第十六話「繋がれざる者」
※イメージソング
森本ナムア - S•O•K•U•B•A•K•U!!
https://youtu.be/lLX0EWXl-40?si=igfmpmE2xmYp0BSU
Maica_n -「Unchain」
https://youtu.be/g8h7yy4u7Lc?si=bHCqudu4RmKK1VJ5
君の神様になりたい。 /カンザキイオリ【2nd ONE-MAN LIVE「別れなど、少年少女に恐れなし」】
https://youtu.be/UHR_OPr1BQ0?si=HTXukVWYZj3nOwX2
成長痛
カンザキイオリ
https://youtu.be/7rlG7GlGM7g?si=BTlXeVHWVtEuKnfl
ReoNa『HUMAN』Acoustic Studio Live
https://youtu.be/GordT82YQXk?si=UX4EJUV4IMRfVlmD
※凡そ私自身に歌詞の内容が関わってる。
俺は全てを超越者たる神様じゃなくて、悲しむ誰かに寄り添う、人間になりたかった。
ただの怪物だった俺は、そんな人間になりたかった。
何故ならば、神は隣人にはなれないし、雨を止める事は、出来ても、神様でいる限り、傘を差して、一緒に雨に濡れてはくれない。
誰かの代わりに泥に塗れる事はしない。
だから、唯一人の今泣いてる君の隣にいる人間でありたかった。
だがその祈りも嘆きも、悲しみもすべて消えた。
だから俺は、殺戮者になる。
そう誓った。星降る夜の闇の中で、その宙域に迫り離れて行く。二つの軍船と一つの集団が離れ、近づいてくる。
それらは、宵闇の宙を貫く、消えゆく星の翳を仰ぎ見て、その異常事態を観測する。
「ジンボ=ジラマ様...あれの処遇は如何いたしますか?」戦場から徐々に離れて行く僅かな供を伴い。思考し、友軍に答える
(ジンボ=ジンタは、戦場で散った。故に、指揮権は、私に移った。)
「あれは、ダメだ。戯れに身分を隠し、可愛がってやっていたが、死んだ私に固執しすぎる。もはや度重なる《聖痕》の移植手術により、思考と制御が効かなくなっている。」
「ジンボ=ジンタが死んだ今、この場であの機体を制御できる物が居ない。」
(遺伝子マーカーの確保は、難しいか??)
「包囲が崩れたもののどうにか、奴にぶつけたいが?欠陥品の動力炉を抱えどこまで行けるか?下手をすれば...巻き添えを喰らうが...」
「我が軍の戦力で、アレに対抗できるのは...しかない。制御は効かないが、念の為、強制停止のコードはいつでも撃ち込める様に準備して置け。」
艦橋のモニターには、その対象に関する情報が映し出される。
機体ナンバー...Ⅲ《アンエディテット》(Unedited)・・・1.編纂されぬ者…機体特性・・・その攻撃や機体には、なにもののも干渉を出来ない。
武装各種...
《マンディブラス》
《コッレクティオハンズ》
《フィニス・マグヌス》(Finis Magnus)
《ウンギス・マグヌス》(Unguis Magnus)
《アージナリーワン・ウェポンⅢ》
動力炉...《参式プランクエンジン》一基、リアクティブジェネレーター二基及び...
その姿は、以前、Carpe Diemの軍勢を屠った時とうって変わって、その手には、長銃身の獲物を抱え、その砲身の左右に、
広長なフィンが、互いに噛み合う様に基部を切れ込みが入った板同士が、回転し、緩い空気感を放ちながらクルクルと回り続ける。
素体の頭部は下顎のみで、本来頭部が存在する箇所には大きな欠損がみられ、代わりに小惑星帯を討ち貫いた、緋の色の熱源体の痕跡が浮かぶ。
その他の機体各部には、長く角ばった直角台形を何本も継ぎはぎしたかの様なシャープ且つ肉厚な、フレームを見せるもその様子を伺い。
近づく艦隊の一隻から、急発進を繰り返す光景を視認したのか、何かがこちらに向かってくる。
「アンザス=フライハイ!!!男尻が出るぞ!!!!」
「お前達とは腐れ縁だし、ちょっと遊んでやるよ...」
「アイジェス殿が戻ってくるまでの380秒間、拙者が稼いで見せるッ!!!!」
且つて、《アイ=アシン》だった者は、その身を官能に捩り、その目標へと目を向け、その姿を軋ませながら、方向転換を果たす。
(・д・)チッ
「《お調子者》(ストゥルティ)に、遅れるな。俺たちも出るぞ!」
ハルズ=アルマイン及びアハト=佐伯らを先頭に、第四部隊と第七部隊の面々も続々参戦。
既に自軍の全面に展開していた。僚機たちの姿を見送りながら、一気に先陣を駆け抜けらんと、欲する。
前陣を任されていた。第一部隊、第二部隊、第五部隊の面々は、その光景に目を瞠りつつも、戦闘態勢へと移行する。
《R.I.P》艦橋内の観測手は報告する。
「敵識別コードは...不明...。いや、消失した第一陣からの報告と、同一個体と認定。呼称を編纂されぬ者...アンエディテッド (unedited)来ます。」
(・д・)チッ
ナンネン=ハイマンは、予め対策と立てていた。艦砲射撃と織り交ぜた、ビーム攪乱幕を展開。あらんかぎりの弾頭を込め。その宙域へと、放つ。
「ここが正念場だ。総員、戦闘態勢へ、敵の射程距離圏内だ。ダミーと攪乱幕を投射、対ショック姿勢。衝撃来るぞ?」
《R.I.P》を先頭に進む艦影の群れは、今打てるだけの手札を揃え、対抗策を撃ちだす。
「こちらの射程距離に入り次第、全砲門、及び、実体兵装、撃ち方はじめ。」
「《R.I.P》も前に出て、敵機に至近距離からの主砲を...月都市を焼いた光での攻撃を試みるぞ。」
慌ただしく動き回る艦橋内のスタッフの中を心配そうに見守る。春幸とその父親は、スタッフに促され艦橋から、退出させられそうになった時に...叫ぶ。
「艦長さんッいや操舵手さん!!!後ろッ」
間に合わないッ
咄嗟に操作パネルに飛びつくと、逆進用のバーニアーを点火。船が、強烈なGを生み出しながら、後方へと流れる。
「少年何を...」と叫んだ瞬間に、それが起こる。
急制動を掛けて船足のバランスが崩れた瞬間、突如現れた光の柱が、何もない空間を刺し貫き、余波で、副砲の一部が焼き切れ、
艦橋内にも衝撃が走る...
(これか?報告にあった。攻撃は...?だが?何故、少年が察知できていた...?!)
(そうか?アイジェスと同じく...そうであれば...)
スタッフに抑え付けられていた少年に対して、艦長は、周りのスタッフへと、
「良いッ。少年何かに気づいたら、指示を出せ。操舵手は、少年の指示の通りに。各部、ダメージコントロール。破損個所の消化及び、被害を報告」
「艦長ッ?!」
「疑問は後で良い。だが、攪乱幕が、機能してないだと?!次が来るぞッ回避だ回避。」
(ふむ。《コッレクティオハンズ》狙いがそれただと?)
戯れに、旗艦のみを狙ったもののその狙いが外れる。まぁ、良い。
次は、全対象だ。
光の本流、周囲に展開されていた数編隊の機体と、艦船の数々の死角に、突如として、光の球体が浮かび、目標がロックされる。アンエディテッド (unedited)の主兵装が展開される。
その様子はさも、展開しているビーム攪乱幕の干渉を受けていないかのように見えるも、
気付いた時には背後から撃ち抜かれる。
その光景が、至るところで見られるか?その半瞬前に、艦長から通信機をひったくると少年の声が響き渡る。
「みんな、後ろッ!!!」
突如、聞きなれない少年の声が全チャンネルで展開され、いまだ戦闘濃度迄、達しないその宙域で、警告の言葉が響き渡る。
(これはッ?春幸少年の声?だとすれば)
警告に反応して、アンザスは、咄嗟にフットペダルを強く踏み込み捻り込みを入れつつ斜め前へとその機体をスライド、
光の砲撃が、僅かに操る機体を掠めて通り過ぎていく...
...
...
...
嘗て、《エーリヴァーガル》が存在していた。宙域では、その姿を見失ったもののどこからともなくやってきた第二陣の攻撃に晒され、
《デスペラード》の戦速が鈍る。
彼我の距離はまだ遠く離れて、こちらからの援護は...味方と合流するには、これらを排除してからとなれば、合流時間...通常時の戦速で途中の戦闘を踏まえれば380秒強。
今の状態であれば...
廻る天蓋は、星空を映し、戦局を伝えてくる。
光る明滅の火は未だ、撃墜の華を咲かせず。宙を貫く複数の光の筋を残して、消える。
だが...
アンエディテッド (unedited)は、その手ごたえの無さに、歯嚙みする。何故かこちらの攻撃が読まれる。
ならば《コッレクティオハンズ》での奇襲は、辞めずに、さらにその数を増やすことで対応する。
前後左右から迫る光の波涛を母艦からの指示に合わせて、回避する。
いずれも、その光は機体を掠め、戦闘を奔る。アンザスの元へと集中砲火が迫る。
迫る遠距離攻撃を捌くもその距離は、離れ対抗として撃てるのは、四機編成の《カルペ・ディエム》から放つ
《天地併呑》(ウニヴェルスム・デヴォラーレ)による長距離射撃だが、前回の戦闘では、其の全てが通用しなかったとの報告を受ける。
ならば...と、新たに対策として考えられたのは、実体兵装による空気抵抗を考慮せず放つ、長距離飽和攻撃。
その種は、既に新兵装として組み込んでいる。
《カルペ・ディエム》各機は、背面部に装着されたランドセルより、鉄の拳、アイゼルネ・ファウストの弾体を専用の銃身へと差し込むと、
狙いを付けて投射する。
「《頭脳》セレブルム01より各機、実体弾による一斉射撃後、母艦からの指示に従い、回避運動。足は止めるな。理由は、良くわからないが、声に耳を傾ければ問題ないぞ。」
「《臆病者》(クヴァイリス)各機も前線に上がれ、撃ち漏らすなよ?」
「《頭脳》セレブルム01無理です。(ノ・ω・)ノオオオォォォ-おおおコワイよぉぉぉぉ。あっシッコが漏れた。」と《オウ=コワイイ》は叫び
オマエ=ナニモノが、答える。「隊長、体調が悪いです。恐ろしすぎて自分も漏らしました。」
「ん?それなら、俺は既にビックブラザーの双子を産んだぞ?なんだあれ?喰らったら一撃で死にそうなのが、死角から飛んできたぞ?」
「良いから狙え。みんな尿漏れパットの替えは?持ったな?糞を漏らして死にたくなかったら撃ち続けろ。」
一様に警告の言葉に耳を傾けながらの長距離射撃を敢行、
次の言葉を待ち続け、何かを息を飲む様に、声を掛ける。
「みなさん、アンザスさんの進む先に、狙いを付けて撃ってください。」
「そのまま行けば直撃できます。」
ん?なんで?みんな拙者の男尻を狙うの?????
ビーム兵装である射撃戦を捨てて推力を全開にして、その前面には長大な長さの騎乗槍の如き、その基部を晒す獲物を構え突撃する。
理由の分からない指示に対して、一抹の不安や疑念が残るものの、
ハルズ=アルマインとアハト=佐伯を中心とした、第四部隊と第七部隊の面々は、隊列を組み先行するアンザスの左右から追従する。
その最中で、機体の指揮を預かる。第一部隊《頭脳》(セレブルム)宗谷=大石は、直前のブリーフィングを思い出す。
本部の観測状況の分析によると、前回の戦闘では、粒子砲の一種である《天地併呑》(ウニヴェルスム・デヴォラーレ)は、確かに直撃したものの敵機の
防御を貫くことはできず。次点の実体兵装との同時射撃であってもその機体に傷すら与える事が出来なかった。
その報告を受けたクルーニー=ブルース特別顧問とヴェニ=ヴィディキは、頭を捻りある結論に辿り着く、それをこの旅路で離れ離れとなった陣営へも長距離レーザー通信を介して伝えあって居た。
今までの、歴史上や知りうる情報の中で、その類似例を探す。そこで敵の防御機構を粒子系のエネルギー兵器一切が効かない機体だと仮定する。
前回の戦闘で行ったのは、粒子砲の一斉掃射と、実体弾と粒子砲の一斉掃射。残るのは、実体兵装のみでの制圧射撃と実体剣や光剣によるフィールド内部に入ってでの接近戦。
そこまで近づくには、どうやって敵の猛攻を防ぐかに焦点が当たるものの現状では、その確率は限りなく低い。が、どれか一機だけでも相手に届けば良い。
その分析結果を頭の中で軸として作戦を組み立て部隊は進む。
各機は、事前に方向指示を同期したジャイロセンサーを確認しつつ急速上昇と下降を繰り返し行い足を止めずに奔り、捻り込みの軌道にも似た、
旋回中に急激な横滑りを起こして、放射する一撃を回避、次第にその距離と詰めはじめるも、
散発的に放たれるアイゼルネ・ファウストの弾体は、初速が遅いモノの、宇宙空間ではその進行方向への推進力を減衰するモノは存在せず、直進し。
やや、狙いが続ける違和感を感じつつも飛行するアンエディテッド (unedited)のもとに、一射、二射、と次々に着弾する。
その熱量による変化にたいしては、影響がないモノの生じる衝撃波にさらされ、その機体の各部に確かにその衝撃が伝わる。もののその機体は健在。
(でも、当たってる。)
「よっしゃー行ける行ける。叩き込むぞ。あっ」
調子に乗って足元を踏み外し、警告の声を聞き逃した、ソコニ=アルナの男尻に、火が付き、光に包まれる。
「嗚呼ああああああああああっ」
瞬間、電光が奔り、勢いのまま、その機影が明後日の方向へと射出される。
疑似的な電磁バレルに囲まれ、音速の数倍程度に抑えられたその加速スピードで直前で、緊急回避、
Σ(・ω・ノ)ノ!
なんぞ?見ると戦場の至る所で同様の現象が起きる。
なんだあれ?なんだあれ?
ちィぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。未だその威力調整と、僚機同士でぶつからない様に、計算しながら、その攻撃が命中する直前で、
電磁加速による急速移動により、其の全てを回避し続ける。僚機へのフォローをしつつ、自らも回避運動を繰り返し、返す刀で撃墜し、血路を切り開くべく、
やる事が多すぎる?!!
こちらは直撃を受けても通常兵器では撃墜されないが...万が一がある。続く一手を練りながらも、戦場の場面は再び移り変わる。
「《仏頂面》(トルウス)01より《頭脳》(セレブルム)01へ、具申する。適性機体への打撃力は...《お調子者》(ストゥルティ)達以外にも、
「アイジェスが残していった局地戦オプションを装備した、インヴィクトゥス《不敗》と我が第三部隊も向かった方が良いかと?」
ふむ、と一泊呼吸を置いて、その決断を下す。
「勝算はあるんだろうな?」
「Carpe Diemカルペ・ディエムッ!!!」
「ならば、良い。ここは任せて先に行け。」
アンザスを先頭に第四、第七部隊か前線を押し上げつつ、第二部隊は、明後日の方向へ飛んでいき、器用に逆噴射を繰り返し、其の挙動を元の慣性へと進めるべく
奮戦するソコニ=アルナを拾い。背後から合流してきた、第三部隊と、其の歩調を合わせて飛翔する。
その動きにアンエディテッド (unedited)駆る。アイ=アシンは、今だ撃墜できぬその結果に、違和感を感じる。
確かに回避不能のタイミングで、撃墜したはずだが...突如走った光により、其の位置がいつの間にが射程圏外まで移動している。
ならば、今度は逃げられない様に...
その獲物から回転する放熱板らしき板状の何かがその砲身から離脱。正面から迫る。数機の機体がこちらに向かって、ビーム兵装から、実体弾の攻撃に終始晒され続ける。
...
うっとおしい其の攻め手に晒され、機体各部の損傷状況を知らせるコンソールの光には...
損傷率...0.01%
まだまだ、傷にも満たないその被害に、燃えるように下腹部、肺、角膜、舌、肝臓、すい臓、鼓膜の七つの聖痕の跡が、
燃えるように熱く、身悶えさせ、奇妙なその基部に対して命令を下す
「行け、《アージナリーワン・ウェポンⅢ》...アンロック…ワン…サイドスライサー」
音声認識を含んだその呼び声と共に一斉に乱れ飛ぶ剃刀状の基盤をその目標に対して弄ぶ様にその猟犬を放つ。
淡い深紅の緋の光を放ちながら、飛翔する其れは、危機を知らせるアラートが鳴り響くなか、
改修型のディエムが構える低ビームコーティングシールドに張り付けたオービットマインから供給される熱量により、恒常的にビームシールドの展開を行う三段構えのその防御に、突き刺さると何の抵抗も見せずにその装甲ごと、左腕のマニュピレーターを斬り飛ばし、続く二枚、三枚の剃刀の刃は、縦横無尽に奔り、
片側の手足を喪い、大きくそのバランスを崩す。
「コリストスッ!!!!」
咄嗟に、コールサインを無視して、《自信家》コンフィデンス01こと、《ハルズ=アルマイン》が吠え、
援護の為に、《ニヴルヘイム (霧の国)》の発動を試みるが、アハト...《切り札》エース01が、珍しく警告の声を上げる。
「それは使うなッ!!!母艦からの通信が途絶える。敵の攻撃のタイミングが分からなくなるぞ。」
「じゃぁどうしたらいいんだよ、糞がッ!!!!!」
そこに、騎兵隊の様に割り込んできた機影が八編隊の機体群が、乱入してくる。
無情の刃が僚機を切り刻む最中に、割って入る様に大型のペンチにも似た大型の機体大のそれが、期待を滲ませ飛来してくる。
持ちての一部が解けた電子殻チタン合金セラミック複合材の外装は、其のままに黒々強いその基部は、打ち鳴らす鈍い刃を魅せながら
空中で振り回すとその刃の群れ同士を掴んだ刃同士で撃ちあい破壊せんと、迫る。
背後の味方が堕ちようとする姿を視界の端に捉えつつ...。
今は、男尻の魂を見せてやる。騎乗槍の如きその武装を構えての突撃を選択。楯で受けるいつもの動きは、恐らく、無理だ。
ビームシールドの防御も偏光フィールドの楯も役に立たない。
此処は距離を詰めての接近戦に賭け、こいつを直撃させるしかない。斃せないまでも、幾分かの損傷は与えられるはず。
垂直方向にバレルロールを繰り返し、敵機の動きを予測し、その動きを読み切る。
ふと、自らの腕を眺めると、お守り替わりの女性ものの装飾品をぎゅっと握ると、
男尻に賭けて、戻らねばならぬ。だが、雄尻とは、死ぬ事と、見つけたり。今ここに、アイジェス氏は居ない。
ならば留守を任された自分が奮起するしかない?
