登校と激闘(リオール視点)
リオール視点
レントがこうなるまで私の思考は停止していた。
この現象については今は考えなくていい。
今はレントの周りを取り囲み苦しめる魔力壁を消す。
ガーミラが行使している魔法は炎、水、土等の自然現象を使うものではなく
繊細な魔力操作で魔力壁を生成して拘束、圧迫、殴打をするタイプ。
魔力操作に自信がなければ自然現象や生成を当てにするはず。
ガーミラの才能についてはわからない、それでもこの熟達した技術は、教師足る
技量であることを示してる。
それでも!レントを傷つける人の才能は必要ない!
私は、ガーミラが生成した魔力壁に形状を合わせる。
これだけで簡単に魔力壁は消える。
同じ空間に魔力壁は生成できない。これは才能者が全員知っている原則だ。
だけど誰もそれを行わない。なぜそれをしないのか。理由は簡単だ、相手の魔力壁の形状
に合わせて魔力壁を生成するなんてことは並の魔力操作では不可能だからだ。
それが刹那の時間に行われた事実に、ガーミラは困惑する。
この目の前の少女は私の何倍も強いのではないか?
そんな不安が目の前をよぎる。
困惑による思考の停止も束の間、リオールはガーミラに攻撃を仕掛ける。
それは無数の魔力壁の槍、それをガーミラの魔力探知が知覚し、絶望に変わる。
こんな膨大かつ速度があり質量も感じる、この攻撃は並大抵じゃない、並の才能者で
あればこの攻撃は四方八方に霧散するはず。
しかし予想とは裏腹にそれは起こることがなく、ガーミラを拘束した。
なんだ?殺すつもりだったんじゃないのか?
ガーミラはリオールをにらみつけている。
だがリオールはそれを意にも留めず気を失っているレントを抱きかかえて歩み始める。
かつてはリング状に取り囲んでいた生徒の輪もくずれ、それぞれ困惑、突然の状況の理解も追いつかず硬直しているものばかりだった。
だがその中に、ただ一人だけ――去りゆくリオールの背中を、じっと目で追う者がいた。