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024 魔法訓練③

 

 だがギークの魔法は俺の魔法をかき消しただけで残念ながら狙った石には到達していなかった。


「ま、別のを狙えばいいか」


 青い結晶に水魔法を放つ。

 だがこれもまた、ギークの取り巻きの魔法に撃ち落とされていた。


「くふふ……あいつら間抜けに魔法を無駄撃ちするだけで永遠合格できないですよ。ギークさん」

「補講でもなんでも受けてくればいいんですよあんなやつら。そのうちいなくなってくれたらもっといい」

「あいつらが魔力切れしてからじっくり狙えばいいですよね」


 なるほど……。

 その様子を見て俺より先にサラスが動いた。


「この課題の目的は魔法の特性を、相性を見抜き、対応すること」


 サラスの右目から魔力がほとばしり、周囲に衝撃波のような風の渦が巻き起こる。


「うぉっ……これは……」

「でも、力でねじ伏せたって、戦争は勝てる」


 サラスの言葉通りというべきか、宙を浮いていた結晶石の半分以上が一斉に地面に激突し破壊された。

 妨害のために慌てて飛ばされた魔法もろとも……。


「サラス、合格」


 魔眼の力だろう。あれは……。


「ん。私の力は、重力操作」


 だから試験官のとき、身体より大きな斧を自在に操っていたのだろう。

 ギークたちは為すすべもなくその様子を見守っていたが、息を吹き返したようにまた騒ぎ出した。


「くそ……なんて威力だ……」

「でもあの横のひょろいのはまだなんもしてねえ!」

「そうだ! あいつは合格にはさせるな」

「いや今ので半分なくなったぞ⁉ 俺たちも自分の分やったほうが……」


 妨害に必死で自分の課題はまだのようだった。

 ギークが取り巻きたちに言う。


「全員の合格を確認したら結晶石を破壊しつくせ」


 そう来たか……。

 それなら……。


「サラス。アイレス教官だけ何かしら守る魔法、使えるか?」

「ん。任せて」


 答えるのとほとんど同時にアイレス教官の周囲に魔法障壁が張り巡らされる。

 普通の魔法使いなら上級のものを揃えて三人必要なほどの頑丈な障壁だ。

 サラスの力はやはり、魔眼だけじゃないな。


「これでいい?」

「十分。ありがとう」


 久しぶりに使う大技だから念の為と思ったけど、十分すぎる保険になった。


「おい! あいつらなんか仕掛けてくるぞ、急げ!」


 ギーク達のほうからいくつか魔法が放たれる。

 その魔法が届くより早く、俺の魔法が放たれた。


「これは……」


 呟いたのはメリリア殿下。

 見たことない魔法だったかもしれない。いや、それを狙ってはなった魔法。

 大技になればなるほど、どうしたって王国流がちらついてしまう。それを防ぐために、魔物の魔法を真似て作ったのがこの……。


「ドラゴンブレス」

「なっ……!?」

「俺達の魔法が!」


 ギークたちの魔法もろとも飲み込んだ極大の魔法が残っていた結晶石を飲み込んで破壊し尽くした。


「リルト、合格。そして現時点で名を呼ばれていない者たちは補講。詳細は追って伝えるので指示に従うように」

「なっ……」

「ぐっ……」


 結局妨害に徹していたギークとその取り巻きだけが補講の対象となっていた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 話の初っ端で だが から始まるのはものすごく気持ち悪い これなら前話に書いてほしい 語り始めに接続詞はおかしすぎる いざ読もう!で、だが、ときたら読む気が萎えます
[気になる点] 主人公が放った大技のドラゴンブレス。この話の読者がどんな魔法か説明しろと言われたら、おそらく皆異なる情景を思い浮かべるでしょう。だって「極大の魔法」としか形容されていませんからね。 き…
[一言] みんな厳しすぎじゃないのかな? 後授業の魔法訓練で落第したのだから補講でいいんじゃない?
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