スタジオ
登場人物
神宮寺 玲 高校3年 メジャーデビューを目指す青年。ギター担当。作曲を担当。
愛車はカワサキ叔父から貰い受けたGPZ900R。
御手洗 侑吾 高校3年 ベース。陽気。愛車はヤマハTW200。
マイコ 高校3年 ボーカル。漫画をこよなく愛すオタク。
愛車はジャイアント アルミロード コンテンド。
古馬ちゃん 高校3年 ドラム。汗かき。
徒歩、電車。
「はじめまして、神宮寺です。よろしく。」
「あれ?二人って知り合いなん?」
「いや。」
僕は、黒崎さんが気付いているのかどうかわからなかったが咄嗟にそう答えてしまった。
「ふーん。そっか、気のせいか。一瞬なんか変な空気やったから。知り合いなんかと思ったわ。」
ユーゴは、妙に感が鋭いとじょろがある。僕に違和感を感じたんだろう。僕たちは、それから他愛ない話を続けたが、全く頭には入ってこなかった。
「神宮寺はん、話し聞いてる?」
「あっ、ごめん。何の話やったっけ?」
「いやいやいや。曲の話やん」
「あぁ、昨日聞いてきたよ」
「さっすが!いけるやんな?」
「いける?うん?一通り聞いただけやけど」
「じゃあ、大丈夫やな」
「え?話聞いてる?」
「神宮寺くん、聞いただけで叩けるの?」
葵ちゃんが、ユーゴに合わせて会話に入ってきた。黒崎さんは、じっと聞いている。
「じゃあ、折角やしスタジオ空いてたら合わせてみよっか」
「うん、私スタジオ初めて。行ってみたーい。」
「葵ちゃんも、ギター大丈夫よね?」
「下手くそだけどやってみたいかも」
「神宮寺君、ではよろしく!」
ユーゴは、僕を見てウインクをする様に左側の口角を上げた。
やれやれ。練習もできていなかったので、あまり気乗りはしなかったがスタジオ ロックジャンキーズに電話すると運悪くスタジオは空いていた。
僕たちは、初めてのスタジオ練習へと向かった。
「おはよう!玲くん。」
「おはようございまーす」
「今日は、Bスタね。空いてるから入ってもらっていいよ。連チャンで頑張るなぁ。」
「こっちの部屋やから、どうぞ」
ユーゴは、添乗員のように皆をスタジオへと誘導した。
「うん?ギターは?あー。ごゆっくり」坂田さんは、僕にだけ聞こえるように、周りを気にしながら言った。
「練習なんで」
「何も言うてないやん。分かってるよ。練習ね。そう楽しそうな練習。がんばりや」
少しの時間だが、久しぶりのドラムを楽しんだ。
なんだかんだ言って、曲が成り立っているのはユーゴのベースがバンド全体を引っ張っているからだ。こいつは、凄い奴だと改めて感じた。
「ユーゴくんのベース凄いね!神宮寺くんも昨日聞いただけなんでしょ、凄すぎ」
「葵ちゃんも、黒崎さんも上手やね!俺もびっくりしたわ」
褒められて上機嫌のユーゴが、愛想良く返事をした。
「えーほんと?ありがと。いつかライブとかできたらいいなぁ。」
葵ちゃんは、嬉しそうに話した。
「しよしよ。ライブ」
黒崎さんを見ると、笑顔で二人の話を聞いていた。なんとなく気まずく早くスタジオを終わりたかった。