執筆から受賞まで
執筆〜受賞
そもそもこの話を書いた切っ掛けは、2021年3月にツイッターで、私の小説家になろうでの友人でもあるつこさん。が「リプできたセリフで140文字書く」ってタグで遊んでて、同じく友人の伊賀海栗さんが、「私はそうは思いませんね」ってお題を出したのね。
それでつこさん。が書いた文章がこれ。
眼鏡をくいっと上げる指が素敵。
「私はそうは思いませんね」
誰かとの議論で異を唱える姿も素敵。
わたしのことを知りもしない、貴方が素敵。
「わたしはそうは思いませんね」
真似してカフェで言ってみる。
友人たちは目をまんまるにした。
「興味深いね、話を聞こうか」
貴方がわたしの隣に座った。
WEB版第3話のカフェでルートヴィッヒが座るシーンのとこに似た感じの文がありますよね。これがベースになっています。
んで、つこさん。が、
【切実募集】お客さまの中にこちらのネタで溺愛異世界恋愛中編書いてくださる方はいらっしゃいませんか????
とか自分のツイートを引用リツイートして、わたしがそれに雑にいいねしたら、「逃さねえ」とマジ絡みされて書くことを強要されたっていう。
つこまじ極悪非道。
で、ぶっちゃけ眼鏡イケメンはあまり書く気がなかったんです。
その前に書いていた「『無能令嬢』ベアトリクス・ボーデンは溺愛される」の無能令嬢が眼鏡ヒロインだったし、また眼鏡かーくらいで。
だけど、そのマジ絡みされてた中に「主人公がモブ令嬢で」ってワードがあったのね。
……モブ令嬢かと。ふむ。
ちょうどゲームの『ウマ娘プリティーダービー』(以下ウマ娘)をプレイし始めた頃で、わたしの好きなキャラにナイスネイチャってウマ娘がいる訳です。
元の馬としては90年代前半にブロンズコレクター、勝ちきれない馬として、その戦績以上に人気であった馬をモチーフとしているんだけど……。シナリオが良いのですよ。
そのナイスネイチャが脇役ポジを自認しているキャラ。つまりモブ令嬢で、モブ令嬢のヒロインを主人公としたストーリーを書いてやっても良くってよ! という気分になったので妄想を始めたのである。
書き始めたのだが実際書いているとネイチャ感が薄いんだけどね。ウマ娘だとアグネスデジタルみもあるっていうかそもそも別物であるというか。
なろう版のテサシアを執筆してたのが2021年4月から5月にかけてですね。
投稿は4月29日から5月15日にかけて。
んで、完結後の5月18日に日間総合1位を取ると。この日の日間のポイントが7584点でした。
ちなみに今6万ptちょいです。280万PVくらい。完結後にランキング表紙に載ってる段階で3万pt台、2021年の6月で5万くらい、そこから1年でまた1万増えてる感じですね。
日間一位記念にオマケの第0話、ビギニングを追加してなろう版のテサシアは完成で3万5千字ってとこです。
それを第9回のネット小説大賞に提出して二次審査まで通ったんだけど結局最終で落選したんですね。
正直、受賞できるかは半々かなあと思ってた訳ですよ。
そりゃまあ当たり前ですよね。ネット小説大賞に応募している作品の中でも最上位クラスのポイントを有する(10位でした)一方で、作品は書籍一冊の半分にも満たない3万5千字しか無いのだから。
だからまあ、私自身の落選に不満ということもないんだけど、正直第9回は総評と全体的な選考結果にちょっと不満はあって。
要は異世界恋愛の高ポイント短編・中編からの受賞作無いんですよね。
以下抜粋。
また、前回までと大きく違う点としては、『異世界恋愛ジャンルの短編作品』に非常に高いポイントを獲得していた作品が数多く見られたことがあげられます。今回は残念ながら受賞に至りませんでしたが、企画性が高く評価された作品も複数ありました。今後も恋愛ジャンルの盛り上がりは増していくかと思いますので、コンテストとしましても、優れた作品がより多く日の目を浴びることができるよう、努力してまいります。
そこで努力とか言って、今回取らないのが遅いよなあとは正直思ったんですよ。
まあ9回はコロナの影響もあってかタイミングもずれましたし、協賛出版社少ないと仕方ない側面もありますが。
実際、10回は協賛も増え、受賞作品数も多かったですし。
ともあれ、ちょっと不満あって他の賞に回そうと思ったんです。それで第3回のESN大賞に回したと。
ESN選んだのは単純に選考のタイミングが噛み合ったのもあるけど、ESNの表紙イラスト好きなのが多いというのも大きいです。それとわたしのなろうで好きな作品を書籍化していたのも大きい。
例えば『人狼への転生、魔王の副官』とか『戦姫アリシア物語』とか。作品も好きだけど表紙もイラスト好みです。
あと、わたしは男性というのもあっていわゆる女性向けのみのレーベルから出したいという訳でもないんですよね。
つまり女性向け作品を書いている身でありながら、フリルぶわーっ、全体的にピンク、花飛ばしまくりって感じのイラストがあまり好みでないっていう感じですかね。
さておき今回出したのは『テサシア』と『なまこ×どりる』と『王都の決闘士』の3作品。
2021年12月に1次通過の発表があって、その中で『テサシア』が通過してたんですよね。
通過が7252作品中91作品で、通過できたのはまあ素晴らしいんだけど、ぶっちゃけ通過者を見ていると書籍化作家も多いし、正直この先は厳しいんじゃないかなとは思ってたんです。
そもそもテサシアは3万文字台しかない作品だしね。短い!
ポイントだけ見れば5万pt越え作品で、こちらも今回の応募作品の中でトップ10には入る作品なんだけど……。
実のところ、テサシアをこの手の賞に出しているのは、書籍化はせんでもコミカライズの声かからんかなという希望があったんですね。
でまあ、年は代わって2022年。
1/14にヒナプロジェクト(なろう運営)さんからメッセージいただいたんですよ。
「応募してた『第3回ESN大賞』に関して主催者から取次頼まれたから連絡したよー」的な。
うひぃ⁉︎
コレねえ、実はちょうどその日に『薄明の君は歌う。古き吸血鬼が為に。』っていう2万字くらいの中編を完結させた直後(完結の一時間半後)で、感想やレビューが来たりと赤文字がポコポコきていたんですわ。
なんで、何の心構えもなく赤文字クリックしたらこれで超驚きました。
ESNの編集のTさん(今の担当編集さんです)からのメッセージで、要約すると、「面白くて一気読みしたよー。奨励賞で書籍化したいけどどうでしょうかー」
ふむふむ。
運営さんにはすぐに「取次ありがとうございますー」とお礼のメッセージ送って、後はTさんとメールでやりとりです。
ちなみになんですが、書籍化しないかという話は必ず運営さんからの取次がなされますからね。もしそういうのなしにメッセージで書籍化どうですかとかビジネスの話が来たら運営さんに通報して下さい。
これ通報の協力依頼まで込みで利用規約に書いてあるのでね。
>ガイドライン>書籍化打診について>運営を経由していない書籍化打診を受けたら
ですね。以下引用。
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と言うわけで次回に続く。