たとえば。
たとえば、さ。
絵を描くには、何が必要かな。
デッサンだけでも、鉛筆と消しゴムは必須だね。
色をつけるとなったら、色鉛筆でも十分だろうし、絵具を使うと本格的になるかもしれない。
そうだ。紙やキャンバスの類いも必要かな。
はい、道具は用意できました。
じゃあ次は、何を描くかを考えないとね。
どうしたの?
すぐには浮かんでこない。ね。
そっか、そっか。
仕方のないことなんだ。
悩むのはよくあること。
この広くて真っ白なキャンバスに、
何を生み出そう、何を記そう、何を表現しよう、って。
とりあえず、何かを描いてみるといい。
思いつくものを、思いつくままに。
赤子が、何も考えずに落書きをするように。
さて。
何ができ上がったかな。
でき上がったそれは、君自身の写し鏡だよ。
君が今、表現することを求めているのは、それなんだ。
実感が湧かない?
そうかもしれないね。
でも、目の前に姿を現しているものは、まぎれもなく君自身の作品、君の分身だ。
実感があろうとなかろうと、ね。
技術の壁とやらを感じるのは、もうちょっと先のこと。
まずは基本を押さえて、たくさん絵を描いてみて、絵を楽しむことを覚えたらいい。
後になって、それはとても大切な体験になる。
きっと。
お読みいただきましてありがとうございました。
何はともあれ、楽しむことって大事です。ちょっと子供じみているかもしれませんけどね。