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【第17話】別世界伝説

すみません、15話の後に17話を投稿していました。本来の順番に修正しました!

 なし崩し的に夕食をご相伴させていただいたあと、このままなんもしないで帰ってはよくなかろうと、俺は食器洗いやら後片付けをする。


 それなりに時間がかかってしまっていたようで、俺という珍客がいて少し興奮気味だった子供たちはいつのまにか寝てしまっていた。


「じゃあ、俺はそろそろ帰るよ。なんか悪かったな、忙しいときにお邪魔しちゃったのも含めて」


「あー、それはなんとかなったからいいよ」


 斑鳩が「どうせならコーヒーでも飲んでてってよ」と言うので、なにがどうせならかわからなかったが、俺は飲んでから帰ることにする。


「ちょっと驚いたでしょ? 兄弟も多いし」


「うん、まあ、正直に言えば、ちょっとイメージとは違ったな」


「だよねー。まあ、でも、おおっぴらにすることでもないし」


「…………」


「…………」


 ちょっと気まずい沈黙。


 俺は、逆にスルーするのもなんだろうと思い、少し込み入った話を試みる。


「ひとりで世話してるのか? 兄弟」


「んー、基本あたしだけって感じかな。まだ一番上でも9歳だし。頼めることもあるけど、全部任せるってのは無理っしょ」


 斑鳩はポツリポツリと語り始める。


 母親が奔放な性格で男と別れてはくっつきを繰り返し、どんどん兄弟が増えていったこと。ここにいる兄弟全員の父親が違うこと。


「しかも今は男とどっか行ってて帰ってこないんだ。自分は好き勝手するくせに、あたしにはちゃんと勉強しろとか言ってるし。ほんと勝手。だから真面目とは真逆をやろうって決めたんだ」


 ギャルってのは不真面目なものなのかは若干疑問点は残ったが、母親への反発心で今のような形になったのは理解できた。


 外見に似合わず苦労しているなぁというのが雑な感想であることも承知の上だが、やはり人は外見だけでいろいろ判断してはいけないなと改めて思う。


「じゃあ、もしかしてあの陣内ってのも母親関係なのか?」


「陣内? たぶん違うと思う。なんか突然現れて、コクられて。お前とは今度こそ一緒になる運命なんだとかって。以前の世界では失敗した、とか言ってて。断ったのにカレシ面が止まんないんだよね。なんなんだろ、アレ」


 たしかになんのことかわからん。


「でも今日一日ラブラブっぷり見せつけてあきらめてくれたっしょ。あのさ、今日は楽しかったよ。でもまあなんていうか、やっぱ陣内がまだあきらめたかわかんないし、また今度、てか来週? デート的な、してもいいっていうか」


 俺から視線を逸らして慌ただしく髪の毛を整える斑鳩。

 なんとなく顔を赤くしているように見える。


 いやしかし、なんのことかわからんとはいえ、ちょっと気になる言葉があった。


 以前の世界って、陣内がそう言ったんだよな。


 まさかあいつも俺と同じ……。




 *   *   *




 一方、その頃。


 陣内テツトは自室に閉じこもり、怒りに打ち震えていた。


 なぜサシャはあんな男を選んだのか。

 なぜ俺じゃないのか。


 何度も何度も同じ夢を見る。


 自分とサシャの結婚式の夢を。


 いや、あれは夢なんかではない。


 感覚でわかる。

 あれは現実だ!


 あれが現実なのが間違いないとして、なぜあの結婚式の夢は、いつも途中で終わってしまうのか。


 そして、どうしてだかわからないが、自分とサシャとは結ばれなかったのだと、心の底で理解している。


 なぜなのか……!


 俺と、サシャは、今度こそ結ばれなくてはならない……!




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