子量が爆発的に、推し広がって逝く。………
左右非対称へなった全景にV字のツインアンテナには左右から延びる一対の角、吠えるように叫ぶその線型は、煽情的なまでに戦場を翔ける。
やや大型のそのツインアンテナは、開閉機構が稼働し、機構展開すると、V字から、左右に横倒ししたY字状に展開して、
やや歪なX型の様相に変える。左目に当たるメインカメラは大きくその開口部を開き、耀劫を滾らせながらも、
その姿を変え見通す先は遥か遠く連動して鬼面の表情となった口元の放熱機構が開いて牙が覗き、肥大化した右腕の大型楯となる大型マニュピレーターは、都合二つの主腕と副腕が、
重なりされやや大ぶりのその指と腕部を形成展開される副腕となって、大型の副腕が、一回り小さい主腕を包み込むと其の手掌から漏れ出る覇劫が、且つての姿を幻視させる。
その武骨なフォルムは、色は紺鼠色、されど頭部開閉機構が展開されると同時に彩が艶やかなトリコロールカラーへと変態する。と 脳内に鳴り響くその詩が、俺に力を与えてくれる。
「その想い。二度と亡くさない様に、啼け《アースガルズ》(神々の庭)!!!!」
「その光を以て、その争いを静めろ、《アールヴヘイム》(光の国)!!!!」
「繋ぎ禊て、不離一体を以て、その不利を覆せ。」
コックピット内のコンソールにアースガルズ《神》とアールヴ《光》の文字が瞬き、《connect》の表示が踊る。《来たれ、世界に豊穣芽吹く陽光よ!!!!》
「浅ましき思いを晴らし、世界を照らせ、耀神フレイ!」以降を威光を以て修正する
同規模で生じるフィールドの界域に対して、生じる結果は、反転した重力を逆位相の力で、更に反転。
着水する。
ここ決戦の地は、太平洋上、誠不思議なのは、その戦団の出現、可笑しいとは思っていたが、本来、通常の航路を辿るのであれば
それらの国々の艦船は、太平洋上ではなく日本海側に出没する方が正しいはず。だが、今この時を見るに其の全てが唐突にこの場所へ移されている。
(...)
「嗚呼、そうだよ。邪魔ものは纏めて処分するに限る。態々ここに呼んだのは、理由がある。」
「本当は、直接、国の中枢に送り込んでも良かったのだが…?」
今も尚、大軍勢を誇るマレディクト陣営は、洋上で身動きの取れぬ、援軍に襲い掛からんとし、次の瞬間その目標を見失う。
それは一瞬の出来事、光となった何かが、一瞬神々しい輝きを放つと一斉にその光を掻き消し、何処かへと連れ去ってしまう。
「ん?なるほどな、戦力なりそうにもない外野の人間たちを退避させたのか?」
「また、此処に連れてきても良いんだが?この感覚は、残ったのはこれだけか?随分と古株の面子ばかりが残ったな?」
「さぁ、楽しい戦争だ。こっちは幾らでも出せるぞ?」
軍靴を鳴らすかの如く、大量生産されたらしき、《アングレイル》の波が押し寄せひしめき合って居る。
真新しい、装甲と大型の背面ブースターを装着し、前腕にトンファーライフルを構え、一糸乱れぬ動きを見せる
「嗚呼、こいつらについての説明がまだだった。首魁は、リン=山崎オマエだったな、」
「これらは全て、且つてのお前の伴侶の馴れの果てだよ。反乱分子。愚かにもその餌を食まぬとは、奪われる側となったと同義であるぞ痴れ者が!!」
「折れて灼けては砕けた骨を再び腑分けして切って繋げて組み上げて、更に複製した機械に過ぎないが。さぁ喜べ感動の再会だ。」
かつて…《人喰い》カルニヴォルス (carnivorus)が、再現した人体の脳を機械化して、通信応対させ、情報封鎖を行っていたものを
コーディー=スルーの奴が上手く再現した。素晴らしい出来だった。
《アンレコニング》…その白磁の機体のコックピット内で大きく手を広げ大仰な手ぶりをしながら、その主張を続ける。
「そんな事が許されるとッ」
「嗚呼、俺が乗っている機体の名を知らなかったな、《アンレコニング》裁かれぬ者、誰が許さずとも、俺が許そう。」
「さぁ、且つての仲間同士で殺し合え、なぁに貴様らにとってはお得意だろ?何度も続けているはずで今更だろ??」
「あらら、雲行きが怪しくなってきたぞ。」と、アイスを頬張り、気合を入れるとアイ=スクリームは、嚆矢となる、叫び声を上げる。
雄たけびと共に散開する各機の姿を眺めながら、進み出るは、アイジェスと春幸が駆る二機と、
第一部隊と、新しく結成された第二部隊、第三部隊を欠員として第五部隊、第六部隊の面々が勢ぞろいし、アンザスと青葉=穣に、ハルナ=山崎、エクィタス=ユースティティアらを加え中核部隊のみの無謀な戦いへと突入する。
其々《デスペラード》《セカンドアーヴル》、《ヴィキティ=アンディバイン》《ヴォーパルバニー》、《ホーリーグレイル》、《アド・アストラ》さらには、
改修を重ねて各機が独自進化した《カルペ・ディエム・アスキック》に鹵獲した《ルカヌス・ウラヌース》etc・・・総勢二十二機と三隻の母艦しかない勢力に対して襲い掛かる
群体の数は・・・■■■■と無数の艦隊。
「クルーニー=ブルースさんットゥルス=スミスさんッ整備と換装装備の射出頼みます。」
この戦場で使用する武装は...大判振る舞いだ。全部持ってけッ!!!