急上昇と急下降を繰り返し、敵機の攻撃を回避するために急旋回しながら、ヴァーティカル・ローリング・シザーズ(Vertical Rolling Scissors) とも呼ばれる
敵機との距離を調整しながら左右に交互に旋回することで、回避行動と主に推進力を全開にしてひたすら目標へと近づいていく、
機体制動の中、剃刀の刃が機体すれすれを通過するも、機体を斜めに傅きその刃から緊急回避を繰り返し、
少しでも後方の僚機たちに狙いがいかない様に派手に動き回る。
無力な自分では、それくらいしかできない。と、後方では舞い踊る剃刀の刃を、どうにか対抗すべく、改修型ディエムは、クリップ型のビームサーベルを取り出すと
機体に搭載されている四本のビームサーベルの基をお手玉をするようにクルクルと回転させながら次々と差し込むと、大質量の光剣となって発振する刃を楯に、その攻撃を防がんと奮戦するが、
振り下ろすその刃は、若干の抵抗を見せるも、その発振出力から放たれる粒子を周囲にまき散らしながら次第にその刃が、コックピット前面迄、徐々に近付いてくる。
刃は刻薄な断頭台となり振り下ろされるかに見えた瞬間に、ディエムペルディディの足撃が横合いから飛び込み、互いにバランスを崩しながらも、その狙いがそれる。
「アハト、助かったぞッ!!!!」
ん?この光景どこかで見たような、記憶の端でいつかの経験がフラッシュバックする。
乱れ飛ぶこちらへの小口径のビームと、思考誘導の弾体が乱れ飛び、それぞれの攻撃を器用に避けつ、撃ち落とし、自らも戦場の華ある花となるべく奮戦する。
そこに、陰から突如、いつの間にか並走していていたのか?一機の僚機...。
暗闇では見にくい紺鼠こんねず色の機体色のそれが、突如、アハト機を踏み台として、現れ、その蹴り脚に押し出される様に、月面の下方へと、押し出され、その通過下した、背後に、フレイミングティース(燃え立つ歯)...その両手の独特の形をした、湾曲する長大なライフルから生じる光を伴う炎に炙られ、機体の一部が溶解する。
あまりの事に、激昂しつつ、無言でその衝撃を産んだ対象を睨む。「...」
見ると、今まで自分たちが存在していた。一群の中心地に機体が躍り出る姿が、垣間見える。
いつの間にか、僚機を合わせた三機のとも、アイジェス機に蹴りだされ、バランスを崩して、月の軽い重力にやや引き寄せられながらも落下していくのを姿勢制御のバーニアを吹かし、
態勢を整え、その姿を見る...「...」(・д・)チッ一体何を?功を焦ったのか?見ると、一群の中心点へと向かったデスペラードの機体は、
その機体全面に備え付けられた、ガトリング砲を駆動し始め、360度の全面射撃を敢行。.........
最中、船中の通路内で男たちの怒号が響き渡る。人の肉を拳で撃つ盛大な音が鳴り響き、一体どういうつもりだ?功を焦ったのかと、叩きつけられた罵倒を何も言わずに黙したままのアイジェスは「・・・」無言のまま、怒りの視線を叩きつけるアハトに向かい、何も言わない。
...
...
...
(...)無言に陥る男は、その行動の意味を知る...
(・д・)チッそういう事か?あいつめ何故何も言わなかったか、忌々し気に頭を振ると、敵の遠隔装備に対抗すべく自らの機体に装備されるその機構を解放する。
此処であの一撃をいなせるのは、恐らく俺と、さっき乱入してきた。覚めるような蒼い機体色を見せる新入りだけだ。
敵への直接戦闘は、《お調子者》(ストゥルティ)と《自信家》(コンフィデンス)に任せて、このまま引き付けて敵の攻撃の手札を一枚墜とすぞッ!!!
(…)
「あの人、始終無言だけど、なんとなく考えてることが分かる。」
(まだ私の存在について、理解されていない事が残されている、月都市での一件については、あの場に居たモノ以外、誰も知らない。)
(調子はまだあがらないけど、嘆いていてもしかたない。私が譬え作りモノだとしても...)
新たに青葉の乗るカルペディエムには、かつて地上戦で使用したVer0.4ロードマスターの武装を宙空戦用に、新たに既存の素材で作られたブースターを追加して、
壊れた箇所も同素材を使ってその穴を埋めた。
其の装備は、共通規格の機体にはうまくフィットし、《falcisファルキス》との接続試験は、何度か鹵獲した。クピドレスから徴収した機構を移植し、
意識の動作テストは、半ばぶっつけ本番のまま済ませている。
その高出力の推進を当てにして、その上部と左右にしがみつくように第三部隊の面々は付随する。
「どうやら貴君は、ドン・キホーテと子供たちと一緒で、素養があるらしいな。残った装備が使えるのはありがたい。だが...」
(気になるのは、アイジェスが残していった素材。《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)とか言ったか?未だ鉱床が見つかっていないおらず。)
(新たな機体の生産も、おぼつかない今。故の現存する戦力での開戦をらんだが、それは鬼が出るか蛇がでるのか?)
敵の攻撃はカルペディエムの装甲材や楯を、展開するビームの刃や楯もろとも貫通してくる。今も宙空で、切り裂かれる姿が、見える。
直撃する瞬間に謎の軌道で明後日の方向へとぶっ飛んでいく僚機を眺めて、思案する。
其れなのに、新手の攻撃も、防げるとなると...考えられる理由は、同系金属を使用しているか?《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)の硬度の方が高いのか?のいずれかが考えられるが戦場で、そのような思考をしている間もなく。
空中で無数の剃刀の刃と工具がその刃を撃ちあい覇を唱え続ける。
通常時ではあり得ない程の高機動で、目下の目標に対して、近接戦闘を試みる。掛かる強烈なGに、今にも男尻が割れんばかりの喝采を唄うかの様に振動で震える。
男尻の魂を見せてやるとばかりに、目標の眼前迄接近する間も、相手も同様の宙空戦を仕掛け、こちらの接近を察知して、
先ほどまで見せていた。その瞬時に死角に割り込んでくる光の波涛を膨らませ。
その一撃を、操縦桿を掴み前倒しにした前傾姿勢のまま、バレルロールを繰る返し錐揉み状の軌道のまま、肉薄する。
構えた穂先の照準を合わせて。その瞬間を待ち構えるが、敵もこちらの存在を視認すると、まるで死人を眺めて居るかのような、憐みの感情が流れてくる。
これは何だ、と?脳内に語り掛けてくるような、不協和音を感じとり、
姿勢制御用のバーニアを吹かせ、逆進を欠け、咄嗟に回避行動に移る。
半瞬前に居た場所に、斜め上部から交差するように放たれる光の穂先が乱れ飛ぶ。
「やや、男尻が、敵に肉薄してるぞ。遅れるな、其の男尻の耀き、守り隊をここに結成する。」と、第二部隊の面々から断定的に紡がれる会話は、
緊張感を見失いつつも、その可能性がこのままでは顕在化する可能性を如実に示している。
腕部に大型のアンカーを備えつけ、その推進器を水中用から宙間戦用に換装する必要があるのかと、調整を行っていたが、その推進機構は、どちらの海でもその荒波を乗り越える。
機能があるのかと?認識を改め昨日よりも明日を守るため、リン=山崎は、その武装を使用することを選択する。
アクアマスターの武装のうち魚雷発射機構を通常の実弾兵装へと切り替え、アンザスの侵入経路をたどり、回避を試みるも
降り注ぐ光の雨はその勢いを増し、脅威にさらされる。
大出力の腕部ユニットを前面に展開しての高速機動に後れを取ったインヴィクトゥス《不敗》の面々は、使い慣れた武装類を胸に、
その戦闘行為に参戦する。
回避運動と同時に、アンザスは、自分の感覚が研ぎ澄まされる感覚を感じ取る。
自分にはアイジェス殿の様な、先読みはできずとも、これまでの戦闘で培った。感覚がある。母艦との距離が離れ、次第に春幸の
指示出しが、遠く届かぬモノへと変わっていく。
左右、上部より迫る光の柱を推進機構による、多重変則軌道で、その男尻をふりふり、回避を試みるが、僅かにブレた操縦の乱れで、
背面副腕から延びるシールドを掠め、偏光シールドの効果に影響されないままその装甲が一部融解していく、
機体バランスを崩し、足を止めた瞬間、その包囲網に包まれ逃げ場を失った先で、姿勢制御用の推進機構を吹かして、逆さ墜としに唯一開いていた
下方へ潜り込むように滑り込む。
その逃げ場に対して、剃刀の刃が狙い澄ませたかのように、直撃する。
交錯する刃が、その構造体を何の抵抗も見せずに、膾切りにするかに見せたその瞬間に、騎乗槍にも似たその基部を楯として、その一撃を弾け飛ばす。
ん?人喰いはその感覚に...違和感を覚えるも、
アンザスは...命拾いした...。アイジェス氏が去り行く間際に作ってくれた。この装備、確か素材をあり合わせの物で作ったと言っていたが...
素の硬度は、敵の実体剣兵装とそん色はない。脚部スラスターを小刻みに吹かせながら、回避行動と共に、
その撃芯を点火する。
内部に備えられた点火装置により、撃ちだされたその穂先が、ワイヤーを伴い、射出。
楕円の軌道を描きつつ、アンエディテッド (unedited)へと迫る。
その動きに、周囲の粒子組成を自機に対して影響が無いものとするも、実体弾による接触攻撃が、迫る中、回避運動を選択、
回避した?!?という事は。当たれば...。炸薬の排莢を行い次弾を装填
回避した軌道の頂点で、鉄の拳、アイゼルネ・ファウストの斉射が、断続的に到達し、その炸裂する衝撃に晒されるも、
決定打にならないが...その状況に《ハルズ=アルマイン》は...。一名離脱した、三機編隊で、正面から攻め昇るアンザスとは対照的に、
大きく迂回路を取って敵の死角から奇襲を仕掛ける。
「お前ら、実体兵装の準備はできてるなッ!接近したら、ありったけを叩き込め。」
自らも神経とのワイヤー接続による誘導弾の準備を行い、超至近による。接近戦を試みる。
迫る敵影に全方位射撃で対応する。的確に、春幸の指示が飛ぶが、母艦との距離が離れ始めた機体にその声が...途切れ始める。
回避行動が間に合わぬまま、その機体が、熱に炙れて、ハレーションを起こして、その脚部を射抜かれ、
前後左右から迫る熱量兵器に炙られ、左腕、両脚、頭部が溶断され、止めの一射がコックピットに迫るなか、電磁加速の勢いで、急速離脱、
その姿が、母艦が待つ自陣方向へと延びていく。
「ゼリトスッ!!!」
離脱した。僚機が無事離脱していく姿を見送り、《ハルズ=アルマイン》は、残る僚機、《コムラ=ガエル》と共に、
アンエディテッド (unedited)と、ドックファイトを繰り広げられる。アンザスの支援に入る。
接近と共に投射された。神経誘導弾の雨と、改修型のディエムから放たれる。成形炸薬弾頭のミサイルが、その戦場に彩を添え着弾する。
(・д・)チッ
損傷軽微...0.02%。依然として、その存在は健在
ブレるコックピット内外で。踊る無数の機影に対し、アイ=アシンは...忌々しく思うもその機能の一旦を垣間見せる。
意を決して、音声認識を実行
「《アージナリーワン・ウェポンⅢ》...アンロック…ツー…」
ガジャガジャと、その砲身が、その振るう腕部と結合し、その砲身を折り返す鞭状の何かに代わると、
離脱するそのやや大きな蛇腹状に右往左往する、その砲身が離脱、空いた左手に収まると、
右腕には、二つの節部が、左腕には、それ単独の基部が、左右共に二つのアームカバー状に収まるり、
その効果をその周囲に及ぼし始める。
顕在化した粒子の嵐は、その宙域を丸々、その掌中へと収めると、何かが起こる。
放つビームライフルの射撃を牽制射撃で、可変する基部に対して照射するも、依然として命中しても何ら影響せずに、歯噛みする。
もう一度、とばかりに旋回して再びの一撃離脱を敢行
アンエディテッド (unedited)と相対しながら、互いに獲物を撃ちあうその姿に、対し、絶妙のコントロールで、実体弾の投射を試み
その奇妙な死の匂いを巻くワルツを踊る、その動き追従しながら、弾幕が命中するかに見えた瞬間、その頭部が、可変し、背後に向くとその
遥か彼方の小惑星帯すら両断した、光る死神の断頭台が振るわれる。
半瞬前に、春幸からの警告が飛ぶが、反応しきれず。完全に避けきれぬ幾人かの機体が、掠めた威力でも、完全防備のビームシールドとオービットマインの防御を貫き、
半壊するありさまを見せつける
「ちィぃー今何機堕ちた???」大石が、周囲の僚機たちへと呼びかける
「うちじゃない?ッ」
「同じく、(ノ・ω・)ノオオオォォォ-怖い。」
反応は帰らず。離脱したものと信じ、命令を伝える。
「戦闘継続困難となれば、戦線から離脱しろッ」
遠くで、味方が、奮戦する光の瞬きが見える。どうにか救援に向かおうも、その距離は離れそして...。遠い。
そしてそれを邪魔するかのように艦隊が、《ニヴルヘイム(霧の国)》での偽装を解除して、次々と飛来し、艦載機を放出してくる。
意を決し、
その威を押し通す。それは明けの星が、宵闇の宙に一筋の灯台の光へとなる様に、その輝きが、俯瞰した戦場の中で、華開く。
「一夜に輝くは、明けの明星、その行へを指し示せ。ヴァナヘイム《豊穣の国》」
重ねての《一葉灼伏》30%を起動。
膨れ上がる粒子が、遥か彼方の戦場迄到達し、その効果を及ぼし始める。
狙いがそれ、射出した穂先を巻き取り、次弾の装填を行った。
瞬間、アンザスの脳裏に、その光景が広がる。右を良ければ撃墜され、左に良ければ半身を奪われ、下に避ければ、上半身を喪う。ならば上は...となれば下半身を喪う
その絶望の最中にそれが起こる。
アンエディテッド (unedited)が、広域散布していた粒子が、目標のアンザス機を覆うと、一気にそれらの光の粒が、収縮と反発を繰り返し、
一歩も動けないアンザス機に襲い掛かる。
星の終わりの恒星爆発にも似た、光を周囲に巻き散らし、その命を散らし、
その光景を確認して、アイ=アシンは、振り向き、次の獲物を探し、
機体に衝撃が走る。
「痛っ!!!!」
ガクンッと、機体がぶれ、フレームに衝撃が走る。
損傷軽微...3.02%
ぴぴぴぃッっと警告音が鳴り響き
「一体なんだ?!」
無防備な背面部に騎乗槍にも似たその先端が命中し、動きが阻害される。
「当たったでござる??!でも、なんで?」
糞ッがぁ、次こそは仕留めてやると、再びの小規模恒星爆発の光を叩き込むべく、其の照準を合わせるが...
助けてくれ(´・ω・`).;:…(´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;: サラサラ..
紐解けるかのように、目標の姿が掻き消えて、次の瞬間には、アンエディテッド (unedited)の機体後方へ、姿が現れ、追撃の穂先を叩き込む。
Σ(・ω・ノ)ノ!
怒りに震え、アームカバーを装着した腕部で振り払うが、またもやその姿が掻き消え、《ハルズ=アルマイン》の隣へと、その姿が映る。
「はぁッ?なんだそりゃ?《お調子者》(ストゥルティ)てめぇ、何しやがった?」
「分からんで、ござるが、脳裏に、いくつもの予測結果が映る。これはアイジェス氏の援護?!各々方、過信は禁物ではあるが、今が攻め時でござる。」
「はぁ?」
…
…
…
それは、コロニー落としを阻止する作戦行動の移動中での事...
陣形は、要となる《エンゼルフィッシュ》を中心に、旗艦たるクルクス・プグナエが盾になる様に、前陣を構えR.I.Pが旗艦を守る様に先陣を切り、それを空母や突撃艇が、カバーする要に展開される陣容をみせ、船足を最大船速へと移行。敵勢力との交戦予想地域へ、移動を開始する・・・・・・・・・
そして整備と換装が終わり移動する最中の一幕、何気ない会話を思い出す。
「そう言えば、カニクリームコロッケ愉しみにしてたのに晩御飯に出てこないんでござるが???」
「一体どういう事でござる??!??」
(。´・ω・)ん?
