3章-錯覚-
少し間が空いてしまい申し訳ありませんでした。
いろんな方々から多くの評価をもらい嬉しい限りです。
では3章、どうぞ
階段を下りた先では、いきなり試練が待っていた。
そこには、頭にはてなを数十個並べた妹憂がたっていた。
それもそうだろう、いきなり自分の家の2階から知らない女性が二人、しかもそのうち一人は背中に羽が生えているのだ。驚くのも無理はない。
俺は夏希に小声で
「おい、どうすんだよ、どう乗り切るんだよこの状況!」と怒りを含め耳元で言った。
すると夏希は
「安心してください」と呟き、
「お嬢様、迎えのお車がきております。さぁ、玄関へどうぞ。」
そういいながら、憂を玄関のほうへ促す。
ほへ?思わず間抜けな声が出そうだった。
憂はお嬢様でもなければお車なんぞに迎えられる筋もない。
憂はごくごく.普通の中学2年生だ。
そんな憂に車が来る必要がないだろ!と叫びかけたそのとき。
なんと、憂は、あぁそうだった、といった表情でこちらに笑みを見せ、
「じゃあ、行ってきます」と言い残し玄関を出て行ってしまった。
俺が驚き口をあんぐり開けていると、夏希がこちらへ戻ってきた。
「どうです?」と聞いてきたので
「どうです?じゃねえよ、なんだいまのは」と詰め寄ると
「憂さんは無事お嬢様になりました」
「なってねえよ!何を当たり前のように言ってんだ!」
「冗談です。憂さんには一時的に脳に錯覚を起こし、この場が納得できるように説得しました。」本当にできてるのか心配だ。
「憂の記憶はどうなる」
「ご安心を。記憶もちゃんと辻褄が合うようになります」こいつ、結構やり手だ。俺も騙されないように気をつけないと。
この後、俺のお母さんも見事に騙し、飯を無事に食い終えた。
飯の時は、俺とお母さんでチャンネルの喧嘩になったが、ここでも夏希の錯覚?を利用して、俺はお笑いをみて笑っているのに、お母さんは韓国ドラマで泣いているという何とも不思議な現象に見舞われた。
夏希の意外な能力炸裂ですw
僕にもこんな能力あったらなーって思う今日この頃。