「一体何がお前たちをそこまで変えてしまったんだッ!答えろ!!!」
「さあな、お得意の重力攻撃か?だが、俺の機体の前には、重力は其の法則性を喪う。お前の攻撃は通らないぞ?」
「相手をしてやる、何人がかりでも良いかかってこい。こちらの数の方が多いがな?」
一直線に突撃するデスペラードが、先陣を切る中、射出されしは、ぺリ・インカヌスその形はペリカンの姿にも似た可変支援機を
空中の突撃状態の機体に軸合わせを行い、空中換装を試みる。分離する装備が、次々と機体各部へとガイドビーコンに合わせて着装されていく。
全ての理不尽を飲み込まんと、絶対の飲み込めないであろうその相手に果敢に気の狂いを見せながら飛翔を継続、
敵陣の真っただ中へと飛び込む。既に牽制射撃は始まっており《アングレイル》の無骨でありつつ繊細な、外骨格は、それまでのあり合わせのモノとは
違く、弐本の角をその頂へと冠し、鎧武者を匂わす鋭角刻む頭部に、大袖型の推進機構と背面の大型ブースターを使用しての突貫を仕掛けてくる、
多数の艦船上より展開される《コントラファクト》による粒子の波長を記憶し、逆位相の波をぶつけて相殺するという特殊機構で
厚みを増す防御と《マレディクト・ペルフェクトゥス》の編隊軍が一斉に行動を開始
「「「「「悉く恐怖に厭いやかされ死ね。《グリムズヘイムッ(陰鬱な世界)》」」」」」を展開
何もない空間から、次々と増援が現れ続ける。
(・д・)チッ
不味いぞ?ロビンフットの罠による、防御は、その場に停止する必要がある。重力制御で宙に浮かび続けるなら可能だが?
洋上の空中戦では、機能しない。換装兵装として使うには、局地的に、厳しい。
春幸操るセカンドアーヴルは、通常装備の突撃螺旋戦葬よりも多数との戦闘に特化するべく選んだ武装は...《シュートサプレンダー》を選択
分離し、組み上がる装備を交換し、不要な装備を支援機たるその機体へと載せ、その姿を交代する様に送り出し、回収軌道へと入ると、
旗艦として奉ずるは、坂東本営より、徴収したやや横幅広き長方形の形の工廠艦防衛を担当するは新生第二部隊。
《カルペ・ディエム・アスキック》を受領したリン=山崎を筆頭に生存率を優先して《ラッドチェスト》を装備、シリアガリ=サカサガル、オマエ=ダニャルニャンが《ブレイズ=ガルヴ・ディム》がA型装備を装着、其の出番を待ちながら
途中で合流した第六部隊のアスハ=ワガミ、ココロ=アラズ、アイ=スクリーム、ディ=ストレーズ面々、も、独自に現地改修を行った《カルペ・ディエム・アスキックアース》による防衛に入る。
前陣に配するは、《サルヴァートル・エクス》(超越する救済者)を衛はハルナ=山崎の《アド・アストラ》、《メガエアライド》に騎乗する青葉=穣が《ヴォーパルバニー》が防衛と迎撃に打って出る。さらにはエクィタス=ユースティティア《ホーリグレイル》が操作するは、鹵獲した《コントラファクト》を自立機動式に改造し、R.I.Pや、工廠艦や母艦に詰めるだけ投入し、
ビームシールドの防御と合わせて、敵の攻撃に対応の一手を降す。
後陣を担当する《R.I.P》を守るは、アンザス操る。《ヴィキティ=アンディバイン》を筆頭に、第五部隊は《カルペ・ディエム・アスキック》を乗機とする。オウ=コワイイ、オマエ=ナニモノ、シナドロ=アマイ、ネライ=アッタライナが集い。隊長機が、嫌々ながら重装甲の《ハンマーブレーカー》を拝領。
更には第一部隊を率いる大石=宗谷は、パルメ=ザン、ソッチ=コッチ、アッチ=コッチにが騎乗する《カルペ・ディエム・アスキック》を引き連れ
《ハングオンライダー》を装着し、海上を走破する低空飛行で、敵陣の母艦への攻撃を試みる
Carpe Diem側の陣容が形成され、
相対する。アハト=佐伯、率いるマレディクト本隊は、
自らは全身砲門のハリネズミと化した旗艦ベクルウェドの船首に陣取ると、子飼いの仲間である。
サルバトーレ=レトリバーがイングリット=ワークマンらが《ガルドフェルト》《グルジイフ》にそれぞれ乗り込み
其の防衛に前面に展開され、制空権を固持する様に配置された複数の《マレディクト・ペルフェクトゥス》と《ブレイズ=ガルヴ・ディム》の翳、
並ぶ艦隊の甲板には、《コントラファクト》と《アイン・アングリフ》が防備を重ね、
更には、《ヴェナートル・ノクティス》による狙撃部隊、陣容厚き、後方には《アングレイル》部隊の壁、
遅参したデ・ポク・ポクチン並びに、ポルチーニ=ポポニチン、樽眞厨=タルムの三様が、絶対的な戦力差に、安堵しつつ、何か嫌な予感が過る。
何故ならそれまで沈黙していた箱が、ケタケタと嗤い始める。今までこのような事はなかった。だがその不気味な笑い声は、何かを確信したかの様に響き渡る。
その死臭漂う腐った臓腑と濁った血溜まりをより香る鉄錆の香りが、その空域を覆わんばかりに、充満する戦場において、
《サルヴァートル・エクス》(超越する救済者)の艦橋内では、操舵を担当する外崎と火器管制の領五、そしてオペレーターのユミナリア、
指揮者席に、エメラルドグリーンの目をした少女が嬉しそうに、コロコロと何かを舐めながら、笑う。
「ママが居る。」
その言に驚く外崎たちだが、目撃せし戦線の火蓋を斬るのは…《デスペラード》の右腕に装着されし機構による、初撃と、
《アンレコニング》(Unreckoning)が繰り出す。摩訶不思議な現象が交互に織りなす戦場の華として、呼び起こされる。
マレディクトの陣容深き、その窮地において、
右腕に装着された何でも飲み込む収縮圧搾ユニットインカヌスが、その開閉式の掌中を掲げると、群がる《ブレイズ=ガルヴ・ディム》を、