一体何の話なのか?問い詰めると、
ふむ、そう言う事かと、言葉を区切り、アイジェスは話し始める。
「そもそも、先読みが出来る様になったのは、機体の物理演算による予測が見えてるだけだが、アンザス…機体に母艦の献立データや材料について何か収集していたか?少なくとも俺はしてないし、物理演算による不完全な予測には、穴がある。」
「要は、精度の高い天気予報みたいなもんだ。外れる場合もある。」
「それ頼りで過信したら痛い目を見るぞ?」
…
…
…
母艦である《R.I.P》艦橋内で、艦長である。ナンネン=ハイマンは、不思議な光景を見る。
僚艦たちが、電磁加速による軌道により、敵機の攻撃から逃れるものの艦隊の陣形がバラバラの方向へと、なる中でその不思議な光景が、
見られる。突如現れた死角からの攻撃に、反応する間もなく撃ち貫かんとされる。
瞬間に、僚艦の姿が(´・ω・`).;:…(´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;: サラサラ..と消え、砲撃が通り過ぎた後に、その姿が、元の場所へと還る。
「これは?量子化????だが突然一体何が起きた。」
その光景に魅入る《コーディー=スルー》は、口角から唾を飛ばし、興奮気味に、録画は?データはとっているのか?と観測手へ指示を飛ばす。
(おぃ、春幸...アンザスは、恐らく戦闘中か?となれば、話が早いのは、春幸なんだが?)
(おっさん?!無事だったのか?母さんは、母さんはどうなったの?)
...今は、何も言えない。思考にブロックを掛けつつ、
(今から、そちらにこいつの機能を使って援護する。敵機の群れに囲まれてるが、撃墜しながらそちらに向かう。それまで凌げ、直撃は、俺が防ぐ。)
(目算では、数分後には、そちらに着く。耐えろッ!!!)
雷鳴輝く、陣容に、乱れ飛ぶ。レールガンによる射線が乱れ飛び、確かに今も、奮戦するその姿が垣間見える。
...
...
...
(いったい、このお調子者は、何を言っているのか?思い当たる事について思い至る点は、何もないが...脳裏で何かが瞬く。)
僚機達が、退避行動に入る中、数機の友軍機が、現場に残り奮戦する姿を幻視した、
アンザスは、単騎でカルペ・ディエムを駆りながら、ヴェノムレインと、機械制御式による誘導弾の弾幕で無理やり戦場に、僚機へと続く道を無理やり切り開く。
其処に追撃のビームウィップが、放たれるも、展開したシールドによる多重防御と予測反応による切り払いで凌ぎつつ合流を果たす。
その光景を見ながら、ふんっとその光景を鼻で笑う。アハト=佐伯とハルズ=アルマインは、鋭敏に研ぎ澄まされた。その直感にも似た嗅覚で、《サン・ヴァントル》(腹無し)へと、視線を向けてその影響下に展開される死線を潜る。
猛烈な飢餓に襲われた二機の機体が、各部から飛び出した。光の鞭を丸でどこにそれが伸び、どの角度で曲がりそして命中するのか?まるですべてを理解したかの様に、周囲に巻かれた機雷の綿毛を手に持つ獲物で撃ち抜きながら、迫る。
・・・
・・・
・・・
あの時の感覚が、まざまざと蘇る。見える。看える。視えるぞ?おぃっ!!!戦闘中にドーナッツ揚げてる奴誰だッ?!
その叫びに反応して、ビクッっと反応する。何者かの手が止まる。
これは、俺たちの感覚が鋭くなった訳でも、何かに目覚めた訳でもない。唯、奴が行使する。機体の余剰効果が、俺たちにまで、影響を及ぼしていただけだと?
だとすれば...今までの戦績は、一体なんだったのだ?
だが、今は、考えるのは辞めだ。距離を詰めての接近戦を試みる。
起動する。体と思考を神経接続による操作をその動きをトレースする様に、スラスターを吹かせながら、その動きへと追従する。
突如として、援護を行おうとしていた、対象。《お調子者》(ストゥルティ)の姿が掻き消え、その姿を見失うが。
コックピット内のコンソール上に、味方識別コードが、再表示されるが、いつの間にか、左側の《ハルズ=アルマイン》機の姿の真横に現出し、
脳裏に、思考拡張された声が響く。
ん?そう言う事なのか?と、納得しつつ、第二部隊...インヴィクトゥス《不敗》の面々は、前線を押し上げるべく、機体のスラスターを発振させ、
伸び行く光の砲撃を回避しつつ、四機編隊の機体が、その軌道を重なるようにバレルロールを繰り返し、その動きと共に実体弾の兵装を駆使し始める。
第二部隊の面々はそれぞれ、インヴィクトゥス《不敗》01 ...《リン=山崎》Ver0.5アクアマスターを改修流用、インヴィクトゥス《不敗》02 ...《秋桜=アーデルスワット》Ver0.0フルアクチュアリーカスタム、インヴィクトゥス《不敗》03 ...《ソウハ=クワナイ》Ver0.1ガトリングマスター、インヴィクトゥス《不敗》04 ...《ソコニ=アルナ》Ver0.3サンドマスターを改修流用。
それぞれ、脚部の《マグレブ》磁気浮上式低重力ホバーを宙間戦仕様のスラスターと機体背面部に星型の大型ブースターへ換装し、稼働させる。
機体質量は増加したものの。その推力は、強化され、並み居る光の砲撃を回避しながら、それぞれの機体から投射される。
実弾兵装の雨は、中空で、突如現れた光の輝きに晒され爆散。
(・д・)チッ。間合いを置いた攻撃は防がれるか?
(・д・)チッ。間合いを置いた攻撃は防がれるか?
間反対の合わせ鏡の様に、ほぼ同時期に同じ事を考え同じ考えに至る。その偶然に歯噛みしつつも互いが互い、それぞれ接近戦への移行を試みる、
居並ぶ、進行方向に、光の砲撃の道を、推進と、逆進を駆使して、潜り抜けた先に、待ち構えている。
アンエディテッド (unedited)に対して、再度の投射攻撃を試み、それらが中間地点で、撃墜されるも
素の弾幕が作り出した。スモーク。煙を抜けて、三機の機体が、それぞれ斜め上部、下部、左側から、発振する刃を展開し、
突撃を敢行、焼け付くように発振する光剣を振り乱し、その貢献を果たすべく、多重の攻撃を仕掛ける
《ハルズ=アルマイン》が、駆る。左側から接近するディエムペルディディを操作し、右副腕 の《ファーマ》より移植した、ワイヤーを、アンエディテッド (unedited)が回避モーションを取った先へ打ち込み背面機構に絡みつかせると、大きくスイングバイを掛けながら、接近。
左腕のビームライフルを投棄しつつ、敵の視線を誘導すると、その死角へと割り込む様な変則軌道を見せて、肉薄する
《サテュラル(虎型)》の発振する、爪牙を移植した、右腕と左副腕、さらに、脚部を展開し、大型のビームクローを露出させ、
開いた手には、ビームサーベルの発振を展開。都合、五本の刃をその基部へと叩き込む。
合わせて下部より飛来する改修型のディエムも、手にクリップ型のビームサーベルに、その刃を束ね。一撃を加えるも、
その攻撃はアンエディテッド (unedited)の右腕アームカバーに防がれ、そして左腕部には、突撃するアンザス機の騎乗槍が交錯する。
互いに攻撃の手を緩めず、再度の恒星爆発にも似た、その超新星爆発の蒼い光は、戦場を俯瞰する。者たちの網膜に、閃光を焼きつかせ、
その色は青から橙へと変わり、大輪の華を咲かせるように、青い花びらが舞う。
最後には赤く染まったその宙域で、放たれた熱が、霧散する頃、
その姿が、三機同時に、消失し、そして再び現れ死角よりの急襲により、その装甲に、ダメージを与え続ける。
目に焼き付いた閃光を払う様に、何も見えないその空間に、脳裏に過る予測を頼りのその攻撃も、
損傷軽微...5.03%
依然としてその防備は固いモノの徐々にその守りが剥がれ落ちていく。
なるほどな。そう言う事か?そう思考する間にも、遠くから実体兵器による。放射攻撃に晒される。
これは一見敵味方を巻き込む攻撃ではあるが、その実、其の全ては、味方機が、量子化する事により回避し、戦局を有利に運びさせている。
いささか、面倒な事ではあるが、
その行為に納得しつつ、続く勝利を確信する。
降り注ぐ、死角より忍び寄る。その砲撃を、量子コンピューターによる、予測と、量子化により、その攻撃を捌きつつも、
攻撃の一手を緩めず。次々と着弾する。
炸薬弾頭の物理兵装による連打による連打を試み、一気に、火力を集中する為に、前へと出ようとして、
警告の声が浮かぶ。
「「拙いッ!!!!(よ。)」」
「拙くない。狙い通りだ。」
「《アージナリーワン・ウェポンⅢ》...スリー」
その頃、敵機との中間距離で、奮戦する第七部隊の面々は、《アージナリーワン・ウェポンⅢ》から展開される。
剃刀の刃に襲われ、実体剣と共鳴発振するクリップ型のビームサーベルに、更に、《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)製の《falcis》となった
大型の工具と、撃ち合わせ、その攻撃を凌ぎ続ける。
(・д・)チッ
「...」
(埒が明かんな...最大発振したディエムペルディディの実体剣でもそれを弾く事しかできない。)
(命中する瞬間に、量子化され、相手の攻撃もこちらには通らないが...決め手に欠ける。)
如何したものかと、思案して、一案を捻りだす。
「...掴めッ!!!!」
珍しく、声を叫び、指示出しをする。
改修型のディエムへ交差する様に、剃刀の刃が飛来し、噛み合う様にその基部と斬りあいつつそこに、巨大な工具がその刃を挟み込む。
「(...)ここだッ!!!!併せろ!!!!!!!!!!」
挟み込んだ工具を起点として、
更に袖口から射出した発振機構を四本腕の空いているマニュピレータを稼働しつつ、いつかみたクリップ型のビーム発振器に束ねて、実体剣の接続部へセット、震える刃が熱量を放出しながた、振るわれ。最大発振させたその刃が、挟み込まれた剃刀の刃に叩き込まれる。
併せて、サルバトーレ=レトリバーが振るうクリップ型のビーム発振器が交錯する様に挟み込み、その衝撃で、僅かに剃刀の刃に、亀裂が走る。
更には、何を思ったか危険もないのにアハト=佐伯機のディエムペルディディが量子化、と共に、その姿を、変え
その刀身が剃刀の刃の内部へと重なる様に現出。
その全く意味の無い行為にも似たそれに対しても、割り込まれた刃は、其の中ほどまで到達しその刃を破断させる。
絶対の硬度を誇るその刃材が、欠け、砕け落ちる。
(...)
良し、行けるこの手で、砕き続けるぞ。と、妙手を繰り出し続けるが...
(ほら、考えてないって言いつつ次の展開考えてたぞ。別に思考とリンクしてない。)
其処に、全域に対して警告の発露が迸る。
「《アージナリーワン・ウェポンⅢ》...スリー」
異次元の妙手を打ち砕かんと、振るわれる其れは、強制的に、対象の機体より、違和感を感じる間もなく。
機体を制御する為に不可欠な推進剤と動力炉の燃料を、徐々に低下させていく。
この時点ではその殊に気付いたものはおらず、窮地へのカウントダウンが迫る。
その不利を押し返すべく敷かれた、罠は、今だ顕在化せず。
戦いは激化していく。
繰り広げられるのは、死の舞踏。互いに、一手、一手を読みあうその戦闘の最中に、
遅れて戦線へと到着した。本陣のヴェニ=ヴィディキは、病状に伏していた己を奮い立たせ、
戦場へと自らを駆りだす。べく、その機体へと期待を込めて、乗り出す。
打ち鳴らす撃剣は、いつ果てる事もなく続く、刃の応手は、
「「「併せるぞッ!!!」」」の掛け声と共に、噴出する間欠泉の如く、
噴出しては、左右の刃を、籠手状の武装で撃ち払い。
死角となった後方から、迫る。
突如その動きが活発化し、宙に向かって駆け上がり、残像を伴い消えた虚像を切り裂くものの、
急上昇し、減速と共に、及ぶ浮遊感を重力で打ち消し、追いすがる三機の機影が、擦れ違いざまに浴びせかけられる。
光剣の刃を獲物同士で弾き、急激な慣性制御を発動。相手の目を目くらませながら忍び寄り、
改修型のディエムの背後をとると、右腕の蛇腹状の基部を叩き付ける様に機体に巻き付ける、
その瞬間、今まで通り、その機体が粒子に包まれ、その姿が掻き消え、アンエディテッド (unedited)の背後に現れ、
撃剣の一撃を見舞うかに見えたが...。突如異変が起こる。
その姿が、次第にその全貌を見せる瞬間に、何故か、機体の一部が欠け、バランスを崩し、その動きが止まる。
一体何が?!
三者三様。その光景に疑問を持も、再びの軌道を修正し、崩れ落ち失速する僚機をカバーすべく、
ハルズ機とアンザス機が、アンエディテッド (unedited)の高速機動に追い抜き、追い越し、追いすがるが、
徐々に推力の低下を感じ、その高速移動への追従に違和感を感じる。
...
...
...
脳内ではじき出す。その予測の計算において、その変数を元に答えを導き出す。
「なんとっ!!量子化しては、逝けんですたい!!!!」
一体何のことかと訝しみつつも、機体の一部を喪い、推力が減退した。
そのわずかな違和感に、コリストス=メギトスは陥りながらも、再度の量子化を試みる。
ゼロ距離射撃で放たれる超新星爆発の小規模事象が、全てを焼き尽くし、消えゆく姿の中で、
量子化した機影が、更にその姿を駆けさせ、両足と、背面スラスター類を、丸ごと消失し、移動力を殺された。
改良型ディエムは、身動きのできない達磨となって両腕が、盾を構えて、空中から突如現れる
《コッレクティオハンズ》の斉射により、防御とした楯ごと、焼潰し両断され、戦闘継続不能の状況に追い込まれる。
「逃げろ。コリストスッ」
「ハルズ氏...。量子化は控えるでござる。量子化すれば...ジェネレーターのエネルギと共に、機体の一部ごと奪われる。燃料計を見るでござるッ!!!」
木の葉墜としの軌道から、更に、背後に回ろうとした、《ハルズ=アルマイン》の動きを読み切る様に、降下を繰り返し引きはがすと、
ロールを繰り返し、神経接続による思考弾頭を、器用に回避しつつ、反撃の《コッレクティオハンズ》を回避した空戦機動のまま
一旦、間合いを開ける為に上昇を行った瞬間、自らも急上昇を行い。ハルズ機の背面を取り、絶死のタイミングで、放たれようとした瞬間に、
漸く宙戦域へと乱入してきたインヴィクトゥス《不敗》の面々が到着し、一斉に放たれし、避ける軌道を予測する偏差射撃で、襲い掛かる実体弾と、
ハルズ機の撃墜よりも回避を選択した疾走するアンエディテッド (unedited)に対して、射出した大型アンカーが突き刺さる、
衝突で生じた慣性を振り払いながら、クルクルと回る機体を立て直し、眼前の陣容を眺めて、
「上等だわッ」と舌なめずりして、その下が赤い発疹を浮かべながら燃える様な痛みをその身に刻む。
掌中を構え身動きのできぬ改修型ディエムに向かって光の砲撃の照射を開始。
「「「「「「「あっ」」」」」」」
「あっあっあっあ”ーーーーーーー」
急激なGを感じながら明後日の母艦の進路を掠めるように飛翔する音速を超えた速度で吹き飛んでいくその姿を見て安堵する。
それと共にバランスを崩して、振り乱すその機体のコックピット内では。
損傷率...6.25%を指し占めす電飾の明かりが灯る。その影響は粗、機体操作においては見られずとも、
奴らの使用する武装が、どういう理由なのか分からないが、こちらの装甲へとダメージを通すことが出来るのかその謎を探るために
センサー類で、その構造体を調べる。
概ねその装甲素材は一般的な地球圏側で使用されている。電子殻チタン合金セラミック複合材及び、オービットマインで使用されている蓄熱型の装甲
そして、一般的なクピドレス側が使用する人体精製金属類と、そして捜索する。
その素材が、《慈聖体》から精製された...に、酷く似通った素材であることを確認する。となれば、通常の兵器での破壊が不可能ではあるが...。
問題なのは、あの敵の呼称では、カルペ・ディエムと呼ばれる薪共の作るマダの模造品...その強みは四機での《天地併呑》(ウニヴェルスム・デヴォラーレ)だが、
アレは我が機体には通用しない。となれば問題は奴らが着けているアタッチメント。
構造体として...が使用されている機体は。凡そ3機が測定できたのは、距離が離れた場所で争うサイドスライサーと戯れる一機と今も目の前に素材する。
その大型のアンカーと騎乗槍を構えて突撃してくる二機の姿。
まずはこの二機を墜とす。それ以外の攻撃は、こちらの装甲に致命的なダメージを与える事は叶わない。
思考する間も、操縦桿を操り続け、急速加速を繰り返し、追いすがる敵機を引きはがしに来る。
その軌道にやや遅れつつも
「隊長ッ、ヤバすぎです。バナナの食べ過ぎで体調が悪いです。きっと隊長への夏の思慕の暑さの所為です。結婚してくださいッ!」「オ”エァ~!!!」とソウハ=クワナイが懇願し、
「おい、インヴィクトゥス《不敗》03抜け駆けするな。それに今は夏じゃねぇ。宇宙で夏の暑さは関係ない。」
「インヴィクトゥス《不敗》02ッ!!!!それよりも、始終頭の中が沸騰しそうだ。」
茹だるような暑さに晒され、冷を求めて、
凍ったバナナを取り出し、ほおばると、何かに反応して、操縦桿を斃す、背面から襲い掛かる閃光を回避しつつ、ヘルメットのバイザーを開けたまま、
避けながらソコニ=アルナが叫ぶ。
「俺この戦いが終わったら隊長と結婚するんだッ!!!!」
「「「インヴィクトゥス《不敗》04ッそれは死亡フラグだぞ?」」」
降りしきる閃光の柱を、各部に増設されたスラスターを点火しつつ、中距離戦から、接近戦の環の中に入り込むも、再び引き離され、その手が届かない
ガトリングマスターを駆る。インヴィクトゥス《不敗》03ことソウハ=クワナイが、接近戦を仕掛けながら、実弾とビームが折り重なった銃撃の雨と共の
機体各部の成形炸薬弾頭のミサイルを一斉発射、それに合わせるように
インヴィクトゥス《不敗》の面々が、大きく下方から急速上昇し楕円形の軌道を描きながら接近していく、
四機編隊でのバレルロールを繰り返し、入れ替え立ち返るように、腕部のロケット砲、各部のミサイルポットとその先端を掘削機へと換装した
サンドマスターの追従する攻撃が三度重ねて実体弾頭の投射攻撃を三重、四重へと重ね。
それが到達する。
実弾とビームのガトリングは偏差射撃を行い逃げ場を、他の三機からの攻撃箇所へと誘導する為に荒くその狙いを保持しつつ、
追い込むように作られた逃げ場には、
弾幕の雨が踊る。
僅かな弾幕の雨をアームガード上の武装で防ぎ、迎え撃つかの様に三度の小型の超新星爆発を起こすその機構に灯を入れる。
挟み込むように接近するハルズ機とアンザス機を他所に、足を止めたその機体へと、掘削機構を備えた弾頭が直撃する。
晒された攻撃に対して、その装甲の頑強さ任せにその攻撃を受け切り弾くと、
それぞれの脳内には、幾重にも重なる思考の檻が、秋の夕暮れに散る落ち葉の如く、折り重なりそして、互いに互いの行動を
予測し反応、そしてその読みあいに勝ったものの攻撃が命中する。
そこでアンエディテッド (unedited)を駆る。アイ=アシンは、方針転換をする。
複数対象から、異なる条件異なる相対位置と、それぞれの癖を読み合いに、一人で対応するのは...仲間の到着を待つのも良いが、
その前に片付ける...
