表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/88

000 優雅な朝

連載版スタートです。

本編は2話から。

加筆修正を加えた短編同様のシナリオを数話挟んで連載版オリジナルストーリーを展開します。

「リィト」

「こちらに」


 早朝。日が昇るか昇らないかというところで、アスレリタ王国第一王女キリクは気まぐれに従者を呼びつける。

 もちろんそんな予定などなかった。いつもならまだ数時間は眠っているはずのキリクがたまたま目を覚ました。だというのに、その執事はいつの間にか準備を整え王女の側に立っていた。


「今朝はお早いお目覚めですね。お嬢様」

「ええ。この時間に呼んでもちゃんと来るなんて偉いじゃない」

「私はお嬢様の執事ですので」

「良い心がけね。遠乗りに出るわ」

「すでに馬の準備は整えてあります」

「あら。今日はキャサリンで行こうと思っているけれど」

「もちろん準備してございます」


 リィトはすでに外に五頭の馬を用意していた。その中の一頭がキリクの指名したキャサリンだ。すぐに合図を送り他の馬を下げさせつつ、キリクの着替えを手伝う。


「ふうん。でも気が変わったかも」

「お食事になさいますか?」

「そうね……いえいいわ。狩りの準備を」

「この時間なら釣りも良いかもしれませんね」

「いいえ。狩りよ」

「かしこまりました。それでは馬と装備を変えましょう」

「そうね……狩りなら馬は……」

「ビロー号はいかがですか?」

「調子が良いならそれでいいわ」

「かしこまりました」


 わがままの限りを尽くす王女キリクを、それとなく誘導することで満足のいく結果を常にもたらすリィト。

 涼しげな顔で準備を整える二人だが、他の従者たちは必死だった。


 それでもやることが最も多いのはリィト。リィトがここで涼しげにキリクと会話を楽しめているのは、その並外れた洞察力と用意周到な準備によって成し遂げているもの。それを知る使用人たちに、リィトを責める材料はなかった。


 二人だけが、時間の流れが異なるかのようにゆったりと、優雅な朝を迎えていた。


広告の下の☆☆☆☆☆からぜひ応援をお願いします。


【その他連載作品】

https://ncode.syosetu.com/n2142gb/

Sランクパーティーのお荷物テイマー、使い魔を殺されて真の力に目覚める 〜追放されたテイマーは実は世界唯一のネクロマンサーでした。ありあまるその力で自由を謳歌していたらいつの間にか最強に〜


【短編時のもの】

https://ncode.syosetu.com/n1266ge/

王女に仕えた万能執事、わがままが度を越したので隣の帝国で最強の軍人に成り上がり無双する〜誰からも評価されず毎日姫のわがままに付き合わされた不遇の執事はいつの間にか大陸屈指の実力者になっていたそうです〜

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 呼び方がお嬢様?姫様じゃなくって?
[気になる点] 「お嬢様」ではなくて「姫様」であるべきではないかという気がします。 王宮に執事はいるものでしょうか?従者筆頭とかではなく? 「執事」と「お嬢様」にしたいのなら王女ではなく高位貴族令嬢の…
2020/05/23 19:18 退会済み
管理
[一言] 連載開始、おめでとうございます。待ってましたよー。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