吸引力が変わらない、その特徴的な腕部より繰り出す開閉する大型の爪の内部に踊る圧搾ユニットを展開。
圧縮重力子が、目標らの動きを削がして、吸引と共に圧搾、爆炎の炎を上げるも、織りなす重力の檻に消えゆく瞬間に断末魔の叫びを響かせる。
巻き込み圧縮した金属片と人体のミックスが収縮されると共に、反転し射出を開始。敵陣正面の主要艦隊軍へとその一撃が投射される。と、
過大な重力加速を加えられた超重力の弾体とかしたそれらが、敵戦艦の一部を巻き込みながら戦場の華として散る。
旗艦ベクルウェドにまで迫る様に放たれし死を呼ぶ潮騒の輝きは、奇妙な動きを見せてその法則性を乱す。
《アージナリーワン・ウェポンⅧ》アンロックワン…傷天害理…
この世の理を変えるその機能により、
重力は逆転し、そして来た道を戻る。
過大な衝撃を以て放たれし、黒白の光は、来た道を戻り、発射点たる《デスぺラード》へと戻る。
その光景に一早く察知したアイジェスは、重力波の方向を反転、その勢いが相殺されたまま、奇妙な拮抗を見せ敵陣と自陣の中央部で炸裂、
散弾上に破裂した機体の残骸が、周囲の機体へと降り注がれるも、互いにビームシールドとそれに類する防御膜を展開、
輝ける結晶の盾を掲げる機体は、ぶつかる残骸を斜めに沈み込むように進む軌道を描き、更なる一打を加えるべく敵陣へと突入する。
嚆矢となったその一撃が、奇妙な結果に終わった事に、衝撃が奔る。
重力場を反転し、空へと艦隊を打ち上げた光景と共に対する機体の誇る性能に驚きながらも
《サルヴァートル・エクス》(超越する救済者)の火器管制を預かる領五が、一斉に砲門と実体弾の兵装を駆使して、
《falcis》を一斉展開。船体制御を預かる外崎も、高機動戦闘へと一歩踏み出し、乱れ飛びしは、
空域を制圧するべく《メガエアライド》がその躯体を大型の外部装甲へと起立し、そらに一歩踏み出すと大型の腕部より、霧状のダイアモンドダスト…
《Freezing Breathを投射、
細雪の雪片を周囲に散布と凹型の結晶体を噴霧しながら友軍の戦域をカバーし始める
「この前はしてやられたけどッ種が割れれば...どうという事もないッ!!!私にだってッ」青葉が吠え、
空貫く御柱として、その行為を無駄だとは言わせないと、ばかりに、照準を付けて狙いを絞る。放たれし、燐光纏う極大の光が、今まさに迫る中、
陣形を作りつつ突撃を開始する
更には《R.I.P》と《ディルムバルド》の二つの艦影が、先行する《サルヴァートル・エクス》(超越する救済者)に合わせて前進を開始。
久々のこの感覚… ナンネン=ハイマン艦長は、数年ぶりの高揚感に包まれながら、指揮を開始、発令艦橋を船体内部へと格納し、臨戦態勢へ移行し、最大船速で、敵目標の迎撃に入る。
敵との相対距離が、主砲の射程距離まで、接近し、実体弾兵装による射撃と共に主砲を打ち鳴らす。そして敵から降り注ぐ、光の柱と共に《コントラファクト》と光を屈折させる粒子フィールドによる阻害が互いに展開され、お互い決定打を与えられぬまま、脳内に響き渡る声に耳を澄ませる。
脳内に流れる詩と共に、操舵手が「ロックンロールだッ!!!!」と何かの熱に浮かされるかのように、大幅な軌道変更をし、その直撃を回避。
「速力は、そのまま、己の直観に従い回避行動開始ッ、射線を確保次第、撃て。弾幕は密に、ビーム攪乱幕は、僚機と連携して展開しろッ!」
「それから、各座、引き付けて撃てッ」
此方が、弾幕の照射。ビーム攪乱幕やダミーバルーンの投射にタイミング、其之すべてが指示を飛ばす前に完了し、
慣性機動を掛けながら器用に僚機達を避けつつ、船の尻を振りながら、その攻撃に対処する。艦影が、瞬く、砲撃に晒され、
あわや直撃、するかに見えた光波の波も、複数の《カルペ・ディエム・アスキック》
が防備を重ねた三重シールドの光波を重ねて、強制発振させ、長大な光の盾と吸引機構を駆使して、その攻撃を防ぎ、返す刀で砲撃の応射を繰り返す。
地上の天体上で繰り広げられ光と弾幕のコントラストが、指揮者が振るオーケストラの様に様々な音階を描き、操舵される。
蒼天の青空を光の柱で埋め尽くすその光景に置いて、僅かばかりの恋慕と慕情を滲ませ、春幸は飛ぶ
眼前に逃げ場の無いほど迫るその狂喜を孕んだ凶器が侠気となって立ちはだかる。
其の全てを展開する…によって防がんと、機体を変形しようと試みる瞬間に、その声が届く
互いに実体シールドとビームシールドを重ね更なる吸入機構を備えた三重装甲共にファルクス・レフレクトールを前に、母艦への防御を試みる
友軍機の元へとその声が、詩と共に届けられる。
「浅ましき思いを晴らし、世界を照らせ、耀神フレイ!」
光と重力レンズが織りなすその防御は、《コントラファクト》が形成する対象が生じさせる粒子の波長を記憶し、逆位相の波をぶつけて相殺する機構が発動する間もなく
其れは無数の光が織りなすコントラストとなって、青空の元、歪曲し、反転し、敵陣深く押し流され、
巻き込まれし《マレディクト・ペルフェクトゥス》と《ブレイズ=ガルヴ・ディム》の集団が展開され、それらの機体を巻き込み、群体単位で消失させ
《グリムズヘイムッ(陰鬱な世界)》の効果が...まるで見られない。
「インヴィクトゥス《不敗》07、08…お前達の機体が肝だよッ!!味方を援護しなッ!!!」
其れには僚機であるシリアガリ=サカサガルとオマエ=ダニャルニャン、新生第二部隊として加わったインヴィクトゥス《不敗》07インヴィクトゥス《不敗》08
がA型装備を駆使しての《ニヴルヘイム(霧の国)》を発動、更に尻に、一鞭を入れ、その痛みにシリアガリに調子を崩し始める。やはり...のケツバットじゃないと...