そして下された一手は...
偏差射撃を繰り返し、アンエディテッド (unedited)の軌道をコントロールしようと射撃戦を行っていたインヴィクトゥス《不敗》03ソウハ=クワナイは、
突如起きるその行動に面を喰らう。
連射される実体弾とビームによる多段砲身の五月雨撃ちをまるで秋雨の如く時雨が、その頑強な装甲と武装により遮蔽され、
当たる間も惜しむかの様に一直線に向かってくる。
突如の方向転換に狼狽えつつ。
僚機からの警告が突き刺さる。「インヴィクトゥス《不敗》03逃げろっ」「隊長カバーします。隊長との結婚には邪魔ですけど?!!!!」
「違うッ!?!足を止めるな。ダメだ!!!!!」
其の数瞬後に、垣間見えるその光景に、涙し、そして、リン=山崎は、その行動を執る。
一直線に足を
その行為は行われる。縦横斜め後ろ前、それぞれ、今までは他の複数多対象に対してそれぞれ一つづつ使用する。
光の球体を今度は溢れんばかりの光をインヴィクトゥス《不敗》03に対してのみに一点集中し、一切の逃げ場のない牢獄へと墜とす。
各機は、カバーに入ろうと、手に持つ獲物を振るい。引き離すように集中砲火を仕掛けるが、それを意にも介さず突き進む。
とめるには、自分の武装であるアンカーの一撃を当てるしかない。
コックピット内の照準を睨み身長に狙いを付け、激発し、その勢いのまま、投射されると、大型のアンカーが砲撃に交じって放たれる。
ここだッ!!!!!狙っていたぞとばかりに機体を反応させて即座に回避、
《コッレクティオハンズ》を展開したまま。インヴィクトゥス《不敗》01の隊長機へと狙いを変え急転進。
発射したアンカーが伸び切り足が止まった瞬間に、腕部の武装を叩きつける様に、其の蛇腹状の基部を叩き付け、
ゼロ距離での制圧波動を送り込み撃破を狙う。
それを敵機を追従しながら、何とかハルズ機とアンザス機が、追従しようと試みるが...その推進機と機体出力の差により、
直進するそれと徐々に相対距離が話されていく、苦し紛れの実体兵装の連打が、華を開く様に火花を上げるが、其の全てが回避され。
その時が訪れる。
二機の機影がそれぞれ、光の渦に巻き込まれながら消失する。
( ゜д゜)ハッ!
そっちかッ!!!
死角へと回り込むように、二機のカルペ・ディエムが現出し、見るとそれぞれの機体の一部が欠損するも、その姿は健在。
スラスターを点火して、徐に放たれた。銃身から延びるビームの刃光が、回転しながらその本体に突き刺さる。
火花とプラズマの光を宙に巻き散らしながら、その刃を立ててて、その装甲の耐熱限界まで迫るべく同時に引鉄を引き続けゼロ距離射撃を試みる。
( ゜д゜)ハッ!
あぶなかったと、安堵するも機体の一部...左腕を欠損し、攻撃の手を半減させつつも、目の前の敵に対応すべく、引鉄に手を引こうとし、脳裏にその映像が過る。
(・д・)チッ
インヴィクトゥス《不敗》03こと...は、「そうは喰わない。喰らえ、喰らえ。喰らえ。俺の名はソウハ=クワナイ、お前に一杯喰わせる男だ覚えとけ、結婚式には呼んでやる。」
命中した瞬間、返しの一撃が振るわれるのを宙返りしながら、機体各部のデットウェイトとなる燃料と実体弾の武装が詰まった増加装甲を切り離し、
蹴りを叩き込み、その場に投棄、欠けた左腕を庇いつつ、残る右腕のビームライフルを構え、一射を叩き付ける様に、照射と共に離脱。
大爆発を上げて、燃える火の手を背に、悠々と離脱していく...
ごうごうと燃え上がる火の手に背を向けて、退避していくその背中に、滞留する煙の中から光り輝く光球が迫る。
「隊長、俺は此処までです。式場で待ってます。」(`・ω・´)ゞしゅびッとな、
放たれる閃光と共に遠雷にも似た稲光を纏い、残像を残してその姿が、自軍の陣営の方へと、去っていく
「ソウハ=クワナイぃィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!私は人妻だぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!」
その声を知ってか知らずか?
敬礼をしながら去っていく兵士の最後に浮かべる顔は満足気に笑っていた。
一杯喰わされた。と
損傷率...7.25%
やや強い爆発に巻き込まれるもその損傷は軽微、故に、戦闘続行を選択。
注意すべき機体は、二機のみ、残るは、無力な、あべこべ一機と、二機の武装を施されたカルペ・ディエム、今も尚、《サイドスライサー》と《コッレクティオハンズ》の砲撃に戯れる
敵機がこちらに向かってくる前に、片付けるべく奮戦を試みるが、戦場へを踊る剃刀の刃はその数は大きく減じ、砲撃戦の穴をぬって、
接近してくる三機編隊の二部隊を確認、さらにこちらの空域へと侵入してくる前にその数を減らそうと
舞い踊るその数を二枚まで減らしたサイドスライサーを呼び戻し、
再びの《コッレクティオハンズ》による集中砲火と《アージナリーワン・ウェポンⅢ》ツーによる局所超新星爆発攻撃を多重展開、
四方を囲む機体がそれぞれ、その火に包まれ、接近してくる新手の部隊の足をとめ、この世から灰燼とかさんと振るわれるが、
網膜を焼く程の光が晴れた後に、時間差でそれぞれの機体が量子化から脱するとともに、光の影響から逃れつつ、接近戦を試みる、
五機の機体がそれぞれ、頭部メインカメラの一部、背面ブースターと背面武装の一部、腕部の一部、脚部の一部、身体を防御するべく展開されたシールドの一部が、粒子と共に奪われる。
それでも、この至近距離での交錯による連携攻撃に、欠ける様に駆け、全ての趨勢を賭けるべく、一瞬の刹那の間に重ねる。
挟み込む様に突き出された大型アンカーと騎乗槍の一撃に、合わせるように武装を撃ち合わせるカウンターを叩き込むが、
今度は機体の一部のみ量子化を行うと、命中した基部をすり抜け、その狙いが外れる。
衝撃と共に前後を挟み込まれ、機体の一部に、衝撃を走らせ、コックピット内部で、エアバックが展開されそして震える衝撃のまま、
操縦桿がぶれる。
そして、数十メートル離れた、距離で実体化した。二機の局地兵装を備えたサンドマスターとフルアクチュアリーカスタムを装備した両機は、吠える。
敵機との相対距離を維持しつつ、それまで全く利用価値が無いと思われていたサンドマスターの電磁石尽きクレーンを投擲すると、
周囲に浮かび、こちらを切り刻もうと舞う剃刀の刃を吊り上げ、今度は、自分の番だと、
「入れ喰いだ釣れたぞッ!!!!俺の尻の穴を舐めろッ!!!」
と、メインカメラの一部を欠損させ、視界の半分が消え去ったモニターを、物理演算による補正により、修正。クレーンの先を放り投げつけ生み出された慣性によって、
二機に挟み込まれて止めた、アンエディテッド (unedited)の装甲に叩きつける。
その刃は、突き刺さると、同時に残った最後の掘削機構付きの弾体を投射、噛み合うようにその基部を重ね刃をさらに押し込もうとする弾体と共に、
視界がブラックアウトする。
自分は此処までだと、判断し、量子通信の下で、戦場よりの離脱を選択。
稲光を放ちながらその機影が消えていく
挟み込むようにその動きをとどめていた二機のカルペ・ディエムをフレームとそのジェネレーターから放出される出力を使い振り払うと同時に、
射線から消えゆく僚機を確認し、全身の武装を討ち尽くさんとばかりに、撃ち放つ、
頭部バルカンより曳光弾を伴った射撃の雨が、更に各基部より放出されるグレネード弾頭と成形炸薬のミサイル。
更には、欠けて発射不能になったバズーカを弾体の詰まった弾倉を浮遊する空中で受け止めると、咄嗟に、補修用のトリモチを射出。弾倉の周囲を固めると、
右腕に備えられた弓状のボールベアリングを発射する機構と共に番え、狙いすませての乾坤一擲の一撃を放つ。狙いは僅かに外れたものの、
それを視界の端で左腕を喪い右腕のアンカーで敵機の動きを抑えつつも
振り払われたリン=山崎機が、中空で、スラスターに点火、狙いの外れた弾倉を蹴り上げ、回転しながらも、再度のアンカーを射出。
吹きあがる煙幕と爆炎に包まれ、副腕と盾を一枚喪ったアンザス機もその攻撃に合わせるように、騎乗槍を撃発し、排莢と共に再度の攻撃が突き刺さる。
更に消えゆく脚部を打ち捨てて、宙に浮かぶ僚機。アンザスのカスタム機へと、ワイヤーを投射。絡めそれを視点に円周状の高速スイングバイを敢行。
巻きつくようにその終点に襲い掛かり、右腕と左副腕の発振する光の刃と共に、発振する光剣を左腕、右副腕に構え十字の斬戦を刻み込みながらもその下顎しか存在しない頭部へと
叩き込む。照射し続けるその熱量が、赤熱化し、燃え上がるように熱くなる。
「はッこいつも喰らえ、あいつが戻ってくるまでなんてケチ臭いこと言わず。俺と付き合って、果てろ。昇天させてやるぜ。」と、テールユニットを起動、斬線の重なる地点へその銃口を差し込むと、《ヴェノムレイン》によるゼロ距離射撃を敢行。
「こいつなら、編纂されぬ者と、謡って居ようとも、効くだろう。俺の名前は、ハルズ=アルマイン様だ。覚えて塵に帰れッ!!!!」
集点熱量が、ディエムペルディディの限界点を超えて発振し、機体の至る所から煙を吹き出すと、共に
その下顎のみの頭部から、小惑星の岩盤すら切り落とす、周転する熱線が放出され、宙へと撃ち放たれる、その射線上に偶々居た。
カルペ・ディエムの軍勢、本陣として現れた増援が、忽ち日に包まれ、一斉に量子化するも、その機体が再びその姿を見せた後には、
主武装である実体兵器を喪い、脚部推機能を喪い、中にはジェネレーターそのものを喪う者もでる始末。
「こいつも効かないのか?くそぉぉぉぉぉぉぉっぉ、固すぎるだろ?!」
砲撃の余波に巻き込まれ戦場から弾かれた勢いのまま離脱していくハルズ機を他所に、残された秋桜=アーデルスワットと、リン=山崎、アンザス=フライハイは
射出した基部を改修し、体制を整えつつ、どうにか決め手を、欠いたまま、秋桜=アーデルスワットは、腕部の武装のみを残して、デットウェイトとなった増加装甲を投棄し、
最後の奮戦に乗り出す。
損傷率...10.05%
少し遊びが過ぎたな...。そろそろ、本機の本気を出すか。奴らのあの動き、あの攻撃と回避の精度は、恐らく何か他の要因が影響しているであろう。
この感覚は、私自身は経験したことはないが、報告で上がっていたデータでは、見たことがある...。
となれば本丸は他にある。奴だ、奴が来る。あの雄が、噎せ返る様な雄が、私を殺しに来る。
其の前に邪魔ものを消し去るべく、軍靴を鳴らして、掛け声に合わせて、敵陣を切り裂くべく進軍を開始する
機体フレームに食い込む、サイドスライサーを腕部のマニュピレーターを駆使して抜き取ると、忌々しい、こちらの攻撃を利用する機体は既にその
姿を消して、フリーになった二枚の刃を残り三機となった、目下の敵に対して、再度の砲撃戦を仕掛ける。
敵の武装は大まかに、ボールベアリングとロケット弾頭の武装を持った一機と、分析結果からこちらの装甲材と同種のやや近距離寄りの中距離系の兵装。
しかも外せば再装填にはワイヤーの巻き戻しが必要。
ならば...と思考をまとめて、その解を叩きだす。急速反転を行い、一気に追いすがる敵機の姿をその推力差で引き離すと、高速機動による、
左右に、尾体を振るように星の軌跡を舞う、輝線は、追従する様に追いかけてくるその姿を悠々自適と、
狙いをでたらめに付け、その砲撃が当たるぬ任せる。包囲制圧射撃を敢行。
さらに、小型の超新星爆発を思わせる。蒼く輝く光の輪を残してそれが起こる。
互いに敵機の死角に回り込もうと奮戦するが、推力さと、更には、量子化の回避と共に喪わる。ボディーの破損が重なり、次第にその姿が離れて行く。
(・д・)チッ
このままじゃジリ貧だと吐き捨てる声に呼応するかのように、その姿が現れる。
それまで、サイドスライサーによる襲撃に対応していた。第七部隊と第三部隊の面々のカードが出そろう。
遠くで、去り行く機影に対して、散発的なアイゼルネ・ファウストによる擲弾攻撃が襲い掛かるが、そのどれも決め手は欠ける。
その攻防の全てが時間を希釈し、まるで何時間も相対するかのように思える。
それでも合流迄180秒…拙者の男尻で稼いで魅せる。
「青虫ッカバーに入るから敵の装甲をそいつで引きはがせ。あとは俺がやる。」アハト=佐伯は、
量子通信による思考共有により、震える最大解放された実体剣の輝きを手に、奴の構造物質は頑強、ダメージを与えるには、
同種若しくは同じ硬度の金属をによる攻撃に限る。と、即断し、
俯瞰し見てたその光景で、理由は分からないが、アンザス機、リン=山崎機、青葉機の武装はその硬度が同じ武装であると断定。
其の三機を基軸として、組み立てることにする。
最後の決め手の為に、量子化するタイミングをギリギリまで保持したまま接近できれば俺たちの勝ちだ...。
...
...
...
「将軍。出撃は控えられた方が良いかと?」
「いや、此処が正念場だ。気になる事もある。《調停者》より賜ったその機体を遊ばせておく余裕はどこにも無い。」
「肝心の奴の機体がここに無い。今、儂が出るしかあるまい。」
病状を推して、出撃を断行するヴェニ=ヴィディキは、愛機に乗り込むと、周囲の二百機余あまりのカルペディエムと艦隊へ指示を出す。
左右の別方向の進路から戦場へと到達した《R.I.P》と砲撃戦の連携を取り、遠間からの物理射撃により、奮戦する味方機への援護を支持し、
引き気味に撃って、いつでも突如現れる砲撃と遠方寄り到達する熱線へと警告文を討つ。
銀劫の残像を残して、背面のスラスターを全開に、機体各部の都合12枚の震える鱗は、其の出番を今か今かと待ち構え、一直線に、居並ぶ射線の檻を
病状とは思えぬ加速と、左右に機体を振り、螺旋状にロールするバレルロールを繰り返し悉く狙いを外して、迫るその姿鬼気迫る。命のきらめきを見せる
推力偏向ノズルを備えたスラスターを活用し、急激な減速や方向転換を行い、時に斜め後方へとズレ、進展しながらも徐々に前へと突き進む。
到達まで、数十秒。
囲い込むように互いの射線をコントロールして、逃げるアンエディテッド (unedited)は、戦場を縦横無尽と駆け抜け。時に、進行方向の《R.I.P》の陣営へと迫るかと思うと
真反対の方向に舵を切りながらジグザグを繰り返し、小惑星帯が並ぶ宙域へと隠れながら、砲撃戦を仕掛けてくる。
かつて《エーリヴァーガル》が存在した。孤軍奮闘するアイジェスの居る宙域へ向かうと思ったら、反対方向へと舵を切りを繰り返し
大きくその方向を違えながら、その長射程による攻撃で、徐々にカルペディエム陣営の戦力を削り取っていく。
増加スラスターを墜とし戦速を大幅に落とした秋桜=アーデルスワットは、幾度目かの量子化により、その機体の視界と武装が徐々に削られ、
消えゆく最後の火の如く弓を弾き絞り狙いを付ける。一射と共に腕を出し、ロケット砲の連打と共に浴びせかけるが、高速機動に入った
アンエディテッド (unedited)には綺麗に避けられ遠間より飛来するアイゼルネ・ファウストの爆裂も大きくその狙いを外し、あちらこちらに爆裂の華が咲くが
それに巻き込まれる機体は皆無。
一射を打ち込むために足を止め、集中砲火が浴びせかけられる。量子化し、回避するも、現出する方向をその思考で読み切り、
別の場所へと現れるもさらにその狙いが追従しんながらその弾幕が巻き起こす、煙を抜けて、飛び出し、唯一残された牙状の大型ライフルを構え、
その行為が無為で有ると知りつつ、引鉄を引こうとする。
「《アージナリーワン・ウェポンⅢ》...フォー...三尺秋水」
その光、その輝き、其の全て、死を呼ぶ神々の断頭台となれ...
