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030 戦略訓練④

「やってやろうじゃねえか」

「ん。異論はない」

「あら。私もしかして余ってしまいませんか?」


 すでにギーク達三人と俺たち四人以外は地図を挟んで向かい合っている。


「メリリア殿下はぜひそちらから我らの力をご確認いただければ……必要であれば助言していただいても構いません」

「んー……そうですね。それでよろしいですか?」


 ギルン少将の確認も取り、チーム戦のような形で始まった。


「私の相手は君かい?」

「そうみたいだな」


 位置関係的にギークと俺がやることになった。

 アウェンはリリスと、サラスがエレオノールとやるようだ。


「どちらの軍を使う?」

「選んで良いのか?」


 ギークは俺に選ばせてくれるらしい。


「そこから力量が問われる。それにこの盤面、私はどちらでも勝てる」

「そうか……なら……」


 この盤面、俺はどちらが有利かではなく、どちらが史実で勝ったかを知っている。

 山岳地帯に拠点を構える赤い軍が、セオリー通り上をとった利を生かして勝ったものだ。

 だがギークがどちらでも勝てると言ったように、対する青の軍が全く不利というわけではない。

 地の利は相手にあるが、兵数は青のほうが1.5倍いる。それにその軍の質も、青のほうが高いのだ。


「赤でいくよ」

「そのくらいの予習はしてきたか」


 だが青が負けた理由、そしてこの盤面において、軍の質を活かせなかったのには理由がある。


「じゃあまずは軍の配置からですね。盤面で三日後に戦闘を開始するから準備を整えてください」


 他のところもどちらで行くかは決まったようだ。

 メリリアの掛け声で準備に入った。


 開始された瞬間から、俺には相手の情報が見えない処理が行われた。

 また同様に相手もこちらがどう兵を動かすかは見えなくなる。


 今回はアウェンとサラスのものは見えるようになっているようで、メリリアも同じ条件で設定されている。


「さて……」


 青の軍が勝てなかった理由は天候だ。

 持ち前の火力武器、そして火竜を揃えた騎士団が機能しないほどの悪天候にやられ、赤い軍はほとんど戦わずして勝利を収めた。

 地の利と運の勝利、というのが定説だった。


「だけどこれ、もう詰んでるんだよね……」


 赤の軍は魔法使いを使わずに勝利しているわけだけど……悪天候はこの魔法使いたちがいれば再現できてしまうのだ。

 それだけで相手の戦力は半減する。


「ギークがそれに気付いていれば魔法使いの部隊をなんとかしようと動くだろうけど……」


 地の利があるこちら、赤の軍から仕掛ける必要もほとんどない。

 篭城戦に近いことをできるから、順当にやるなら本陣に魔法使いを配置して守りを固めれば勝ちだ。


「配置はこんなもんかな……」


 後は指示通り駒が動いているかを確認しながら進めるだけだが……。


「大丈夫そうかな」


 こちらの軍に予想外の動きをする部隊はいなそうだ。


「さて……どう来るかな?」


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