ナイトウォーカー通勤編
ナイトウォーカーは、朝の通勤時も、同じ時間同じ道のりですれ違う人達を観察し、その人の暮らしぶりや日常を勝手に空想する。
(第一部)
朝6時30分…。
会社に出社するために私は家を出る。
歩みを進める。
6時35分…。
最初に通過する13階建てのマンション。そのゴミステーションの前に黒のリュックを背負う若い男のサラリーマンとすれ違う。
ここ北海道ではゴミ集積所をゴミステーションと呼ぶ。
彼は急いでゴミを出して
私の背後から歩みを進めてくる。
「なんだか、背後に付かれのは嫌だな…」と
私は呟く。
「しかし、彼も早い出社だな…。一体始業時間は
何時なのだろうか」
私は1.5km先のJR駅に向かうが、彼は近くのバス停へ向かう。
「今日も仕事、お互いに頑張ろう!」
私はココロの中で呟く。
私は歩みを進める…。
朝の通勤時は忙しいものです。しかし、誰もが同じ時間同じ道のりで、すれ違う人、出会う人はいるはず。「この人とここですれ違うということは、いつもより自分がちょっと遅めだから急がなければ」
はたまた、「ここですれ違うなら今日は早いな」
など…。誰もが、そんな経験をしていると思います。あくせくする朝の通勤時間も、そんな風に人を観察してみると、少し心も豊かになるのではないでしょうか。