苦し紛れに放ったその収束された粒子の一射は、極限までに高められた神経と呼応するかのように、敵に命中する瞬間その狙いが、大きくねじ曲がり、
放った秋桜=アーデルスワットへと吸い込まれ、再びの量子化を試みるが、其の浸食が、コックピット内部の装甲迄、波及、その機体を空中分解させるかと思われた
瞬間、その効果が中断し、機体上部の頭部が砲撃により吹き飛び、さらなる襲撃が襲い掛かる。
絶死の一撃が。剝き出しのコックピットへと迫る中、リン=山崎は、照準を粗目に付けて、大型アンカーを射出。襲われる秋桜=アーデルスワット機に向かって、盾になる様に
放出、光の人柱に巻き込まれる様に粒子の光が放射状に、周囲にバラまかれる。
回避運動を行い、距離を開けるも、直近のリン=山崎が、粒子の礫を浴びて、所々のカメラやセンサー類に重篤な被害を被るも、
「秋桜=アーデルスワット機、中破...いや大破。戦場から離脱します。隊長も逃げて...」
襲い掛かる光の牙を他所にやや、手加減を加えた疑似電磁バレルが奔り、音速以下まで減衰された勢いのまま戦闘宙域から離れて行く姿を見送り
リン=山崎も、残っている武装は、各部のミサイルポット群...肝心の大型アンカーは、アンエディテッド (unedited)の一撃を受けて、大きくその基部が損なわれ、
戦闘への復帰が難しくなる。
「人妻を舐めるなッ。伊達にワンオペしてないんだよ。ビーム兵器が使えないならこいつはどうだ?!」
最後に一仕事をするべく破損したアンカーを巻き取り無造作に射出し、半分に損なわれた錨を悠々と掴み取られると、続く閃光に当てられて、
完全にその基部が融解し燃え尽きる。
敵が錨を怒りをもって掴みかかると、ワイヤーの巻き取り速度最大。一気にその距離を詰め、異変を感じて、その手を離したタイミングをまって
外部装甲をパージ。
流れゆく弾体を満載した、武装を残る頭部増加武装であるバルカンポットを暗闇に浮かぶ基部に振りまき、誘爆させその爆発に巻き込み。
「男尻の耀き、守り隊、此処でめでたく解散だ。あとは頼んだよ。」
疑似電磁バレルでの高速機動で、自陣に戻ろうとした瞬間、その狙いはわかっているんだよと、ばかりに飛び行くその姿を追従するかのように
多数の《コッレクティオハンズ》を進行方向へ居並び、その射線上へと砲撃の雨を豪雨の如く降り注がせる。
(・д・)チッ、
加速と共に量子化を発動。遥か後方の《R.I.P》と第一部隊と第五部隊が、陣取る陣営へと到達すると、
時間差で到達した秋桜=アーデルスワットと共に、回収作業に入る。
その姿を安堵しつつ、後陣から合流した第七部隊と第三部隊の面々は、(・д・)チッ、同じ硬度の武装でも攻撃を喰らったらぶっ飛ぶのか????
そりゃそうだよな?と納得しつつ、戦力が目減りする状況下において、互いに戦術を組み換え組み合わせ、打開策を練る。
宙を滑空し、浮遊する大型工具と共に、戦場へと到達した青葉ら、第三部隊、第七部隊の面々は、現場に滞在していた。
アンザスからの警告のもとにビーム兵器の使用を制限を掛け物理弾頭へ攻撃に完全に切り替え、近接戦以外の使用を禁止し、
四機編隊と三機編隊のそれぞれの部隊が、捻り込みを入れつつ急制動をかけ、
斜めに落ち込みながら浮上し、バレルロールで、遠距離砲撃をすり抜けつつ肉薄する。
出足の遅い実体弾であっても、量子コンピューターによる演算を複数人に対して使用。目標となる一機の思考リソースを毟り取りながら、
投射攻撃を繰り返す。
第二部隊が刻んだその傷は、数%にも満たない傷で有ったが、時間稼ぎにはなった。
青葉は徐に、ロードマスターの基部を分離し、都合三機となった《falcis》を操り、
敵へのけん制とする。多重のマシンキャノンと実体弾の投射に終始し、楕円の軌道で上下しながら水平バレルロール繰り出し敵の狙いをずらし、
残る三機のカルペ・ディエムがそのあとを追従し、
反対側の左翼より同じように機体をブレさせながら第七部隊が実体弾と投射する。
船速を上げつつ回避運動を仕掛けた《R.I.P》は、単艦突撃を試みるが、その射程に収めた各座砲塔から放つ粒子砲が、目標ではなく、一度投射後、
自艦へとその動きを逸らし、咄嗟の回避も儘ならぬまま、砲塔掠め、誘爆による傷が、旗艦の所々から煙を上げながら、其の目算が辛くも崩れる。
「ちぃぃぃぃぃぃ、なんでもありか?奴の防御の、攻撃の穴は一体どこにあるんだ?!」
多重で展開されるビーム攪乱幕の網目すら、なんの遜色も見せず、振るわれる砲撃を艦船の舵を急激に舵輪を回し、回頭し、其の回答を導き出さんと奮戦す。
されど、突破口は見えず。
「艦長。敵味方識別コード...これは、ヴィキティッ?!です。将軍が来てくれました!!!!」
戦場では次々と登場人物が入れ替わり、奮戦する。
その合間にも、増えつづける無数の艦影と機影に巻き込まれつつ、問答無用で、レールガンの要領で、互い同士でぶつけ合いその数を減らしていくが
一向に何処にその戦力があったのかと思わんばかりに増え続ける。
その数は、無数にも及び、前回裁き討った軍勢にも迫る勢い。
どうしてその大所帯を、大軍団を維持し作り出すリソースは一体どこからくるのか、甚だ謎ではあるが、その結論は未だ見えずに、
戦線は徐々に移り変わっていく。
百キロ近いその距離を、最大戦速を以て数十秒の時間で駆け抜けると同時に、その場に参戦する。
銀劫に包まれるその曲線美の機体を震わせ接近戦を試みる。既にビームや粒子系統の武装の使用は危険と看破し、突撃と共に繰りだす実体剣と、
12機の龍鱗状の《falcis》による攻防に活路を見出す。
既に共有した。量子化による移動と共に敵の機体に重なれば、敵機の破壊は可能である。
ならば、此処は...
急加速と共に、急制動と繰り返し螺旋状の渦を巻きつつ、四方からそれぞれ、第三部隊、第七部隊、アンザス機、ヴェニ=ヴィディキは、
アンエディテッド (unedited)を包囲しつつ接近を試みるが、一撃離脱を胸に、引きはがそうと急上昇から頂点より、逆進とバーニアーによる軌道修正で
迫る攻撃を透かし、
「邪魔だ。!!!!私は、全ての人の営みを護る為に立っているッ!!!人ならざる薪が抵抗するなッ!!!」
「おぬしが人と言うのならば、ならば、今すぐ愚民ども全てに男尻を授けて見ろ」
混迷を深める無秩序に整えられた、異形の図形をその畏敬を以て、突きあげる様に突き進む。
その最中に、やや《エーリヴァーガル》への航路から外れた進路より、黒い熱放出用のコードがその赤く怪しく光る二つ目を覆い隠し、
大きく鉤爪状に伸びる刀身を備えた大型の籠手が大きくその左腕を欠如し左右のバランスを崩した目や、放出される熱量により、崩れ続ける面顔、その醜い、機体を駆り、
一度は、逃げ帰った。その機体が、アイ=アシンと協調すべく乱入してくる。
(・д・)チッ
新手か?機体が破損しているというと、ドン・キホーテの奴に蹴散らされたのか?大した奴じゃないだろうと、
神経接続による思考誘導弾をひと揃えへ行きがけの駄賃として、投射。
これで斃せるだろうと高を括った隙に、その姿が掻き消え、突如、アハト機の目の前に現れ、その剛腕を、構えた実体剣の刀身で受け止めるが、
大きくフレームが撓み、その反作用により、それまでの軌道から大きく離脱し、更に追撃を入れる為か、その高出力を振るって、突撃を仕掛ける。
随伴する二機の改修型のディエムが、アハト機の窮地に反応し、それまでの軌道から離れ、四方の包囲が、三方に減り、そして、
あの反応は...甘く果物が腐った匂いにも似た匂いは...
「すいません、イゴール隊長。あとを追いますッ!!!」
「逝くな、青葉ッ、お前が居なくなると手が足りなくなる。アハト達に任せろ。」
だが、離れ行くその姿が遠のく度に、脳髄へと痺れる様な刺激が走る。
「《falcis》を残して援護しますッ!!!アレは、私が墜とさねば...」
「逝かせよ。穴は儂が埋める。それがこやつ生かす術だ。」
頷くように、機体を傾け、隊列から離脱する青葉機を見送り、二手に分かれた第三部隊は、前を行くアンザス=フライハイとヴェニ=ヴィディキの
フォローに移り、大型の工具が、その援護に入る。
離脱した青葉機は、アイゼルネ・ファウストを構え、黒い不明機の跡を追いつつ、投射攻撃を加える。
背面から襲い掛かってくる。攻撃にたいし、加速する勢いのままその姿が掻き消えると、青葉機の死角へと移り残る右腕を叩き付けようと振りかぶった、
その腕部に向かい、そで口から咄嗟に展開した発振器を展開、光剣とその刃が交錯する。
出力差によりやや押し込まれる窮地に、追われていたアハト機は、急速反転を駆け、僚機たちへ援護射撃を指示しつつ突撃を開始。
投射される成形炸薬弾頭の実体兵器と共に、其の窮地を打ち払わんと、斬りかかる。が
その足撃と共に離れ行く軌道を掠める事もできずに、すれ違う。
助かったッ?!でもなんだあの動きは...?!
光剣が、ジッジジっとその形がブレる。長時間の展開をするとその刃を奪われかねない状況に、謎の高出力機体の存在に対し、合流し轡を並べて、
四機編隊となり、互いに互いをカバーし合い、進む目標に対し、投射する実弾兵装の雨を側転する様な動きを繰り返し、攻撃を回避しながら、距離をとるそのモーションに
何かを感じ取り。意識共有の最中にその声の目標の姿を俄かに捉える。
「その動き、その声...。」
「その匂い...。ッ!!!は?!」
「「アニスか?(オーグルか?!)」」
二重に重なるその声に、「如何にもそうだが、行きがけの駄賃だ。貴様らとの因縁は此処で断ち切らせて貰おう。裏切者。やはり純粋なクピドレス以外人ではないッ!!」
「はッそんな訳あるか?!俺たちを裏切ったのは、元々、奴らの仲間、人喰いだったという訳か?」
ならば、一切の呵責なく、叩き伏せる。
サルバトーレ=レトリバーは、冷静に状況を分析
「アハト、敵の機体はデーターベース状にデータが存在しない不明機だ。油断せず対処せよ。だが高出力と高推力を持っている物の飛び道具が見られない...接近...」
が
「隊長。いや、それは無いッ!!!」
脳裏に過る予測に合わせて、各機へと回避運動を促す。
、
翳すその手から高出力の粒子砲を照射、その閃光を回避し続け、その放出が止まった瞬間に姿勢制御用バーニアを吹かせて方向転換、口々に警告の声を上げながら
時限信管で、対(腹無し)用に備えていたビーム攪乱幕を投射、
なおも放とうとするその粒子砲の一射の効果範囲を減衰させ、その隙に青葉機とアハト機が、目標へと肉薄する。
(・д・)チッ
「改修型とは言えディエムではきついな...」イングリット=ワークマンは、敵の一射を引き付ける為に、遠間の距離から、実体弾の投射とビーム攪乱幕を振りまきながら、
漏れ出る光の尾を器用にオービットマインを張り付けた楯とビームシールドを重ねて、
器用に隊長機と共に、敵の狙いを引き付けて二機のディエムが捌く。
「アニスッっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!」
「アハトッ!!!!いつもの無口はどうした?思う存分逝かせてやるよ。その出来損ないと一緒にな。」
「貴様、クピドレスの癖に、《慈聖体》の報告を怠ったなッ」
「それは違う。私は人間だ。」
あの人が...
かつての月都市での一幕を思い出す。
...
...
...
「頼む立ってくれ、今は嘆いている場合じゃない。」
「そんな、それじゃぁ私は人間じゃなかったんだ...」
自らを鼓舞しながらも、通路に備え付けられた二丁目の斧に手をかけて、階段のドアノブを破壊して、開閉不能とし、奪った獲物と共に、足取り重く階下に向かって走り出す。
乗ってきた機体は遥か遠くにあり、そして、友軍は居ない。
それでも何とか血路を開く為、必死に青葉に語り掛ける。
「どこかに?なにかないのか?この際何でもいい乗り込める機体があれば...」
そこに...柔らかな声で、唄に交じって、そのメッセージが伝わって行く。その詩が流れる音の先を目指して進むと...
階段を降り続けて、いくつかの曲がり角を曲がったその先で、行き止まりにあたる...
...
...
...
「青葉、一度ここから離脱するぞ。」
それから、お前は人間だ。同じ言葉、同じ事を思い。生きる人間だ。これは忘れるな、それだけが大切なことだと、
つい癖で、月面都市への影響を考えて撃墜したが、望んで人を喰う奴らに慈悲はない。そしてここには、連れ去られた人間は居ない。
急ぎ、月の裏側に居る人々と合流せねば、ならぬとばかりに、宇宙港の隔壁を通り、《静かなる都》(ウルブス・トランクイッラ)から離脱を試みる。
...
...
...
