ツーマン
登場人物
神宮寺 玲 高校3年 メジャーデビューを目指す青年。ギター担当。作曲を担当。
愛車はカワサキ叔父から貰い受けたGPZ900R。
御手洗 侑吾 高校3年 ベース。陽気。愛車はヤマハTW200。
マイコ 高校3年 ボーカル。漫画をこよなく愛すオタク。
愛車はジャイアント アルミロード コンテンド。
コバちゃん 高校3年 ドラム。汗かき。
徒歩、電車。
僕の鼻血は、すぐに止まった。気にすることもないだろう。と、思った。
最後に、曲全体通してスタジオでの練習を終え、近くにあるファミレスで打ち合わせを行った。
「2月のライブやねんけどな。13:00会場入り、音出しは13:30からアマルガム、ピグマリオン、俺らオレンジウルフスパイダーの順でリハ。開場が17:30、開演が18:00 持ち時間40分で転換15分やから。今回は、アマルガムとピグマリオンのツーマンライブで俺らはオープニングアクトやけどね。今日はバイトあるから先に帰るわ。ほんじゃ」
そう告げるとマイコは、床に置いていたヘルメットを持ち青いロードバイクに乗って帰っていった。コバちゃんも、それに合わせて歩いて帰っていった。僕とユーゴは、残っていたポテトを摘まみながら話を続けた。
「それにしても今日のマイコは、えらい気合入っとったな。」
「アマルガムとピグマリオンやからな。」
「神宮寺はん、俺違うと思うで。あいつ、霊魔滅殺ってアニメの主題歌狙ってるんちゃうかな。」
「いや、さすがにそれは無いやろ。」
「でも、アマルガムは、地方の深夜やけどテレビのエンディング曲にも採用されてるしな。」
ユーゴは続けた。
「今回のライブは、アマルガムのレーベルから神戸でええバンドおったら紹介して欲しいっていう
話になってんて。ほんで、ブッキングマネージャーの北野はんが推してくれたらしいで。北野はん、俺らのことというか神宮寺はんのことエライ気に入ってるもんな。」
と不敵な笑みを浮かべた。
「俺は男には全く興味ないけどな」
「うん。知ってる。ほんで、頼みたいことがありましてね」
「急にかしこまって何?」
「知り合いの女の子から、ベース弾いって頼まれててな」
「したらええやん。」
「ベースだけじゃなくて。ドラムもおらんねん」
「ドラム?コバちゃんに頼めよ」
「いやいや。そこは、ほら。神宮寺はんのほうが。な?」
「いやいや。な?じゃなくて俺の話聞いてる?」
「大丈夫やって。神宮寺はんのドラムやったら問題ないって」
「そういう問題ではないねんけどな」
「もう、オッケーしてもうたしな。とりあえず頼んますわ!!また、詳細決まったら連絡するわ。」
「そうそう、話変わるけど瑠衣が帰ってきてるわ。」
「え?そうなん。お姉さま帰ってきてるんや。そんな大事なこと最初に言うてくれよ。それやったら神宮寺はんの家で打ち合わせしようや。」
「無理無理。もうどっか出かけていってるし。」
「えー、そうなんか。マジか。よろしく言うといてくださいよ。じゃあ、ドラムよろしく」
「おー、またな。」