更には、ヴィキティ=アンディバインも、モードセラフィムを発動、戦場に氷雪の羽根を広域展開、且つての戦場でアイジェスが行使した其れと共に
カバーへと入る。
射程距離の観点から接敵地点は、まだ猶予があったものの敵が特に高速移動を行ってる様子もないのに突如として陣営の前面及び後方よりに現れ、《コントラファクト》の防御を抜けるべく
次々と思考誘導弾による波状攻撃を試みる。
危うく目算を謝り敵陣の真っただ中で囲まれるところで有ったが、直前何らかの危機を感じ取った外崎が、進路と推進方向を調整
外装部を敵の攻撃が掠める中、突撃からの一点敵、右翼陣形への集中攻撃へと切り替える。此の当てが外れての敵陣への突破が出来なければ、包囲殲滅を受ける目算が高いが...
追従する《falcis》の砲撃を以てしても敵陣の防御を破れないまま、横滑りの軌道を行いながら艦砲射撃と周囲に浮かぶ砲口による十字砲火を仕掛ける。
敵陣の《コントラファクト》と《アイン・アングリフ》の妨害により砲撃の8割がたを無力化され、敵巡洋艦の防御を破れぬまま、
群れる標的たちが放つ攻撃を、戦艦の身でありながら、ループの頂点から右斜め方向へスライドする機動を描き、迫る思考誘導弾の雨を回避しつつ
方向転換を試みる。各部の銃座から放たれる近接防空システム (CIWS)及び迎撃ミサイルを空中にバラまきつつ、炸裂する弾頭を通常の形成炸薬弾頭から、
周囲へ散弾式弾頭へと切り替え、思考誘導弾の誘爆を誘う。追従する僚機達は、奮戦しながら艦船への防御を優先、迎撃の砲撃をばら撒きつつ、
追従する様に、同じ軌道を描き、次々と撃ち落としていく。
そこに異常事態を察知した《デスペラード》は、更なる一手にその手に掲げられた手札を切る
「その心、姿映し導き出せ。《ヴァナヘイム》(豊穣の国)!!!!」
「その光を以て、その争いを静めろ、《アールヴヘイム》(光の国)」
「繋ぎ禊て、不離一体を以て、その不利を覆せ。」
コックピット内のコンソールにヴァナ《豊穣》とアールヴ《光》の文字が瞬き、《connect》の表示が踊る。《来たれ、豊穣芽吹く女神よ!!!!》
「揺らぐ愛を疑う疑念を捨てよ 豊神フレイヤ!」以降を威光を以て修正する
洋上のそれに対して、降り注がれし、極光の光を光を屈折するその効果により、射撃兵装の攻撃を歪曲させ捻じ曲げ、振幅を変えて紡がれる
180度反転された、粒子砲の雨が、迫ってくる敵影の数機を巻き込み戦場の華を咲かせるも、次の瞬間には、その目視する視界が、一斉に敵味方区別なく
ブラックアウトすると共に、暗闇の無明へを落とされる。その光は、到達せず映らず影のみを残す
《アージナリーワン・ウェポンⅧ》アンロックワン...傷天害理...我は理を変えるもの…
無明の空に対して、放つは、その原理を操作する唯一機のみ、《アンレコニング》(Unreckoning)…
視えぬ異常事態に対して、目を閉じたまま、その姿を誰も捉えられないモノの一早くその種の一部を看破する。
光がその目に映らないのであれば…アイジェスは物理演算による予測をその瞼に写して、対抗する。
量子通信により一斉に戦場での情報共有を行い、暗闇の中で、目標を見失った敵機に対して反転攻勢を仕掛ける。
己の選択のまずさに気付かぬまま。
《アンレコニング》(Unreckoning)を操るアハト=佐伯は、自分だけの視界が開けていると誤認し、空中で重力制御によりその場で浮遊し続ける
《デスペラード》へと襲い掛かる。
ここで一つの仮説が成り立った。《アンレコニング》(Unreckoning)の傷天害理の効果は、あらゆる法則性を無視してその結果と事象を書き換え
その気になれば大気を燃やし有毒化や、大海の海を火の海と化したり、一瞬で氷結させることが出来るだろう。
それが話に聞くという《シンギュラリタス・テクノロギカ》…技術特異点たるその機体の性能の一端なのであろう、一瞬で情報を共有化し、機体の製造物に造詣のある
エクィタス=ユースティティアからもたらされた情報を元に結論を出す。
だが、この状況下において何故重力の反転を止めた?光と重力の二つを封じれば、戦局を大きく傾ける事が可能で有るはずだ。だがそれをしないという事は?