投射攻撃を一時停止、振るう刃を重ねて、片腕の爪牙と打ち合う、その勢いに押されながらも、得意のいなしで、
衝撃を殺し、大きく迂回し接近してきた青葉機が光剣を、一瞬一瞬、その場限りの展開を行い、アンエディテッド (unedited)のその影響下から逃れるべく振るうも、
その腕が一部欠損する不利を推しても、その衝撃が機体を震わせる。
ん?なんだこの音は、おちおち寝てもいられねぇのかよ。各部の損傷及び、機体冷却を実行。排熱が追い付かないものの、その不利を
覆すべくその一手を切る。
俺は、ハルズ=アルマイン、この部隊のエースを張る男だ。意を決してでの《ニヴルヘイム(霧の国)》を発動。
急速に機体を冷却し、格子状の網目を見せる粒子の吹雪がその宙域に対して影響を及ぼし始める。
一方の空域では、空中で大きな二つの円をS字の様に描き、編隊を組みなおす。アンザス達は、
自機の背面を取られようとすれば、フォローする後続機及び、対面する環の両機が、半自動的に背面を取れる様な
起動を描き迫るアンエディテッド (unedited)に対抗すべく、高速機動を以てその動きを拘束せんと欲する。
使える武装は実体弾兵器が主となり、まずは囮となった、アンザス機が、その男尻を挑発的に振り振りし、
その目標を引き付けつつ、背後に回ったヴィキティの龍鱗の《falcis》の集団と共に大型工具のそれも、敵機の背面を取り
攻撃を仕掛ける。その装甲を引きはがさんと接近するそれらの対象に対して、
一旦、姿勢制御用のバーニアと手足を振ってその反作用で、後方へ、背面飛行を試み、背後を取ろうと迫る敵機を迎撃するべく宙返りを繰り出す。
その動きに反応した《falcis》を散らして、両手の実体剣による防御で撃ちだされた腕部の一撃を受け止め。その瞬間に
待ってましたとばかりに《falcis》の鈍色の刃が迫る。
工具の一撃を左腕で受け、火花を散らしながら、拮抗し、更には群がる龍鱗の刃を右腕の蛇腹状の基部で払いのけるも、そのいくつかが、機体を掠めるも
直前で、回避軌道を取られその一撃が、空ぶる。
操縦桿を掴み攻撃の一手を引き受けた《ヴェニ=ヴィディキ》は、必死に思考し、
ヴィキティが誇る最大火力であるその一撃を...《Pyrolysis Edgeパイロリシスエッジ》を繰り出すタイミングを計る。
併せるは唯一点、敵が危険と判断しているのは、状況から言ってアンザス機へと狙いが集中しているこの瞬間。
恐らく敵の装甲を破れる武装を装備している機体がこの場に他にない故の事、それを逆手どり、囮にしながら、攻撃のその瞬間を探る。
その為には動き回る敵機の動きを拘束し、動きを止めた瞬間に放つ必要がある。
だが、こいつは、《falcis》の動きを読んでるな?剃刀状の刃が空中で龍鱗の刃と交錯し蹴散らしながらもこちらに向かってくる。
いけるか??と、そう問いかける。問いに対して、
一度だけならと、回答が返ってくる。
其れと共にS字の円周期がその頂点で動きが止まる。無防備な男尻を餌に、その獲物を引っ掛けると、
まるで陸に上がった魚の様にその決定的な隙を見せる。
繰り出される頭部より伸びる破壊の光を、ギリギリで避けると続く、小型超新星の爆裂を再度の量子化で、緊急回避。
その姿が浮かび上がると同時にその目標に対して振り向きざまに、アームカバーの基部を叩き付け、その脚部を喪ったアンザス機へと命中するも
迫る一撃を残る一枚の副腕に備え付けられた偏光シールドで受け止め、大きくフレームを歪ませながら衝撃と纏わられた熱量に晒され破断する。
基部をパージ、構えらた楯へと蹴りを叩き込み、その衝撃でアンエディテッド (unedited)の動きを緩ませる。
この絶好の機会に、S字の頂点軌道に合わせてその終点より、その一撃を解放する。
コックピット内のコンソールには...《Pyrolysis Edgeパイロリシスエッジ》の表記が踊る。
虹色の炎を纏った、熱分解の一撃が、戦場を横断し、その炎が直撃し敵機をその膨大な熱量で、罪深きその装甲を焼き散らし、燃やし尽くさんと
振るわれたそれは、奇妙に刃渡りを換え、その形容変えていく。冷却状態へのカウントを開始、
その刃を加速する電光を纏いながら、カッターの刃の様に分離射出。撃発され飛翔するその刃が、敵機の射線を潜り抜け一発、二発と、次々と着弾し、光り輝く光子を振り撒きながら、突き刺さり機体内部へと潜り込もうと迫る中、そのフレームを歪まさんと、続く刃同士に伝播しその手に持つ二刀の長大な熱波の刃と化し、
両断せんと押し迫る。
コックピット内部で、ERRORと警告音が響き渡り、損傷率のゲージが、無視できない濃度迄達するも、ニヤリと笑う。
照射する頭部の武装より奔る熱線を指向性を持たさず放射展開、太陽の姿にも似たその光に太陽風の流れに押し出され、
その陽光に晒された、分離した基部が大きく流れ、降りしきる暗闇に染まる空間に雪が降る頃、アンエディテッド (unedited)は、さらに一手を切る
「《アージナリーワン・ウェポンⅢ》...ファイブ...アンデジットブレイク」
イゴールは、僚機たちへと、警告を与え、気を付けよと、言葉を添え、
「了解。」「了解了」
だが、突如、敵機に対して追従する。フォイマン=ハイマンの機体に異常事態が生じる。いきなりメインカメラの一部がブラックアウトし、
コンソール上に移る数字と文字列があべこべに入れ替わると、操縦桿の引き金を引こうとするが動きがみられない。
ンっ?なんだ?と声を漏らした瞬間、避ける間もなく剃刀の刃が、その機体に直撃する。
「フォイマンッ!!!」
「おぃ、死ぬな。フォイマンッ百合に挟まれて死にてぇって言ってたじゃねぇか?」
「おぃそれは、百合の間に挟まる男は、絶ゆる地雷だぞ」
「拙者は、壁になりたい」
今にも爆散しそうな、その機体を救うべく浮遊、する工具が、その刃を掴むと、万力の様に閉め、引き抜くと、
歪み破断されたフレームを残して、急速起動する疑似電磁バレルに乗って、今度は、進路上の狙撃を警戒し、
フェイントをかけつつ、投射を繰り返し、事なきを得る。
「啓らよ?戦場でふざけるな」
一機を喪い四機に減った第三部隊とアンザス機、ヴェニ=ヴィディキの編隊は、その謎の攻撃に対する打開策を撃てないまま
事態は加速していく。
「不工作了嗎?(ブゴンゾオラマ)」
ガチャガチャと操縦桿を動かすが、機体動作が上手く行かず、コンソール上では敵味方識別コードがバラバラに映り、敵が味方、味方が敵へと書き換わり、
成形炸薬弾頭の実体弾もその目標を見を喪い。前を行くヴィキティとアンザス機へとその狙いがズレる。
次々と離脱していく僚機を見送りつつ、高速機動に移り、敵の謎の攻撃を防がんと、奮闘するも、
機体の一部を喪い機動力に限りが見えるアンザス機をカーバーするように、イゴール機とヴェニ=ヴィディキも同じく、高速機動に入る。
機体内外で、度重なる量子化によってアンザス機は不調を訴え、コンソール上にERRORが奔り、そして、一部、メインカメラと武装が使用不可能になる。
囮になるのも儘ならぬその状況下で意を決して、その言葉を唱える。
「私の最後の一尻、見ていてください。雄尻とは、死ぬ事と、見つけたり。」
「拙者の男尻は凶暴ですよッ!!!」
振り絞る様に、背面ユニットのスラスターと、喪った片足の脚部から吹き上がる、推進の光を残し、機体バランスを崩しながらもその目標へと向かうべく
S字軌道から離れ、最後のその一手を繰り出さんと、狙うは、ハルズ機が集中攻撃を仕掛けた箇所へ...
その狙いに呼応するあの様に、冷却カウントダウンを無視して、熱暴走すら厭わぬ。
《Pyrolysis Edgeパイロリシスエッジ》の連射を強硬。
飛び掛かり、ゼロ距離射撃による熱量攻撃とAI制御による実体弾の照射を喰らわすと同時に、量子化を選択、爆炎と共に、その基部だけ残して時間差で射出された
穂先が、狙い通りに、目標へと到達する。
消えゆくアンザスから、狙いを自分へと移すべく、ERRORを示す文字列を無視して、そのリミッターを強制解除する。
放たれる虹色の熱分解の炎は、その宙域の中心地で、敵機の砲撃と重なる様に放たれ、その一撃にあっけなく貫かれ、
一瞬の弾幕を抜けて量子化が及ばぬ、攻撃直後の隙に、緋の光が走る
宙を奔るSOSを描くモールス信号にも似た、・・・---・・・閃光の軌跡が、戦場を横断し、遠く離れた小惑星帯の岩壁を塵へと帰すなか、
「そいつは墜とさせは、せんぞ!!!!!墜とさせはッ!!!」
喀血するその最中で、砲撃に機体の半分を大きく欠けさせ、かつての一幕を思い出す。
…
…
…
「異尻あり!!!!!!!!!」アンザスは、股間を隠して尻隠さず、異議を唱えて己の意義を見出す。「(。´・ω・)ん?君、裸だし、発言控えて貰える?」その意見を無視して男尻が吠える「あの戦いで、失われた命は、同士討ちが主で、ボギーワンは...アイジェス殿は...撃墜はしても民草の命を刈ってはおらぬであります。」「何故、そんな事を言えるのか?」
「拙者もあの場に居て、戦闘に巻き込まれそうになった時に、助けられたでござる。その時、今回の戦闘同様コックピットを抉り取って無力化していたでござる。」「接敵したはずの大石殿も、今も生きているではありませぬか?」
大音声で、放たれる援護射撃に、失笑が漏れる。何故あいつは裸なんだ????だれも服を渡さなかったのか?ヒソヒソ…だって…イゴール…隊長がその方が面白いからって...。
隊ちょぉぉぉぉぉと、抗議の視線を向けるとイゴールは視線を泳がせ、笑う。回りで傍聴している人々は...失笑を堪えて、悶え苦しむ
「それにまつわる次善の策についての情報だけです。」「殲滅作戦は絶対の物量を以て撃滅するはずでしたが...防がれ現在に至ります。」
「なので、私の知る限り、次の作戦が同時並行で進められた形跡はありません。あと、クピドレスは全体的に、推進機の無駄遣いを気にします。」
「(当たり前の話…だが...)だから、彼らがコロニーを墜とすと成れば出来るだけ推進剤となる燃料を節約する筈。其の為、天体の重力を利用したスイングバイを使うと思われます。その為、実際に墜ちてくるのは、数週間から数か月後になるでしょう。疑問であるのであれば...。鹵獲した機体を調べればよろしいかと?」
「そうか...猶予は当初の予測よりもあると、だがマスドライバーの修復には、数か月から数年かかる...」
「急ぎ建造を急がせるが...我らが目標は、コロニー落としの阻止と、月宙域の敵勢力圏の奪取及び」
「エーリヴァーガルと呼称される。L4宙域に存在する小惑星帯に、存在する敵拠点を撃滅する。」「各自、訓練及び機体新造とマスドライバーの修復作業に取り掛かれ、時間はギリギリだ。」始終ぺちぺち尻を叩く音が響く中その決定は下される。
「尻をぶったな。親父にもぶたれた事ないのに。」「尻よ、私は帰って来たぞ!!!!」ででーんと議場に鎮座する尻をぺちぺちと叩く音は、その議場から人が居なくなるまで続いた。
…
…
…
ハンザスッ家で全裸、になるなと何度言ったらわかる!!!服を着ろ、
父さんぶったなぁ。母さんにも打たれたも事ないのに
お前が裏でなんて言われてるか知ってるのか?裸の(ノ・ω・)ノオオオォォォ-様だぞ。
せめて機体に乗る時ぐらいノーマルスーツを着ろッ!!!
…
…
…
「行け、アンザス!我が男尻を踏み越えて!」
「男尻は………生きている限り、尻合わねばならんのだ…!」
量子の光をまき散らしながらも、繰り返される攻撃の回避のために機体の各部を喪い、動きを止めた、アンザス機に向かい、赤熱化させたアンエディテッド (unedited)の武装が突き刺さる
瞬間に、量子の光が、収束し、その間にヴィキティの機体が割り込む。
「アンザぁぁぁぁあす!!!」イゴールの叫びと共に撃墜されたかに見えた一瞬に、
春幸の「男尻だと言ってよ。フライハイ」の声が響く。
尻だ、此れが俺の男尻だ。知り合うのも多生の縁だ。
その涙、男尻で拭けよ。
その魅力に男尻られてる
汚れちまった哀しみに、今日もかつての男尻を観る。
汚れちまった哀しみには、怠惰の内に、死を孕み。
風雪絶無の夢を看る。されど…眺める視界には、涙に暮れた男尻を張れ。
男尻が啼いてる
「おじいちゃんッ!!!!」
「詩を忘れて...と伝え...馬鹿者が...パッ...と言え。」
バリンと割れるコックピットのモニターとヘルメットのシールドに亀裂が入り、それが決定的な何かであること知らせる。
破断され損壊する機体フレームを残し、砕け散った魂の叫びは、二度と全裸の男尻を見ることなく散った。
男尻が滲んで見れねぇよ
・・・
・・・
・・・
その瞬間、幾百幾千の機体を撃墜しながら、進行方向へと、疑似電磁バレルの光を引き連れ、白と黒の閃光が走る姿を目撃する。
脅威となって襲い掛かる対象が、更に増え、警戒すべき機体の対象を増やすも、都合、二機まで減らし、そして、その状況下で、直前に堕とした脅威判定をくだした一機、
以外にも、友軍機と思しき乱入者により、離れて行った数機の編隊にたいしても、意識を向ける。
漸く来たか...
操縦桿を掴み、その言葉を唱える。
「エディテット、《ノクテム・ホミニス・ノン・ムーターボ》」
私は人の闇を変えない...
下顎のみ頭部が、大顎を剥き出しにして開放、緋の色の熱源体が、蒼と赫の色を混ぜ込むもその色は混じらず。其々が独立して燃え上がる
超新星の光に似も似た。その光が一層怪しく輝く。
機体各部にならぶ、長く角ばった直角台形を何本も継ぎはぎしたかの様なシャープ且つ肉厚な、フレームが解放し、
装甲材が次々と解放され、それまでの姿と一線を画す。
曲線美と、排熱機構と思しき、剥き出しのコード類が描く、其の素体が現れる。
浮遊それらを腕部を機体の前方へと翳すと、乱れ飛ぶそれらが、機体を破損し身動きの取れないアンザス機へと降り注ぐ、
僚機の危機に大きくその軌道を変えて、咄嗟にカバーに入ったイゴール機は、クリップ型の基部へと、クルクルと発振器を放り投げ接続すると、大質量の粒子を放射しつつ、その光剣で
迫り来る装甲部材を切り払わんと、紡ぎ繋げる。
当たる装甲版の一撃をビームシールドで、斜めに弾き、二撃目を、斬り上げて、流し、三撃目を返す打ち下ろしで払う。
それでも次々と襲い掛かってくる、基部に詰められ、四撃、五撃と、襲い掛かるそれらが、イゴール機の装甲を徐々に引きはがしに掛かり、
ちィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ
更には、間に入るように工具型の《falcis》が、合間合間に一瞬照射された射線を横切るように割り込んだ。その基部が火線を防ぎながら溶解させつつ脱落していく
同時に、四方八方からへと、絶望を知らせる鐘の音が響き、前後左右の逃げ道も、回避する術を喪い。
それでも、刃を振るって贖い抗う。
絶命へのカウントダウンが続く中で、電光を纏った。電磁投射砲の光が、その歩脚を、前面に突き出し、吹き上がる勢いのまま、それは着弾する。
命中の瞬間に、前面に展開された装甲版がその勢いを留めるものの、翔る勢いのまま、その空域から一気に引きはがす。
すれ違うその一種産んで、降り注ぐ射線の雨を肩部アーマーの楯で、傾斜を付けつつ、其の光弾の雨から、守るべく偏光シールドを展開、
放たれた閃光がその基部を徐々に溶解、溶断、融解させ、その左肩部副腕を弾け飛ばせる。
左右の視界を目まぐるしく変えつつ突如現れたその敵に目を合わす。
大きく左から右へと流れるその流れ星を
目撃したアンザスは、呟く「アイジェス殿??!機体が?」
直撃し衝撃を展開された勢いをエアバックで吸収し、目標を睨みつける。
燃えるようにこの五体が身体が火照る。
「漸く来たか...出来れば、辿り着く前に、片付けて置きたかったが、まぁよい。お前が遅れた所為で味方が死んだぞ。」
下腹部、肺、角膜、舌、肝臓、すい臓、鼓膜が燃える様に熱い。
見るモノ全ての景色が変わった。かつて、意識は途絶え、続く怨嗟の声は、身悶えるその身体から溢れ出す。
痛みを増す下腹部の傷を摩りながら、身悶え身を捩らせ、喘ぐ声は一層激しく、嬌声にも似た響きを持つ
熱い、熱い、熱い、視界も、口に残る血の味も、吸い込む空気すら熱い。
その耳に聞こえる声も甘く、たどたどしいものとして聞こえる。
「嗚呼、そうか、だったら満足して死ね。」
アイジェスは、冷たくその言葉を残して、突き刺す言葉の棘で、想いを添い遂げる様に、反撃の狼煙を上げる。
光が迸る。最中で、装甲版を楯として、急速離脱。大きく距離とをりつつ射線を確保し狙い撃たんと欲する。その対象に向かい。
舞い散るように放たれる粒子をまき散らしながら迫る。
遠き夜空に浮かぶ、艦影は、既に最初の接触から、退避すべく明後日の方向へと飛ばした幾数の機体と艦船の姿が映る。
突如現れた、二機の高速機動を行うその姿に、擦れ違いながら、その頭部より、浮かぶ光体より、光の波動を放ち、ついでとばかりに撃墜を試みる。
迫る光に、叫び声をあげる間もなく、絶望すら感じることなく果てる瞬間に、
一筋の閃光が割り込む。残る、右肩部副腕で、防ぎつつ、放射状に広がる、光の余波で、周囲に浮かぶ、小惑星帯の一部が、丸ごと消滅し、
その遥か彼方に浮かぶ、廃棄されているであろう、人々の営みの灯が消えたコロニーの基部を掠め、その巨体が大きく傅きその姿が、爆光に包まれ、消失される。
同時に、疑似電磁バレルによる。緊急回避を実行、周囲の僚機たちへ、警告を与えつつ、
戦場よりの全軍退避の意を伝える。
ジュウジュウと、焼け付く様に、その破断された傷口から、迸る、黒き鮮血が、流れ出る。
今まで、様々な攻撃に晒されても、傷も、破損も見られぬその機体に、決定的な損害が発生する。
コックピット内部に表示されるコンソールでは、破損率と、両の副腕を喪い、機体の高速立体起動を支えるそれが
無くなるという事は...
