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017 入学試験編⑨

 ギルン少将から試験官代わりとなる受験生の名が告げられる。

 一人目は誰もが納得の人物だった。


「メリリア=リ=ラ=ガルデルド殿下」

「はい」


 周囲の人間が思わず息を呑むほど流麗な所作で前に進み出る。


「当然だな」

「うん。むしろ本人が試験に来たんじゃないって言ってたしね……」


 さっきの話を聞いていた俺とアウェンはもちろん、周囲に反対の声は上がらない。

 続けて呼ばれたのは……。


「アウェン=リッシュ」

「おう」


 ニカっと俺に笑いかけてからアウェンが前に進み出る。

 なるほど確かに実技ならうってつけだ。周囲の評価を含めて。


「あれって黒刃の……?」

「賞金稼ぎのか……もう随分稼いだんじゃないのか?」

「いやよくあるだろ。賞金稼ぎから食い扶持増やすために冒険者もやるとか、軍で安定収入狙うとかさ」

「まあどっちにしてもつええよなぁ……俺メリリア様のとこ行きたい」

「馬鹿言え。メリリア様も桁違いの魔力持ってんだろうが」


 なるほど……。

 二人とも有名人だな。

 そして想定外はここからだった。


「サラス=アイン」

「え?! は、はい……」


 あの娘は……。


「あいつ! バードラさんの服に汚れをつけたくせに何をのこのこと!」


 バードラの取り巻きが騒ぐ。

 そう。あの時バードラにぶつかってしまったドワーフの少女だった。


「……だれ、あの子?」

「目見えてるのかしらあれ……」

「というかなんであんな子が……?」

「でもラッキーじゃない? あの子倒せば合格でしょ?」

「確かにー」


 評価は悪い方向に一転していた。

 ただ何人かはその少女をやや緊張した表情で見つめている。俺もこの段階になって初めて気づいた。

 パッと見ただけでは気がつかなかったが、あの子魔眼持ちだ。改めて見ると相当強力なものを身につけていることがわかった。有名な魔眼だと石化魔法とか魅了だけど……。


「あれは一体……」


 ただの少女というわけではないらしい。

 だが話題はギルン少将の言葉で一気に切り替わる。


「さて、次の者で最後だ」


 ざわめく受験生たち。


「俺かな?」

「私だったりして」


 冗談交じりに期待を口にする受験生の中でも特に際立って目立つ人間がいた。


「俺に決まっている。なるほどこうして戦う場を作るとは、あの男も意外と気が利くではないか」


 名前も言われてないのに進み出ていくので周囲の人間も戸惑ってそちらに目を向ける。


「名など呼ばずとも良い。私だろう? わかっている」


 堂々たる歩みで前に進み出たバードラだったが、ギルン少将は呆れた顔を浮かべたあと何も言わず名前を告げた。


「リルト=リィル」


 固まるバードラと取り巻き。

 ギルン少将が早くしろと目で訴えかけてくるので微妙な雰囲気の中返事をした。


「はい……」


いつもありがとうございます!

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こちら一旦一区切りになったのでよかったらぜひ

次章以降の再開に向け準備進めます。

本作もちょっと展開や文字数アップできるようがんばります。


【連載作品】

https://ncode.syosetu.com/n2142gb/

Sランクパーティーのお荷物テイマー、使い魔を殺されて真の力に目覚める 〜追放されたテイマーは実は世界唯一のネクロマンサーでした。ありあまるその力で自由を謳歌していたらいつの間にか最強に〜


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― 新着の感想 ―
[気になる点] ランキング高位、書籍化との文字に引かれて1話から読みましたが… この国、皇族に下級貴族が攻撃して謝罪すらなく許されるんですか? 試験続けてるのは決闘云々でいいとしてもだ、皇族の主張を嘘…
[一言] この調子だと入試20とかいくんだろーな
[一言] いつまで入試をひっぱるのか…
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