表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/88

006 フレアリザード(骸)

「しっかしお前、まじで無一文なのか」

「あはは……」


 正確に言えば帝国で使えるお金が無一文、だった。

 道中は自給自足で良かったんだけど流石にここで生活するにはお金が必要だ。

 換金はしたいな……。いつまでも借金をしているわけにもいかないし。

 ただ王国の金貨をそのまま換金するのはちょっと避けたい。となると……。


「アウェン。魔物の素材って冒険者じゃなくても買い取ってくれるんだっけ?」

「ん? ああ。持ち込む分には誰でも……ってお前、今から取りに行く気か?」

「いや、売れる当てがあるから行こうかなって」

「そうか。じゃあ案内してやるよ」


 なんだかんだで本当に面倒見の良い男だった。

 感謝しながらついていく。


「ここだ」

「おお……」


 到着したのは貴族の屋敷と並ぶほどに大きな建物だった。

 よくよく考えたらここ、帝都だもんな。立派なはずだ。


「いいか。お前は装備は整っても覇気がねえ。舐められねえように──」

「おじゃましまーす」

「おい聞けや!」


 どうせ舐められるのはわかっているしものを売るだけなら別に良いだろうと勝手に踏み込んでいく。

 ごめんアウェン……。

 はいった途端、ガラの悪い男たちの視線が一斉に突き刺さってきた。


「はぁ……どこの世界にギルドに入るときお邪魔しますっつうバカがいるんだよ」


 追いかけてはいってきたアウェンに視線が映った途端、ギルド内がざわめいていた。


「なっ!? あいつ……アウェンじゃねえか」

「アウェンってあの、黒刃こくじんのアウェンか!?」

「なんであいつが……」

「それよりあんなひょろいやつが知り合いなのか?!」


 どうもアウェンは有名人だったらしい。

 そういえば門番のところでも外では名が知れてるって言ってたっけ。


「有名人なんだね」

「ん? ああ……まあいいだろ。とりあえずカウンターに行くぞ。買取はあっちだ」


 自分で名が知れてるとか言ってた割にいざこうやって囃し立てられると照れくさそうになるところが、この短い付き合いで感じるアウェンらしさだなと思わせていた。


「いらっしゃいませ。買取でよろしかったでしょうか?」

「はい。お願いします」


 カウンターごしのお姉さん……いやおばさんだった。

 受付嬢が美人というのは幻想だな。

 指示によればカウンターに並べればいいらしいんだが……。


「にしてもお前、素材ってかばんに入れとけるようなサイズじゃあたかが知れてんじゃ……」

「すみません。ちょっと量が多いんでそっちのスペースでもいいですか?」

「え? はぁ……」


 怪訝そうな顔で受付のおばさんが一応ながらも許可を出してくれた。

 見せたら分かるか。

 革袋から一匹目の素材……というかそのまま血抜きだけしたフレアリザードを取り出してカウンター脇のスペースに転がした。


「えええええええ!?」

「フレアリザードってBランクの魔物じゃねえか!?」


 思ったより良い魔物だったようでギルドが騒然としてしまっていた。

書籍化決定のお知らせ!


いつも応援ありがとうございます。

なんと! おかげさまで今作の書籍化が決定しました!!!


短編が伸びたときから結構私にしては珍しくプロットをしっかり組んで書いている作品ですので、

書籍としてのクオリティを意識して進めていければと思います。



引き続き応援お願いします!


ぜひ広告の下の☆☆☆☆☆から応援もお願いしますー!


こちらも是非お願いします。

【連載作品】書籍化・コミカライズ決定

https://ncode.syosetu.com/n2142gb/

Sランクパーティーのお荷物テイマー、使い魔を殺されて真の力に目覚める 〜追放されたテイマーは実は世界唯一のネクロマンサーでした。ありあまるその力で自由を謳歌していたらいつの間にか最強に〜

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 7話で書籍化… すごいですね(語彙力) 星5&ブクマしました(*`・ω・*)ゞ
[一言] 書籍化おめでとうって早ッ!?
[一言] 書籍化、おめでとうございます(*´∀`*)ノ 早いタイミングなのでびっくりですが、喜ばしい事です。 「なろう」には、途中で更新されなくなって作品もあり、書籍やコミックを購入しても後が続くのか…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