互い違いに、左右に機体をブレさせ、敵の攻撃を回避と攻撃を交互に繰り返し、
放たんとする。衝撃を伴う覇劫が、瞬くも、その光は、空中でその光の色を喪い。其のまま何かに誘導されるかの軌道を見せて、
発射孔へと舞い戻ってくる。
咄嗟に、虹色の炎を展開。燃え上がる火膜に覆わられその一撃がそれる。
(・д・)チッ
事前に、量子通信で受けとった情報通り、ビームや粒子系統の兵器は、その動きを全て、こちらに帰されてしまう。
決め手を欠きながら、追いすがる直接戦闘に希望を見出す。
今だ、機体の軌道から追い付かず、遠間の間合いで、進軍する敵機と相対する。《falcis》として運用していた。
《HHB》のひと揃えと《ナインテイル》を呼び戻すべく、電磁バレルの加速で、戦場に大きな射線が伸びる。
競りあがる。浮遊感と嘔吐感に堪えながら、その星の海へと漕ぎ出した。嵐の中に漂う小舟の如く、
その荒々しい波間に翻弄され続ける。
天鵞絨の網目の如く、その絵を星空に描く、その姿に、僅かばかりの勝機を笑気を誘う。正気を失いながらも、
唯々、いつも通りの動きには、やや足りない。軌道を描きながら、相対する。
「射撃戦では...不利か...。どうにか接近を...」
大きく
・ー
模様の、光と、射線を左右に旋回を繰り返し水平方向へとバレルロールを繰り返し、追いすがりどうにかその距離を詰めようと
迫るが、その射角は360度をほこる。その頭部から放たれる、蒼と赫の緋の光が太陽風の流れを生み出しながらも
照射し、掠めるだけで、撃墜の恐れがあるその閃光を、残る副腕を使用した。
緊急回避と制動で、逆進を駆けつつさらに加速を試みる。
上昇する頂点から降り注ぐ緋の光を垂直方向のバレルロールで駆け上がりながら、狙い打つその直前には、既に回避行動を執り、
その予測反応は、衰えることなく、この湧き上がる衝動のまま接近を試みる、
急制動を欠け頂点から逆方向へ、まるで重力を感じさせない無重力起動で、転進に、
追いすがるべく、ピッチアップ...機体を旋回する方向にロールさせて傾け180度ループの軌道の跡に
180度のロールを順次実行、連続的に起こした縦軸方向へのUターンで背面飛行をしながらその進行方向を大きく変えると、
更なる追従を試みるが、断続的に放たれる閃光が、追いすがるその機影をさらに引き離し始める。
そこに急遽呼び戻した。《ナインテイル》の九つの基部が、その進行方向を閉ざすように展開。
その射砲より、実体弾を投射。簡易の疑似電磁バレルが展開。《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)製の実体弾を加速放出して、
九つの射線が思い思いに踊り、回避すべく疾走するその歩みを阻まんと放たれる。
繰り出される実体弾は、その狙いを外さず、前方に展開される、装甲版と剃刀に刃へと降り注ぎ、そのいくつかを破壊、破断の様相をみせるも、
その防御を完全には崩せず。互いの射角を合わせての打ち合いが発生。
レールガンによる攻撃を嫌い。前後を挟まれたアンエディテッド (unedited)は、360度の射角を利用して、
円系機動状に展開したクルリと回した緋色の熱線が、前後左右から迫る実体兵装の弾頭を一瞬で溶かし、撃墜する
複数の《ナインテイル》は、照射される閃光を吸引し、その基部に熱量を貯め込もうと試みるが、吸収容量をオーバーする熱量と粒子量により、
弾け飛ぶ様に、過熱と昇天し、その基部が破裂する。
対応を吸収による防御から、回避運動による。射角外からの射撃戦を試みるも、その狙いは機能せずも
その数を六基にまで減らしたそれらと共に、足を止めたアンエディテッド (unedited)に対してドッグファイトを仕掛ける。
舞い踊る光の軌跡は、度重なる応酬の果てに、散りあう。
大輪の光の華を咲かせつつ、爆ぜる。装甲、基部を徐々に破損させつつ、その動きと射線を制限すべく動く
遠く戦場の端と端で奮戦する。お互いの状況を把握しつつ、
ハルズ=アルマインは、熱暴走を起こした機体を《ニヴルヘイム(霧の国)》による強制冷却により、機体の挙動取り戻し、戦線に復帰し、
グレンデルと打ち合う、アハト機との戦闘に割り込むように、攻める。
高出力をほこりつつも左腕を喪い。一方方向への対応しかできずにいたグレンデルは、後方から惰輪を貪るその分離したロードマスターの基部を《falcis》とし
アイゼルネ・ファウストと実体弾による援護射撃を射かけつつ、その暴風の様な、鮮烈なる動きに、弾かれては、射撃を挟み込みその動きを止め、
止まった瞬間に、左右のあべこべに付けられた発振する爪牙を打ち付け、時に死角から忍び寄る、攻撃が、次第にグレンデルを追い詰め始める。
向こうでは...平行処理で操作していた工具型の《falcis》が墜ちたものの、突如参戦したアイジェスらしき機影を量子通信で同期して、
安堵するも、此処で《オーグル》を押さえつけるべく応酬に更なる拍車を仕掛ける。
大きく二つに分かれた戦場へと、更なる戦場の炎が迫る。それまで、ミズガルズ 《世界の庭》で抑えていた軍勢が徐々に
馳せ参じるべしとばかりに迫ってくる。
戦場迄の到達迄には。180秒前後
それまでに...。目標の動きと止めて、軍勢を全て斃さねばならぬ。
俺は一体何を怒りで忘れて居たのか?詩が,聴こえない。唄を歌えない。そんな事は有り得ない。
其れ迄放置していた。古びたレコーダーのスイッチを入れ、その詩に聞き入り
意を決して、最後の詩を謳う
《デッドコード》君を死が覆い隠しても、君死に給うことなかれ
最後の機構を展開する。
深く黑く染め上がる黒地に、厚めの白銀の縁取りと、角ばった水路の様に伸びる葉脈が虹の輝きもっと荒々しく色味が踊る機体に変化が訪れる
夕凪が映す鏡に映して、君を再び...コンバージョントライアウト...
先ずは、各部のロックボルトが解放され。背面の副腕と鬼面の表情が、分解、離脱を繰り返し、そして同時に、腕部、脚部の副腕も、その役目を終えて、隠されたその姿が顕わになる。
浮遊するそれらの装甲版と、部位が、終点を見失い、クルクルと同心円状に回転しながら、相対する。
アンエディテッド (unedited)が展開する装甲版と宙で衝突し、火花を散らしながら、互いを喰いあう、一対の蛇の如くその尻尾に喰いつく。
無骨なその線形から削りだされた。剥き出しのシャープで、やや華奢なフレームの全てが映し出される。
その軌道は、重力の軛から解放され、一気に加速し、彼我の距離を一気に詰めながら、その両手に銃把を掴み取ると、
その核心と
火花散る攻防がいつ果てるかも分からぬ間に、対峙する。アンエディテッド (unedited)は、
操縦桿の操作と音声認識による命令で、その一手を響かせる。
「《フィニス・マグヌス》(Finis Magnus)ッ!!!《ウンギス・マグヌス》(Unguis Magnus)起動。」
その背面に存在する。一対の羽を、羽開かせ、
幾何学模様の軌道を描き、其れは、夜空に浮かぶ、星座の軌跡にも似た奇跡を呼ぶ軌跡を描く。
事態はいよいよ大詰めに、入り、決着が付く迄...5分。
《ジンボ=ジラマ》は、その光景を眺めて、呟く...。
アレは十三番目の機体、全ての始まりにして終わりを指し示すその機体だと?!
十三番(XIII)…欠番・・・《アンチェイン》(Unchain)・・・繋がれざる者...機体特性・・・全ての束縛から解放...を唄う。
そう言う事か、何度となく我らが前に立ちふさがりしは、かつて喪われし、十三番の機体。
展開されるその色は、様々な色へと変わり、打ち払うは、絶体絶命の窮地。
まずは、一つ...
ミズガルズ 《世界の庭》と同時展開しているヴァナヘイム《豊穣の国》を切り替える。
コンバージョン...の文字が踊り、その一部が書き換わる。
組み合わせをスヴァルトアルフヘイム《鍛造の国》とヴァナヘイム《豊穣の国》へと変更。
繰り出すは鍛造の奇跡。
次々にその束縛から解放され、彩るその世界を創る領域が広がりそしてその色を変えていく。
周囲に浮かび次々と、回収され戦線を離脱した。破損した僚機たちの基部から突如傷口を肉が埋める様に、漆黒と赤が混じったその独特の金属が穴を埋める。
断続的に展開される。砲撃の嵐を、次々と量子化により、回避。
量子化すれば、その基部は収束し奪い取られるが、奪い取られた端から、その傷が、破損部位が埋まっていく。
「動きが変わっただとッ?!」
その状態に狼狽えつつ、対抗すべく、残された右腕と脚部を駆使して打ち合うが、攻撃を加える瞬間に消え、そして現れて、攻撃を加える端からどこからともなく
埋まっていくその奇妙な光景に、己の不利を悟っての逃亡を図る。
後の事は、知った事かと?叫びながら一気に逆心をかけて群がるアハトらの動きを押しのけ、去ろうとするが、逃げた先に量子化して、先回りを行い
その四方を囲まれ、振るうる発振する刃で、十重二十重と切り刻まれるが、操る《グレンデル》には、刃が通らない。
その頑強な装甲部位に対して、アハトは、対策を立てる。
その刃が、光輝く爪で、発振する刃を触れた刻に、鬨の声をあげるかの様に震えると、実体剣の刀身に貼り付けられた赤熱化する金属と反応し、そのまま敵機を両断さんと、
振るわれるが、弾かれるかに思えたその刻に、直前でその姿が消え去り、
そして、突如としてその刃がグレンデルの内部から生える。
ぐはッと
喀血する《オーグル》こと、アニス=フライヤーの身体に突き刺さる。その瞬間、折り重なる様に氷結の刃を放つ、
爪牙が、《グレンデル》の装甲を貫き、人喰いの身体を前後左右から其の全ての抉じ開けた穴に突き刺さる。
「グボッべらぁっくあ”」
絶叫を上げて昇天する。
量子化し実体化した刃は、その抵抗を無視する。
鬼子は、最後に残す言葉すらなく、爆風をまき散らしながら消え去る。
その大輪の華に背を向けて、ハルズとアハトの両機は、静かに背後を振り返りその最後の斎を見送り、そして、漸く最後の一仕事が終わろうとする実感を感じ取る。
いや、まだ仕事は残っている。
次の目標を狙い。別の戦場への移動を開始する。
アニスを降され、《ジンボ=ジラマ》は、自らも出陣する事を決断し、離れ行く戦場の最中に続々と到着する。友軍機の姿を確認し、
まだだ、まだ、こちらには無数の友軍機とアンエディテッド (unedited)が残っている。
...と
《ダン・ド・リオン》に乗り込むと周囲に、機雷の群生を展開。友軍機が到着するまでの時間を稼ごうとするが、
その彼我の距離は、一瞬で100から0へと変わり、敵陣のど真ん中に次々と、量子化による瞬間移動で、続々と
其れ迄、機体破損で行動不動に陥っていた僚機たちが、その姿を現し、一撃離脱と共に、その姿を消し去り、
次に瞬間には、その立ち位置を逆転し、鏡合わせの視覚を反転させ、その光の刃をその胸部へと突き入れ、爆散させ。
爆風に晒される事なく、次の戦場に現れ出て、戦場は混沌と化す。
「一体何が起きてる?!」
次々と友軍機を指し示す光点が、一つ、また一つと、消えていく。その数は、点滅する。敵機を指し示す識別コードを示す光が、
消えて現れた瞬間に、また、友軍の光を消し去っていく。
目の前で踊る。
目標に、思考のリソースを取られながら、友軍機への援護を行うが其の全てが当たらない。当たる瞬間に消えては、浮かび上がり、その防御を、回避行動を遮る事が出来ない。
「全ての元凶は...すべて奴が、この噎せ返る匂いの...雄が...」
ジグザグ軌道のその頂点で、機体の全砲門すべてを一か所に集中し、巨大なビーム発振器とかしたその似姿の前に花開く光の蕾から、麗しき姿態を纏った。
滴る雫を垂らし、その一射が放たれる。
その光点が、宙の一角を埋めて、浮かぶ光点の源を水面に映して消し去らんと迫る。照射される時間は、一秒と終わらず、十数秒、数十秒と、抜け出す空間全てを
巻き込み照射を続け、余波で小惑星帯の岩石が崩れ、無人のコロニーがその基部を圧し折らせ空中分解を果たし、傷者と勝者は、いずれに居るのかと示し続ける。
射線外へと量子化と共に、現れし、その僚機の姿に、何事かと安堵する。
(・д・)チッ
「こいつも避けるのか??量子化すれば、その機構とフレーム毎、取り込めるはずなのだが...何故か、理由は分からぬが、その基盤が消滅する気配がない。」
さては、何かをしたな?と、目標をその他、大勢から、目下の機体へと目を向ける。
《フィニス・マグヌス》(Finis Magnus)と《ウンギス・マグヌス》(Unguis Magnus)を最大稼働し、仮想敵としていた《デスペラード》に対して、
自らもその爪より砲撃戦を仕掛け、その頭頂部より光が走る。
《コッレクティオハンズ》による360度、全天を覆わんばかりに照射される。連続する、砲撃を繰り出し、他の機体については、削り倒しても、
映えてくる雑草の如きその姿に、大本を蹴散らせば良い。
粒子化すれば、本体の基部を巻き込み奪い取り続ければよい。
解放された。コアユニットの手足から延びるその手からは、元の機体で行っていた。
射出孔から放つ空戦機動を魅せる事は叶わずとも、それに類する。または、その変則軌道すら超える。
超高速、乱舞軌道を展開、周囲に展開された重力操作にも似たその軌道により、放たれる砲撃の網目をすり抜ける様に、
疾走し、跳び、翔けるは、ただ一つの、機体が、すり抜けつつもその銃口から延びる。蒼い閃光を放つ、その閃光は、
《アージナリーワン・ウェポンⅢ》フォーによる、光子偏重による書き換えのその束縛から放たれる。
狙い澄ませた一撃は、アンエディテッド (unedited)の肩口を掠める。
《HHB》の一枚を手元に呼び寄せると、その銃口を差し込み、換装を実行。
引き延ばしたモーニングスター上の基部を引き抜き、推進機構を起動する引鉄を引き、
其の軛をより放たれたその鈍器の一撃が、交差するアームガードに直撃、その反動で軌道がブレる。
射撃が効果薄いのであれば、物理的に叩いて破壊する。
物理と粒子の一撃を折り重ね。責め立てる。
《アージナリーワン・ウェポンⅢ》...ファイブ...アンデジットブレイクの効果を発動するも、その効果は...
その束縛から解放され、《デスペラード》の機体にまで影響を及ぼすことが出来ないまま、その行為は無為に終わる。
空中で蛇腹状の武装を伸ばし、牽制を入れるも空中で、銃撃を受け軌道がそれ其処に物理兵装である球状の星が命中し火花を散らし、弾きながら
その一撃が左腕のアームカバーに遮られ、破損を免れるものの大きく損なわれた慣性速度が減速され、擦れ違いざまに、
脚癖の悪い足撃が、機体へと注がれ、コックピット内部でエアバックが展開その衝撃を殺しながらも、制動を駆けて、
大きく下降しながら急加速を駆ける。
そこで二つ、
組み合わせをスヴァルトアルフヘイム《鍛造の国》とヴァナヘイム《豊穣の国》から、
アースガルズ 《神々の庭》とヴァナヘイム《豊穣の国》を
束縛から解放し、浪々に歌う。
過大な負荷を駆けつつ、その動きを絞り出すように、重力場を展開。
アンエディテッド (unedited)のコックピット内部で、内臓を放り出させるように
荷重をかけるモノの、その動きに遅滞が見られるものの
コックピット内部で、急制動により掛かるG...重力を減衰させるフィードバックを受け、緩慢になるもののその動きは、止まらない。
足を止めた瞬間に、重力子のフォローアップを受けて叩きつけられた
モーニングスター状の星が、煌めく流星となって隆盛を誇る存在に向かって、
命中する。
背面部より伸びる左右の大爪(Finis Magnus)と《ウンギス・マグヌス》(Unguis Magnus)が、
その攻撃を受け止まんと欲し、
その一撃を受け取るも荷重に耐えきれず、
再度の、エアバックを発動させ、機体に損壊を与え装甲の一部が大きく爆ぜノーマルスーツのヘルメット内部で、鮮血が舞う。
すぐさまスーツ内部の機構により流出した液体が吸引され、視界を確保した
アイ=アシンは、絞り出すように、その引鉄に手をかけて、蒼と赫の緋の光が瞬き、
迫る波動を空中に開けた、重力場の穴に呼び込み、遥か彼方のどこかの宙域へ、放り出し、それを無効化する。
チィぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。
こちらの攻撃が悉く防がれる。だが...。それだけではない。
このままだと押し切られる...。
その死闘の中で、《デスペラード》内部のコンソール上に、敵対機体の情報が映し出される。
機体ナンバー...Ⅲ《アンエディテット》(Unedited)・・・1.編纂されぬ者…機体特性・・・その攻撃や機体には、なにもののも干渉を出来ない。
武装各種...
《マンディブラス》
《コッレクティオハンズ》
《フィニス・マグヌス》(Finis Magnus)
《ウンギス・マグヌス》(Unguis Magnus)
《アージナリーワン・ウェポンⅢ》
動力炉...《参式プランクエンジン》一基、リアクティブジェネレーター二基及び...《Fictumフィクトゥムドライヴ》
※但し、動作不良が発生する未完成品...その機能は、偏光フィールドやその他の防御機構の影響を一切受けない且つ、高出力の砲撃戦を得意とする。
実装間もないプランクエンジンは、ダグザの釜に比べ不安定で、ジェネレータへ直撃した場合、その宇宙開闢に匹敵する熱量が解放され、宇宙が崩壊する危険性あり。
開発者らしき人物の但し書きを確認し、
小さく舌打ちをして、対策を練る。
繰り返される応酬の中で、三度それが起こる。
アースガルズ 《神々の庭》とヴァナヘイム《豊穣の国》から
束縛を解放し...
大きく軌道の進行方向を入れ替えながら、接戦を繰り広げ奔る星空の下で、それが展開される。
ムスペルヘイム 《灼熱の国》の熱波は、アンエディテッド (unedited)へ影響を凡そ及ぼせない、
ニヴルヘイム《霧の国》も、その視認を誤魔化せない
アルフヘイム 《光の国》の光は、相性が最悪で、実行するには危険がある。
残る手札で、通用するのは?
