死人の山
僕は、車を止め、エンジンを切った。辺りは暗闇に包まれ、風に靡く木々の葉の音以外聞こえない静寂だった。
「着いたぞ」
健は僕に小さな声で言った。
「ここは……」
僕は辺りを見渡した。知っている。この場所は僕も何度か訪れたことがある場所だ。人もいなく、星が綺麗なこの場所に、僕もよく女の子とこっそり来ることがある。
「ここが噂の場所だ」
噂。健は言った。
なんでも、この○○山は、死人の山とネットで騒がれているらしい。僕は、その場所がここだと知って、唖然とした。
二人で夕飯を食べにファミレスで食事をしていた時、急に健がそこへ言ってみないかと言われたときは、まさかこの○○山に来ることになるとは思わなかったから。
「この場所に、死体がいっぱい埋まっているんだ」
健の言葉に、僕はゾッとした。
「それも、女性ばかり…」
健の低い声が、車の中で響く。
「とある殺人鬼が、この場所で夜な夜な、女性を殺し、ここに埋めるんだ。まるで死体をコレクションにするかのように」
僕は恐怖した。健がなんでこんなにも詳しいのか…。
「何で知っているかって?」
僕の心を見透かすように、健は言った。
「それは…俺が殺人鬼だからさ!」
携帯を見ると、ネットのページが開かれ、○○山の噂が並んでいた。昔から人里離れた場所であるためか、そんな噂は山ほどあった。
死体の山。そんな噂もそのページに書かれている。こんなの、人を驚かすための作り話でしかない。
携帯を車の中に投げ捨てると、車の中にスコップを積み、さっきまであの開いていた、地面に目をやった。
「ごめんな。本当は女の子だけにしたかったんだけどね…」
そう呟いて、車に乗り込んだ後、ついさっきのことを思い出した。
「あいつが嘘つくからいけないんだ」
僕は車のエンジンをかけた。