受賞から4月末の加筆まで
さて、Tさんですが、書籍化どうですかのメールにさっそく加筆のことが書いてあるわけですよ。当たり前ですね。ESNは11〜13万字程度のものが多いとの話をいただきましたが、要は3倍にしないといけません。
開幕その話をした時に「話が早くて助かります」と言われましたが、うん、それはそう。なんなら一番気にしてました。
と言う訳で、1月の中盤以降から話のネタを練り始めます。『薄明の君は歌う。古き吸血鬼が為に。』の完結後の活動報告で、
これ書いたら次は何書こうかなあなどと考えていたのですが、ちょいと忙しくなってしまったので新作を出すのは難しい情勢。
ぐぬぬ。_( _ξ˚⊿˚)ξ_
と書いたのですが、これ実は書籍化のための加筆作業だったりするんですね。
で、契約の大まかな条件についてメールでやり取りしてから編集さんと電話です。
印税とか出版部数、発売時期の話と加筆の納期とか。
印税は一般的かつ不満のないあれです。
部数に関しては最近はレーベルも増えてということでちょっと昔より減りましたわー的な話とかね。
電話やメールではテサシアについてこんなとこが良かったーと褒めていただきました。ありがとうありがとう。なまこもおだてれば木にのぼります。
加筆については編集、これはTさんだけではなくESN大賞の選考委員の総意として、「こいつなら書けるやろ」と思っていただけたとのこと。
まあ、長編も書いてる作者だし、更新頻度や作品数見れば明らかではある。
この時点で既に夏、8月刊行予定でした。結構先だなと思いましたが、そもそも文章量足りてませんし。
受賞のオファー頂いた時に、Tさんからはどういった内容の加筆をして欲しいかという話を後ほど送りますねーと言われてたんです。
うん。テサシア読み直して修正入れた上で8万字とか加筆するわけですよ。流石にそれ待ってられなくてね。
オファーあった直後から加筆して欲しい内容とか聞かずに書き始めてました。
私は割とコンスタントに毎日書けるタイプの作者なんですが、一気にたくさん書けるタイプでもないってのもあります。
で、加筆作業なんですが、ここで『テサシア』の面倒なとこは、冒頭と〆の形が固定されているんですよ。中間を伸ばさざるを得ないことですね。
例えばTさんからのメッセージなのですが、「冒頭は定番の婚約破棄を捻った立ち位置の設定に興味を持ち、次のカフェのシーンでテサシアの語彙力が爆発し、直後に登場するルートヴィッヒに心を掴まれた」ってあったんですね。
つまり冒頭の掴みからヒーローとの絡みまでの流れを褒められているので、ここに何か別のイベント挿入し難いんですよね。
結構苦労しました。
実は4月末に入院することになったのもあって、それまでに一度書き上げています。その後も何度も修正はいれてますけどね。
書籍版の章タイトルが、
婚約破棄
喫茶店
※閑話 ルートヴィッヒと弟
レガッタ
学校にて
※決闘騒ぎ
※デート
※聖女ミズキ
※閑話 令息と殿下と聖女
戦の気配
※デビュタント
わたし、ルートヴィッヒ様が好き
アーベライン領へ
祈りの時
※閑話 ナゲイトア領・1
※王都で買い物
※閑話 ナゲイトア領・2
ルートヴィッヒの帰還
エンディング
閑話 ビギニング
※マークつけたところは完全書き下ろしですからね。半分じゃんっていう。
ただデビュタントは、編集さんからOK貰ったので、WEB版テサシアの方に発売記念ということで後ほど公開するかな。過去の独立したシーンだからね。
加筆していたものは何人かの友人に読んでもらってますが、特にこの話のネタ元であるつこさん。伊賀海栗さん、それと豆田麦さんにはかなり読んで貰って変なところとか誤字とか指摘いただいてます。
この場を借りて感謝をー。続く。