スヴァルトアルフヘイム 《鍛造の国》
ヘルヘイム 《死者の国》
ヨトゥンヘイム《巨人の国》
ミズガルズ《世界の庭》
無数有る手札の中で、スヴァルトアルフヘイム 《鍛造の国》を選択、再びの《ヴァナヘイム(豊穣の国)》との組み合わせにおいて、
其の武装を鍛造する。組みあがるべき獲物は、星型のハンマーに、金属の枝が伸びあがりながら、絡み合いその獲物を作り上げる。
《トールハンマー》の威容を以て、中距離戦での撃ち合いを試みる。
丁度その頃、でたらめに動き回る二機の機影を目まぐるしい視点を仰ぎ見て、
アンザスは、破損した機体が、いつの間にか配色が変わるものの元通りの姿へと宙に浮かぶヴィキティが使用していたその実体剣と騎乗槍を掴み上げ、
その一瞬を目撃する為に、狙い打つ。
随伴するイゴールも同じく片側に、クリップ型のビームサーベルと実体剣を掴み取り、クルリと手首を回転させつつ、
一斉に天を駆ける。
高速機動に入り超高速機動で飛び回る二機を捉えるには加速度が足りない、故に、アイジェスが追い込むであろう先に待ち構え、
交錯する瞬間に、
「これはおじいちゃんの分だッ!!!!拙者は、この男尻に賭けて、一矢報いる。」と大爪に守られた機体を初撃でその防御を外すべく撃発する穂先を身体ではなく背後の爪へと射かけ絡まったワイヤーに引きずられる様に
疾走する。爪の直撃を受けて同時に前面に武装による十字に構えた刃先へと突撃する機体が、二機の機体を押し上げ、上昇する。
ワイヤーを巻き取りつつ、態々乱入してきた闖入者を排除するべく至近距離からの砲撃を放とうとした瞬間に、雷撃の爪が、その機体前面を綺麗に避けつつ、
雷が落ちる。
流れ出る電流に撃たれるもEMPによる電磁パルスは影響を及ぼさず、その一撃で、逆にアンザス機とイゴール機のコンソールとメインカメラの映像が欠ける。
苦し紛れで繰り出された、実体剣の刃が、《アンエディテット》(Unedited)の腹部へと浅く突き刺さり、
稼働する勢いに振り落とされて、二機の姿が昇る頂点を待たずに、放り出される。
(・д・)チッ
この瞬間だ
と、ばかりに叫び、雷霆の一撃を放つ、
四つ、スヴァルトアルフヘイム 《鍛造の国》とミズガルズ《世界の庭》の組み合わせへと偏重させ、
疑似電磁バレルを展開して、身動きの出来ぬ二機に対して緊急回避を実行、其れと共に放たれた稲光は
突き刺さった実体剣に纏わりつき、電磁誘導と雷霆が合わさった、レールガンが零距離からくりだされ、大きくその機体に損傷を与え、動きが目に見えて、衰える。
が、欠けた機体の一部を庇いながらも、飛行は続き、
其の頭部から放たれる緋色の陽光が、退避したアンザス機とイゴール機の進行方向へ放射される。
咄嗟に電磁加速を加え射線上へと、《デスペラード》の機体を割り込ませる。
直撃する光と《黒曜鉄鋼》(ブラックライト).の装甲が一瞬拮抗するも融点を超える熱線を受けて、脚部が大きく損なわれる。
互いに損傷を受けつつ、互いに攻め手を繰り出し続ける。
五つ、ミズガルズ《世界の庭》と、ヘルヘイム 《死者の国》のもう一つの組み合わせを実行する。
機能発動限界まで...45秒
ヘルヘイム 《死者の国》...かつて受け止めた。死せる魂へと訴え掛ける。
...
...
...
さらに、その照準を月の裏側《南極エイトケン盆地》へ目標を変え飛躍させ。稼働する出力のすべてを次射に込めて撃つ、アイジェスが操るコックピット内のコンソール上では、
《Fictumフィクトゥムドライヴ》そう表示された外部、動力炉が、繰り出す膨大な出力を暴れまわる勢いのまま、自転で生じるコリオリオは、自転スピードの遅い月面では無視できる。
問題は遥か彼方の射線上に居並ぶ複数のクレーターの隆起する峰。軌道射撃計算を行い。直線で飛来し障害物となるその淵をその出力で押し流し、射線を阻むクレーターの縁をその隆起する壁面ごと撃ち抜き問答無用で、穿ち続ける。
その絶対の熱量は、地形の裾野を、分解し、ガラス状に変質させる事もなく、只の粒子の塵へ変えていく。灰を灰として、塵は塵に、その絶命の声を、炉にくべてひたすらその命を奪い去る。崩れ落ちる山麓の破片は宙に滞留することなく消滅、消えゆく無数の命と、輝に包まれし、断末魔の声を上げる者どもに慈悲はなく、唯々、降り注ぐ光の奔流をもってその対象をこの世から消し去る事にのみ注力する。
...
...
...
L4宙域からやや離れた場所に浮かぶ、アステロイドベルトより牽引してきた巨大な資材発掘用の小惑星その威容は、所々、照明の光が、虚空の暗闇に向かって瞬く、
その全長は、やや小ぶりな天体にも思えるその巨体を
接触する訳でもなく、ただ、敵を討つだけ為の一発の弾丸として処理する。
その強大な出力により放たれし一射は、展開する戦場の粗全域を収め、そして、遥か彼方の宙の下、一切皆苦を謡い。
ただ生きるのみの苦しみを込めて、遠く宵闇の諸行無常を識る。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。誰もが同じように衰え、その隆盛と命を衰え損なわせる。
だからせめて、その時に狼狽えない様に、万全を拝し。君に伝えよう。
いつか俺も君の所に行く刻が訪れる。それは避けられない、せめてその時に、胸を張って逝ける様に、俺は生きる。
諸法無我...俺が俺で居られる理由は、君が居るから、君を喪った自らに何が一体残るというのか?
白と黒の閃光に包まれ、黒い漆黒の闇を白い閃光が、居並ぶその光景を魅せる。
大気との接触が無いモノのその加速する弾体は、その戦場に残る。粗すべての敵影を重ねて、巻き込み、巨岩の小惑星は、幾重にも重なる命の火花をまき散らしながら
叩きつけられる。明滅する命の光に包まれ、その岩盤が徐々に崩れ始める。
迸る。白濁とした情念は、その目的を果たし、放たれる。
暗闇の宙を一塵の波濤が押し寄せ、その向かう先は、遥か彼方の銀河の園。いつか訪れる闇を見送り、続くその結果に息をのむ。
…
その闇に触れるは、幾千幾万幾億の喪われ死、傷み、痛み、悼む。その最後の断末魔、アイジェスは、其の全てを狂う事なく、全てを受け止め、
何事も無いように、再び前へと向かう。
戦争という異常な状況で有っても、普段と変わらず、正しさを追い求め、普段と変わらぬ行動と思考をするのは、果たして正常なのか異常なのか?
俺にはその答えは知らない。
のちの世の人間が決めればいい事だ。
それは、且つての戦場で相まみえた光景が眼前に広がる。
七日目…《殺戮の7日間》と呼ばれた最後の日、最後の灯が墜ちる。無数の亡者の怨嗟の声を受けて、金縛りを受けた、兵士たちは、その断末魔の声と思念を受けて、
精神に異常をきたして、その争いの矛先を収めていた。
...
...
...
その日、その場に最後まで立っていた機体は、ボギー1一機のみとなり、その戦場を見回して、満足そうに頷くと、その場を収めて、何もせずに、放たれた嚆矢が、元居た場所へと還るかのように飛翔する姿が目撃される資源衛星を牽引してきた作業者と、それを横取りしようと権利を主張する。
財閥の台頭。そしてそれを納めようと、駆り出された軍閥の一部が、それぞれの権利を主張した。奪い合いに発展。血みどろの戦闘へと変わり、正式な発表では、253機とも言われる機体の被害と多大なる人的被害を以て鎮圧されたとされる。
TVの映像では、破壊された機影を映して、次の瞬間には人が死んだと、その事実のみが伝えられる。その犠牲者の数は、其之殆ど、初めの2日までに集中し、その戦火に巻き込まれそして参加した者が百余名。
生存者は、その恐ろしさに驚愕し、精神を病んで、次々と退役していった。結局はその資源衛星の管理権限は、全くその争いに加わらなかった、コロニー公団預かりへとなる。
...
...
...
死者の魂を束ねて、解放する。翳す手のひらから広がる怨念と、叫び、そして柔らかなその声が、詩が鳴り響く、
かつて喪った者との邂逅を果たし、
放たれた光は、千里、万里を超えて。周辺の機体へと影響を及ぼす。襲い掛かる人喰いカルニヴォルス (carnivorus)の群れの動きを停止させ、
その身動きを取れぬ状況へと墜とし続ける。
アハト=佐伯や、ハルズ=アルマイン、宗谷=大石にイゴール=マッケンジーのかつての戦場で邂逅を果たした面々は、その薄ら寒い。現象に身震いしながら、
いつ果てるか分からぬ争いの終わりを感じとり、やはりボギーワンが...その男の異名である事実を確認する。
されど、我は、編纂されぬ者…機体特性・・・その攻撃や機体には、なにもののも干渉を出来ない。
《アンチェイン》(Unchain)・・・繋がれざる者...機体特性・・・全ての束縛から解放を唄う。
矛盾するその鉾と盾が交わり、反発し、互いの効果が相殺される。
降り注ぐ熱線を機体を覆う光の膜により、その破滅的なまでに長い照射時間と効果範囲を誇るその光に晒されても、活動し、
頭部の《エリンの穂先》より、弾体を射出、繰り出した狙いは、何かに導かれて吸い込まれる様にその腕部へと突き刺さる。
剥落する装甲と部品をまき散らしながらも、決定打とはならず。
(・д・)チッ
これもダメか?
丁度、展開していた《一葉灼伏》の光が途絶え、映る画面には、ジェネレーター欠損率。50%を指し示し、大きく機体性能を墜としながら、
互いに体を入れ替え、頭部に備え付けられた武装の一撃、一撃を互いに撃ちあう。
夜空を彩る。次々と消えゆく光の光点を、見送り、そして残る残留する何かに、導かれ、一瞬で48手先を読み、其の全ての結果が、自機の撃墜を指し示す中で、
自機の完全回避を捨て去り、肉を切らせて骨を穿つ。居並ぶ一手の最後にその結果を書き加える
空中で《HHB》や《ナインテイル》と分離した《フィニス・マグヌス》(Finis Magnus)と《ウンギス・マグヌス》(Unguis Magnus)の
大爪が宙空で、互いが衝突し、砲撃を吐きかけ次第にその数を減らしていき互いの砲撃で、其の基部が破損し、次々と部品が剥落していく。
出口に無い思考の迷宮より、抜け出すべく、その答えを導き出す。相手が、機体の性能さで、上を行くのであれば、臨機応変、その場その場で、
最適解を導き出し、その動きと予測を超えろッ!
その軌道の終点へと互いの一歩が次第に近づいていく、幾何学模様を描くその絵の最後の刻が迫る。
吹き出す煙を抜け出し、更に上へ上へと昇り、光る熱線とレールガンの火が、瞬き、互いの腕部が吹き飛び、残る武装は、頭部の実体兵装のみ、
稼働する推力や生命維持を捨てて、頭部の武装への出力調整を最大、欠けた出力を、動力の循環と集中により補い、最小限の動きでの回避を試みる。
機体出力差で、大き上を取られた瞬間に、いち早く緋桜の熱線が、下部より迫る《デスペラード》へ降り注ぐ瞬間に、
何処からともなく現れた脚部の一部が、突如飛来し、その頭部に直撃し、その狙いが大きく外れ、
最後の一射が放たれる。
交錯する光と光が、互いの機体を撃ち抜くかに見えた刹那に、その狙い澄ませた一撃は、頭部の下顎を吹き飛ばし、最後の武装を損壊させ、大きくその動きを停止させる。
コックピット内ではERRORを甚大なる損壊状態を指し示す。警告音が鳴り響く中で。頭部武装の残弾数は0。
剥がれ落ちた手足を支えるものはなく。
宙天には、迫る敵機の群れは...。既にその動きを止め、群がるCarpe Diemの陣営は、友軍の救出と敵機の捕縛の行動に入る中、
身動きの取れないアイジェスは、仲間が語り掛けてくるその声を聴きながら、自分の最後の仕事が終わった事を感じる。
動かぬ機体を投棄して、救出された。アイジェスは、同僚たちの前へ踏み出し、口々に、言葉を投げられつつも、
事情は話さず沈黙を貫く、
人殺しッなんで母さんを殺したんだッ!!!!!!なんで、なんでだよ...
「嗚呼、そうだ俺が殺した。言い訳はしない。」
(俺には、すまないと謝る資格すらない。)
「なんでだよぉッー何とか言えよ。」
ぽかぽかと殴りつけられるその拳を受け止め嗚咽するその声を自らの罰として、其の全てを受け止める。
(春幸君...でも、おじさんが、その手を使ったという事は...。月都市と同じくきっと...既に誰も居なくなって...。)
起きたであろう事実を予測し知りながらも、嗚咽する少年にかける言葉はなく、そしてそれを受け止め、見るからに涙を浮かべるも必死に強張った笑みを浮かべる
その意味に、青葉は何も言えずに、手を噛んで声を殺して嗚咽する。
そして、その光景を心配そうに、出来上がったドーナッツを頬張るアンザスが見守る...
手には確かにぎゅっと手を握る誰かの姿が...
...
...
...
リンゴ~ン、リンゴ~ン、教会の鐘が鳴り、純白のドレスと、ふんどし姿の新郎新婦がその見事なまでに磨かれた臀部を晒し、陽光が反射し、
煌めく輝きを見せつけながら、式は始まる。
汝、シュガー=ナッツは、この男 アンザス=フライハイを夫とし、
良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、
病める時も健やかなる時も、共に歩み、
他の者に依らず、死が二人を分かつまで、
愛を誓い、夫を想い、夫のみに添うことを、
神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?
はぃッ、いいえ!
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「えっ」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
拙者は、神には誓わないでござる。もし別れの時に神様の所為にしたくないでござる。
この男尻に賭けて常に寄り添う事を誓う。
ぴかぴかと輝く男尻が、ステンドグラスに照らされた、光を受けて一層輝く
ごほっん
皆さん、お二人の上に男尻の祝福を願いを、
結婚の絆によって結ばれた このお二人を
男尻が慈しみ深く守り、助けてくださるよう
祈りましょう。
その男の力の源泉たる男尻よ、
あなたはご自分のかたどった男尻をを造り、
夫婦の愛を祝福してくださいました。
今日結婚の誓いをかわした二人の上に、
満ちあふれる祝福を注いでください。
二人が愛に生き、健全な家庭を造りますように。
喜びにつけ悲しみにつけ信頼と感謝を忘れず、
あなたに支えられて仕事に励み、
困難にあっては慰めを見いだすことができますように。
また多くの友に恵まれ、結婚がもたらす
恵みによって成長し、実り豊かな生活を
送ることができますように。
わたしたちの主 男尻によって、その道行を守らん。
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ラーメン!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
謎の掛け声と共に、
天を仰いて、アンザスは心の中でつぶやく、アイジェス殿、式には着てくれなかったでござるろうか?
其れだけが無念。
あれ?でも男尻ってドン・キホーテと熱々だったんじゃなかったけ?
?????????????
「何言ってるんですか皆さん、アンザスさんが毎回。ドーナッツ屋さんに足しげなく通ってたの目当ての女性が居たからですよ。」
「そもそも、なんで一緒に通ってた皆さんが気付いてないんですか?」
春幸がやれやれとその事実を指摘する
幸せそうな花嫁の姿を見送り
「たしかに?!?!」
「えっそうだったの?でもあいつドーナッツ屋に行くとき大体ふんどし姿だったし?女を口説く服装じゃねぇだろ?!」
「イゴール隊長知ってましたか?」
んーーーーそう言えば思い当たる節があるが、
「まぁ、式の礼服にふんどし選んでるし、そうだったんだろうな。」
うんうん、とお互いに納得しあい、祝福の声をあげて、
アンザスさんには、悪いけど...僕にはまだやる事がある。
「父さん、僕行ってくるよ。」
「そうか私は、大丈夫だ。行ってあげなさい。便りは、忘れずにな?」
「うんッ!」
とてとてと掛けていくその後ろ姿を見送り、一言、今は亡き愛娘へと呟く、
「これで良いんだよな。アスミ」
…
…
…
アイジェイス=ブラットワーカーは、コロニー内部の宇宙港で、次の便への出発を待っていた。
行先は、特に誰にも伝えて居ない。
独りで旅立ち、一人で逝く、その道行の背に、
ん?
機体トラブルにより、次のコロニーへの便の出発が停滞する。
今頃、あいつの結婚式が進行中のはずだろう。このタイミングで有れば誰に気付かれることもなく、
旅立つことが出来る。
だが、何が起きたのか原因不明のトラブルで、出発が遅れている。
やれやれ、先が思いやられるな。
そんな愚痴を吐きながらも、今だ残る彼女の後姿を映した写真を眺め。湧き上がる恋慕の情を抑えて、再び前を向いて歩きだす。
譬え一人で有ろうと、いつも彼女は俺の傍に居るのだから。
古い音楽レコーダーのイヤホンに耳を当てて、懐かしいその声を聴く。
「おぃ、おっさん。いや、親父。息子を置いてどこ行くんだよ。」
ん?
「春幸、どうした?親父さんはどうするんだ?」
(未だ、あの時の話を出来て居ないが...。)
「俺の親はあんたと違って、しっかりしてるんだ。あんた独りだったら、寂しすぎるだろ?俺が付いて行ってやるよ。どこに行くんだ?どうせ、■■■■にあるどこかのコロニーあたりだろ?」
(母さんに聞いて知ってるんだ。僕は...俺は...)
ずびずびと鼻を啜り、横に並ぶと、何かを待っていたかのように、宇宙港で出立を待っていた輸送機の整備が完了した旨を知らせるアナウンスが鳴り響く、
「乗る便はあっちだよな。行くぞ糞親父。」
「ちょっとぉー春幸君、早い。早く逝かないでよ。私もいっしょに行くよ。」
「あれ?何で青葉ねぇちゃん?」
「式場抜け出すから、多分おじさんのところに行くのかと思ってついてきたよ。」
嗚呼、お前らやれやれ、仕方いなと、
その手を引く、小さな手に包まれ、彼女の詩を聴きながら、三人人は新たな旅に経つ。
そして物語の幕は一度、降りて、物語は一先ずの決着を見る。
されど、その最後の一節は未だ語られず。
物語は、続く。
一年にも満たない戦域で繰り広げられた争いは、犠牲亡き戦争と呼ばれ、その時期から、クピドレスの暗躍は途切れる。
喪った犠牲は、凡そ事故として処理され、人々の記憶から忘れ去られた。
彼らの道行きの先に幸多からんことを祈り、
ひとまず終わりを見せ、第一幕の幕が下りる。
つづく
〆
毎月、月末最終日に2話更新予定。
誤字脱字、誤りがあったら修正するので、教えてください。
戦闘経過時間380秒から580秒にしようとしたら、其のままで良い言って言われたので、戻した。
https://www.youtube.com/shorts/EP2VVgZIPuI
※会話パートだけで可成り時間占めてる気がするし、かなりの高速戦闘になるけど、まぁ思考共有して会話してるから別に良いか?




