あなたが主人公になる瞬間を想う
少し常識からは外れた作品だと想います
けれども常識から外れた作品こそが評価されるきっかけになれば嬉しいです
初めて投稿する作品になります
私は物語の主人公に憧れている
物語の主人公には必ず何かが起こるのだから
何も起こらない人生なんて私には耐えられない
ある日、私は味覚を失った時があった
何を食べても味がしない
飲み込む瞬間だけ鼻から抜ける匂いを味と錯覚して飲み込む
私はワクワクした
誰でもいいから伝えたかった
その瞬間、私は物語の主人公になった気分だった
私は結婚には憧れていない
けれども子供には憧れている
時々想像してしまうのだ
私に子供ができたなら主人公にしてあげたいと
養子を引き取ろう
早くに母が亡くなったことにしよう
男手一つで育てるんだ
その時は嘘偽りのない最大級の愛を注ごう
私が結婚などしていないことはすぐにわかるだろう
あなたを引き取った時の書類などを棚に隠そう
あなたの本当の親の情報も添えて
そしてあなたが高校生になる年になったら
私は重い病気にかかるのだ
そして死ぬ直前
あなたに伝えるのだ
「お前は俺の子供じゃない」
その瞬間あなたは主人公になる
最後まで読んでくれてありがとうございます。