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神の手  作者: ろいろい
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第三話・集結(あまりしてほしくは無かった)

俺としては、いざ出発、みたいな感じで意気込んでいたんだが、


「あぁ、会議ならこの家でやるわ」


なんて言われてしまい、いきなり意気消沈だ。


すでにやる気は失せかけていたのだが、


「つーか!俺ん家!?」


どうにか持ち直した。


「そーよ?」


「おいおいおい!「集団」のバケモノ達がここに!?」


平気で人の家を壊すような奴らだ。絶対にお呼びしたくない。


だが。



 パタン、と。後ろから音が聞こえた。ドアの閉まる音。


恐る恐る振り返ると、茶髪の男が立っていた。


目は怖くは無かったが、静かな迫力に満ちている。脚はスラッとしていて、体も細身だ。


「おいおい。バケモノはひどいんじゃねえの?よう、結衣。・・・・・・コイツか?」


「うん」



おい、二人の視線が痛すぎる。


「ほー。なるほどなるほど。君が・・・・・・」


「あなたは?」


無理矢理話題を逸らす。


「あぁ、俺か。自己紹介が遅れた。俺は夜崎陸だ。朝夜の夜。崎は神崎とかのアレだ。陸は海と陸な。


いやあ、神の子孫、なんちゅうモンと対峙すんのはもう無くてもいいや、って思ってたんだが」


話題をもどされた・・・・・・。でも、さっきよりは親しみやすい。


「ま、俺は超能力者なんだけどね」


ニッコリと、そんなことをサラリと言われた。


「は?」


「いやね、うん。説明すっとだな・・・・・・俺は子供のころから超能力っつーモノが使えたんだよ。


で、今のお前と同じようにこの「集団」に勧誘されたわけだ。ついでに言っとくと、                                                        超能力者ってのは神の子孫よか全然たくさんいる。それぞれが固有の能力をもってるんだよ。                                                    ま、似てる系統もあるがな。ちなみに。俺の能力は空間移動系だ。                                                                俗に言う、テレポートってやつよ。だからこんなに早く来れたってわけ」


・・・・・・できれば来ないで欲しかったな・・・・・・。行く方がまだ気が楽だったのに。


「とりあえず、お茶でも飲みますか?」


「そうだな。あと、敬語は使わなくていいさ」


「お前も飲む?」


結衣にも聞いた。


「ん。頼む」



そうしてお茶を淹れて戻ってきたその時、今度は集団での来客だった。


「お!爺さん!遅かったじゃないか!」


夜崎が言う。


「フム、爺さん、とな?」


「あ、いや・・・・・・」


「成敗じゃッ!!」


首筋に手刀だふりおろされた。・・・・・・見えなかった・・・・・・。


「~~~~~~~~ッ!!」


夜崎が悶えてる・・・・・・。


「結衣。この人たちは?」


「お茶!」


・・・・・・お茶を渡してから、


「で?」


ずずっ・・・・・・・・・・・・。パァァァァァァァァァッ!!


いや、お茶でそんなに幸せそうにならんでも。


「夜崎。この人たちは?」


「あ、ああ・・・・・・この爺さ」グシャッ!!


「このお方は我らが「集団」のリーダー、竜宮玲児りゅうぐうれいじさんだ。俺は玲爺、もしくは


 爺さんと・・・・・・」


グッシャァァッッ!!!!!!


「お前は学ばぬ生物じゃの・・・・・・。初めまして、じゃ。少年」


握手を求めてきたので、とりあえずは握り返しておく。


「さて、わしの後ろにいるのは皆、我が同胞じゃ。5人いるが、内3人は超能力者、1人は魔術師じゃ。


 もう1人は・・・・・・ム?何処へ行った?」


「・・・・・・魔術師・・・・・・?」


「ああ、そうじゃよ。君のイメージとして、杖がどうの、ってあるじゃろうが。そのイメージで


 概ね正解じゃよ。ま、1人は後でにすろとして。ほれ皆。自己紹介せい」



1人1人自己紹介をしていった。その度に軽く会釈する俺。


まず。超能力者3人から。男2人、女1人だった。


男の1人は執事服だった。その服に、シルクハット。年は分からない、がかなり若い。


名前は錦戸治にしきどおさむ


もう1人の男は、ホストみたいだった。白いスーツ・・・・・・というか衣服のほとんどが白い。


ネクタイの黒がすごくアクセントになっている。


名前は相沢ルビー 


・・・・・・笑いそうになったのは内緒だ。まあ、銀髪だし。


女の方は結衣と同じくらいの年だ。髪型はボブ。茶髪。名前は


「海鳥朝美です!!!


ってすごいキラキラした目で言われた。今もこっちチラチラ見てるし。なんなんだろ・・・・・・?


魔術師の女の子はツインテールが印象的だった。髪の毛の色は青と、さらに印象的だった。


あんなのは見たことない。


笑顔で「ヨロシク!」って言われた。いやあ、感動した。美少女の笑顔。感動した。


結衣も見習うべきだな。と思ってチラッと見たら目が合った。


怒ったような真っ赤な顔でそっぽをむかれてしまった・・・・・・。


なんかショックだよ。



ここで俺は今まで抑えていた疑問を持ち出した。


「・・・・・・なんで俺が「神の子孫」だ、って分かったんですか?」


俺は爺さんに向かって聞いた。


答えは、開いていたドアの方から聞こえてきた。




  「俺の耳を使ったんだよ」


立っていたのは、1人の男。俺や結衣と同じくらいの年の。


だがこの少年には見覚えがあった。


昔、どこかで・・・・・・。


「忘れちゃったかな?」


思い出した。確か名前は・・・・・・


「龍か・・・・・・?」


少年は嬉しそうに口の端を吊り上げて、言った。


 「久しぶり」







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