奴が行使できる事象は。ひとつ迄だ。ならば対抗する術は幾らでもある。こちらは限界まで、回してやる。
突然の暗闇の中、相対する《アンレコニング》(Unreckoning)は、自陣の戦艦の機首よりゆっくりと離れ、デスペラードの死角を突いて近づいてくる。
タイミングは一瞬の成否の常、焦るな。限界まで引き付けてから、敵が敵味方区別なく陥る絶死の罠を仕掛ける前に斃す。
その白鞘より、抜き出したる刃は、断り(理)変える無情の刃、闇より出でし瞬間に、その刃を突き刺さんと迫る。
瞬間、後方宙返りを繰り出し敵の足下…足元より伸び行く牙を研ぎ澄まし右腕の爪のそれを展開と共に
切り上げる一撃を見舞う。
奇襲から一転、油断し不用意に近づいた白磁の機体にむかって振り上げられた重力子の刃が浅くその装甲を焼き、神垂の一部を切り飛ばす。
突然の襲撃に、光の法則を変えても尚、こちらの動きを捉えてくるその行為に対して、応戦を選択、
玉露萌し、水滴舞う刃が、振るわれると重力子ブレードと交錯、互いに重力推進機構と青白く燃ゆる、推進機構を背に乗せて、
空中を周りの友軍敵軍の姿を障害物として避けながら、時に足蹴り、足場として利用しながら、返す刀で撃沈していく。
二機が相対する戦場は、マレディクト陣営の空域からCarpe Diem側の陣容へと変わり、
暗闇に耐え切れず狙いを付けないまま敵機より放射される光の砲弾は、《アンレコニング》(Unreckoning)の妨害により《コントラファクト》の妨害を受ける間もなく命中せずに散っていく、
それとはうって変わり、物理演算結果により相手の動きを先読みして、まずは第一部隊の攻勢が始まる。
来たぞ…この感覚は、且つての戦場において何度となく経験した…デスペラード…アイジェスのアシストが…
疾走する海上において、敵陣の《グリムズヘイムッ(陰鬱な世界)》の効果範囲を器用に避けながら、使用不能なビーム兵器を他所に右方肩部に備わった、
各種弾頭を切り替え投射する実弾兵装による投射攻撃を敵陣後方に控える駆逐艦、巡洋艦、戦艦、空母に対して襲撃を開始。
唯の置物と化した、それらに対し甚大な被害をもたらしつつ、火の手を上げる。
その光景に、アハト=佐伯は、自らの失態に気付く…これは…理由は分からないが見えてい…。それまで設定していた効果を破棄し、
「俺は、ハルズ=アルマインの奴とは違う。同型機同士で墜とした、お前のその力は、その機体だけの筈がない。油断せず、侮ず。斃させて貰おう。」
詩情を以て貪するは、覇天を仰ぐ、空の元、無数の思考誘導弾の軌跡が描く、死を呼ぶ応酬の中で、その二機の動きは、敵味方が二分する陣容の敵陣から、自陣を横断し、応談しながら進む。
悠久の空を翔けるは、弐羽の烏と白鳥の如き翼を広げし断腸の思いで、迫る弾体の群れを引き連れながらの接近戦を試みる。
繰り出す実体剣の刀身には、一瞬視界が開けた刹那の間に、何処からともなく取り出した、ビーム刃を発振する基部を一つ、弐つ、参つ、刃に向かって斜めに突き出た可変機構を伴った、鍔元に重ねて連ねる、その姿はさながら、空を舞う白鳥の如きその装填を完了する。
直列に繋がられた刃はその発光する光の刃の勢いを増しながら、瞬き、重力子ブレードと衝突し、生じる威力は、拮抗、
僅かに刃の取り扱いに長日をもつアハト=佐伯側へと天秤が傾き始め、
対応に追われる中、脳内に響く音階の残響は酷く間延びした、響きを奏でながら進む。
状況を打開すべく放つ一手は、左の袖口より射出する。質量子ブレード…《グラムクァントラミナ》の発振器…
空へと舞い上がったその重粒子を伴った刀身を展開したまま、刃舞いし刃は、
なだらかな弧を描きながらもアハト=佐伯操る《アンレコニング》(Unreckoning)へと迫り、刃を振るって、弾いたものの、
刃を返した瞬間に、重力子による圧搾と共に射出を開始、
黑く黒く、苦楽を共にした仲間への手向けとして放つ一手が、更に迫るなか、
次の瞬間、視界の明瞭化と共に、どこからともなく現れた白鞘の柄を持つ
基部を、光芒輝く刀身の鍔と柄へと連結させ、一本の長巻や柄の短い長刀状に変じた
その獲物で繰り出すは、刀身より伸びる覇劫が、光の帯となって、其の太刀筋へと変わる
咄嗟の回避行動と共に射線上に存在する《R.I.P》は、船体の前進を停止して、逆進を掛けつつ、横滑り気味に流れる軌道を描き、緊急回避。
船内では急激なマニューバにより、色々な物が散乱し、座席に固定していなかった。ドーナッツが船内で、舞う。
それをパクつきながら、「飯は?まだかい?」とすっとぼけた老人が少年を抱えて、催促する。
巨大な光帯を放ち、花弁開く流動する刃となって、攻勢に出ようと進む、Carpe Diemの規制を制する。
その余波に、巻き込まれたマレディクト側の機体は何が起きて居るかの状況判断すらできずに戦場の露として還り、
その背を仰ぎ見ながら迫る機体同士が、時に追い越し追い越され、デットヒートを形成しながら、次々と、周りの機体に対して、
着地と共に、脚部機構より撃発される特殊弾頭による、推進のブーストの一撃を加え、弾け飛ぶように機体と機体が衝突、陽の華を咲かせて轟沈していく。
《アージナリーワン・ウェポンⅧ》アンロックワン...傷天害理...の対象を光から...突如空中に現れる氷壁と切り替えるも、その動きは遅きに失し、
予測反応のスピードを以て形成される氷壁を潜り抜け更なる奮戦が戦場を染め上げていく。
《R.I.P》と《ディルムバルド》の周辺でも同様の事象が見られ、次第に敵の数を減らし始める。
更には、豊穣を司るその効果により奇妙な光景が広がる。海中より伸びあがる様に生えそろうと、
黒檀の様な輝きを見せる樹木が海底から空中へと伸びあがる様に聳え立ち。その勢いに巻き込まれた敵影と氷壁がその枝に貫かれ、次々と砕かれ落下していく
その行動を止め、何も分からぬまま、海中へと没していく中、マレディク側の機体に時間差で暗闇に馴れたその眼から、その光が戻っていく。
