011 入学試験編③
「わかっていると思うが魔法、物理を問わず不正行為は厳禁だ。だが魔法の使用を認めないわけではない。記憶魔法、記録魔法をはじめ必要な魔法もあろう。それらは先に申告を行い、認められたもののみ試験時間中に使用するように」
試験会場に入ってしばらくすると、四十代くらいの精悍な顔つきの男の人が説明をはじめてくれた。
ここの講師であり、軍にも所属する少将らしい。名前はギルンと言っていた。
それにしても……。
「すごいなあ……記録魔法とか、使い手がいるんだ」
世の中にはいろんな魔法があるなと感心する。
記憶魔法や記録魔法は生活魔法として括られる便利な技、という知識だけは持っていても、実際にその使い手を見たことがない。
よほど優秀な魔法使いなんだろうと思っていると、先程揉め事を起こしていたバードラたちがなにか言っているのが聞こえた。
「良いか? 記憶魔法を共有するからな?」
「わかってるんだぜ!」
「バードラさんだけでも十分なのに三人分の知識で試験なんて、俺たちきっと特待生枠になっちゃいますね!」
「ああ。手を抜くなよ」
へえ。
そんなこともできるんだな。
まあ俺にはそんな便利な魔法はないし、自力で頑張ろう。
一通り注意と説明を受けて、みんなが使用魔法の申請をして行ったところで、ようやく試験が始まった。
──帝国の名前を記せ
そこからなのか……。
ガリステルと記入して気を取り直して次に進む。
問題は想定していたものよりかなり簡単なところから始まるようだった。
(油断してはいけない……)
心の中で唱えながら進めていく。
次の問題はガリステルにおける軍人の序列の穴埋めだ。
図書館で学んでいるので問題はない。
まず軍人を目指す訓練校に入った生徒は、その時点で見習士官として軍に所属する。
これをランク0として、少尉、中尉、大尉、少佐……とランクに一つずつ数字が刻まれる。
最高位はランク10、軍のトップである、元帥だ。
実際にはランクの中にも指示系統を乱さないための序列が存在し、逆にいえば活躍を見せれば元帥が複数というケースも、歴史上存在している。
これは問題には出てこないんだな……。
まあいいや、次に行こう。
その後の問題は周辺諸国の名前と有名な戦績、作戦に伴う重要項目の記述など、徐々にレベルが上がっていった。
そして……。
「それまでっ!」
「危なかったぁ……」
時間ギリギリでなんとか全問解答を行い、試験官の男性、ギルン少将へ提出した。
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今日はもしかしたら二話更新するかもしれないです。
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「テイマーの限界を超えたみたいなので女の子をテイムして最強パーティーをつくります 〜俺にテイムされると強くなるらしくSランクの獣人も伝説の聖女もエルフの女王も最強の龍王も自分からテイムされにくる〜」