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異世界で隠しキャラやってます  作者: 鳥鼠 ゆき
5章神霊編

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貸し一つ

「っと言う事で、聞いてきましたよ」


「はい、はーい!」


「待っていました!」


「……」


お二人は元気いっぱいですね。

アレクさんは何時も通り静かにマローナさんの後ろに立って、護衛を遂行しているな。それと今日はもう一人。


「とっとと教えろ」


「何でジェイまで居るのよ」

学園が終わって、マローナさんの家の来賓用の棟で集まってるからだな。

暫く留守にしていたけれど、みんな変わりは無い様で良かった。


「何かの参考になるかもしれないからな、構わないだろうトゥルーエル」

確かに、今はまだ祈りに応える事は無いだろうけど、ジェイさんも将来的には必要になる知識だろう。

普通は起こらない事みたいだけれど、だからこその情報共有だ。希なことは長い期間ではよくある事だからな。


「勿論です」


「シン君、つっじゃ、じゃあ対価貰わないと駄目よ」


「む、面倒な小娘だな」


「いや、要らないですよ、私も対価払って教えて貰ってないですし、ジェイさんも聞きに行けば普通に教えて貰えますよ」


眷属だからな。


「だそうだぞ」


「シン君甘すぎるわよ」


そんな事無いと思うんだけどな。


「……まぁ何も無しにとは言えないか、確かに今の俺では辿り着けようもない。と言うより、この先も行ける様になると思えんからな」


「それは無いと思いますが」

神霊になれば天空の女神様の眷属として、翼を授かる。宇宙空間を行くための神術も、願えば掛けて貰える、初期装備みたいなものだ。

別に戦闘職でなくても、心配する事は無い。


「ほらやっぱり」


「マローナさん、ジェイさんも大丈夫ですって」

何故かツンケンしているな、何かあったのかな、ジェイさんと。思わず苦笑してしまう。


「いや、俺はこの先には至れない、人のまま終わるだろう」


「え……」


そんな事は無いと思うんだけど、上昇はな……。俺自身どうやって成ったか解らない、努力とかそう言う事でもない気がする。

でも、聖人は人より長い寿命があるから、そのうち自然に神霊になると思うんだけど。


「取りあえず一つ貸しにして置け、どうせまた厄介な怪我人やら何やらが出るだろう」


「わ、解りました」

ま、まぁお願いする事がまたあるだろうってのは、その通りなので有り難く貸しにさせて貰おう。


「……」



「で、結局どう言う事だったんだ?」


「そうね、今はそれが一番大事よね」


「あー……何と言いますか、仕様だそうです」


「はぁ?」

うん、その反応になりますよね。俺も同じ感じだったな。

それで、メカネス様にして頂いた説明を、俺はそのままジェイさんにした。下手に変えて齟齬が出たら不味いからな。


「流動、転換、回転、力の理……結局基礎的なことに立ち返るのか」


ただ、恋とか愛とかの話はしない。

「願いではない祈りにより、それが発生したと」


「???」


「そう言う事らしいです」


「どういうことなの?」


「それでですね、マローナさん!」


「は、はい!」

ここからが本題だ、どう対処するのかきちんと話し合わないとな。


「やはりこれは非常に危険だと思うのです」


「ええ、大丈夫よあれから私我慢して、意識して祈っていないわ」

我慢って、それはやっぱり駄目だな、我慢は何時か限界が来るものだ。


「対策案も幾つか聞いてきましたので、協力して頂けると有り難いのですが」


銀の月メカネス様は、適当に保留にしている願いの件を片付けて、覆せない様にしてから絶交する事を提案していた。

でも、それはやっぱり酷いだろう。彼女の好意を知っているのに。


「ええ、勿論協力しますわ! むしろ私たちの安全のためなのだから、此方からお願いするべき事ですわね。うんうん」


しかし、その好意に応えないのだから果たしてどちらがより酷いのか、俺には解らないが。


「……先ず、保留にしている件なんですけど、早めに決めて頂きたいのです」


「? それと今回の件と関係があったのですか?」


「有るだろう。小娘からの返答待ちをしている状態だからな、声が届きやすくなってるんだろう?」

ジェイさんが、補足してくれる。

「ええ、その通りです」


「なるほど、ちょっと惜しいけど解ったわ、出来るだけ早めに考えるわね」


「すみません。本当は、何か困った時にでも使ってもらったら、良かったんですけどね」


「シン君〜好き……」

…………。

だから最初から全部説明する。

「ごほんっで、それからメカネス様がおっしゃるには、絶交するのが一番だと」


「それは駄目よ。却下です、なら願いを絶交を拒否することに使いま――」


「ストップストップ、うん。マローナさんはそう言われると思いまして、代替案をお願いしました。私も今この場を離れる訳には行きませんから」


ただそれも、了承して貰えるだろうか……。

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