「光はダメだ...」
他に有効な手は...重力は、操作可能なあの機体を潰さない限り、直ぐに反証としての重力変換で巻き返され、そして光が直進する法則を書き換えれば、
視えぬ眼を逆に利用され返される。
ならば…友軍全てにその効果を伝播し、敵の回避行動を封ずる一手とする。それは、且つての戦場の再現をもっと大掛かりにしたものとする。
《ディルムバルド》と《R.I.P》の防御に入っていた第二部隊及び第五、第六部隊の面々は、光学兵器の使用を禁じたまま、応戦の実弾兵装による迎撃に終始していたものの
違和感を感じとる。こちらの攻撃が突然、当たらなくなり、動かぬまま光学兵器を使用し始めた敵の陣営より奔る光の流体が、流れゆく目標を捉え、
防御する《カルペ・ディエム・アスキック》の三重防備の盾へと吸い込まれ、防戦に押し込まれていく。
「(ノ・ω・)ノオオオォォォ-オッ、コワイ、コワイ。なんでこっちの攻撃は当たらないのに向こうの攻撃は当たるんだ?!。」
「まぁ、僕らは一応防御が得意だからなぁ~当たらないのも今に始まった事じゃないし、でも困るのは…」と《シナドロ=アマイ》が後を引き継いで
状況を語る。
「しかし、第六の?久しぶりだな。相変わらずアイスを喰ってるのか?」と《オマエ=ナニモノ》が問いかける
問われて答えるのもおこがましいが...と声を震わせ、大音声で答える
「アイスこそは我が愛すべき人生、そう僕といったらアイス、アイスといったら僕、故にちょっくら突貫してきます。」
「「「オイッ何故そうなる?!」」
「身体はアイスで出来ている、血潮は乳酸、心は、氷、幾たびの食事において嗜好。甘味は、融解されない。」
「なんだその詩は?!真面目にやるぞー」
ほーぃ、と語り掛けると同時にそれは、機動を描く奮戦を開始する
周囲に浮かぶ氷壁の障害物が、切り込むように進む第六部隊の進路を妨害するも、
寸前で、回避行動を選択
射列を揃えての、砲撃戦を仕掛け、砕氷とする。
・・・
・・・
・・・
おやぁ?何やら後方が煩いですぞ?それでもと、モードセラフィムによる、フロストフェザーを展開しつつ僚機達をカバーし続けるアンザスは、家族がいる《R.I.P》へとは
近付かせない様に自らを囮に敵の集中砲火を凌ぐべく、両腕の実体剣の刃と楯を使って敵の攻撃を捌く様に切り払い、返す刀で背面部副腕よりの射撃を
乳輪厚き乳首と共に龍鱗の《falcis》を展開、その乱れ飛ぶ刃を駆使して群がる敵機へのけん制とするが、
此方の攻撃が当たらない…この状況は…アレと似ている。
考えられる理由は…
すぐさま展開しているフロストフェザーの収束率を変更、凹レンズのジャミング効果を自機を含む自陣のすべてを対象として360°試み、同様のアドバイスを瞬時に量子通信により、
ひたすら尻に鞭を入れ恍惚の表情となっている男たちへと、その言が届く、
指揮を執るリン=山崎はすぐさま激を飛ばし二人の僚機に対して、《ニヴルヘイム(霧の国)》の仕様変更を指示する。
目標は、《マレディクト・ペルフェクトゥス》だけでは…ない…戦場を縦横無尽に奔る。首魁が放つその異様な力に対しても霧氷の盾によるジャミングを試み、
心得たとばかりに…
「マザーッのケツバット舞ってますッ!!!」と、コックピット内で踊り狂うインヴィクトゥス《不敗》07、インヴィクトゥス《不敗》08は、指示通りに凹レンズによるジャミング効果防備を敷き始める
「この戦いでは、お前達が肝になる。《お調子者》(ストゥルティ)と共に、戦線の支柱と成れッ!」と激を飛ばすリン=山崎に対して、
第六部隊の面々は、「アイアイ、マザー」
「僕らもそろそろ突撃してくるね?これ借りていくよ?」とばかりに、友軍の援護の為に射出された。
《スラッシュライナー》と《シールドメテオフォール》《ロビンフッド》を受け取ると、二機ずつの組み合わせで分乗し、一目散に、敵陣深く突撃を開始。
「よっさー僕バニラアイスたーぶょぅ!ッこれ貰いッ!!!」と、アイ=スクリームは《スラッシュライナー》より、刃の基部を引き抜くと、
「あいあいッ隊長、援護頼んじょったよ」と、同乗するアスハ=ワガミへと《ロビンフッド》を寄こすと、
「はぁーやっぱりこうなるのかぁーしかたねぇなぁ、使い道はどうすりゃいいんだ?ん?罠の起動は半自動で可能って事か?ならッ!!!」と、腰部実弾兵装を切り放し、着装を試みる
《シールドメテオフォール》でSスラロームを描きながら敵陣に進み出るココロ=アラズとディ=ストレーズは、操作を行うココロ=アラズと、その背後から
迎撃の一手を引き受けたディ=ストレーズが、敵陣の左翼面へと襲い掛かっていく。
翔ける二つの機影は、左右に旋回を繰り返しながら、実体弾の投射と、実体刃を《カルペ・ディエム・アスキックアース》のワイヤー機構と合わせて投擲し、
繰り出される刃は群がる敵に向かって投射されその刃が突き刺さった瞬間バランスを崩した敵同士が空中で激突、
誘爆を誘発しながら、弾かれた刃がクルクルと爆風に流され空中で回転しながら手元へと戻ってくる。
繰り出される《グリムズヘイムッ(陰鬱な世界)》の勢力圏へ入るもののアンザス機と友軍から援護が届かない敵陣深くまで進展すると
ついでとばかりに敵の艦船に対して、時間差で放つ《天地併呑》(ウニヴェルスム・デヴォラーレ)を交互に繰り返し、回避する間も厭わず、
射かけ始めるがどうしたものかと、その狙いが外れたかに見えた。30秒のクールタイムと妨害するその効果に対して、
空を逝く舞台としての支援機に乗ったまま、その背面に何かの姿が映る。
ん?アスハ=ワガミは《ロビンフッド》を半自動で起動したものの足場と化した支援機の上部より《ニヴルヘイム(霧の国)》を展開。
常に足場の上で停止しているのであれば、その効果を十全に受ける事は可能。反重力スラスターによる浮遊軌道を魅せる
二つの機影はぐるぐるとその場で360度回転しながら射撃戦と変則近接戦闘を展開
放つは、飛翔する。大型の刀身と複数の刃で構成されるサブフライトシステム(SFS)
