新曲
登場人物
神明寺 玲 高校3年 メジャーデビューを目指す青年。ギター担当。作曲を担当。
愛車はカワサキ叔父から貰い受けたZXR400。
御手洗 侑吾 高校3年 ベース。陽気。愛車はヤマハTW200。
マイコ 高校3年 ボーカル。漫画をこよなく愛すオタク。
愛車はジャイアント アルミロード コンテンド。
古馬ちゃん 高校3年 ドラム。汗かき。
徒歩、電車。
里崎 美咲 高校3年 神宮寺と同じ病院に通院している女の子。ボーカル。
特に何もない日曜日の午後、マイコとユーゴと3人で、いつものファミレスで今後の打ち合わせという名の昼飯を食べていた。
「やっぱりバラードとかもいると思えへん?」
ユーゴが思いついたように言った。
「え?そんないるか?今の感じでええ気がするけどな。ラブソングか。考えてなかったな。」
マイコは少し考えてから続けた。
「そうやな。なんやかんやいうてラブソングとか良いからな。神宮寺はどう思う?」
「たくさんの人に聞いてもらえるのはラブソングなんかもしれんな。」
「確かに。神宮寺が言うように流れてる曲なんてほとんどラブソングなような気がしてきたわ。
今かかってるのもラブソングなんやろ?」
「そうやで。」
と得意げにユーゴが言った。
「でも、俺ラブソングなんて書けへんし。無理。
俺って、なんやろ。バトル系の漫画しか読んでないからな。ラブソングは書いたこともないし。
言い出したんやから、ユーゴが歌詞担当してくれよ。」
「いやいや。俺こそ無理やし。適任者がいるやん。
たくさんの人に聞いて貰いたいみたいやしな。な、神宮寺はん」
「え?なんでそうなるん。」
「まぁ、満場一致ということで頼みますね。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
送信先 里崎美咲
いま電話しても大丈夫?
既読
返信
うん。いいよ。
「あ、突然ごめん。いや、大した話しじゃないんだけどさ。
ちょっと聞きたいことがあってさ。」
「どうしたの?」
「今度、バンドでラブソング的な曲を作ることに
なって、歌詞描くんだけど意見を聞かせて欲しくって」
「うん。参考になるかわかんないけど。」
「ラブソングって、よく聞く?」
「けっこう聞いてるかも。」
「やっぱりバラードが多い?」
「そうだね。私が聴いてるのは多いかなぁ。
でも、神宮寺君たちがやるんだったら早いテンポのラブソングでも
いいんじゃない?」
「確かに。今までの曲調で歌詞はラブソングみたいな感じにしたらいいか。」
「ありがとう。なんかイメージできてきた。」
「え?もういいの?参考になったかわからないけど。よかった。」
「うん。ラインでも良かったんだけど。ニュアンスが伝えたかったから。」
「ううん。楽しかったよ。」
「来週の水曜日って病院?」
「うん、そう10:00から」
「あ、同じ日だ。じゃあ病院で」
「うん、病院で」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
送信先 ユーゴ
「歌詞できたから、あとで送るわ
曲は、まだできてないんやけど。
歌詞から作ったの初めてやわ。」
「え?もうできたん。早ない?」
「どうなんやろ。よく分からんけど。ラブソングっぽい感じにはなったと思う。」