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異世界で隠しキャラやってます  作者: 鳥鼠 ゆき
5章神霊編

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みんなで回ろう

ざわっと周囲が騒がしくなった。

仙女マリーの冒険者への依頼なんて、みんな気になるだろうからな。出来れたらこっそり……は難しかっただろうから、仕方がない。

彼女たちは何処でも注目されてしまうだろうからな。


学園側は、俺に暇を取らせると言って、一枚噛みたがっていたが、それには及ばないとマリーさんは言ってくれていた。

その後は、彼女たちは焼き肉を何皿か食べ、展示物を一通り見ると。


「それではまた」

そう言って立ち去って行った。

すると人の波が引くように、暫し客足が少なくなる。


「聖女様から依頼とか、マルコ先生って、やっぱり凄い冒険者なんですね」


「いや、凄くはないと言うか、選べない仕事は全然……楽なことは絶対ないですからね」


「あー……大変なんですね」

セルチェさんが察してくれたのか、気遣わしげな声でそういった。

冒険者ギルド経由じゃない所を見ると、神霊、守護天使としての俺への依頼だろうからな。

厄介ごとだろうな。人死がないといいんだが。



「マルコ先生! 仙女様が来たってどう言う事なの! 私が居ない間にっ!!」

暫くしてマローナさんが戻ってくると、開口一番こう言った。


「あ、お帰りなさい、楽しく回ってきましたか?」


「ええ、行ってきたわ。あ、これみんなも食べてね。うちはお肉だから、お菓子とか中心に買い込んできたから」


「先輩ありがとうございます」


「ありがとう……ございます……」

裏手のテーブルにマローナさんは差し入れを並べていく。交代で行っているとは言え、ご飯時こそ混むので、食べ損ねる人が出るのを危惧してなのだろう。

そう言う気遣いが出来る子なのだよな、マローナさんは。


「で、仙女様がいらっしゃったって?」


「そうなのですよ、素敵でした」


「あれで数百年生きてるんだよな、普通人種も極めるとああなれるんだ」

何時の間にか戻ってきていたケイネス君が、早速差し入れのお菓子に手を伸ばしながら言う。


「回復魔術を極めるといいんだろうか?」


「いえ、道は何でも良いんですよ」

生の肉を切っていたので、俺は念入りに清浄化を掛けてから手を洗っていて、ケイネス君はその手元を熱心に見ていた。

まぁダイレクトに神術を扱うから、そうとも言えるけれど。でも、最終的に神力を扱えるように成ればいいのだから、極めるのは実は何でも構わない。


「「「え!!?」」」

ん、全員、特にマローナさんとアレクさん、アトラスさんが吃驚している。

あ、アトラスさん帰ってきたんですね。


「そうなのですか?」


「そうなんですよ。何でも、何なら料理とか、教師の道でも大丈夫です。極めるというのは結局一つの終息点に向かうでしょうから」


「へぇ~?」


「ただ、道が確立していたり、目標があったり師がいたり、王道のが解りやすいと言えば解りやすいだけですね。でも、自分の望まぬ道は通れたのもでは無いでしょう」

剣術や魔術、その辺りの戦闘技術から神力を掴み取る人が多いのは、生き物の戦いの歴史が長いからだろうな。生物とは存在したその時から、戦っているものだから。

その分道が確立している。


新しい概念で神力を得た、例えば医療の聖人のジェイさんとかかなり凄い人なんだよな。彼がこのまま神霊に成れれば……是非成って欲しい、地産の文明的な神霊だ。


「それはそれとしてよ。マルコ先生は仙女様とはどんなお話を――」


「さてアトラスさんが戻ったので、交代しましょうか」

一応分霊体をここに置いておこう。


「はい、行ってきて下さい」


「もう、マルコ先生~誤魔化さないで」


「行かないんですか?」


「行きますわ!」


「アリスさんとリリスさんもお待たせしました」


「いえ、宜しくお願い致します」


「ご一緒致しますわ」

さて、隣人祭を回って行こう。マローナさん、アリスさんとリリスさん、警護のアレクさんと俺、それから死毒蜘蛛(フェイタスパイダー)の……ヴィオラちゃんか。

体毛がもふもふだな、こう見ると目と足が多いけど、結構可愛い。なでなでしておこう。


「むぅ……まあいいわ後で覚えてなさい。今は隣人祭デートなんだから」


「この人数でデートも何も無いですけどね」


「うるさいわよアレク。さて、先ずは教室の方から回りましょう、先に買い物をすると荷物にな……」


「ん、私が居るのに皆さんに、手荷物なんて持たせないですよ?」


「あーーそうだったわ!」

まあポーターとしての仕事全くしていないので、そう言う認識になっても仕方がないか。

マローナさんはぶつぶつとシン君に荷物持ちを頼む発想が……等と言っているな。


「でも展示物の採点の方が先がいいでしょう、いい選択だと思います」


「そう、そうよね。なら先ずは初等科一年生の教室から」

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