《スラッシュライナー》を操り、投擲を繰り返し、
冴えわたる刃は、群がる敵影、《ブレイズ=ガルヴ・ディム》へと迫る中、直前でその刀身を翻し、回避行動を執った目標へと、追尾する様に迫り、敵陣に切り込んでいく。
アンレコニング》(Unreckoning)より迫る光帯が、離れた場所より、第六部隊へと迫る中、接近を察知したココロ=アラズは、咄嗟に《シールドメテオフォール》の底面を楯として、90°回転するトリックを仕掛け、展開される重粒子の光膜を展開、防御とし、
併せてアイ=スクリームも《スラッシュライナー》で同様のムーブを極め、直上から迫る攻撃を凌ぎきる。
その光がとおり過ぎたあと、周囲に展開していた、敵影は、その余波で、爆発四散し、溶断された残骸が海へと落下していく姿が見える。
迂闊に油断の出来ない状況で、物理演算による未来予測を頼みの綱とし、当初の問題である敵機のフィールドによる対策として、楯を掲げると、その基部をハンドサインで指し示し…
ん?アスハ=ワガミは、いったいなにを示してるのかと?訝しみつつ、その行為の意味を知る。
《ロビンフット》より放出される空中浮遊型の地雷の効果を《ニヴルヘイム(霧の国)》へ限定し、補助腕を使ってその躯体を180°反転させたまま固定、
機体のシールドへと絡めて、放射部を表として直接の冷却とジャミング効果を得るためのひと工夫を仕掛ける。
…これであればシールドを向けた方向からの効果を減衰できる…問題はこれをやるとシールドが一切使用できなくなるが、その不利は仕方なしとばかりに、
脚を止めてからの射撃戦から、高速マニューバによる戦闘へと移行する。
春幸は争いの渦中に踊り込んだアイジェスの背を追いかけながらも、戦局は徐々に動き始める
この現象、この状況は…あの機体を中心として動いているはずではあるが、二機の機動を上手く追いきれず、敵陣深く取り残され突きこまれたCarpe Diem陣営がマレディクト陣営内部へと切り込んでいき、そこへ手負いの獣と化した、集団に囲まれ、
回避行動が疎かになるも、左腕に展開する龍牙連爪より吐き出す龍の息吹をPyrolysis Breathから、結晶を噴霧する《Freezing Breathへと変更
噴霧されるダイヤモンドダストの結晶体に阻害され自機と敵機の回避行動を逆転させるその現象に異を唱え、
自らも最大加速を以て相対する敵機と、邂逅を果たす。
この現象は…《ヴォーパルバニー》の機能に酷似してる…ならば同じ方法で防げるはずだ?
《シュートサプレンダー》の脚部機構を全開にして、加速軌道へと入ると、周囲を追いつ追われる。いつ果てる事も無い追いかけっこを
ある時は鬼に、ある時は逃亡者となって、現れいでしは、無数の機体。
クイックモードの制限解除は試みないまま、反転する脚部より奔る姿は一羽の黒鳥、その翼より生じる揚力を以て疾走するは、四方の空間。
位相空間固定アンカーを交互に射出しながら、左右に機体を振り、最小の軌道半径を以て攻撃を避けつつ上昇を果たし先で。
下方の敵に対して、サプレッサー内部で、装填された弾体、《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)製のカートリッジを消費しての
都合、五門の透過する粒子の一端、輕量子を撃ちだす砲門が、突撃螺旋戦葬の基部より加速、射出される劫媒となって、華開く、扇形に放射される
光のコントラストをばら撒きつつ、命中した機体のメインカメラ機能を喪失させ、続く実体弾の投射により、追いすがり上昇を試みる敵機を叩き堕としながら、
続く軌道は、機体の角度を頭上を海面へ、脚部を蒼空へと掲げ、反転する視界の中、次々と炸裂する脚機構を操りながら、稲光とは逆に逆落としの軌道を以て、
群がる敵の姿を駆逐していく。
その間においても、互いに刃を撃ちあいながら疾走する白磁とトリコロールカラーの二柱は、巻き込まれるマレディクト陣営の姿を無視しながら
その命を徐々に刈り取っていく、時に、急激なピッチアップを掛けて、空気抵抗により機体スピードを落として、互いに敵の背後を盗ろうと
高速移動を行うが、重力制御推進と、機体が進む先の空間と空間を一つとして、一瞬で現れては消えるその姿を追って、
突き進むその姿を捉えるのは至難の業
視界の光景にハレーションを生み出しながらも予測反応するその動きが、いつの間には追撃していた立場が入れ替わる。
相対する敵機は、その軌道を描く道筋を自由自在に繋ぎ変え己の優位な位置へと変えていく
敵機に背後につかれるも急上昇し、意図的に推進機構の稼働を切り失速状態を起こす中。 失速した自機を敵機が追い越すと、
再度の推進機構を点火、慣性による姿勢制御で失速状態から回復。相手の目をくらましつつ背後に回りこむ。
さながらヒラヒラと舞い落ちる木の葉の様に見えたその軌道を以てしても背後を獲った瞬間に《アンレコニング》(Unreckoning)の姿が進む距離の法則が
入れ替わり、前進すれば後進させられ、後進すれば前進させられる。その奇妙な体験を通して、
打開策を得るために思考を巡らせる。唯一の救いは目標の手には射撃兵装が見当たらない…
しかし、アハト=佐伯は、舌なめずりして、呟く、「お前の味はどんな味がするのだろうか?」
握る操縦桿の手は、荒くそして繊細なコントロールを見せたまま、何もない虚空に突き出すと、取り出した多重連装式の獲物を取り出すと
その距離を100から0として、握り込み。回転する銃身から、強化乱撃を生みし、白濁とした、閃光を振りまきながら追撃へと入る。
敵機に背後を取られた危機により更に降下を実行し、度重なるロールと小旋回軌道を描きながら回避機動を展開、
降下ギリギリの位置まで降り下り、直下に陥る戦艦の背にぺリ・インカヌスを展開、周囲の機体を吸い込みながら、吐き出す弾体として照射
船体の下部より点に突き刺す一点を描きながら、スレスレの低空飛行を飛翔しながら、
