140字小説8.9. 『バス停』『多重夢』
『バス停』
通勤で使うバス停で事故があった。
そのバス停に男がぽつりと立っている。
あぁ見えてしまったなと思ったが、
「バスはここは来ないよ」というと
「そうなんですか!どうりで。いくら待っても来ないんですよ」
とこちらを見ていった。
震えて足が動かなかった。
だって
そこにいたのは『僕』だったから。
『多重夢』
もう何度目だろうか。
こうやって目が覚めて、夢かと安心する。
隣の妻におはようといい、仕事の用意をして家を出る。
すると黒い何かにナイフで切り裂かれる。
そしてまた目が覚める。
同じ時間、同じ場所、そして同じ夢。
ただ一つ違う事。
それは僕は毎回違う人。
あれ?現実の僕はどんなだったっけ。
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最後まで読んで頂きありがとうございます。
まだまだ未熟者でございます。頑張ります。
本日は!ちょっぴりホラーな感じにしました。
ほら、あなたの後ろ。気をつけて下さいよ
泉ふく