架空職業・監視屋ときお『Flashback』
超巨大国際都市、東京。通称帝都。
ここには『仕事屋』と呼ばれる者たちが人知れず潜んでいる。
『監視屋』『護り屋』『奪い屋』『運び屋』『修復屋』…。
あるものは異能で、
あるものは知恵で、
あるものは技術を使い、
彼らは帝都に蔓延る悪意と戦う。
渦巻く光と闇の中、『仕事屋』は確かに存在している───。
診断メーカー『仕事屋さんになったー』から触発され、Twitter上で投下したストーリーを、編集、加筆したのものです。
Twitter上では『#架空職業』のタグ付きで投下しています。
【診断結果】
TOKYOは監視屋です。性別は男、桃色の髪で、変態的な性格です。武器は不明。よく一緒に仕事をしているのは掃除屋で、仲が悪いのは奪い屋です。
http://t.co/T57mAsrH
監視屋ときお
張り付いたような笑顔が特徴的な、長身の監視屋。髪はピンク。謎が多く、不気味な噂が絶えない。そら豆に手足と一つ目がついたような不思議な生物『メマメ』を使役する。壊れた玩具のような、ほのかな狂気を身にまとっている。
護り屋メイ
チャイナ服に右目を眼帯で隠した、ロリ巨乳の護り屋。眼鏡の双子の妹。度が過ぎるほどのときおのファンで、ほぼストーカー。ときお以外の男性には興味がなく、可愛い女の子と綺麗な女性が大好きで、会うと抱きつく癖がある。
「と一き一お一さ一まっ」
「オっ」
とあるビルの屋上。
ぼんやりと煙草をふかしていたときおの隣に、ちょこんとメイが顔を出した。
「今日は激突しテコねぇノな?」
「煙草吸ってる時は危ないって言ってたじゃないですか」
「アー…そうダッたっケな」
そういいながら頭の中でその時の光景を引っ張り出す。
メイはけして頭が悪いわけではない。
ちょっと感情表現が大袈裟なだけで。
「ときお様ってよく高いところにいますよね?好きなんですか?」
「アー…そうダな」
なんの感情もなく、煙を吐き出す。
「わかります!こうして景色がいい場所にいると、独り占めしてる気分になりますよね!全部アタシのものって感じ!」
ニコニコと笑いながら、メイは両手を思いっきり伸ばす。
「…」
─ね、ここ素敵でしょう?
─そうだなぁ。
─この景色全部私のもの!
─遠うだろ。
─いいのよ。誰にも迷惑かけてないし。今だけは私のもの。ね ?
─あぁ、そうだな。
─今日からは、あなたにもわけてあげる。だから、この場所ナイショにしてね?
─ああ。
「クッ…ハは、アハははは!ハハハはハハハ!!」
突然けたたましく笑い始めたときおに、メイは目をパチクリさせた。
「ときお様?どうしたんですか?!」
「なンでもネ一よ!オマエ面白いナあ!!」
笑いながらぐしゃぐしゃとメイの頭を撫でると、きゃああ撫でられたぁとメイがはしゃぐ。
ああ、ホン卜に飽きない。
目の前には髪の毛をめちゃくちゃにされながら喜ぶメイの姿。
ああ、まったく。
この世界は素晴らしい。
──素晴らしい、悪夢だ。