相手が再上昇したところを見計らってこちらも上昇し、背後から落とす方法。相手よりも自機の高度が低く構えた銃口より
通常の八発分の粒子量が込められた射かける黒と銀劫を纏わりつかせた三射を解き放つ、其れ迄、押さえつけられし、その咆哮が、
連弾する音階の如く時間差で突き刺さる銃撃の射線は別々の道を行きながらも、
お互いの背を推すかのように三重に重なると、その威力と勢いを増し、
戦場の趨勢を崩すべく《コントラファクト》の防御を抜けて敵艦へと突き刺さり、爆炎を上げて船体を折るなか、
燃える炎が氷尽き、そして水が燃え上がり天高く生えた木々の幹を焼き始める。
残る手立ては多少危険なものの…敵軍に一打を加えるべき一手とするは、大気と水を燃え上がる炎と替える暴挙を忍ばせようとするも、
その地獄の様な光景のなかで、更なる対応を迫られる。
喩え、神の如き力を振るう相手であろうとも…俺は…人の身である人の心と身体を以て、但し一人の人間として、神に挑もう。
俺は、しがない人間であり挑戦者だ。その足元を掬う。救いの御手を持ち、詳らかに語り、そして対抗する。
・・・
・・・
・・・
一方、敵船団の切り崩しを行っていた第一部隊の面々は、単独での《天地併呑》(ウニヴェルスム・デヴォラーレ)一機づつ30秒の冷却時間を次に見舞う機体をローテーションさせ、生じる隙を埋め合わせながら、突如陥った暗闇から復帰するも混乱する敵陣営を他所に、互いに予測演算結果による挙動で、翔ける無数の僚機達が、また一機、また一機とその姿消し炭へと変えていく。
そして...その決定的な軍勢との邂逅を果たす。
後方部隊である《アングレイル》部隊が、《アンレコニング》(Unreckoning)の理を変える機能により、本来は断絶しているはずの距離を理を歪め縮め
突如現出する敵機が、包囲挟撃陣形を形成、その銃火を以て押しつぶさんとその一手を切る。
単純な正面戦闘と誤認させ、温存していた。切り札を以て押しつぶさんと仕掛けてくる。
罹る詩情は、私情となって、僚機達の精神を動揺させる。その機体の発する声と挙動はかつての仲間の動きと酷似して、
さらには人体の挙動にも近い鋭敏な挙動をみせつつ襲い掛かってくる。
…
…
…
※2026年1月8日誤字修正
「親父?!これはどうしたら良い?」
「おじさんッ」
「ドン・キホーテッ!!!」
私兵ならぬ死兵を連れて来るに飽き足らず、死者の墓を暴いて、死なずのゾンビを引き連れて来るとは...
「ドン・キホーテッ、静かに眠らせてやってくれ...」絞り出すようにその答えを問う声は、かすかにふるえていた。
リン=山崎のその声に呼応して、
意を決して叫ぶ声は無辺の海原へと響き、
粒子が...世界を覆う...。豊穣を謳う光と粒子を巻き散らすその光が、移植された素体同士の拒絶反応を抑え、
残り少ない時を家族と過ごす時間に当てるしかなかったある男の疵を次第に癒し始める...
仲間たちと伴侶の危機に鹵獲した機体に騎乗し、工廠艦より出撃すると
機体に搭載されていた機能を使用して周囲の機体の操縦権を奪取し、同士討ちの状況を作り出し、
燃える様な水蒸気を放ちながら宙に一筋の爆音を轟かせながら閃断する一文字を描き、
空の上で奮戦する伴侶の元へと舞い踊り向かう。
背中併せで、参上した桜=アーデルスワットの身体の不調が、やわらぎそれまで、濁音交じりのその声から、且つての声が響き渡る。
「「「そうは喰わない。喰らえ、喰らえ。喰らえ。俺の名は、ソウハ...其処にある、穴...違う。秋桜=アーデルスワットいや、何物でも無い。唯一人(三人)の愛する最後の伴侶、お前達に一杯喰わせる男だ覚えとけ、受賞式には呼んでやる。」」」
「「「気にするな、俺達は、其処に居ない!!!!此処にいるよ。」」」
戦場を横断する一筋の流れ星は、蒼空をひと凪ぎする一陣の風となって、突き進む。
脚を忘れて駆け抜けた無情の流れる星の元で、蒼空はこの世の何処にある?と
それは何処でもない君の元へと奔る流星。戦場の趨勢を期す一打は、解き放たれ、そしてその光景は...
...
...
...
と、続く。
ならば、今一度思い出せ。お前たちの想いは一度死んだぐらいで亡くなるのか?この身が砕けたとして最後の瞬間まで俺の事を愛してくれた人を俺は知っている。
それに応えるかのように俺も彼女の事を...
ならば今一度思い出せるように、背中を押すだけだ。
ママッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
映し出されるは、敵陣のど真ん中に表示されるその姿は、リン=山崎の立体映像と、その声音が敵陣に対し、その声と息遣いと熱い体温の温かみを送り届ける。
ママだッママだ。隊長、大好き!!!
次々と相対する戦場の中から無数の《アングレイル》が戦線を離脱し、逆に反旗を翻し《アンレコニング》裁かれぬ者と殺到していく。
空域を埋めし、其の二つの禁じ手を放つ、周囲数百キロに及ぶは、音と光の饗宴、もてなされしは、死せる遺骸たち、
されど以外にも思えるその声が、其の行動が戦場を染め上げ、そして、一つの希望を其処に残す。
嗚呼、そうか、もし仮にお前の言う通り、遺骸を流用して使っているのであれば...本来の理から外れたその力と機能を遣えば、
死んでおもちゃにされたあいつらの事も助くることが出来る。
その難易度の難しさはあるがその声、其の涙、其の願いを胸に、漢は、其の難題に向かって飛翔するアイジェスは、花歌を歌いながら、
不敵に笑う。結婚式には、今度こそ出席させて貰おう。
全ての《falcis》を此処に解き放つ...乱れ飛びし結末は...ここに。
「戦争が楽しいだと?それは否定しない。だが、人が戦えるのは、希望があるからだッ!!!?」
続く。
〆
毎月、月末最終日に2話更新予定。
⇒家事を知ろという意見があったので今後は月に一話更新とさせていただきます。敬具
誤字脱字、誤りがあったら修正するので、教えてください。




